横浜国立大学の一般選抜(前期日程・後期日程)を考えている高校生・既卒生と保護者の方に向けた記事です。2027年度入試について、横浜国立大学が公式サイトで公表している資料をもとに、学部ごとに個別学力検査で何が課されるのか、そして配点の表をどう読めば「共通テスト重視か二次重視か」を判断できるのかを整理します。
先にお断りしておくと、2027年度の学部別の配点(共通テストと個別学力検査の点数)は、大学が公表している「令和9年度(2027年度)入学者選抜要項」の表に載っています。この記事では点数そのものは扱いません。正確な配点は、選抜要項の表と11月中旬に公表される募集要項で確認してください。代わりに、公式資料の文章部分で確認できた「科目」「日程」「募集人員」「選び方のルール」をくわしく書き、配点の表を手元で見たときに何を計算すればよいかを説明します。
2027年度 横浜国立大学 一般選抜の全体像
横浜国立大学の一般選抜は、5学部(教育・経済・経営・理工・都市科学)で行われます。選抜要項には、選抜は大学入学共通テストの成績と、大学が行う個別テスト・実技検査・面接・調査書・自己推薦書を総合して行うと書かれています。共通テストだけ、二次だけで決まるわけではありません。
出願のルールで押さえておきたいのは次の3つです。
- 前期日程で1学科、後期日程で1学科に出願できます。「前期と前期」「後期と後期」の組み合わせはできません。
- 教育学部は後期日程を行いません。前期日程だけです。
- 一般選抜では2段階選抜(いわゆる足切り)は行わないと選抜要項に明記されています。
2段階選抜がないということは、共通テストの点が思ったより伸びなかった場合でも、出願すれば個別学力検査は受けられるということです。ただし、受けられることと合格の見込みがあることは別の話なので、配点の比重を見たうえで判断する必要があります。
2027年度の日程
大学の「一般選抜の入試情報」ページで確認した日程です。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| Web出願登録 | 2027年1月22日(金)〜2月2日(火) |
| 出願書類の郵送 | 2027年1月25日(月)〜2月3日(水)必着 |
| 個別学力検査(前期日程) | 2027年2月25日(木) |
| 個別学力検査(後期日程) | 2027年3月12日(金) |
| 合格発表(前期日程) | 2027年3月6日(土) |
| 合格発表(後期日程) | 2027年3月20日(土) |
| 入学手続(前期日程) | 2027年3月7日(日)〜3月15日(月) |
| 入学手続(後期日程) | 2027年3月21日(日)〜3月27日(土) |
一般選抜の学生募集要項(出願用の要項)は、2026年11月中旬に公表予定とされています。この記事を書いている11月上旬の時点では、まだ掲載されていません。出願の細かい手続きは、公表後の募集要項で確認してください。
2027年度の募集人員(前期・後期)
| 学部 | 前期日程/後期日程 |
|---|---|
| 教育学部 | 100名/なし |
| 経済学部 | 145名/90名 |
| 経営学部 | 158名/82名 |
| 理工学部 | 362名/247名 |
| 都市科学部 | 121名/49名 |
| 合計 | 886名/468名 |
どの学部も前期日程のほうが人数が多いですが、後期日程の枠も小さくありません。特に理工学部は後期で247名を募集します。なお2027年度は、理工学部 数物・電子情報系学科の電子情報システム教育プログラムの後期日程が38名から37名に変わると、大学の変更予告で発表されています。
学部ごとの個別学力検査の科目
ここからが本題です。選抜要項には「試験科目設定の意図」という項目があり、学部・学科ごとに、前期と後期で何を課すのか、どんな人を求めるのかが文章で書かれています。ここを読むと、同じ大学でも学部によって二次で問われる力がかなり違うことが分かります。
教育学部(前期日程のみ)
