この記事は、大学受験を考えている高校2年生と、その保護者の方に向けて書いています。高2の冬休みは、受験学年に入る前に自由に使えるまとまった時間としては、ほぼ最後の機会です。川越・ふじみ野・鶴瀬周辺の高校に通う生徒さんと面談していても、「何となく課題をこなして終わった」という声をよく聞きます。ここでは、冬休みの日数から逆算した1日と1週間の組み立て、英語・数学・国語のどこを仕上げるか、志望校の過去問と入試要項を一度見ておく手順、学年末テストへのつなぎ方を、私大志望・国公立志望の違いも含めて具体的にまとめます。
まず、冬休みが実際に何日あるかを数える
最初にやってほしいのは、自分の学校の終業式と始業式の日付から、使える日数を数えることです。冬休みの長さは学校によって違いますし、講習や部活、年末年始の家の予定で、勉強に使えない日も出てきます。
カレンダーに次の3種類の日を書き分けてみてください。
- まるごと使える日:予定がなく、自分で時間を決められる日
- 半分使える日:学校の講習、部活、外出などで午前か午後がふさがる日
- 使えない日:年末年始の行事や帰省などで、勉強はほぼできない日
たとえば冬休みが14日あっても、使えない日が3日、半分の日が4日なら、実際に勉強に充てられるのは「まるごと7日+半日4日」です。この数字を出してから計画を立てると、最後に「こんなに残った」とならずに済みます。計画を立てること自体が苦手な人は、勉強の計画が立てられないときの考え方も先に読んでおくと進めやすいと思います。
高2の冬休みを、受験の中でどう位置づけるか
高2の冬は、受験の準備として見ると「基礎の穴を見つけて埋める最後の落ち着いた時期」です。高3になると、学校の授業は演習寄りになり、模試も増え、春から夏にかけて志望校の対策に時間を取られます。そこで基礎の抜けが見つかると、戻って埋める時間を作るのがかなり大変です。
逆に言えば、この冬休みで新しい参考書を何冊も始める必要はありません。今までに学校で習った範囲のうち、受験で使う教科の土台を固めることが中心です。学年ごとの全体の流れは学年別の受験ロードマップにまとめているので、そちらで高3の1年の動きを一度見てから、この冬に何をするかを決めるとずれにくくなります。
1日の組み立て方
まるごと使える日は、時間ではなく「ブロック」で考えるのがおすすめです。1ブロックを60〜90分くらいにして、1日に何ブロック取れるかを決めます。
| 時間帯 | やること(例) |
|---|---|
| 午前のブロック1 | 数学:教科書レベルの例題を自力で解き直す |
| 午前のブロック2 | 英語:英文法の単元を1つ、問題集で確認 |
| 午後のブロック3 | 英語:長文を1題読み、知らなかった単語と構文を書き出す |
| 午後のブロック4 | 国語:古文の文法か、現代文の問題を1題 |
| 夕方〜夜のブロック5 | 学校の課題、または今日まちがえた問題のやり直し |
| 寝る前の短い時間 | 英単語・古文単語の確認 |
大事なのは、頭を使う教科を時間のある前半に置き、暗記や見直しを後半に回すことです。毎日まったく同じ順番でなくてかまいませんが、「何時から何をやるか」を前の晩に決めておくと、朝の立ち上がりが早くなります。
半分しか使えない日は、ブロックを2つか3つに減らし、英単語と前日のやり直しだけは残すようにします。毎日ゼロにしない教科を1つ決めておくと、休み明けに感覚が戻らないということが起きにくくなります。
1週間の組み立て方
1週間単位では、6日で進めて、1日で取り返す形にしておくと崩れにくいです。予定どおりに進まない日は必ず出てきます。最初から全部の日を埋めてしまうと、1日遅れただけで計画全体が回らなくなります。
- 週のはじめ:この週に仕上げる範囲を教科ごとに1行で書く(例:「数学:二次関数の最大最小を教科書の例題レベルまで」)
- 平日にあたる日:1日の組み立てに沿って進める
- 週の最後の1日:遅れた分を取り返し、その週にまちがえた問題をもう一度解く。解けなければ翌週の最初に回す
冬休みが2週間前後なら、1週目は「穴を見つける週」、2週目は「見つけた穴を埋めて、学年末テストの範囲に橋をかける週」と考えると、全体がまとまりやすくなります。
英語:英文法の抜けを埋めて、長文に入れる状態にする
英語でこの冬にやるべきことは、英文法の抜けを見つけて埋めることと、単語を止めないことの2つです。長文読解は高3になってからでも量を増やせますが、文法があやふやなまま長文を読み続けても、なぜ読めないのかが分からないままになります。
進め方の一例です。
