青山学院大学 文学部史学科の自己推薦|2027年度要項で見る出願資格・選考内容と準備の時期

この記事は、青山学院大学文学部史学科の自己推薦入学者選抜を、来年以降に受けたいと考えている高1・高2の生徒と保護者の方に向けて書いています。2027年度の公式の入学者選抜要項を読み、出願資格・日程・提出書類・試験の中身を整理したうえで、いつ何を準備すればよいかをまとめました。

今年度の第一次審査の結果を待ちながら、11月下旬の第二次審査に備えている高3の方にも、筆記試験と面接の部分は参考になると思います。

青山学院大学の「自己推薦」と、この記事で史学科を選んだ理由

青山学院大学の総合型選抜は、大学の入試サイトでは「自己推薦」という名前で案内されています。学部・学科ごとに別々の要項が出ていて、出願資格も課題も試験の形もかなり違います。「青学の自己推薦」とひとまとめにせず、学科ごとの要項を読むことが出発点です。

この記事では、2027年度の要項が公開されていて内容を確認できた文学部史学科に絞りました。史学科の自己推薦は、書類の段階で「歴史について自分で調べて書いたレポート」を求め、第二次で史料か英文を読む筆記試験と面接を行う形です。高校の日本史・世界史の授業とつながりが深く、早めに準備を始めた人ほど書けることが増える入試です。

2027年度の出願資格

2027年度の要項では、出願資格は次の3つをすべて満たすことになっています。

1. 現役生であること

2027年3月に日本の高等学校(中等教育学校の後期課程を含む)を卒業見込みの人が対象です。文部科学大臣が認定・指定した在外教育施設の課程を2027年3月31日までに修了見込みの人も含まれます。卒業見込みの人が対象なので、すでに卒業している人は出願できません。また、高等学校卒業程度認定試験の合格者と、日本にある外国人学校(インターナショナルスクールなど)を卒業見込みの人も含まれません。

2. 史学科が第一志望であること

要項には「本学科を第一志望として本学科へ進学を希望する者」と書かれています。他大学との併願についての個別の記述は要項の中に見当たりませんでしたが、第一志望であることが出願の条件になっている以上、合格したら進学する前提で考える入試です。併願の扱いで迷う場合は、大学の入試課に直接確認してください。

3. 評定の条件(どちらか一方)

条件 内容
① 全体の学習成績の状況(評定平均)が4.0以上
② 全体の学習成績の状況が3.8以上で、かつ「世界史探究」または「日本史探究」の評定平均値が4.5以上

②の条件があるのが史学科らしいところです。全体が4.0に届かなくても、歴史の科目で高い評定を取っていれば出願できる道が用意されています。逆に言えば、高2・高3で履修する探究科目の成績がそのまま出願の可否に関わるということです。

2027年度の要項には、英語資格・検定試験のスコアを出願の条件にする記載はありませんでした。ただし第二次の筆記試験では英文を選ぶこともできるので、英語の読解力は無関係ではありません。

評定は高1の1学期から積み上がっていきます。どの時点の数字が使われるのか、どう上げていくのかは、評定平均と年内入試の関係をまとめた記事に詳しく書いています。要項の資格欄の読み方そのものに不安がある方は、募集要項の出願資格の読み方も参考にしてください。

2027年度の日程

史学科の自己推薦は、書類による第一次審査と、試験会場での第二次審査の2段階です。2027年度の日程は次のとおりでした。

項目 2027年度の日程
第一次 Web出願登録 2026年9月17日(木)〜10月1日(木)23:59
第一次 出願書類の提出(郵送・必着) 2026年9月28日(月)〜10月1日(木)
第一次 合格発表 2026年11月13日(金)13:00から
第二次 Web出願登録 2026年11月13日(金)13:00〜11月16日(月)23:59
第二次 試験日 2026年11月23日(月・祝)
第二次 合格発表 2026年12月1日(火)13:00から
入学手続書類の提出締切(郵送・必着) 2026年12月11日(金)

見ておきたいのは、出願書類の締切が10月1日で、9月中にはレポートと志望理由書を書き上げていなければならないという点です。夏休みが実質的な仕上げの期間になります。

