東京農業大学 一般選抜A日程・B日程と共通テスト利用Ⅰ〜Ⅲ期の違い|2027年度の日程と併願

この記事は、東京農業大学(東京農大)を一般選抜や共通テスト利用で受けようと考えている高校生・既卒生と、その保護者の方に向けて書いています。2027年度(2027年4月入学)の一般選抜A日程・B日程と、大学入学共通テスト利用選抜Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期について、大学の募集要項で確認できた日程と科目のしくみを整理し、最後に併願の組み方まで話します。

EIMEI予備校代表で英語科の二神です。東京農大には「同じ日に何学科でも併願できる」「科目は試験当日に選ぶ」という独特のしくみがあり、知らずに出願すると受けられた学科を見落としがちです。

東京農大の一般入試は「一般選抜」と「共通テスト利用選抜」の2本立て

2027年度の東京農大で、学力試験を中心に合否を決める入試は大きく2つです。大学独自の試験を受ける一般選抜(A日程・B日程)と、共通テストの得点で判定する大学入学共通テスト利用選抜(Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期)です。対象は農学部、応用生物科学部、生命科学部、地域環境科学部、国際食料情報学部、生物産業学部の6学部23学科です。

日程の全体は次のとおりです。

方式 出願期間/試験日/合格発表
一般選抜A日程 出願 2027年1月4日(月)〜1月25日(月)
試験 2月3日(水)・4日(木)・5日(金)
発表 2月12日(金)10時
一般選抜B日程 出願 2027年2月1日(月)〜3月1日(月)
試験 3月3日(水)
発表 3月10日(水)10時
共通テスト利用Ⅰ期(4・3・2科目型) 出願 2027年1月4日(月)〜1月25日(月)
共通テスト 1月16日(土)・17日(日)
発表 2月12日(金)10時
共通テスト利用Ⅱ期(3科目型) 出願 2027年2月1日(月)〜2月26日(金)
発表 3月10日(水)10時
共通テスト利用Ⅲ期(3・2科目型) 生物産業学部のみ
出願 2027年3月1日(月)〜3月11日(木)
発表 3月17日(水)10時

この表を見て気づいてほしいのは、A日程と共通テスト利用Ⅰ期は出願期間も合格発表日も同じだということです。そして、B日程と共通テスト利用Ⅱ期も合格発表が同じ3月10日です。東京農大の入試は「2月12日発表組」と「3月10日発表組」の2つの山があると考えると、全体がつかみやすくなります。

なお、生物産業学部(北海道オホーツクキャンパス)の共通テスト利用選抜は、前期・後期の2回から、2027年度はⅠ期・Ⅱ期・Ⅲ期の3回に変わりました。

一般選抜A日程:3日間から選べる、3科目300点

試験日と試験会場

A日程の試験日は2月3日(水)・4日(木)・5日(金)の3日間で、どの日を受けるかは自由に選べます。最大で3日間すべてを受けることもできます。同じ学科を3回受けても、日によって違う学科を受けてもかまいません。合否は試験日ごと・学科ごとに判定されます。

試験会場は全国18会場です。関東では水戸、宇都宮、大宮、津田沼、池袋、立川、横浜、世田谷キャンパスがあります。埼玉県西部の人なら、大宮か池袋、または世田谷キャンパスが現実的な選択肢になるでしょう。会場は出願のときにWEBで選び、試験日ごとに変えることもできます。ただし定員に達した会場は選べなくなり、募集要項にも首都圏の一部会場は例年満席になりやすいと書かれているので、受けると決めたら早めに出願しておくのが安心です。

時間割と配点

時間割はA日程・B日程とも共通で、次のとおりです。

時限 時間と科目
1時限 10:00〜11:00 指定科目(100点)
2時限 11:30〜12:30 選択Ⅰ(100点)
3時限 13:30〜14:30 選択Ⅱ(100点)

3科目それぞれ60分・100点で、合計300点満点です。指定科目は全学科共通で外国語(英語)です。集合は9時30分です。

選択Ⅰ・選択Ⅱは「試験当日に」選ぶ

東京農大の一般選抜でいちばん特徴的なのがここです。選択Ⅰ・選択Ⅱは、学科ごとに指定された科目(募集要項の表で●がついた科目)から1科目ずつ、試験当日にその場で選びます。事前に科目を届け出る必要はありません。各時限には全学科分の問題が配られ、受験者が自分で選んで解く形です。