- 手元の文法問題集の目次を見て、単元ごとに「自信がある/あやしい/分からない」の印をつける
- 「あやしい」「分からない」の単元だけを、解説を読んでから問題を解き直す
- 特に、時制、関係詞、分詞・分詞構文、仮定法、比較は、長文の読みに直接かかわるので優先する
- 長文は1日1題程度にして、読めなかった文を1つ選び、主語と動詞に印をつけて構造を確認する
どこから手をつけるか迷う場合は、英文法の抜けの埋め方で、抜けの見つけ方を具体的に書いています。
英単語は、新しい単語帳を始めるより、今使っている1冊を最後まで一周させるほうを優先してください。冬休み中に一周できると、高3の春から二周目に入れます。
数学:高1から高2の範囲の「例題レベル」を自力で解ける状態に
数学は、高2の冬の時点で範囲の進み方が学校によってかなり違います。そのため、「今まで習った範囲の、教科書の例題レベルを、解答を見ずに解けるか」を基準にしてください。
- 教科書か学校で配られている問題集の例題を、単元ごとに数問ずつ選んで解く
- 解けなかった問題だけに印をつけ、解説を読んだあと、翌日もう一度何も見ずに解く
- 二次関数、三角比、場合の数と確率など、高1の範囲であやしいところがあれば、ここで戻る
共通テストの数学は、数学①(『数学Ⅰ,数学A』または『数学Ⅰ』)と数学②(『数学Ⅱ,数学B,数学C』)に分かれています。今の高2が受ける令和10年度の試験も、大学入試センターの公表ではこの形で、それぞれ70分・100点です。高1の範囲がそのまま数学①につながるので、文系で数学を使う人も、ここを冬に固めておく意味は大きいです。
新しい難しい問題集に手を出すより、解けなかった問題を、解けるまで繰り返すほうが、この時期は力になります。
国語:古文の文法と単語、現代文は「根拠を探す読み方」
国語は後回しにされやすい教科ですが、高2の冬に少しでも手を入れておくと、高3で楽になります。
古文
古文は、助動詞の意味と活用、古文単語の2つが土台です。学校で一通り習っていても、問題を解くときに使えない状態だと、高3になってから読解の練習に入れません。冬休みのうちに、助動詞の表を何も見ずに書けるかを確かめ、書けないものをその場で覚え直してください。
漢文
漢文を入試で使う予定があるなら、返り点と基本的な句形(否定・疑問・反語など)を確認しておく程度で十分です。使うかどうかは志望校で変わるので、次の章の手順で確認してからにしましょう。
現代文
現代文は、問題を1題解くごとに、選んだ答えの根拠が本文のどこにあるかを線で示す練習をしてください。点数よりも、根拠を探す習慣をこの時期に作るほうが大事です。
共通テストの国語は90分・200点です。時間の長い試験なので、高3で過去問に入る前に、読むこと自体に慣れておくと安心です。
志望校の過去問と入試要項を「一度だけ見ておく」手順
高2の冬休みには、志望校の過去問を解くのではなく、「見る」ことをおすすめしています。解いても今の段階では点にならないことが多く、落ち込むだけになりがちです。目的は、何が出るのかを知って、今の勉強の方向が合っているかを確かめることです。
- 大学の公式サイトの入試情報ページを開く:一般選抜の方式・日程の一覧を見て、自分が受けそうな方式を1つか2つ選ぶ
- 募集要項や入試ガイドで、試験科目を確かめる:英語・国語・数学のどれが必要か、選択科目に何があるか、共通テストを使う方式があるか
- 過去問を1年分だけ、時間を計らずに眺める:大問がいくつあるか、長文の長さ、記述があるか、マークだけか
- 気づいたことを3行で書く:「英語は長文が中心で文法問題は少ない」「数学は記述」など
- この冬の計画と比べる:書いたことと、今やっていることがずれていれば、冬休みの後半で少し調整する
入試要項を見るときに注意してほしいのは、今公開されているのは、今の高3が受ける年度の情報だということです。高2の皆さんが受けるのは翌年度の入試なので、方式や科目が変わることもあります。数字を覚える必要はなく、「どの科目が必要か」の大枠をつかめれば十分です。正式な内容は、高3になってから自分の受ける年度の募集要項で確認してください。
調べる項目の全体像は志望校が決まったら調べることにまとめています。過去問に本格的に取り組むのは、高3で基礎がそろってからで十分です。
共通テストの日程を、自分の年度で確かめておく
共通テストは、大学入試センターが実施しています。今の高3が受ける令和9年度の試験は、本試験が2027年1月16日(土)・17日(日)です。今の高2の皆さんが受ける令和10年度の試験は、本試験が2028年1月15日(土)・16日(日)と公表されています。
