【川越の塾が解説】学校推薦型選抜(公募制・指定校制)の仕組みと、校内選考までにやること

こんにちは、EIMEI予備校の二神です。

この記事は、川越とその周辺の高校に通っていて、学校推薦型選抜(公募制・指定校制)を考えている高2生・高3生と、その保護者の方に向けて書いています。制度として全国共通で決まっていることと、高校ごと・大学ごとに違うことを切り分けられるようにするのが目的です。

先にお断りします。指定校の枠がどこに何人あるか、校内選考の基準が何かは、高校ごとにまったく違います。制度で決まっている話ではないので、この記事では書けません。必ず先生に直接確認してください。

学校推薦型選抜は、制度としてどう定義されているか

大学入試の骨格は、文部科学省が毎年出す「大学入学者選抜実施要項」が定めています。学校推薦型選抜の定義は「出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料としつつ評価・判定する入試方法」。総合型選抜のほうは「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせる」です。主資料が違います。ここから学校推薦型だけに次の特徴が付いてきます。

  • 出願主体が自分だけではない。実施要項は「入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく」と書き、高等学校長が判断するとしています
  • 推薦書が必須。中身にも規定があり、「志願者本人の学習歴や活動歴を踏まえた学力の三要素に関する評価についての記載を求める」とされています
  • 募集人員の上限がある。学部等募集単位ごとの入学定員の5割を超えない範囲(附属高校長の推薦分を含む)

推薦書は「よい生徒です」という証明書ではなく、学力の三要素についての評価が書かれる文書だと制度は定めています。書くのは先生で、材料はあなたの学習歴と活動歴です。

日程も違います。総合型は出願9月1日以降・発表11月1日以降。学校推薦型は出願11月1日以降・発表12月1日以降で、さらに「一般選抜の試験期日の10日前まで」という上限が付きます。年内入試にはどんな種類があるのか

2027年度入試から、面接が必ず課される

2026年5月27日付の文部科学省通知が掲げる「主な変更点」の第1項が、「面接による評価を必ず行うこととしたこと」です。

必ず行うと定められているのは、ただの面接ではありません。「志望する学問分野に対する意欲や適性等に係る面接」。人柄を見る雑談ではなく、その学部で学べるかを見る場として設計されています。

しかも括弧書きが付きます。「面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む)」。討論もプレゼンも口頭試問も、制度上は別種の試験ではなく「面接」の中身です。

逆に言えば、募集要項に「面接」とだけ書かれていても中身が集団討論のことがあります。大分大学経済学部の学校推薦型選抜は「面接はグループによるディスカッション方式で行い」と要項に書いています。科目名だけで判断しないでください。年内入試の制度と面接|2027年度からの変更点

公募制と指定校制で、何が違うのか

ここがいちばん注意して読んでほしいところです。実施要項の中で公募制と指定校制の違いが書き分けられている箇所は、ほとんどありません。制度が区別しているのは、面接必須化の但し書き1か所です。

「ただし、高等学校との緊密な連携により……非公募型の学校推薦型選抜であって合格した際には入学することを入学志願者が確約して受験するものについては、大学の実情に応じて面接の要否を判断することができる。」

つまり指定校推薦のように高校と大学のあいだで対象者が絞られ、合格したら入学すると約束して受ける方式が例外にあたり、この場合だけ面接の要否を大学が決められます。

ただし早合点しないでください。「指定校だから面接はない」とは限りません。指定校推薦の合否判定方法を「口頭試問(面接)での総合的評価による合否判定」と明記している大学があります(成蹊大学)。指定校推薦・付属高校推薦・スポーツ特別のいずれも判定方法を「面接」としている例もあります(明治大学理工学部機械情報工学科)。

面接の性格が方式ごとに違うと読める例もあります。学習院大学は「選抜方法×学力の三要素」の記号つき表を公表しています。理学部の行を見ます。

  • 公募制/面接:知識・技能◎、思考力・判断力・表現力◎、主体性・協働◎(◎=非常に重要)
  • 指定校/面接試問:知識・技能は記載なし、思考力・判断力・表現力○、主体性・協働◎

同じ学部でも、公募制の面接は三要素すべてが「非常に重要」、指定校の面接試問は主体性・協働に寄っています。推測ではなく公表資料から読めることです。ただし1大学の例です。

一方、ここから先は制度の文書に書かれていません。指定校の枠が何人分あるか/校内選考の基準/校内選考の時期/公募制と併用できるか。すべて高校ごと・大学ごとの運用です。学校の先生と、志望校の募集要項で確認してください。

評定と専願は、制度が決めていない

「推薦は評定4.0以上」という言い方をよく聞きますが、そういう一律の基準は制度上ありません。実施要項が定めているのは「大学が重要と判断する教科・科目を指定し、単位修得や一定水準以上の具体的な評定の獲得を出願要件等として求めることができる」まで。基準を置くかどうかは大学の裁量で、置くなら募集要項に書かなければなりません。専願か併願かも同じで、実施要項に直接定める条文はありません。

とはいえ評定が軽いわけではありません。学校推薦型は調査書が主資料で、校内選考は高校の判断です。なお実施要項は「『3.各教科の学習成績の状況』だけではなく、調査書の他の記載事項も有効に活用する」とも定めています。評定平均の計算方法と、推薦で効いてくる時期

書類だけでは受からない仕組みになっている

「推薦は書類と面接だけ」という理解は、制度上は正確ではありません。実施要項の第6「評価方法」は5つに分かれます。①個別学科試験 ②共通テスト ③小論文・面接・実技検査等 ④資格・検定試験 ⑤志望理由書・活動報告書・調査書。