便利な反面、注意点もはっきり書かれています。受ける学科が選択可能としていない科目を解いた場合、その学科の合否判定の対象になりません。さらに、複数の学科を併願する場合は、選択Ⅱで各学科が指定する科目を受けていることが条件になります。

出願前に、募集要項の「選抜科目」の表で、自分が受けたい学科それぞれの●を横に並べて見比べてください。理科で受ける人なら、志望学科すべてで自分の理科科目に●がついているかを確認します。地歴・公民で受けたい人は、そもそもその科目を選択Ⅱに置いている学科がどこかを最初に確かめる必要があります。

出題範囲で気をつけたいこと

募集要項の注記で、出題範囲について次の3点が示されています。

  • 英語は筆記試験のみ。英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲが範囲です。リスニングはありません。
  • 国語は現代の国語と言語文化が範囲で、古文・漢文は除かれます。
  • 数学は、数学Bは数列、数学Cはベクトルが範囲です。

古典に時間を割けない人には国語が選びやすく、数学を選ぶ人は数学Cのベクトルまで準備が要ります。

一般選抜B日程:3月3日の1日だけ

B日程は3月3日(水)の1日だけです。科目の構成と時間割はA日程と同じで、英語+選択Ⅰ+選択Ⅱの3科目300点です。出願期間は2月1日(月)から3月1日(月)までと長く、A日程の合格発表(2月12日)を見てから出願を決められます。

会場はA日程より少なく10会場です。首都圏は大宮、津田沼、横浜、世田谷キャンパスで、池袋と立川はB日程にはありません。埼玉県西部からだと大宮か世田谷キャンパスになります。

学科ごとの募集人員は募集要項に載っているので、志望学科の人数を確かめておいてください。東京農大を第一志望・第二志望に置くなら、本命はA日程の3日間で取りにいくという組み立てが基本になると私は考えています。

共通テスト利用選抜:Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期の違い

期ごとの科目型

期 科目型(満点)
Ⅰ期 4科目型(800点)・3科目型(600点)・2科目型(400点)
Ⅱ期 3科目型(600点)
Ⅲ期(生物産業学部のみ) 3科目型・2科目型

4科目型はⅠ期だけです。また、Ⅰ期の2科目型は醸造科学科と地域創成科学科では実施されません。同じ学科に別の科目型で出願することもでき、その場合は科目型ごとに合否が出ます。

得点の換算と「得点上位○科目」

  • 英語はリーディング100点とリスニング100点の合計200点満点。
  • 国語は「近代以降の文章」(110点)を範囲とし、200点満点に換算。古文・漢文は使いません。
  • そのほかの100点満点の科目は、200点満点に換算。

英語はリスニングもリーディングと同じ重さで入ります。一般選抜の英語が筆記のみなのとは対照的なので、共通テスト利用を併用する人はリスニングを捨てないことが前提です。

学科ごとの利用科目には「英語必須」「国語・数学から得点上位1科目」「理科から得点上位1科目」のように、必須科目と、指定された科目群から高得点の科目を採用する指定が組み合わされています。どの学科でどの組み合わせになるかは学科ごとにかなり違うので、募集要項の学科別の表を、自分が共通テストで受ける科目と一行ずつ照らし合わせてください。指定された科目を受けていないと判定の対象になりません。

特待生の制度

Ⅰ期の4科目型の合格者のうち、成績が優秀な人は特待生として認定されると募集要項に書かれています。国公立と併願する人は検討する価値があります。

学部・学科ごとの科目選択の考え方

東京農大の23学科は、一般選抜の選択Ⅰ・選択Ⅱで選べる科目の幅が学科ごとに違います。募集要項の選抜科目表を見ると、選択科目には国語、数学、理科(物理・化学・生物と各基礎)のほか、選択Ⅱには日本史探究・世界史探究・地理探究・公共・政治・経済などの地歴・公民も並んでいますが、どの科目に●がついているかは学科ごとに違います。自分の受けたい学科で選べる科目は、2027年度の募集要項の表で確認してください。

科目選びの手順としては、次の順番をすすめています。

  1. 行きたい学科を3〜5つ書き出す。
  2. 募集要項の選抜科目表で、それぞれの学科の選択Ⅰ・選択Ⅱの●を確認する。
  3. 自分が使える科目(例:国語と生物、数学と化学)で、全部の学科の条件を満たせるかを見る。
  4. 満たせない学科がある場合は、その学科を別の日に受けるか、科目を変えるかを決める。

