この記事は、高1・高2で、2月〜3月の学年末テストに向けて11月から準備を始めたい人と、その保護者の方に向けて書いています。学年末テストは範囲が広く、しかも1年間の成績のまとめになるテストです。冬休みや受験勉強とぶつかる時期なので、何をいつやるかを先に決めておくと、慌てずに済みます。
EIMEI予備校の英語科で、毎年この時期に高1・高2の生徒と学年末の計画を立てている二神です。教室で実際に話している順番で書いていきます。
学年末テストがほかの定期テストと違うところ
学年末テストは、多くの高校で2月から3月の初めにかけて行われます。日程も範囲も学校ごとに違うので、まずは自分の学校の年間行事予定と、先生が発表する範囲を確認してください。そのうえで、ほかの定期テストと比べて違う点を3つ挙げておきます。
範囲が広くなりやすい
学校によっては、学年末だけ「後期の内容すべて」や「1年間の総復習」が範囲になります。そうでなくても、3学期は授業日数が少ないので、2学期の期末テスト後の内容と3学期の内容がまとめて出ることがよくあります。12月の期末テストの直後から、もう学年末の範囲は始まっていると考えておくと計画が立てやすくなります。
1年間の評定が決まるテストになる
学年末テストの結果は、その学年の最終的な評定(5段階の成績)に入ります。2学期までの成績が少し悪かった科目でも、学年末で取り返せる余地があります。逆に、ここで大きく崩れると、2学期までに積み上げた分があっても評定が下がることがあります。
次の学年の土台になる
高1の学年末範囲は、高2の授業がそのまま前提にする内容です。高2の学年末範囲は、高3で受験勉強を始めたときに最初に戻ってくる内容です。学年末テストの勉強は、そのまま受験の基礎の復習にもなっています。
評定と推薦の関係を、公式の資料から整理する
「学年末の評定は推薦にどれくらい関係するのか」という質問をよく受けます。ここは噂で判断しないほうがいいので、文部科学省が毎年出している「大学入学者選抜実施要項」から、確認できたことだけを書きます。今回見たのは、2027年4月入学の入試について定めた令和9年度の実施要項です。
調査書には全学年の成績が載る
大学は、出願する生徒に、在籍する高校が作成した調査書の提出を求めます。実施要項の様式では、調査書の「各教科・科目等の学習の記録」は第1学年からの欄があり、高校在学中の全学年について記入することになっています。評定は5段階で書かれ、すべての科目の評定を合計して評定の数で割った数値(小数第2位を四捨五入)が「全体の学習成績の状況」として載ります。これが、一般に「評定平均」と呼ばれているものです。
つまり、高1の学年末で付いた評定も、高2の学年末で付いた評定も、高3で出す調査書にそのまま載ります。「高1の成績は関係ない」ということはありません。
学校推薦型選抜は調査書を主な資料にする
実施要項では、学校推薦型選抜は調査書を主な資料としつつ評価・判定するとされています。ただし、調査書や推薦書だけで決めるのではなく、教科・科目の個別テスト、大学入学共通テスト、小論文・面接・プレゼンテーションなど、資格・検定試験の成績といった評価方法のうち、少なくともどれか一つを必ず使うことになっています。また、志望する分野への意欲や適性を見る面接も、原則として行うことになっています。
大学は、重要と考える教科・科目を指定して、一定以上の評定を出願の条件にすることもできると書かれています。「全体の評定平均が何以上」「英語の評定が何以上」といった条件がこれに当たります。具体的な数字は大学・学部ごとに違うので、気になる大学がある人は、その大学の募集要項で出願条件を確認してください。
出願は高3の秋なので、高1・高2の成績が大部分を占める
同じ実施要項では、学校推薦型選抜の願書受付は11月1日以降、総合型選抜は9月1日以降とされています。出願が高3の秋なので、調査書に載る成績の大部分は高1と高2のものになります。どの学期の成績までが評定平均の計算に入るかは、高校や大学の扱いによって変わることがあるので、学校の先生に確認しておくと安心です。
