この記事は、武蔵大学を一般選抜で受けようと考えている高校3年生・既卒生と、その保護者の方に向けたものです。2027年度入試から武蔵大学の一般方式は名前と日程が変わり、「全学部統一型」「個別学部併願型」という言い方では調べにくくなりました。新しい4つの型の違いと、どう組み合わせて受けるかを、武蔵大学の公式の入試ガイドで確認した内容をもとに整理します。
江古田にある武蔵大学は、1回の試験で全学部に出願できる仕組みがあり、成成明学獨國武の中でも併願に組み込みやすい大学です。日程の重なりも含めて、早めに形を決めておくと出願の時期に慌てずにすみます。
2027年度から方式の名前が変わりました
まず押さえておきたいのは、2027年度入試では「個別学部併願型」がなくなり、「3科目型」に置き換わったことです。武蔵大学が出している「2027年度入学者選抜の変更等に関する予告」では、旧名称と新名称の対応が次のように示されています。
| 2027年度の名称(試験日) | 2026年度までの名称 |
|---|---|
| 2科目型(2月2日) | 全学部統一型 |
| 2科目グローバル型(2月2日) | 全学部統一グローバル型 |
| 3科目型(2月4日) | 個別学部併願型(2月4日・7日) |
| 3科目グローバル型(2月5日) | 新設 |
予告では「全学2科目型」「全学3科目型」のように「全学」を付けた書き方、入試ガイドでは「2科目型」「3科目型」と書かれています。どちらも同じ方式を指しています。
これまでの個別学部併願型は、2月4日と2月7日の2日程で行われていました。2027年度の3科目型は2月4日の1日だけで、全学部・全学科・全専攻に出願できる形になります。先輩の話や古い資料で「武蔵は7日にも受けられる」と聞いている人は、ここで考え直してください。
一般方式の4つの型の違い
一般方式はどの型も、全学部・全学科・全専攻が同じ問題・同じ日程です。大学に来て受験し、1科目60分、解答はすべてマーク方式です。1回の受験で複数の学部・学科・専攻に出願できます。
科目の「選択」は、世界史・日本史・政治経済・数学から1科目です。出願時に届け出る必要はなく、試験当日に選べます。ただし数学が必須の学科・専攻を受けるときは、数学を受ける必要があります。
2科目型(2月2日)
英語・選択・国語のうち2科目で判定します。経済学部・人文学部・社会学部の多くの学科では各100点、満点200点です。
この型の特徴は、3科目すべて受験した場合は高得点の2科目で判定されることです。英語が安定している人でも、当日の出来には波があります。3科目受けておけば、崩れた1科目を外してもらえる形になります。社会学部の情報社会デザイン専攻だけは、2科目型の科目が英語・数学・国語からの2科目です。
2科目グローバル型(2月2日)
当日に英語の試験はありません。大学が指定する英語資格・検定試験(4技能)のスコアを得点に換算し、当日の選択または国語の1科目と合わせて判定します。多くの学科では英語150点+1科目100点の満点250点です。当日に2科目受けた場合は、高得点の1科目が使われます。
注意したいのは、2科目型と2科目グローバル型は同じ2月2日で、互いに併願できないことです。この日はどちらか一方を選ぶことになります。
3科目型(2月4日)
英語・選択・国語の3科目をすべて受けます。経済学部の3学科、人文学部の英語英米文化学科、社会学部では英語200点・選択150点・国語150点の満点500点です。英語の比重が大きいので、英語で稼げる人に向いた型です。
3科目グローバル型(2月5日)
2027年度の新設です。英語は資格・検定試験のスコアを換算し、当日は選択と国語の2科目を受けます。経済学部・社会学部などでは英語(換算)200点・選択150点・国語150点の満点500点です。3科目型と配点の形は同じで、英語を当日受けるか、スコアで出すかの違いです。
学科によって配点が違うところ
同じ問題でも、学科・専攻ごとに配点が違います。とくに人文学部は学科によって差があるので、志望学科の行を確認しておきましょう。入試ガイドで確認できた3科目型の配点は次のとおりです。
| 学部・学科・専攻 | 3科目型の配点 |
|---|---|
| 経済学部(経済・経営・金融) | 英200・選150・国150(500点) |
