こんにちは、EIMEI予備校の二神です。
この記事は、川越とその周辺の高校に通う高1・高2と、その保護者の方に向けて書いています。この秋から冬に何をやっておくと高3で楽になるのか、その優先順位だけを並べました。
先に前提を一つ置きます。高1・高2の秋は「受験勉強を始める時期」ではありません。「高3で受験勉強を始められる状態を作る時期」です。
「始める時期」ではなく「始められる状態を作る時期」
高3でやることは、突きつめれば志望校の出題に合わせた演習です。過去問を解き、落とした分野を埋め、また解く。この作業には前提があります。単語と文法がそろっていること、数学の頻出単元が一度は仕上がっていること、受験科目が決まっていること。この3つが欠けたまま4月を迎えると、最初の数か月が演習ではなく作り直しに消えます。
だから高1・高2のこの時期にやることは、次の5つに絞れます。
- 英語の語彙と文法を、毎日切らさずに積む
- 数学の頻出単元を、学校で習った直後に固める
- 社会・理科の科目選択を、決められる材料を集める
- 志望校を「帯」で仮置きして、過去問を1年分だけ触る
- 英検などの外部スコアを、時間のあるうちに1回取る
この5つ以外は高3に回してかまいません。やらなくていいことも、科目ごとに書きます。
英語|入試英語の「量」を先に知っておく
EIMEIでは大学ごとに入試対策読本を自作していて、そのために入試英語をテキスト化して集計しています。語彙編のもとになったコーパスは415題で約86万語。単純に割ると1題あたり2,000語前後です。いま授業で1回に読んでいる英文の語数を一度数えてみてください。入試までの距離が、感覚ではなく数字で見えます。
出題テーマは、はっきり偏っています
テーマごとのパッセージ数を見ると、歴史・文化・人類学が125題で最多、心理・脳科学が104題、物語・エッセイが101題、医療・健康が86題。語の単位でも同じで、環境系は ocean が67回、plastic が65回、waste が61回、climate が50回。医療系は disease が44回、drug が34回です。AI・情報技術は2025〜26年度に出題が急増しています。
つまり入試英語の語彙は「テーマの束」で出てきます。読本の語彙編では、テーマを問わず論説文の骨組みを作る語を50語、そのうえで12のテーマごとに約30語ずつ、全体で約440項目に絞りました。高1の秋から高3の春までを100週とするとテーマ語彙は週に5語弱。高3の春から始めると、同じ量が週20語以上になります。
早稲田の社会科学部・基幹理工、慶應のSFC、中央の総合政策のように設問文まで英語の大学もあります。imply、infer、EXCEPT が読めないと1問まるごと落ちます。
高校の教科書のレベルで、課題の中身が変わります
川越周辺の高校の英語の教科書は高校別 英語の教科書レベル一覧にまとめました。その区分で言うと、課題は次のように分かれます。
- 発展レベル(ELEMENT、CROWN)…県立川越・川越女子・川越東はELEMENT、星野はCROWNです。教科書の英文はすでに入試の論説文に近い水準です。課題は語彙量ではなく「授業で和訳を追うだけで終わっていないか」。週1回、時間を計って読む形を作ってください
- 標準レベル(LANDMARK、MY WAY、Heartening、BLUE MARBLE、New Rays)…浦和北はLANDMARK、坂戸はHeartening、山村学園はBLUE MARBLEとHeartening(論理・表現はMY WAY)、川越南はNew Raysです。文法の一通りは学校で揃います。課題は抽象度と語数の差を埋める作業で、学校の教材の外で足すことになります
- 基礎レベル(Power On、CREATIVE)…松山女子はPower On、川越南はCREATIVEも使っています。教科書で拾える語彙だけでは入試の量に届かないので、学校とは別に単語帳を1冊走らせるのが最優先です
- 海外向け教材(American English File)…和光国際はAmerican English File 2とNew Raysです。英語に触れる量は多くなりますが、日本の入試の設問形式とは作りが違うので、設問形式の練習は別に必要です
数学|高3で戻らなくて済むように固める単元
数学は、高3で「高1・高2の範囲に戻る」時間がいちばん高くつく科目です。読本の頻出単元の集計から、戻らずに済ませたい単元を優先順に挙げます。数字は分析した年度の冊子数・大問数に対する出題数です。