評定と年内入試の関係は評定平均と年内入試の記事でも詳しく書いています。推薦を考えていない人も、評定は一般選抜の出願や、志望が変わったときの選択肢を残すことにつながるので、取れるときに取っておくほうが得です。
11月〜2月の大まかな流れ
学年末テストが2月下旬にある学校を例に、4か月の使い方を表にしました。テストが3月にずれ込む学校は、全体を2週間ほど後ろにずらして考えてください。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 11月 | 2学期期末の準備。並行して、1学期・2学期中間の範囲で抜けている所を書き出す |
| 12月前半 | 2学期期末テスト。終わったら答案を見直し、間違えた問題を一冊にまとめる |
| 冬休み | 英語と数学の積み残しを埋める。学年末範囲の前半(2学期後半の内容)を先に固める |
| 1月 | 3学期の授業を毎週復習。課題・提出物を前倒しで進める |
| 2月前半 | 範囲発表を受けて、科目ごとの残りを確認。暗記科目に時間を移す |
| テスト2週間前〜 | 学校のワーク・プリントを2周目、3周目。間違えた問題だけを解き直す |
大事なのは、2月に入ってから全部をやろうとしないことです。範囲が広いテストは、最後の2週間だけでは回りきりません。11月から1月のうちに「もう一度やればできる状態」にしておき、2月は確認と仕上げに使う、という分け方をしてください。
科目ごとの準備の順番
全科目を同じように始めると、どれも中途半端になります。積み上げ型の科目を早く、暗記型の科目を後にという順番で進めるのが基本です。
英語:11月から、文法と単語を先に
英語は、前の単元が分かっていないと次の単元が読めない科目です。教科書の本文も、文法と単語が抜けていると、訳を覚えるだけの勉強になってしまいます。
11月から冬休みにかけては、その学年で習った文法の単元を一つずつ確認し、単語帳の学年範囲を固めることを先にやってください。教科書本文は、3学期に入ってから「本文を見て、文の構造を説明できるか」「日本語を見て英文に戻せるか」で確認します。定期テストの英語の勉強の仕方は、定期テスト英語の記事に手順をまとめています。
数学:冬休みに「解き直し」をまとめて
数学も積み上げ型です。高1なら数学Iと数学Aの、高2なら数学IIと数学Bの、その年の前半の単元が、後半の単元の前提になっています。学年末で範囲が広いときほど、前半の基本問題が解けるかどうかで点数が決まります。
おすすめは、冬休みに学校の問題集から「一度間違えた問題」だけを選んで解き直すことです。全部を解き直すと時間が足りません。印の付いた問題だけを、解答を見ずに最後まで解けるかを確認してください。3学期は、新しい単元を授業の週のうちに復習し、2月にまとめて解く量を減らしておきます。
国語:古文・漢文の文法を冬休みに、現代文は直前に
国語は、古文・漢文と現代文で準備の時期を分けます。古文の助動詞や敬語、漢文の句法は、覚えていないと本文が読めないので、冬休みのうちに文法事項を一通り確認しておきます。
現代文は、授業で扱った文章の要旨と、先生が強調した説明をノートで確認するのが中心です。これは内容を覚える要素が大きいので、テスト2週間前くらいからで間に合うことが多いです。漢字の範囲がある学校は、1月から毎日少しずつ進めてください。
理科・社会:2月に集中、ただし理解が必要な単元は先に
理科と社会は暗記の比重が高いので、テストに近い時期にやるほうが点数につながります。2月前半から時間を移してください。
ただし例外があります。化学の計算、物理の公式の使い方、地理の資料の読み取りのように、覚えるだけでは解けない単元は、冬休みのうちに一度理解しておく必要があります。直前にこの部分でつまずくと、暗記の時間まで削られてしまいます。授業で「よく分からなかった」と感じた単元だけを冬休みに書き出しておくと、何を先にやるかがはっきりします。
冬休みの使い方
冬休みは、学年末テストの準備のなかでまとまった時間が取れる唯一の期間です。ここでやることは、新しいことを先取りするより、抜けを埋めることです。
