この記事は、東京外国語大学(東京外大)の一般選抜を考えている高校生・既卒生と保護者のために書きました。2027年度入試の前期日程・後期日程の配点を、大学が公開している募集要項で確認し、共通テストの自己採点が出たあとにどう判断するかまで、埼玉から受験する人の目線でまとめています。
筆者は英語科の講師なので、配点表を見たときに「英語の比重がここまで大きいなら、何をいつまでに仕上げるか」という話にも踏み込みます。
2027年度の日程を先に押さえる
まず日程です。東京外大の一般選抜は、前期日程が3学部(言語文化学部・国際社会学部・国際日本学部)、後期日程は国際社会学部だけで実施されます。
| 項目 | 2027年度(令和9年度) |
|---|---|
| 出願期間(前期・後期共通) | 2027年1月25日(月)から2月3日(水)まで(郵送必着) |
| 前期日程の試験日 | 2027年2月25日(木) |
| 前期日程の合格者発表 | 2027年3月6日(土) |
| 前期日程の入学手続 | 2027年3月15日(月)まで |
| 後期日程の試験日(国際社会学部) | 2027年3月12日(金) |
| 後期日程の合格者発表 | 2027年3月20日(土) |
| 後期日程の入学手続 | 2027年3月27日(土)まで |
出願は前期も後期も同じ期間です。つまり、共通テストの自己採点が出てから出願締切まで、考える時間は長くありません。Web出願の登録には締切前の時刻指定もあるので、細かい時刻は募集要項で確認してください。試験場は東京外大のキャンパス(東京都府中市朝日町)です。
募集人員(前期・後期)
| 学部・日程 | 募集人員 |
|---|---|
| 言語文化学部 前期日程 | 290人 |
| 国際社会学部 前期日程 | 254人 |
| 国際社会学部 後期日程 | 56人 |
| 国際日本学部 前期日程 | 35人 |
国際社会学部は専攻地域ごとに人数が分かれていて、地域によっては後期日程の募集がないところもあります。たとえばオセアニアは、要項の表で後期日程の欄が「―」になっています。後期日程を「保険」として考える人は、自分の志望地域に後期の枠があるかを最初に確認してください。
前期日程の配点(3学部共通)
募集要項では、前期日程の選抜方法は「言語文化学部・国際社会学部・国際日本学部」をまとめた1つの見出しの下に書かれていて、配点表も3学部で同じです。学部によって配点が変わる大学も多いのですが、東京外大の前期は学部ごとの違いはありません。
共通テスト(500点)
| 教科 | 配点 |
|---|---|
| 国語 | 100点 |
| 外国語(英語・ドイツ語・フランス語・中国語・韓国語から1) | 150点 |
| 数学①(数学Ⅰ、数学Ⅰ・数学Aから1) | 50点 |
| 数学②(数学Ⅱ・数学B・数学C) | 50点 |
| 地理歴史(地理総合・地理探究、歴史総合・日本史探究、歴史総合・世界史探究から1) | 50点 |
| 公民または理科から1科目 | 50点 |
| 情報(情報Ⅰ) | 50点 |
| 合計 | 500点 |
共通テストは6教科7科目です。英語を選んだ場合はリーディングとリスニングの合計点を1対1の比率で150点に換算します。リスニングがリーディングと同じ重さで入るので、リスニングが苦手なまま本番を迎えると、それだけで差がつきます。
公民の選択肢は「公共・倫理」「公共・政治・経済」、理科は「物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎」(基礎の組み合わせ)と、物理・化学・生物・地学です。注意したいのは地理歴史と公民の受け方です。要項には、地理歴史と公民から2科目受けた場合は第1解答科目の成績を利用すること、そして第1解答科目に大学が指定していない「地理総合/歴史総合/公共」を受けると、第2解答科目で指定科目を受けても無資格になることが書かれています。共通テストの科目登録や当日の解答順を決める段階で、この注意書きを一度読んでおいてください。理科を2科目受けた場合も、第1解答科目の成績が使われます。
個別学力検査(450点)
| 科目 | 配点・時間 |
