志望校が決まったら何をどこまで調べるか|優先順位つき6項目と30分の落とし込み手順を川越の予備校が解説

こんにちは、EIMEI予備校の二神です。英語科を担当しています。

この記事は、志望校がぼんやり決まってきた高2生・高3生と、その保護者の方に向けて書いています。面談でよく出るのが、次のような声です。「今は勉強で手一杯で、志望校をどう決めればいいか、決めた後にどのくらい情報収集や対策を考えておくべきか分からない」「出題傾向なども含めて、何をどこまで調べればいいのか教えてほしい」。

正直で、正確な相談だと思います。調べるには時間がいる。時間は勉強で埋まっている。だから決まらず、決まらないから何を勉強すればいいかも決まらない。この記事では、調べる項目を6つに固定して、そこで止めるやり方を書きます。

1. この時期、志望校はどれくらい決まっていればいいのか

先に前提を一つ。志望校は「仮置き」で構いません。リクルート進学総研の進学センサス2025(大学進学者2万7千人以上が回答)では、興味を持った大学は平均4.67校、資料請求は6.29校、最終的に出願したのは2.42校。興味を持った学校の半分以上は、出願しないまま候補から外れるのが普通の経路です。同じ調査で不安の1位は「将来やりたいことが分からない」(33.5%)で、情報不足より多い。やりたいことが固まっていない状態は珍しくありません。

そのうえで、私が読本で使う目安を書きます。断定ではなくここまで来ていれば回る線です。

  • 高2前半:模試を1回受け、合格可能性50%前後が出ている大学のかたまり(レベル帯)を確認する。文系・理系と受験科目を決め、学部の系統を2つに絞る。
  • 高2後半:その帯の大学の過去問を1年分、解ける科目だけでも解く。
  • 高3春〜夏:模試ごとに帯を上げる・戻すを繰り返す。夏に一つ上の帯の過去問を1年分。
  • 高3秋:大学名と方式を確定させる。この記事の調べ物をやる時期です。
  • 高3冬:帯を動かさず、過去問演習と制度の再確認だけ。

つまり高2のうちは「帯」と「学部の系統」まで。大学名と方式の確定は高3の秋で間に合います。逆に、秋までに一度も調べていないと、出願の設計が間に合いません。帯の置き方は志望校の決め方をまとめた記事と、学年別のロードマップに書きました。

2. 調べる項目は6つ。優先順位つきのチェックリスト

順番に意味があります。上から埋めてください。3校で合計2時間以内に収まります。

優先1:受験方式(使うのは2つまで)

一般選抜、共通テスト利用、学校推薦型選抜、総合型選抜。同じ学科に複数の方式で出願できる大学が多く、全部を検討すると決められなくなるので、使う方式は2つまでに絞ります。材料は、評定平均と指定校枠があるか、志望理由書・小論文・面接に使える時間があるか、共通テストを受けるかの3点です。文部科学省の令和7年度の集計では、大学入学者全体の53.6%、私立に限れば61.6%が学校推薦型・総合型で入学しています。一般選抜だけを前提にすると入口の半分を見落とします。

ここを最初に置くのは、方式が決まらないと科目も配点も決まらないからです。成蹊大学は一般選抜が5方式あり、独自問題で受けるのはA方式(学部個別)とE方式(全学部統一)の2つだけ。この2つの間に共通の問題は1組もありません。

優先2:科目と配点

募集要項から書き写すだけで、1校5分。科目が合わなければ他の情報はすべて無意味なので2番目です。配点は「均等」だと思い込まないでください。成蹊大学の法学部A方式は英語120点・国語100点・選択100点の320点満点。成蹊のE方式は全学部で同じ問題を解くのに、配点だけが学部ごとに違います。青山学院大学の個別学部日程で英語以外の教科を独自試験として課すのは4ルートだけで、法学部なら国語も地歴もなく、総合問題90分200点と共通テストで決まります。立教大学の一般入試は英語に独自試験がありません(例外は2月11日の文学部だけ)。「その大学に必要な科目」ではなく「その方式に必要な科目」を書き写してください。