教育学部は学校教員養成課程の1課程で、3つのコースに分かれています。前期日程の募集人員は、言語・文化・社会系教育コース32名、自然・生活系教育コース29名、芸術・身体・発達支援系教育コース(音楽・美術・保健体育・心理学)27名、同コースの特別支援教育12名です。
個別の試験は教科の学力検査ではなく、全員が集団面接を受け、そのうえで次のどちらかを受けます。
- 小論文(教育課題論文):言語・文化・社会系、自然・生活系、芸術・身体・発達支援系のうち心理学と特別支援教育
- 実技検査:音楽、美術、保健体育
選抜要項では、小論文で「読解力・文章作成力・論理的思考力」などを見る、と説明されています。教科の筆記試験がないぶん、教科の学力は共通テストで測られる形です。教育学部を考えている人は、共通テストの全教科の準備をしっかり進めたうえで、小論文と面接の練習を秋以降に始める流れになります。小論文の書き方は小論文の書き方、面接は面接対策の記事も参考にしてください。
経済学部と経営学部は、前期と後期で逆になる
この2学部の比較はとても分かりやすいので、並べて書きます。
| 学部・日程 | 個別学力検査で求める力(選抜要項の記述) |
|---|---|
| 経済学部 前期 | 数学および英語の両方に優れた人 |
| 経済学部 後期 | 数学または英語のいずれかに秀でた人 |
| 経営学部 前期 | 数学または英語のいずれかに秀でた人 |
| 経営学部 後期 | 数学および英語の両方に優れた人 |
つまり、数学と英語の両方で勝負したい人は経済の前期・経営の後期、どちらか一方が得意な人は経営の前期・経済の後期が形のうえでは合っています。数学に不安がある文系の人にも、英語を武器にできる入口があるということです。個別試験での科目の選び方の細かい扱いは、募集要項で確認してください。
もう一つ大事なのが、教育プログラムの選び方です。経済学部には一般のほかにDSEP(データサイエンス)とLBEEP、経営学部には一般のほかにDSEPがあります。前期・後期それぞれで志望できるのは1つだけです。選抜要項によると、
- どちらの学部でも、DSEPはDSEP志望者のうち個別テストの数学の成績上位者から合格者を選びます。
- 経済学部のLBEEPは、共通テストと個別テストの偏差値(得点を標準化した値)の合計が高い人から選びます。
- DSEPやLBEEPを志望して届かなかった場合でも、同じ基準で審査された結果、一般プログラムの合格者になることがあります。入学後のプログラム変更はできません。
DSEPを考えている人は、二次の数学で上位に入れるかどうかがそのまま合否を分ける仕組みです。経済系の学部と数学の関係は経済・経営と数学でも書いています。
理工学部
理工学部は「数学と理科および英語」の力を特に重視すると書かれています。学科ごとの記述は次のとおりです。
- 機械・材料・海洋系学科:前期は数学、物理、化学、英語。後期は数学および物理・化学。
- 化学・生命系学科:前期は数学、物理・化学、英語。後期は化学をはじめ数学や物理に秀でた人を求める、という書き方です。
- 数物・電子情報系学科:前期は数学、物理・化学、英語。後期は特に数学と物理・化学に秀でた人を求め、共通テストでは外国語を重視すると明記されています。
前期はどの学科も英語が個別試験に入る点に注意してください。理系の受験生は英語を共通テストまでで止めてしまいがちですが、横浜国立大学の理工学部の前期を受けるなら、記述式の英語の準備が必要です。一方、後期は数学と理科が中心になります。また、機械・材料・海洋系と数物・電子情報系では、同じ学科の中に限って別の教育プログラムを第2志望にできます。化学・生命系学科は入学時にプログラムを分けずに募集します。
都市科学部
都市科学部は学科によって試験の性格が大きく違います。
- 都市社会共生学科:前期は国語・英語・地理歴史・公民の学力を土台とする小論文。後期は面接。
- 建築学科・都市基盤学科:前期は数学、理科、英語。後期は数学と理科が必須。
- 環境リスク共生学科:前期は数理的な力、理科の力、英語力を見る試験。後期は数学と小論文。
都市社会共生学科は文系の受験生も多い学科ですが、前期の個別試験が教科別の筆記ではなく小論文である点が大きな特徴です。環境リスク共生学科の後期も、数学に小論文が加わる組み合わせになっています。
