埼玉大学の学校推薦型選抜|教養学部・教育学部の出願条件と日程、準備の時期(2027年度)

この記事は、埼玉大学の学校推薦型選抜を来年以降に考えている高1・高2の人と、その保護者の方に向けて書いています。今年の推薦を控えた高3の人が、日程と提出書類を最終確認する目的でも読めるようにしました。

取り上げるのは、学校推薦型選抜を実施している学部のうち、文系の受験生から相談の多い教養学部と教育学部の2つです。内容は、埼玉大学の公式サイトに掲載されている「令和9年度(2027年度)入学者選抜に関する要項」と「令和9年度特別選抜学生募集要項(総合型選抜・学校推薦型選抜)」、提出様式で確認したものだけを書いています。

埼玉大学の学校推薦型選抜はどの学部で行われているか

埼玉大学の2027年度の特別選抜は、総合型選抜と学校推薦型選抜に分かれています。学校推薦型選抜を行うのは教養学部・教育学部・理学部・工学部です。

ここで一つ注意があります。経済学部(昼間コース)は学校推薦型選抜ではなく、総合型選抜を実施しています。経済学部を推薦で考えていた人は、方式の名前を取り違えないようにしてください。学校長の推薦が必要な方式と、本人が出願する方式とでは、校内での手続きの流れがまったく違います。

学校推薦型選抜は、名前のとおり出身高校の学校長の推薦書が必要な入試です。公募制なので、指定校推薦とは違って全国の高校から出願できますが、そのぶん校内選考を通る必要があります。公募推薦と指定校推薦の違いは学校推薦型選抜(公募制・指定校制)の仕組みで整理しています。

2027年度の日程(出願から合格発表まで)

まずは全体の流れです。2027年度入試は2026年の秋から冬にかけて行われます。

項目 日程(2027年度)
出願期間 募集要項の日程表で確認してください
教養学部の選考日 Ⅰ型は11月21日(土)、Ⅱ型は11月21日(土)または22日(日)
教育学部の選考日 11月21日(土)・22日(日)(専修によって異なります)
共通テストを課さない募集単位の合格発表 12月8日(火)(入学手続は12月17日(木))
共通テストを課す募集単位の合格発表 2027年2月8日(月)(入学手続は2月15日(月))

ここで大事なのは、共通テストを課すかどうかで合格発表の時期が2か月近く変わることです。共通テストを課す募集単位では、11月の面接などを受けたあと、1月の共通テストまで勉強を続けなければなりません。年内に結果が出る入試だと思い込んでいると、冬の計画が崩れます。

もう一つ、2027年度から合格通知書や入学手続書類の送付が郵送からオンラインに変わり、推薦した学校長への合否の書面通知も廃止されると大学が公表しています。合否は本人が確認する形になるので、結果は自分で学校に伝えましょう。

出願はインターネット出願で、募集要項の冊子は配布されません。自分の受ける学部の出願期間、登録の手順、郵送書類の締め切りの扱いは、募集要項の日程表と「出願手続」の項で必ず確認してください。

教養学部の学校推薦型選抜(Ⅰ型・Ⅱ型)

募集人員と2つの型

教養学部(教養学科)の学校推薦型選抜は、Ⅰ型20名、Ⅱ型20名の2つの型に分かれています。違いは共通テストを使うかどうかです。

型 選抜の中身
Ⅰ型(20名) 共通テストは課さない。小論文(100点)と面接(100点)の合計200点で判定
Ⅱ型(20名) 共通テストを課す。面接と共通テストの総合点で判定

Ⅰ型は、小論文と面接の総合点の順に合否を決め、同点の場合は面接の点が高い人を上位にします。Ⅱ型は面接と共通テストの総合点の順で、同点の場合は共通テストの点が高い人を上位にします。どちらの型でも、学校長の推薦書・志望の理由・調査書が選抜の資料になります。Ⅱ型で使う共通テストの科目と配点は、募集要項の該当ページで必ず確認してください。Ⅱ型は、指定された科目を受験しないと失格になります。

推薦できる人数と出願の条件

教養学部は、1校につき1名しか推薦できません。同じ高校から教養学部を希望する人が複数いれば、校内で1人に絞られます。校内選考の時期は学校によって違うので、担任の先生には早めに意思を伝えておきましょう。相談の仕方は推薦の準備、学校の先生と塾にどう相談するにまとめました。