もうひとつ、第一次の合格発表(11月13日)から第二次の試験日(11月23日)までの期間は長くありません。しかも第二次は改めてWeb出願登録が必要で、その期間は発表当日から数日間です。第一次の結果を待ってから第二次の準備を始めるのでは間に合いません。筆記と面接の練習は、書類を出した直後の10月から並行して進めておくのが現実的です。

要項には、Web登録と検定料の支払いだけでは出願が完了せず、書類を期限内に簡易書留で郵送して受験番号が確定してはじめて受理される、という注意書きもあります。郵送の締切は「必着」なので、学校で調査書を受け取る日から逆算して準備してください。

提出書類と、第一次審査の中身

第一次審査は書類だけで判定されます。提出するものは大きく3つです。

調査書

学校長が証明し、厳封したものです。発行に日数がかかる学校も多いので、担任の先生には早めに伝えておきます。

志望動機・理由書(1200字以内・手書き)

所定の用紙を片面A4で印刷し、手書きで書きます。鉛筆や消せるボールペンは使えません。内容は、志望理由・入学後の学習計画・目標などで、字数は1200字以内です。

要項には、自分で考えた文章を提出すること、AIなどで自動生成した文章や他人が書いた文章は認めないことがはっきり書かれています。先生や塾に見てもらうのは構いませんが、文章そのものは自分の言葉で書くものです。

1200字は、思っているより書けることが少ない分量です。「なぜ歴史を学びたいか」の一般論で字数を使ってしまうと、入学後の学習計画が薄くなります。どの時代・地域・テーマに関心があり、史学科のどの授業や先生のもとで何を調べたいのかまで具体的に書けるように、シラバスや教員の研究テーマを読んでおきましょう。調べ方は志望理由書のための大学研究の記事を参照してください。

入学者選抜課題(2000字以内・手書き)

史学科の書類の中で一番重いのがこの課題です。2027年度は、日本または世界の歴史の中から戦争の事例を一つ選び、その具体的な実態と、当時の地域や社会に与えた影響を説明する、というテーマでした。

条件として、文献を必ず参照し、著者・文献名・出版社・刊行年を明記すること、参考文献リストも字数に含めること、2000字以内で自筆・横書き、黒のインクかボールペンで書くことが指定されています。

テーマは年度によって変わる可能性がありますが、「一つの事例を選んで、文献にもとづいて具体的に説明する」という形は、歴史学の基本的な作業そのものです。来年度に向けて準備するなら、次のような力を前もって身につけておくと、課題が発表されてから慌てずに済みます。

  • 教科書の記述から一歩進んで、新書や専門書を読み、事実関係を自分で確かめる
  • 出来事の「実態」(何が起きたか)と「影響」(その後どう変わったか)を分けて書く
  • 参考にした本の著者・書名・出版社・刊行年を記録する習慣をつける
  • 2000字を手書きで書き切る時間と体力を把握しておく

参考文献リストも字数に入るので、本文に使える字数は2000字よりかなり少なくなります。文献は2〜3冊でも、それぞれをきちんと読んで本文で使っているほうが、冊数を並べるよりも伝わります。課題レポートの進め方全般は、総合型の事前課題・課題レポートの進め方に手順を書いています。

このほか、Web出願の際に「主体性・多様性・協働性に関する経験」を入力する欄がありますが、要項では得点化はしないと書かれています。

第二次審査:筆記試験と面接

第一次審査の合格者だけが受けられます。2027年度は11月23日に行われ、筆記試験の会場は青山キャンパスでした。筆記試験と面接の両方を受けることが必須です。

筆記試験(論述)10:30〜12:00

「歴史に関する史料」と「歴史に関する英文」のどちらかを選んで答える、小論文形式の試験です。

史料を選ぶ場合は、資料に書かれていることを正確に読み取り、その時代の背景と結びつけて自分の考えを述べる力が問われると考えられます。英文を選ぶ場合は、歴史を扱った英語の文章を読んで内容をつかむ読解力が前提になります。どちらを選ぶかは当日決められますが、練習の段階でどちらを主にするか決めておくと準備が効率的です。英語が得意な人でも、歴史の用語を英語で読む練習は別に必要です。