第1優先:場合の数・確率
出題ゼロの事例が見当たらない単元です。慶應義塾大学は文系4学部の12冊すべて(12/12)、理系4学部も各3/3。立教大学の理系は大問Ⅰで6/6、青山学院大学の社会情報学部C方式は毎年問題1に固定で3/3。学習院大学は12冊中10冊、中央大学の文系では独立大問として59大問中11で単元別最多です。理系でも比重は下がらず、中央大学理系では20大問中3、同じ理系の微分積分(数Ⅱ)は20大問中1です。数Aで習った直後に仕上げる価値がいちばん高い単元です。
第2優先:微分積分(数Ⅱ)
文系型の主役です。法政大学の文系は45大問中13(29%)で単元別最頻出、立教大学の文系は記述大問で8冊すべて(8/8)、慶應義塾大学の文系は12冊中11、学習院大学は12冊中8。青山学院大学の文系(全学部日程)は大問Ⅳで3/3、しかも3年連続で「放物線の接線・法線と面積」というテーマまで一致しています。例外は早稲田大学社会科学部の0/3。高2で数Ⅱを習う時期が勝負です。
第3優先:数列
志望校で差が出る単元です。慶應義塾大学の文系は12冊中11、理工学部・薬学部は各3/3。一方で学習院大学は12冊中2、東洋大学の文系(数Ⅰ・Ⅱ・A)はそもそも出題範囲に入っていません。ただし漸化式は他単元と組んで出ます(慶應義塾大学医学部の確率漸化式は3/3)。漸化式まで一度は通しておくと、高3で組み合わせ問題に入れます。
時間をかけすぎなくてよい単元
2次関数は独立した大問としてはほとんど出ません。中央大学の文系は59大問中0、慶應義塾大学の文系は12冊中0。三角関数も小問集合止まりの大学が多く、中央大学の文系は59大問中1、法政大学の理系は63大問中5(例外は青山学院大学理工学部の5/6)。指数対数や数と式は主役になりにくい一方、小問集合の得点源として安定して出ます(学習院大学は指数対数6/12・数と式が文系で6/12、立教大学の文系は指数対数6/8)。専用の時間を長く取るより、小問で取れる形にしておけば足ります。
やり方は一つだけ決めてください。学校でその単元が終わった週のうちに、標準レベルの問題を20問解く。テスト前にまとめてやる形だと、テストのあとに残りません。
国語|やること、やらなくていいこと
やることは2つです。古文単語と古典文法、そして漢文の句形。覚えた分がそのまま高3の演習の前提になります。週3〜4日、1回15分で足ります。現代文は、読解の練習より抽象語の意味を増やす作業が先です。
やらなくていいのは、現代文の読解法を何冊も試すこと、記述と小論文の練習です。後者は志望校と方式が決まってからで間に合います。
社会・理科の科目選択|決める前に、やる作業がある
科目選択は、学校の文理選択・科目届けの締切に合わせて決まります。高3から変えると通史や実験をやり直すことになるので、締切に間に合うよう材料を集めておくのがこの秋の仕事です。やることは3つです。
- 使える科目を要項で確認する。系統ごとに傾向があります。文学・人文系は英・国・地歴(または数)。経済・経営・商は英・国・数または地歴公民で、数学選択が有利な大学があります。理工系は英・数(Ⅲまで)・物理または化学。農・生命・食・環境は生物・化学が中心。看護・医療技術は理科1科目(生物基礎など)で面接ありが多い、という形です
- 覚える量の「形」を先に見る。科目名で選ぶと、あとで合いません。社会の科目選びと理科の科目選びで、それぞれの科目が何をどれだけ覚える科目なのかを確認してください
- 授業で触った2科目を比べる。「面白そう」ではなく「3年まで続けられそうか」で比べます
志望校|決まっていないのが普通です
数字から先に置きます。進学センサス2025(大学進学者2万7千人以上が回答)では、興味を持った大学は平均4.67校、資料を取り寄せたのは6.29校、最終的に出願したのは2.42校。1校だけに出願した人が48.4%。興味を持った学校の半分以上は、出願しないまま候補から外れます。
同じ調査で、進路を決めるときの不安の1位は「将来やりたいことが分からない」で33.5%。情報が足りないことより多い。ここで手が止まる人はやりたいことが分からないときの進め方を読んでください。今やれる作業は次のとおりです。
- 高1…学部系統に印を2つまでつける。オープンキャンパスに1回行く(高2時点の参加率は65%)。ここまで年に3時間で足ります
- 高2の前半…模試を1回受けて、C判定(合格可能性50%前後)が出ている大学がどの帯にあるかを確認する。文系・理系と受験科目を決め、系統を2つに絞る