優先3:試験日

試験日は日程の都合ではなく対策の一部です。多くの私立大学で、問題が学部ごとではなく試験日ごとに作られているからです。法政大学はこの構造がはっきりしています。法学部Ⅱ日程の試験日には法学部Ⅱ日程・国際文化学部・キャリアデザイン学部の3学部が試験を行い、まったく同じ英語・国語・日本史を解きます。逆に同じ法学部でもⅠ日程とⅡ日程では別問題です。東京電機大学の前期は2月1日から5日の5日間から受ける日を選べて、1日に最大4つの学科・学系へ同時出願でき、同じ日なら学部が違っても問題は同じ。東洋大学も同じです。

試験日を調べると、同時に「解くべき過去問がどれか」と「対策を増やさずに出願を増やせるか」が決まります。数え方は過去問の使い方の記事、出願の組み方は併願校の決め方の記事に書いています。

優先4:4つの締切

出願締切・試験日・合格発表・入学手続き締切の4つをカレンダーに転記します。いちばん重いのは入学手続きの締切で、合格しても手続きを逃せば無効になります。

忘れない方法は意志の力ではありません。「もし◯月◯日の朝になったら、登校前に◯◯大学の出願サイトを開く」のようにいつ・どこで・何をするかを1文で先に決めると達成率が大きく上がることが、90以上の研究をまとめた分析で確かめられています。

優先5:出題形式(大問構成と時間配分だけ)

ここで初めて「傾向」に入ります。調べるのは過去問3年分の大問構成と時間配分だけ。それ以上の分析は費用対効果が低いです。知りたいのは記述があるか、試験時間と問題量の比、マークの答え方に癖があるかの3つです。

東洋大学は1時限60分・1科目100点が基本で全問マークシート、記述はなく、求められるのは速さです。一方、東京電機大学は記述式が多く、数学は3題すべて記述、化学は大問4題のうち2題、生物は3題中2題が記述です。青山学院大学は全学部日程が全問マークシートで記述が一切ないのに、個別学部日程では和訳・計算過程・200字や600字の記述が当たり前に出ます。同じ大学の同じ学科でも、入口によって必要な力が違うのです。

優先6:合格最低点(「6割か7割か」の粗さで)

最後に置くのは、細かく見ても意味がない数字だからです。落とし穴が3つあります。

  • 換算後の点数が公表されていることがある。中央大学は「偏差点」で得点調整をし、公表される合格最低点に*印がつく学部・方式は偏差点です。過去問の素点と直接は比べられません。
  • 同じ大学の中で尺度が混在する。学習院大学は最低点を0.1点刻みで公表しますが、コア試験・プラス試験は得点調整後で、科目別平均点は素点。この二つを引き算してはいけません。
  • 満点が方式ごとに違う。だから得点率で読みます。埼玉大学の前期なら、共通テストと二次の合計1,450点満点で最低点990.20点(68.29%)という形です。

素点が整数で公表されている大学(東京電機大学など)は目安に使えますが、私は最低点ちょうどではなく1割上を目標にします。

この6項目のほかに、学費(初年度と4年総額)1年次の必修科目の一覧も必須に入れています。カリキュラムを読むのは丁寧さのためではありません。文部科学省の調査では大学の中途退学理由の1位が「転学・進路変更」(22.0%)で、学力不振(7.3%)の3倍。入る前のミスマッチが、辞める理由の最大なのです。

3. どこを見れば書いてあるか

一次情報は、次の4つでほぼ足ります。

  • 募集要項(入学者選抜要項・入学試験要項)……方式・科目・配点・試験時間割・日程・出願締切。優先1〜4はここに全部あります。意外なことに、試験時間と配点が問題冊子に印字されていない大学もあります。成蹊大学がそうで、要項か入試情報サイトの方式別ページを見ないと分かりません。
  • 大学の入試情報ページ……翌年度の変更点と方式別の説明。要項が出る前の時期はここが最新です。
  • 過去の問題冊子……優先5の大問構成と時間配分。法政大学の冊子は表紙の3桁の番号が日程を表し、同じ番号なら同じ問題です。
  • 入試結果データ……優先6の合格最低点と倍率。法政大学の2026年度は志願者が5.8%増えた一方で合格者が21.5%減り、全体の倍率が4.2倍から5.7倍に。倍率は動きます。