|---|---|
| 英語スピーキング試験+英語(リスニング含む) | 合計300点(スピーキング10:00〜11:10、英語12:30〜14:30) |
| 地理歴史(歴史総合を共通問題、世界史探究・日本史探究を選択問題) | 150点(15:30〜17:00) |
| 合計 | 450点 |
個別試験の外国語は英語のみです。共通テストではドイツ語や中国語などを選べますが、2月25日の個別試験は英語で受けることになります。英語スピーキング試験は、東京外大とブリティッシュ・カウンシルが共同開発したBCT-Sを使い、大学が用意するタブレット端末で解答します。解答そのものは十数分ですが、開始から終了まで70分程度かかると書かれています。
なお、スピーキングと筆記英語の300点の内訳は、募集要項には示されていません。「スピーキングは何点分」と決めつけず、両方を合わせて300点と考えて準備するのが現実的です。
地理歴史は、歴史総合が共通問題で、世界史探究か日本史探究を選ぶ形です。Web出願の登録後は科目を変更できないと明記されているので、出願前に決めておきます。地理で共通テストを受けた人も、個別試験は歴史になる点に気をつけてください。
合計950点の中身を読む
前期日程の合計は共通テスト500点+個別試験450点=950点です。教科ごとに足すと、外国語が450点(共通テスト150点+個別300点)、地理歴史が200点(共通テスト50点+個別150点)、国語100点、数学①・数学②・公民または理科・情報がそれぞれ50点です。
950点のうち外国語だけで450点、ほぼ半分です。地理歴史と合わせると650点で、全体の約3分の2を英語と歴史が占めます。反対に、数学①②・公民または理科・情報はそれぞれ50点なので、どれか1つで多少失点しても、英語の個別試験で取り返せる幅があります。
合格者は、共通テストの成績、個別試験の成績、調査書の内容を総合して決めると書かれています。主体性に関する評価は、合否判定ラインに並んだ人にだけ使うとされています。また、2027年度の要項には第1段階選抜(いわゆる足切り)の記載は見当たりませんでした。ただし変更があれば大学の「重要なお知らせ」に出ると案内されているので、出願前に確認してください。
英語の外部試験(英検など)の扱い
一般選抜の要項を読んだ範囲では、英検などの外部試験スコアを点数に加えたり、出願条件にしたりする記述はありませんでした。外部試験が関係するのは、学校推薦型選抜など一般選抜以外の選抜です。一般選抜で受ける人は、共通テストの英語と、個別試験の英語・スピーキングに集中すれば足ります。
専攻言語・専攻地域の決まり方
配点と同じくらい大切なのが、入学後に何語を学ぶかの決まり方です。
- 言語文化学部:出願時にすべての専攻言語に希望順位を付けます。配置は選抜結果の上位者から希望順に決まります。
- 国際社会学部(前期):専攻地域ごとの募集で、複数の専攻言語がある地域では希望順位を付けます。
- 国際社会学部(後期):出願時に希望する専攻言語を1つ選び、合格者はその言語に決まります。
- 国際日本学部:英語と日本語を中心に学びます(英語の母語話者は日本語が中心)。
言語文化学部では、点数の順に希望が通っていくので、第1希望以外の言語になる可能性も含めて順位を付けることになります。「どの言語でも学べるならいい」のか、「この言語でなければ意味がない」のかで、出願の考え方は変わります。後者なら、言語が出願時点で決まる国際社会学部の後期という選択肢も合わせて考えておくと落ち着いて判断できます。
後期日程(国際社会学部)の配点
| 区分 | 配点 |
|---|---|
| 共通テスト 国語 | 200点 |
| 共通テスト 外国語(英語はリーディング100点・リスニング100点) | 200点 |
| 共通テスト 数学①・数学②・地理歴史・公民・情報から1科目 | 100点 |
| 小論文(英文を読んで日本語で答える、120分) | 200点 |
| 合計 | 700点 |
後期は共通テストが3教科3科目で500点、大学で行う試験は小論文200点だけです。700点のうち500点、約7割が共通テストなので、後期に出願するかどうかは自己採点の結果でかなり見通しが立ちます。前期と違って、共通テストの国語が200点と重くなる点も見落とさないでください。