| 人文学部 英語英米文化学科 | 英200・選150・国150(500点) |
| 人文学部 ヨーロッパ文化学科 | 英100・選100・国100(300点) |
| 人文学部 日本・東アジア文化学科 | 英100・選100・国100(300点) |
| 社会学部 | 英200・選150・国150(500点) |
ヨーロッパ文化学科と日本・東アジア文化学科は3科目が均等です。英語が苦手で国語や日本史が得意な人にとっては、英語の失点が響きにくい配点です。逆に英語英米文化学科は英語の比重が高いので、英語で合否が分かれやすくなります。
また、日本・東アジア文化学科は2科目グローバル型の英語の換算が100点(満点200点)で、他の多くの学科の150点とは違います。グローバル型を考えている人は、学科ごとの換算点も見ておいてください。
経済学部の中で経済・経営・金融のどれを選ぶか迷っている人は、経済・経営・商学部の違いと選び方も参考にしてください。
国際教養学部は型の中にさらに2つの型があります
国際教養学部は専攻によって受け方が変わります。
- 経済・経営・国際関係専攻(EMIR専攻)は、各日程に語学重視型と数学必須型があります。語学重視型は英語の配点が高く、3科目型では英語200点・選択100点・国語100点の満点400点です。数学必須型は英語と数学が必須で、3科目型では英語150点・数学150点・国語100点の満点400点です。語学重視型と数学必須型は併願できません。
- ビジネスデータサイエンス専攻(BDS専攻)は数学必須で、配点はEMIR専攻の数学必須型と同じ形です。
- グローバルスタディーズ専攻(GS専攻)は、2科目型でも英語150点が必須です。3科目型では英語200点・選択100点・国語100点の満点400点です。
数学必須型で受ける人は、2月2日の2科目型も英語と数学の2科目(各100点、満点200点)になります。数学の出題範囲は数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列)・C(ベクトル)で、他の学部と同じです。
英語資格・検定試験のスコアの扱い
グローバル型で使える英語資格・検定試験は、英検(CSEスコア)、GTEC、TEAP、IELTS、TOEFL iBT、TOEIC L&R/S&W、ケンブリッジ英語検定です。いずれも4技能の合計スコアで、2025年2月以降に受けたものが対象です。違う実施回の技能を組み合わせることはできません(TOEICのL&RとS&Wは別の回でもかまいません)。
換算は大学の換算表にもとづいて、スコアに応じて得点率100%〜0%で決まります。入試ガイドには一例として、英検CSEスコア2400で得点率95%、2184で85%、1950で75%といった対応が載っています。
つまり、スコアが足りないとグローバル型の英語はかなり低い点に換算されます。当日の英語で取れる点と、手元のスコアの換算点を比べて、どちらが有利かを決めるのが基本です。英検や外部スコアをどう使うかの全体像は、成成明学獨國武の英語の比較の中でも触れています。
共通テスト方式もあります
大学入学共通テスト方式は、共通テストの成績だけで判定し、武蔵大学での個別試験はありません。
- 前期日程:経済学部・人文学部・社会学部と国際教養学部のGS専攻は3科目型です。国際教養学部のEMIR専攻は3科目型に加えて、国公立大学との併願を考えた5科目型があり、BDS専攻は5科目型です。出願期間は1月5日(火)〜1月15日(金)です。
- 後期日程:出願期間が2月12日(金)〜2月26日(金)で、共通テストの自己採点を見てから、私大の結果もある程度分かった時点で出せます。経済学部と国際教養学部のEMIR専攻・BDS専攻は3科目、人文学部・社会学部と国際教養学部のGS専攻は2科目で判定します。
学科ごとの科目と配点は細かく分かれているので、2027年度の入学者選抜要項で確認してください。共通テスト利用の考え方は、一般方式とは別の判断が必要です。
どう組み合わせて受けるか
武蔵大学の一般方式は、2月2日・4日・5日の3日間に集まっています。全学部が同じ問題なので、1日の受験で複数の学部・学科に出願できます。検定料は、同じ試験日に2学部以上へ出願すると2学部目以降が安くなり、同じ学部の中の併願には追加の検定料がかかりません。この仕組みを使うと、受験日を増やさずに出願先を広げられます。