推薦対象者の条件として、高校の学習成績についての基準が募集要項に定められています。評定の数値基準や卒業年度の条件は、今回確認した公式資料から正確に読み取れなかったため、この記事には書いていません。募集要項の教養学部「推薦対象者」の項で必ず確かめてください。評定が年内入試でどう扱われるかは、下の「あわせて読みたい」の評定平均の記事も参考になります。

志望の理由(1200字以内)

教養学部の提出書類で一番時間がかかるのが「志望の理由」です。字数は1200字以内で、面接の資料にもなります。

様式では、Ⅱ型について「高等学校でどのように学んできたか」と「教養学部で学んでいる自分をどうイメージするか」に触れて書くよう求めています。Ⅰ型は「志望の理由を自由に書く」形式です。とはいえ、どちらの型でも面接の資料になるので、高校で何を学び、その延長で教養学部の何を学びたいのかをつなげて書いておくと、面接で説明しやすくなります。

1200字はかなり長い分量で、「幅広く学べるから」だけではすぐに書くことがなくなります。教養学部の公式サイトで学べる分野や授業の内容を確かめ、どの分野の、どの授業や先生の研究に関心があるのかまで調べておくと、内容が具体的になります。調べ方は志望理由書のための大学研究(シラバスと先生の研究)で紹介しています。

小論文と面接

Ⅰ型の小論文は、論理的な考察力、記述力、表現力などを見るものとされています。課題文を読んで自分の考えを述べる形式に慣れておくことが必要です。書き方の基本は小論文の書き方を見てください。

面接は、基本は個人面接ですが、志願者の数によっては集団面接になることがあります。複数の面接員が日本語で行い、グループディスカッションはありません。在学中の学習成果や課外活動、教養学部での勉学意欲などを総合的に評価するとされています。

面接では、提出した志望の理由をもとに質問されると考えてください。1200字のうち、どの一文について聞かれても自分の言葉で説明を足せるようにしておくことが一番の準備です。

教育学部の学校推薦型選抜(専修ごとの募集)

専修ごとに募集人員と共通テストの有無が違う

教育学部の学校推薦型選抜は、学校教育教員養成課程の専修ごとと、養護教諭養成課程で募集しています。専修によっては「全国枠」と「地域枠」に分かれています。

注意したいのは、専修ごとに募集人員も、共通テストを課すかどうかも違うことです。共通テストを課す専修では合格発表が2月になり、課さない専修では12月になります。同じ教育学部でも、専修によって準備の中身と冬の過ごし方が大きく変わります。

専修ごとの募集人員(全国枠・地域枠の人数)と共通テストの有無は、募集要項の「募集人員及び入学者選抜の日程」の表で、自分の志望する専修の行を確認してください。この記事では、表の読み違いを避けるため専修ごとの数字は載せていません。共通テストを課す専修は、必要な科目を受けなければ失格になります。必要な科目も募集要項の該当ページで確認してください。

地域枠とは

地域枠に出願する人は、「志望の理由②」という書類を追加で提出します。様式では、地域枠の対象を将来、埼玉県内の小学校教員または特別支援学校教員として教職に就くことを強く希望する人としています。字数は600字以内です。

地域枠を選ぶなら、「埼玉の先生になりたい」という気持ちを、学習支援に関わった経験など具体的な理由で説明できる必要があります。地域枠の細かい出願条件は募集要項の教育学部の項に書かれているので、全国枠と地域枠のどちらで出すかは、要項を読んだうえで担任の先生と相談してください。

選考の内容

教育学部の学校推薦型選抜では、推薦書・調査書・各種調書を使って総合的に評価します。そのうえで、

  • 面接はすべての専修で課す(専門分野への関心・知識・理解と、教職への強い意欲を確認)
  • 小論文は一部の専修で課す(思考力・理解力・表現力を確認)
  • 音楽・美術・保健体育の能力を見る実技検査を課す専修がある
  • 共通テストは専修によって課す

という組み合わせになっています。どの専修で小論文や実技があるかは、募集要項の教育学部「選抜方法」のページで専修ごとに確認してください。

養護教諭養成課程は2段階選抜で、第1次で推薦書・調査書・各種調書・小論文・面接をもとに、保健に関する知識・理解、思考力、表現力、学修意欲などを見ます。第1次の合格者は、第2次として共通テストを受けます。第1次の合格発表の日程は募集要項で確認してください。