3つ目の段階で引っかかったときに、A日程の「3日間から選べる」しくみが生きてきます。1日に併願する学科は選択Ⅱの条件をそろえる必要がありますが、日を変えれば別の科目で別の学科を受けられます。たとえば、ある日は生物で理科系の学科をまとめて受け、別の日は地歴・公民を選べる学科を受ける、といった組み方です。

理科をどの科目で受けるか迷っている高1・高2の人は、理科の科目選びの記事も参考にしてください。農学・生命科学系の学部全体の特徴や、他大学の似た学部との比べ方は農学・生命科学系の学部の記事で書いています。

東京農大の併願の組み方

A日程は「1日に何学科でも」と「3日間」を両方使う

A日程は1日に最大23学科まで併願できると募集要項に書かれています。同じ日の2学科目以降は検定料も割り引かれます。同じ答案で第一志望の学科と、近い分野の学科をまとめて出すのが基本形です。

そのうえで、3日間のうち何日受けるかを決めます。どの日も科目の構成と時間割は同じです。2日以上受けると、1日目で時間配分に慣れた状態で2日目に臨めます。ただし2月上旬は私大の試験が集中するので、他大学との重なりは必ず確認してください。

共通テスト利用Ⅰ期は、自己採点を見てから出せる

Ⅰ期の出願締切は1月25日(月)で、共通テスト(1月16日・17日)のあとです。自己採点の結果を見てから、出願する学科や科目型を決められます。出願書類(志願確認票と調査書)は郵送が必要で、締切日の消印まで有効です。調査書は早めに学校に発行を頼んでおきましょう。

Ⅰ期で合格を持っておけると、A日程の受け方を少し攻めに変えることができます。共通テスト利用の考え方全般は共通テスト利用入試の記事で書いています。

2月12日の発表後:B日程とⅡ期

A日程とⅠ期の結果は2月12日(金)10時に出ます。ここで思うような結果が出なかった場合の選択肢が、B日程(出願は3月1日まで)と共通テスト利用Ⅱ期(出願は2月26日まで)です。どちらも合格発表は3月10日です。

2月中旬以降も東京農大を狙うなら、Ⅱ期とB日程は両方出せるので、片方にしぼる理由はあまりありません。

入学手続の日程にも注意が必要です。A日程とⅠ期の合格者は、2月12日〜25日に一括で納めるか、延納を使って一部を2月26日〜3月10日に納めるかを選べます。また共通テスト利用選抜の募集要項には、手続後に別の学科に合格した場合に納付金を流用できる場合があると書かれています。条件は募集要項で確認してください。

生物産業学部の検定料免除

2027年度から、一般選抜・共通テスト利用選抜で全23学科のうち1学科以上に出願すると、生物産業学部4学科(北方圏農学科、海洋水産学科、食香粧化学科、自然資源経営学科)の入学検定料が免除される制度ができました。北海道オホーツクキャンパスで学ぶことを前向きに考えられる人なら、世田谷や厚木の学科と合わせて出願しておく選択肢があります。

他大学とどう組み合わせるか

東京農大のA日程は2月3日〜5日、B日程は3月3日です。東京農大を第一志望にする人は2日以上、すべり止めや同レベルの併願として受ける人は1日、というのが一つの目安です。

私大の日程の並べ方の手順は私大入試の日程の組み方の記事に、併願校そのものの選び方は併願校の決め方の記事にまとめています。

時期ごとにやっておくこと

  • 11月〜12月:募集要項の選抜科目表で、志望学科の選択Ⅰ・選択Ⅱの●を確認し、自分の科目で受けられる学科の一覧を作る。大学が公開している過去問で、志望学科で使う科目の問題を1年分解いてみる。
  • 1月上旬:調査書の発行を学校に頼む。A日程の受験日と会場を決める(出願は1月4日から)。
  • 1月18日〜25日:共通テストの自己採点を見て、Ⅰ期の学科と科目型を決めて出願。A日程の出願もこの週が締切です。
  • 2月3日〜5日:A日程。英語60分、選択Ⅰ60分、選択Ⅱ60分の流れに体を慣らしておく。
  • 2月12日以降:結果を見て、Ⅱ期(2月26日締切)とB日程(3月1日締切)の出願を判断。手続の延納期限も確認。

東京農大は英語が全学科で指定科目なので、英語の60分で安定して点を取れるかどうかが、どの学科を受ける場合でも土台になります。

参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

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この記事を書いた人

二神大輝