- 2学期期末テストの答案を全科目並べて、間違えた理由を「知らなかった」「覚えていたのに出てこなかった」「時間が足りなかった」に分ける
- 「知らなかった」ものから優先して、英語と数学を中心に埋める
- 学校の冬休みの課題は、年内に半分以上を終わらせる
- 年明けは、3学期の最初の授業の前に、学年末範囲の前半(2学期後半の単元)を一度復習しておく
冬休みの課題は、学年末テストの範囲と重なっていることが多いので、ただ提出するために解くのではなく、解けなかった問題に印を付けておくと、そのまま2月の復習リストになります。高2の冬休みについては、受験の準備も含めた使い方を高2の冬休みの使い方に書いています。
受験勉強との両立をどう考えるか
高2の冬になると、「学年末より受験勉強を優先したほうがいいのでは」と迷う人が出てきます。高1でも、早めに受験を意識して英単語や英文法を進めている人は同じ悩みを持ちます。
重なる部分は思っているより大きい
英語の文法、数学の基本問題、古文の文法は、学年末テストの範囲でもあり、受験の基礎でもあります。この3つは「学年末の勉強」と「受験勉強」を分けずに進めて大丈夫です。学校のワークで文法を固めることは、そのまま入試の長文を読む準備になります。
分けて考えるのは、テスト直前の2週間
重ならないのは、教科書本文の暗記、授業プリントの細かい内容、理科・社会の範囲の暗記です。これはテストのためだけの勉強になりやすいので、テスト前の2週間に限って、受験用の問題集はいったん止めて学校の勉強に集中する、という区切り方をすすめています。英単語のように毎日続けるものだけは、量を減らして続けてください。
学校の課題が多くて受験勉強の時間がまったく取れないという人は、学校の課題と受験勉強の両立も読んでみてください。課題をどう処理するかの具体的なやり方を書いています。
推薦を考えていなくても手を抜かないほうがいい理由
一般選抜だけで受けるつもりの人でも、学年末で範囲の基礎を固めておくと、高3の春に受験勉強を始めたとき戻る量が減ります。また、高3になって志望校や受け方を変えたいと思ったときに、評定が選択肢を狭めないようにしておくことにもなります。
高1と高2で意識を少し変える
高1:苦手科目を作らないことを優先する
高1の学年末は、初めての「1年分の範囲」のテストです。ここで苦手科目がはっきりしてしまうと、高2で文系・理系の選択や科目選びに影響します。苦手な科目ほど11月から少しずつ手をつけて、平均点より大きく下回らないことを目標にしてください。
高2:学年末が終わった日から高3が始まる
高2の学年末が終わると、春休みをはさんで高3です。学年末テストが終わった週から、受験に向けた勉強の比重を上げていきます。そのためにも、学年末の勉強で「高3で使う基礎」を固めておくという意識を持つと、テスト勉強の意味が変わってきます。秋から冬にかけての全体の過ごし方は、高1高2の秋にやることも参考にしてください。
2月のテスト直前にやること・やらないこと
範囲が発表されたら、科目ごとに「学校のワーク・プリント・教科書のうち、何をあと何回やるか」を書き出します。広い範囲を全部同じ回数やろうとすると終わらないので、一度できた問題は飛ばし、間違えた問題だけを繰り返すようにしてください。
直前にやらないほうがいいのは、新しい問題集に手を出すこと、夜遅くまでまとめノートを作り直すこと、苦手科目を完全に後回しにすることです。テスト期間中は、翌日の科目の確認を中心にしてください。
テストが返ってきたら、春休みのうちに間違えた問題を解き直しておきます。ここでの復習が、次の学年の最初の授業の理解につながります。
なお、学年末テストの日程・範囲・評定の付け方は、高校ごとに決められています。自分の学校の年間行事予定と先生からの発表を確認してください。
参考にした公式情報
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
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