- 高2の後半…その帯の大学の過去問を1年分、解ける科目だけ解く。点数ではなく、落とし方を「知らなかった/知っていたが使えなかった/時間切れ/ミス」の4つに分ける。これで次に何を勉強するかが決まります
- 共通の作業…気になる学部の1年次の必修科目の一覧を1校分だけ読む。文部科学省の調査では、大学の中途退学理由の1位は「転学・進路変更」で22.0%、学力不振(7.3%)の3倍です
逆に、今やらなくていいのは、全大学の偏差値ランキングの比較、違う模試の偏差値の換算(公式の換算表はありません。同じ模試の推移だけ見ます)、そして「やりたいこと」の確定です。手順の全体は志望校の決め方にまとめました。
英検などの外部スコア|取るなら高1・高2のうち
理由は単純で、高3は過去問と演習で埋まるからです。外部試験は語彙と文法が入試英語と共通ですが、スピーキング・ライティングの形式には別に慣れる時間が要ります。その時間を出せるのが高1・高2です。使える方式や必要な水準は大学ごとに違うので、必ず要項で確認してください(英検はいつまでに取るか)。
定期テストとの付き合い方
定期テストは入試と切り離すものではなく、「単元を固める締切」として使うのがいちばん得です。ただしコツがあります。
- 英語…教科書本文の和訳を暗記して点を取る形にしていると、入試には残りません。本文に出た語と文法事項を別のノートに書き出し、隠して確認する形にすると残ります(定期テスト英語の勉強法)
- 評定平均…学校推薦型・総合型で使います。捨てないほうが、あとで選べる入口が多く残ります
1週間の時間の作り方
感想ではなく分で組みます。部活がない・週5日通学の場合は、平日1日60分と土日どちらか120分で週7時間。平日の内訳は英単語15分、英文法15分、その週に習った数学30分。土日の120分は英語の長文1題と、平日にできなかった数学の直しです。
部活がある場合は、平日30分×5日と週末90分で週4時間が現実的な形です。平日は英単語15分と数学15分だけに絞り、文法と長文は週末に寄せます。これ以上を平日に置くと続きません。
数え方のルールは3つ。15分単位で数える。曜日ごとに数える(朝練のある日とない日で使える時間は違います)。そして使えない時間は0と書く。朝に作る手もあります。EIMEI予備校 川越校舎の自習室は朝7時から使えるので、登校前に30分だけ置く形もとれます。
高1と高2で、違うところ
同じ「秋から冬」でも、やることの重みが違います。
- 高1…決めるのは科目ではなく「触ってみる系統」です。数学は場合の数・確率と図形を習う時期なので、第1優先の単元をここで仕上げられます。英語は単語帳を1冊始める。志望校の作業は年3時間で十分です
- 高2…この秋から冬で「高3の4月に演習から入れるか」が決まります。数Ⅱの微分積分と数列を習った直後に固める。選んだ科目を学校の進度に遅れず進める。志望校は「帯」を置いて過去問1年分。英検などは冬までに1回。高2の3月に単語と文法が残っている状態が、いちばん高くつきます
保護者の方へ
行動の話だけ書きます。まず、「勉強しなさい」を「今週、何分できた」に置き換えると、話が量から運用に移ります。数字が出ていれば、足りないところは本人が気づきます。
次に、家庭で動かせるのは締切の管理です。科目選択の届けの日付、模試の申込日、外部試験の申込日。この3つをカレンダーに入れておけば、取り返しのつかない抜けは防げます。
お金の話は一度だけ数字にするのがおすすめです。大学にかかる費用は、国公立か私立か、自宅から通うか下宿かで大きく変わります。志望校がある程度絞れた段階で、初年度納付金と4年間の総額を1回だけ調べて共有してください。
なお、つらさが続くようなときは、学校の先生や保護者の方、専門の窓口に相談してください。
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EIMEI予備校について
EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。
- 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
- ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
- 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。
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