そして学校推薦型には「調査書・推薦書等の出願書類だけではなく、第6の1から4に掲げる評価方法のうち少なくともいずれか一つを必ず活用」とあります。「1から4」です。「1から5」ではありません。志望理由書や調査書は、この「少なくとも1つ」に数えられません。最低でも次の3層が重なります。

  1. 出願書類(調査書・推薦書)
  2. 面接(討論・プレゼン・口頭試問を含む。必ず行う)
  3. 第6の1〜4のうち少なくとも1つ(学科試験/共通テスト/小論文・面接・実技等/資格検定)

②の面接は③にも属するので、面接を課せば③を兼ねられます。ただしその面接は義務であって、おまけではありません。

校内選考までの逆算スケジュール

出願は11月ですが、その前に校内選考があります。時期は高校によって違い、夏から秋が通例です。逆算するとこうなります。

  1. 〜高3・1学期:評定を確保する。基準があるなら、それは1学期までの成績で決まる
  2. 夏〜秋:校内選考。ここを通らないと出願できない
  3. 〜10月:推薦書の材料を先生に渡す。学習歴と活動歴がその材料になる
  4. 11月1日〜:出願。提出書類のコピーを必ず残す
  5. 出願後:書類の棚卸し。一文ずつに問いを立て、説明できない箇所を潰す
  6. 試験2週間前:声に出す。1分版と3分版を用意し、人に聞いてもらう
  7. 前日:持ち物と形式の確認

注意が一つ。大学が募集要項を発表する期限は受験学年の12月15日までです。つまり高2のうちに読めるのは前年度の要項。下調べは前年度版で始め、出願年度の要項が出たら必ず読み直してください。そして3番、推薦書を書くのは先生ですが材料を出すのはあなたです。

出願書類と、当日の試験

面接で何を聞かれるかは、かなりの部分が出願の時点で決まっています。大学が「提出書類をもとに質問する」と明文で書いているからです。國學院大學観光まちづくり学部は「提出した書類を基に質疑を行い、的確に回答できるかも評価の対象となります」。読本ではこう明記する大学を5件確認しました。

さらに中央大学経済学部は評価の視点として10項目を公表していて、うち3項目が「整合性」です。採点されているのは要素一つひとつの立派さではなく、要素どうしのつながりです。①活動経験 → ②そこで見つけた問い → ③大学での学習計画 → ④将来構想を1本の線にしてください。つながらないときは、たいてい②が言語化されていません。志望理由書の書き方

当日については、椙山女学園大学が総合型選抜の講評で低く評価された点を名指しで公表しています。「原稿などに書き込まれた文章を読み上げるだけの志願者」「質問を理解できない、あるいは理解したけれども適切に受け答えができない志願者」「問題意識が曖昧で漠然としていたもの」。

「読み上げるだけ」は別々の学科で名指しされています。要項で「継続的な原稿の読み上げは不可」と定める大学もあります(久留米工業大学)。原稿は作ってから捨てるのが正しい順序です。推薦入試の面接で見られていること

学校推薦型を受ける人は、一般選抜の勉強をどこまで続けるか

いちばん相談の多いところです。一律の答えはないので断定はしません。ただ判断材料になる事実は制度と実例の側にあります。

一つめ。制度は「推薦だから学力は不要」とは言っていません。第6の1〜4の要件がそれで、令和9年度通知の変更点の第2項も「言語能力及び数理的思考力の育成に配慮することとしたこと」でした。

二つめ。実際に筆記が課される方式があります。学習院大学理学部の学校推薦型選抜(公募制)は、物理学科が「筆記試験/物理・数学(120分)、面接(物理学科教員による)」。共通テストを配点に組み込む方式もあります(大阪大学法学部は面接200点・共通テスト160点)。

三つめ。口頭試問型は、学科の中身を口で問われます。東京理科大学の総合型選抜は「志望理由等」と「数学に関する口頭試問」を別建てにし、化学科は実験実技まであります。志望理由を語る練習だけでは半分です。

四つめ。日程の構造です。学校推薦型の合格発表は一般選抜の試験期日の10日前まで。結果が出るのは一般選抜の直前期のただ中で、思わしくなければそこから合流します。

この4つが示すのは、推薦の準備と一般選抜の勉強は同じところで重なるということです。口頭試問は教科の基礎を口で説明できるかを問うものですし、筆記や小論文が課される方式では学力がそのまま点になります。東北学院大学文学部のように、評価観点に「英語力(コミュニケーション英語Ⅰ水準)」「日本語力(国語総合水準)での基礎的問題への回答能力」を並べる大学もあります。

ですから「推薦に絞るから一般はやめる」ではなく、どの科目が自分の受ける方式の得点や口頭試問に直結するかを募集要項から特定し、そこを軸に続けるほうが、どちらにも効きます。どこまで続けるかは志望校と校内選考の結果しだいで、個別に設計する部分です。

まとめ:確認できることと、先生に聞くこと

  • 実施要項で決まっている:出願11月1日以降/発表12月1日以降かつ一般選抜の10日前まで/推薦書は必須/募集人員は入学定員の5割以内/面接は原則必須/第6の1〜4のうち1つ以上が必ず課される
  • 募集要項で確認する:評定の基準の有無/専願か併願か/面接の形式・時間・配点/小論文や学科試験の有無
  • 高校の先生に確認する:指定校の枠と条件/校内選考の基準と時期/推薦書の材料をいつまでに渡すか

3つめは、この記事では書けない部分です。指定校の枠も条件も高校ごとに違い、学年が変われば枠自体が変わることもあります。早めに先生に聞いてください。

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EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

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