提出書類(志望の理由・各種調書)

教育学部の「志望の理由①」は600字以内で、全国枠・地域枠のどちらでも、志望理由の提出を求める募集単位の人と養護教諭養成課程の人が出します。音楽専修は提出不要と様式に書かれています。地域枠の人は、これに加えて「志望の理由②」(600字以内)を出します。

ほかに、音楽専修を志願する人向けの「音楽実技検査に関する調書」、保健体育専修を志願する人向けの「スポーツ活動に関する調書」、図画工作・美術専修を志願する人のうち高校を卒業している人向けの「高等学校卒業後の経歴書」といった様式が公開されています。自分の専修でどの調書が必要かを、様式の一覧と募集要項で照らし合わせてください。

教育学部の推薦書には、学力の3要素について具体的な事実をもとに書く欄があります。つまり先生が書く推薦書でも、授業や活動での具体的な姿が求められています。普段の授業態度や提出物が、そのまま推薦書の材料になります。教育系の志望理由は、教員を目指すきっかけになった経験と、大学で学びたいことをつなげて考えるのが基本です。

学年別の準備の時期

今は11月初めで、2027年度の学校推薦型選抜は出願と選考の時期です。来年度(2028年度)の募集要項はまだ出ていません。大学が2026年8月に公表した2028年度入試の実施教科・科目等の予告では、教養学部・教育学部について特段の変更はないとされていますが、これは現時点の予定です。2027年度の内容をもとに準備を始め、来年度の要項が出たら必ず確認してください。

高1・高2のいま〜冬

まずは、志望する学部・専修が共通テストを課すかどうかを確認します。課す場合、推薦の準備と共通テストの勉強を並行することになるので、今のうちから主要教科の基礎を固めておくことが必要です。

次に、評定です。推薦対象者の条件に高校の学習成績の基準があるので、今の成績がそのまま出願できるかどうかに関わります。定期テストを一回ずつ大事にしてください。

あわせて、志望の理由に書く材料を集め始めます。教養学部なら関心のある分野の本や授業、教育学部なら子どもと関わる活動や、教員を目指すきっかけになった経験です。高2の冬からの動き方は高2の冬から始める推薦準備で詳しく書いています。

高2の3月〜高3の夏

大学のオープンキャンパスや学部の説明で、教養学部なら学べる分野の内容、教育学部なら専修ごとの授業や実習の様子を確かめます。この時期に、担任の先生に埼玉大学の推薦を考えていることを伝えておくと、校内選考の時期や必要な書類を早めに知ることができます。

夏休みには、志望の理由の下書きを作ります。教養学部の1200字は、最初から完成させようとせず、まず書きたいことを箇条書きで出してから文章にするほうが進みます。小論文が課される人は、夏から週1本のペースで書いて添削を受けると、秋までに形になります。

高3の9月〜11月

校内選考を通ったら、志望の理由を仕上げ、面接の練習に入ります。書類の準備は出願期間が始まる前に終えておくのが安全です。実技検査がある専修の人は、実技の練習も並行します。面接の練習方法は面接対策を参考にしてください。

今年受ける高3の人へ

出願の登録と郵送書類は、募集要項の手順どおりに進めてください。共通テストを課す型や専修の人は、11月の選考が終わったらすぐに共通テストの勉強に戻れるよう、計画を立てておきましょう。推薦の結果を待つ間も、一般選抜の準備は止めないようにしてください。

募集要項を読むときに見落としやすいところ

最後に、相談でよく見かける読み落としを挙げておきます。

一つ目は、学部ごとに推薦の条件が違うことです。教養学部は1校1名ですが、ほかの学部の推薦人数や評定の基準は別に定められています。教育学部の中でも、専修によって選考の内容が違います。必ず自分の受ける学部・専修のページを読んでください。

二つ目は、提出書類の字数と様式です。教養学部の志望の理由は1200字以内、教育学部は600字以内と、同じ大学でも分量がまったく違います。様式は毎年度更新されるので、必ずその年度の様式を使ってください。出願資格の読み方は募集要項の出願資格の読み方でまとめています。

埼玉大学を一般選抜も含めて考えている人は、下の「あわせて読みたい」にある埼玉大学の一般選抜の記事もあわせて読んでください。

参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

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二神大輝