まとめサイトも便利ですが、数字は必ず募集要項で裏を取ること。

4. いまは調べなくていいこと

  • 全大学の偏差値ランキングの比較……時間がなく、好みも定まらず、比較が複雑なとき、人は選択を先送りします。選択肢を増やすほど決まりません。
  • 就職率・年収の比較……学部差・個人差・景気の影響が大きく、解像度が足りません。
  • 違う模試の偏差値の換算……公式の換算表は存在しません。同じ模試の推移だけを見ます。
  • 「やりたいこと」の確定……興味は「自分にもできそうだ」という感覚のあとに生まれることが進路の心理学で分かっています。順番が逆なので、先に決めようとしても出ません。系統を2つ選んでカリキュラム表を読み、模擬授業を1つ受ければ足ります。
  • 過去問を解く前の傾向分析……いちばん多い遠回りです。自分でやってできた経験が先、分析は後です。
  • 掲示板や動画の合否体験談、合格最低点との細かい点差の計算……前者は他人の情報で、あなたの情報ではありません。後者は素点と直接比べられない大学が多いからです。

情報を集めるほど不安になる人は一定数いて、性格の問題ではありません。6項目が埋まったら閉じてください。

5. 調べた結果を勉強の計画に落とす(30分)

調べただけでは点は増えません。30分で紙1枚に落とします。

  1. 最初の10分……募集要項を開き、3校について「方式(2つまで)/科目/配点/試験日」を書き写す。1校5分です。
  2. 次の10分……4つの締切を「いつ・どこで・何を」の形で書く。例:「1月◯日の朝、登校前に◯◯大学の出願サイトを開いて出願する」。
  3. 最後の10分……出題形式から来週の勉強を1行だけ変える。記述が出ない大学なら、記述練習を削って時間内に解き切る練習に替える。記述が多い大学なら、答案に何を書くかの練習を週1回入れる。英語が外部試験のスコアで決まる方式なら、いつまでに終えるかを決める。

目標は「近づく型」の言葉で書きます。「落ちたくない」ではなく「この大学の英語で7割」「数学の大問2を時間内に」。避ける型の目標は試験不安を高め、成績を下げる方向に結びつくことが研究で分かっています。

採点の基準は、素点でおよそ7割を「この帯は届く」の目安にしています。多くの私立大学の合格ラインが換算前の素点で6割から7割の間にあるからです。7割に届いた科目が受験科目の過半数になったら、一つ上の帯へ進みます。併願を増やしたくなったら、私立の一般選抜が1校あたり3万5千円前後で、過去問演習の量も校数分だけ増えることを思い出してください。同じ大学に方式を変えて2回出願するのは、対策を増やさずに機会を増やす方法です。

6. EIMEIが大学ごとに読本を作っているのは、この作業を先にやっているからです

「6項目でも3校分やるのは重い」と思った方は、正しい感覚です。特に優先5の出題形式は、問題冊子を横に並べないと分かりません。法政大学の冊子番号、東洋大学の「同じ日なら同じ問題」。冊子を1冊ずつ突き合わせて初めて言えることです。

だからEIMEI予備校では、大学ごとに入試対策読本を自作しています。法政大学は3年分105冊、青山学院大学は102冊、東京電機大学は約90冊の問題冊子を私が一冊ずつ確認し、方式・配点・試験日・大問構成・合格最低点の性質・科目ごとの「拾う問題と後回しにする問題」までまとめました。英語は大学別に予想問題も自作しています。

つまり優先1〜6のうち、時間のかかる部分を先に終わらせてあります。面談では、生徒が自分で決めるべき部分(方式を2つに絞る、締切を書く、来週の勉強を1行変える)に時間を使えます。どの大学の読本があるかは大学別の記事のまとめから確認できます。

入試制度・日程・配点は毎年変わります。最後は必ず志望校の最新の募集要項で確認してください。調べても決まらない、考えるほど不安が強くなる状態が続くときは、学校の先生や保護者の方、専門の相談窓口にも相談してみてください。

無料体験・個別説明会のご案内

EIMEI予備校 川越校舎は、川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。

無料体験・個別説明会では、優先1〜4を、その場で一緒に紙1枚に落とします。模試の成績表をお持ちいただければ、出発点の帯と、次に解く過去問の1校分まで決めてお返しします。志望校が仮置きの段階でも構いません。

EIMEI予備校 川越校舎の無料体験・個別説明会はこちら

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EIMEI予備校について

EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

  • 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
  • ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
  • 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。

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この記事を書いた人

二神大輝