小論文は英文を読み、日本語で答える形式です。英語が読めることが前提で、そのうえで内容を日本語の文章にまとめる力を見られます。小論文の書き方の基本は小論文の書き方にまとめています。
共通テストのあとに何を見て判断するか
ここからは、埼玉の受験生が共通テストの自己採点を終えてから、東京外大に出すかどうかを決めるときの考え方です。出願締切は2月3日なので、自己採点の翌週には方針を固めておきたいところです。
1. 自己採点を東京外大の配点に換算する
素点の合計ではなく、上の表どおりに500点満点へ換算した点で考えます。英語はリーディングとリスニングを足して150点に、国語・数学・地理歴史・公民または理科・情報もそれぞれの配点に換算します。素点の合計が同じでも、英語が強い人と国語・数学で稼いだ人とでは、東京外大の500点の中では数字が変わります。
2. 個別試験の450点で何点取れそうかを見積もる
前期は個別試験の比重が大きく、英語だけで300点あります。共通テストが思ったより低くても、過去問で個別の英語と歴史がどれくらい取れているかによって判断は変わります。秋から冬にかけて過去問を解いたときの得点を、配点どおりに記録しておくと、この段階で慌てずに済みます。過去問の進め方は過去問はいつから何年分も参考にしてください。
3. 前期と後期の組み合わせを決める
後期日程は国際社会学部だけです。前期で言語文化学部や国際日本学部を受ける人も、後期の国際社会学部と組み合わせることはできますが、専攻地域と専攻言語が変わることを納得したうえで出すべきです。後期の枠がない地域もあるので、要項の表で確認してから決めてください。
他の国公立と組み合わせる場合は、横浜国立大学の前期日程のように、学部によって二次で課す科目が大きく違う大学もあります。同じ共通テストの点でも、大学によって有利・不利が変わるので、候補の大学をそれぞれの配点で換算して並べるのが確実です。
4. 私大の併願との日程を重ねて見る
前期の試験は2月25日、合格発表は3月6日、入学手続は3月15日までです。私大の入学手続締切と東京外大の発表日の前後関係は、出願前に一覧にしておいてください。私大の外国語・国際系学部を併願する場合は、国際・国際教養系学部の比較も役に立ちます。
5. 当日の移動を考えておく
試験場は府中市のキャンパスです。前期は10時のスピーキングから17時の地理歴史まで、1日がかりの試験になります。埼玉県西部から通う場合は、乗り換えや所要時間を事前に調べ、朝の混雑も含めて余裕を持った到着時刻を決めておきましょう。
英語の準備をどう進めるか
配点を見るかぎり、東京外大の前期は英語の総合力で勝負が決まりやすい試験です。要項にも、読解・聴解・作文・発話を中心に総合的な運用能力を見ると書かれています。準備の順番は、おおむね次のように考えています。
- 夏まで:長文を正確に読むための文法と語彙を固め、毎日リスニングに触れる。
- 秋:過去問で個別試験の形式に慣れ、英作文を書いて人に直してもらう。共通テストのリスニング対策も並行する。
- 冬:共通テストの演習をしながら、週に1回は個別試験の英語を時間どおりに解く。スピーキングは短く話す練習を続ける。
- 共通テスト後:個別試験の英語と歴史に絞って仕上げる。
国公立の英語の出題の傾向は国公立大学の英語の傾向にまとめています。スピーキングは急に伸ばすのが難しいので、高2のうちから、英語で自分の考えを短く言う練習を少しずつ始めておくと、高3の冬が楽になります。
参考にした公式情報
- 東京外国語大学 2027年(令和9年)度 一般選抜 学生募集要項(PDF)
- 東京外国語大学 2027年(令和9年)度 入学者選抜要項(PDF)
- 東京外国語大学 一般選抜(前期日程)
- 東京外国語大学 一般選抜(後期日程)
- 東京外国語大学 入試に関する重要なお知らせ
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
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