出題教科は、国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語、情報です。英語はリーディング(80分・100点)とリスニング(100点。試験時間60分のうち解答時間は30分)に分かれています。
この日付をスマホのカレンダーや手帳に入れておくと、高2の冬休みが本番の約1年前だということが実感できると思います。「あと1年」を具体的な日付で持っておくだけでも、冬休みの過ごし方は変わってきます。
私大志望と国公立志望で、冬休みの重心はどう変わるか
私大志望の場合
私大の一般選抜は、方式によって違いますが、文系なら英語・国語に選択科目、理系なら英語・数学・理科の組み合わせが多く見られます。科目数が絞られるぶん、英語の比重が大きくなりやすいので、この冬は英語の文法と単語にいちばん時間を割いてください。
選択科目(日本史・世界史・地理・政治経済や、理科)は、高3になってから本格的に始めても間に合わせやすい科目もありますが、学校で習った範囲を冬休み中に一度読み返しておくと、高3での負担が減ります。
国公立志望の場合
国公立大学の多くは、共通テストで幅広い教科を課し、そのうえで大学ごとの個別試験(二次試験)を行います。必要な教科が多いので、苦手教科を放置できないのが私大志望との大きな違いです。
この冬は、英語・数学・国語の土台に加えて、理科や社会、情報のうち、今いちばん手薄なものを1つ選び、教科書の範囲を一通り見直す時間を週に数ブロック取っておくのがおすすめです。どの教科がどれだけ必要かは大学・学部で違うので、前の章の手順で確認してください。
まだ決めていない場合
私大か国公立かまだ決まっていない人は、英語・数学・国語の3教科の土台を固めることを優先してください。どちらに進んでも使う力なので、冬休みの時間を無駄にしません。
学年末テストとのつなぎ方
冬休みが明けると、少し先に学年末テストがあります。高2の学年末は、評定にかかわるだけでなく、高2の内容を最後にまとめて確認できる機会でもあります。冬休みの勉強と切り離さずに考えると、効率がよくなります。
- 冬休みの後半に、学年末テストの範囲の予想を立てる:3学期に何を習うか、授業の進み方から見当をつける
- 2学期の内容のうち、学年末にも出そうな単元は、冬休みに受験用として仕上げておく:数学や英文法は、そのまま両方に使える
- 休み明けの1〜2週間は、学校の授業の復習を毎日少しずつ:テスト直前にまとめてやるより、負担が分散する
学年末テストの直前は、受験勉強をいったん減らしてテスト勉強に寄せてかまいません。ただ、英単語など毎日の分だけは続けると、テスト後にまた受験の勉強に戻りやすくなります。
中高一貫校に通っている人へ
中高一貫校では、高2の時点で高3の範囲に入っている学校もあります。その場合、学校の進度に合わせて冬休みの課題も重くなりがちです。学校の課題を先に終わらせる日を2〜3日決めて、そのあとを自分の苦手の補強に使う、というように日にちで分けると両立しやすくなります。詳しくは中高一貫校の高1・高2の過ごし方も参考にしてください。
冬休みが終わったときに残っていてほしいもの
冬休みの最後の日に、次の3つが手元にあれば、この冬は十分に使えたと考えてよいと思います。
- 英語・数学・国語それぞれの、「まだ解けない問題」の一覧(これが3学期と春休みにやることになります)
- 志望校の試験科目と、過去問を見て気づいたことの3行メモ
- 共通テストの本試験の日付が入ったカレンダー
全部を完璧にする必要はありません。予定どおりにいかない日があっても、週の最後の1日で取り返せれば問題ありません。もし気持ちがつらい状態が続くときは、一人で抱え込まず、学校の先生や保護者、専門の窓口に相談してください。
あわせて読みたい
参考にした公式情報
- 大学入試センター「令和10年度試験」
- 大学入試センター「令和10年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト 出題教科・科目の出題方法等」(PDF)
- 大学入試センター「令和9年度試験」
- 大学入試センター「令和9年度 受験案内 A 試験概要」(PDF)
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
EIMEI予備校について
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