英語資格のスコアがない人
グローバル型は使えないので、2月2日の2科目型と2月4日の3科目型の2回が軸になります。2科目型は3科目受けて高得点2科目で判定してもらうのがおすすめです。これで2月4日の3科目型と同じ準備で臨めます。
そのうえで、共通テストを受けるなら前期日程を足して、合格の機会を増やせます。2月の私大の結果がよくなかったときは、後期日程が最後の機会になります。
英検などで高いスコアを持っている人
換算表で高い得点率になるスコアを持っているなら、2月2日は2科目グローバル型、2月4日は3科目型、2月5日は3科目グローバル型という3回の受け方ができます。2月4日の3科目型では当日の英語で勝負し、2月5日はスコアを使って選択と国語で勝負する形です。
ただし、スコアの換算が当日の英語の実力より低くなりそうなら、2月2日は通常の2科目型を選んだほうがよい場合もあります。過去問で当日の英語が何割取れるかを、秋のうちに確かめておきましょう。
学部・学科の選び方
同じ点数でも、学科によって配点の比重が違います。たとえば英語が得意なら、3科目型で英語200点の学科(経済学部・英語英米文化学科・社会学部など)が有利になります。英語より国語・社会で点を取る人なら、3科目均等のヨーロッパ文化学科や日本・東アジア文化学科も候補に入ります。自分の得点の形と配点の形が合う学科を複数選んで出願するのが、武蔵大学の一般方式の使い方です。
他大学との日程の重ね方
2月上旬は、成成明学獨國武やGMARCHの試験が集中する時期です。武蔵大学の3日間と、他大学の試験日が重ならないか、早めに並べてみてください。成蹊大学と並べて受ける人は、成蹊大学の方式別の違いもあわせて見ておくと、2月上旬の予定が組みやすくなります。
日程の組み方の基本は私大入試の日程の組み方に、どの大学を何校受けるかの考え方は併願校の決め方にまとめています。連続受験は3日までにして、間に休みを1日入れるくらいが、体力的にも続けやすい組み方です。
今から準備しておくこと
出題はすべてマーク式で、1科目60分です。武蔵大学の一般方式向けの準備で、確認しておきたいことをまとめます。
- 英語:範囲は英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲです。60分で長文を含む問題を解き切る練習を、過去問で時間を計ってやっておきましょう。
- 国語:範囲は現代の国語と言語文化(漢文を除く)です。第一問の現代文は必須で、第二問(現代文)と第三問(古文)はどちらかを選べます。現代文だけでの受験もできるので、古文が苦手な人は現代文2題で準備する方法もあります。ただし、当日に古文のほうが解きやすいこともあるので、どちらを選ぶかは過去問で決めておきましょう。
- 選択科目:当日に選べるとはいえ、準備はひとつに絞るのが現実的です。2科目型で3科目受ける作戦をとるなら、選択科目も最後まで仕上げておく必要があります。
- 英語資格:グローバル型を使うなら、2025年2月以降の4技能スコアが必要です。これから受けるなら、出願期間に結果が間に合うかを確認してください。
出願前に確認すること
一般方式の出願期間は、どの型も1月5日(火)〜1月25日(月)です。2月2日・4日・5日のどれを受けるかは、この期間内にまとめて決めることになります。
合格発表日、試験の時間割、方式ごとの募集人員は、2027年度の入学者選抜要項で確認してください。武蔵大学の一般選抜のページでは、一般選抜入学試験要項は10月公開、Web出願サイトは10月下旬公開予定と案内されています。
出願の直前になってから型を選ぶと、2月2日に2科目型かグローバル型かで迷ったり、学科の配点を見落としたりしがちです。12月までに、受ける日と出願する学科を一度決めておくと、直前期は過去問に集中できます。
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参考にした公式情報
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
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