「共通テスト重視か二次重視か」を配点表から読む手順
ここまでで、どの学部が何を二次で課すのかは分かりました。次に知りたいのは、共通テストと二次の点数のバランスです。これは選抜要項の「教科・科目等」の表(学部ごとのページ)に載っています。表を開いたら、次の順で見てください。
- 志望する学部・学科・日程の欄を探し、共通テストの合計点と個別学力検査の合計点をそれぞれ書き出す。
- 共通テストの合計点を、両方を足した総合点で割る。これが共通テストの比率です。5割を大きく超えていれば共通テスト寄り、下回っていれば二次寄りと考えられます。
- 共通テストの教科ごとの配点を見て、素点からどう換算されているかを確認する。特定の教科だけ配点が高く設定されている場合は、その教科の出来が合否に強く響きます。
- 個別学力検査の科目ごとの配点を見て、どの科目で差がつきやすいかを考える。たとえば英語だけ配点が高い学科なら、英語の記述対策の優先順位が上がります。
- 前期と後期の両方に出願するなら、両方の比率を並べて書いておく。前期と後期で比率がまったく違う学部もあるので、出願の組み合わせを考える材料になります。
この計算をしておくと、共通テストが終わった後の自己採点の段階で「この点数なら二次で何点取ればよいか」を具体的に出せます。逆に、これをしないまま出願すると、共通テストの出来だけで気持ちが上下してしまいます。
共通テストの点が伸びなかったときに、二次の比重が大きい学部・日程へ切り替えるという判断も、比率が手元にあればすぐにできます。2段階選抜がない横浜国立大学では、この切り替えを考える余地が比較的あります。
時期ごとにやっておくこと
今は11月上旬です。2027年度入試に向けた残りの期間を、横浜国立大学志望の人向けに区切るとこうなります。
- 11月中:公表済みの選抜要項で志望学科の配点表を確認し、上の手順で比率を計算する。11月中旬に一般選抜の学生募集要項が公表されたら、内容に変わりがないかも見ておく。
- 11月〜12月:共通テストの演習と並行して、志望学部の二次科目の過去問を週に1回は解く。経済・経営なら数学と英語、理工なら英語の記述、都市社会共生なら小論文。
- 1月の共通テスト後:自己採点をして、配点表で換算した点数を出す。前期・後期の出願先をここで確定する。Web出願登録は1月22日から2月2日です。
- 2月:前期日程(2月25日)に向けて二次科目に集中する。後期を出願した人は、後期の科目も並行して準備しておく。
国公立の二次で記述答案をどう書くかは国公立二次の記述、国公立と私立をどう組み合わせるかは国公立か私立かの記事にまとめています。
埼玉県西部から横浜国立大学を目指す人へ
川越・ふじみ野周辺から横浜国立大学を受ける場合、併願の国公立として埼玉大学や東京都立大学、千葉大学を比べる人が多いと思います。同じ国公立でも、二次で課す科目や共通テストとの比重は大学ごとにかなり違います。横浜国立大学は、経済・経営で「数学と英語の両方か、どちらか一方か」を日程によって分けている点がはっきりした特徴です。
自分の得意科目がどの入口に合っているのかを、配点表と過去問の両方で確かめてから出願先を決めてください。EIMEI予備校では大学ごとに入試対策読本を自作していて、こうした科目と配点の確認から一緒に進めています。
参考にした公式情報
- 横浜国立大学「一般選抜の入試情報」
- 横浜国立大学「令和9年度(2027年度)入学者選抜要項」
- 横浜国立大学「入学者選抜要項・募集要項」
- 横浜国立大学「令和9年度横浜国立大学入学者選抜における変更について(予告)」
- 横浜国立大学 教育学部「一般選抜」
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
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EIMEI予備校について
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