小論文の基本的な組み立て方は小論文の書き方の記事に、資料を読み取って書くタイプの練習は小論文の資料・グラフ読み取り型の練習手順にまとめています。

面接 14:00〜

面接の形式(個人か集団か)や時間の長さは、要項には書かれていませんでした。面接では、提出した志望動機・理由書と課題レポートの内容をもとに質問される可能性が高いので、自分の書いた2つの書類を読み返し、どこを聞かれても説明できるようにしておくことが準備の中心になります。

たとえば課題で取り上げた戦争について、なぜその事例を選んだのか、参照した文献のどこに納得し、どこに疑問を持ったのか、といったことは自分の言葉で話せるようにしておきたいところです。

当日は携帯電話やスマートフォン、ウェアラブル端末などの使用が禁止され、受験票は郵送されないので各自で印刷して持参します。

学年ごとの準備の時期

2028年度(来年度)の要項はまだ発表されていません。ここからは2027年度の内容をもとにした準備の目安です。来年度の要項が出たら、日程・資格・課題の内容を必ず確認してください。

高1:評定と「関心のある歴史」を見つける時期

評定の条件は高1の成績から影響します。定期テストで全体の評定平均を4.0以上に保つことを目標にしてください。並行して、授業で興味を持った時代や地域があれば、新書を1冊読んでみるところから始めます。読んだ本の書名・著者・出版社・刊行年を記録しておくと、高3の課題でそのまま使えることがあります。

高2:歴史の探究科目と、文献を読む練習

多くの高校では高2から日本史探究・世界史探究が始まります。出願資格の②を使う可能性があるなら、探究科目の評定4.5以上を意識して取り組みます。冬から春にかけて、興味のあるテーマについて複数の文献を読み、1500〜2000字程度でまとめる練習を一度やってみると、課題レポートの感覚がつかめます。オープンキャンパスや模擬授業で史学科の先生の話を聞いておくのもこの時期です。高2の冬からの動き方は高2の冬から始める推薦準備に詳しく書いています。

高3の春〜夏:要項の確認と書類づくり

要項が公開されたら、課題のテーマと字数、資格、日程をすぐに確認します。課題のテーマが分かった時点で文献を集め、夏休み中に下書きを完成させ、9月は手書きでの清書と見直しにあてるのが目安です。志望理由書も、夏の間に何度か書き直しておきます。

高3の10〜11月:第二次の準備

書類を出したら、すぐに史料・英文の読解と小論文の練習、面接の練習に移ります。第一次の発表から試験日までが短いので、この時期の準備が結果を左右します。

史学科の自己推薦に向いている人

史学科のアドミッション・ポリシーでは、国語・外国語・地理歴史・公民などについて高校卒業相当の知識を持つこと、歴史学や考古学への関心を論理的に表現できること、歴史学や考古学への関心を通じて世界の情勢や文化、人間と社会を理解しようとする意欲を持つことが挙げられています。

「歴史が好き」だけでは書類も面接も組み立てにくいのが正直なところです。好きな時代やテーマについて本を読み、調べたことを人に説明できる人、そして高校の評定もきちんと取っている人に向いた入試だと思います。一般選抜も視野に入れるなら、青山学院大学の一般選抜についての記事も読んで、両方の準備のバランスを考えてみてください。

参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

あわせて読みたい

EMiL個別について

EMiL個別は、総合型選抜・学校推薦型選抜を専門にした1対1の個別指導塾です。EIMEI予備校の鶴瀬・ふじみ野・川越の校舎とオンラインで受講できます。志望理由書に書くことを見つけるところから、小論文・面接の練習、評定や英検の対策まで、一人ひとりの志望校に合わせて一緒に準備します。

EMiL個別の詳しい内容はこちら/ご相談は各校舎の公式LINEから

📩 二神大輝 の更新をメールで受け取る
新しい記事が公開されたらお知らせします(いつでも解除OK) ・ 読者 2人
この記事が役に立ったら、いいね!

この記事を書いた人

二神大輝