法政大学GIS(グローバル教養学部)の総合型選抜 自己推薦入試S基準・A基準の日程と準備

この記事は、法政大学グローバル教養学部(GIS)の総合型選抜「自己推薦入試(S基準・A基準)」を来年以降に考えている高1・高2の人と、その保護者の方に向けて書いています。2027年度入試(2026年に実施)の公式情報をもとに、日程、提出書類、選考の流れ、いつ何を準備するかを順番に整理しました。

GISは2027年度の入試ガイドに加えて、出願についてのQ&Aも大学のサイトで公開しています。この記事は、それらの大学の公式情報で確かめられたことだけをもとに書いています。法政大学のキャリアデザイン学部の自己推薦入試を考えている人向けにも、記事の最後に少しだけ触れます。

GISの総合型選抜はどんな入試か

GISについて、大学のQ&AではGISが主催する授業は原則すべて英語で行われると説明されています。英語で講義を聞き、英語で議論し、英語でレポートを書く学部だと考えてください。

そのGISの総合型選抜が「自己推薦入試」で、S基準とA基準の2つの出願区分があります。2027年度の入試ガイドでは、選考は書類審査と、対象者のみのオンライン面接で行うと書かれています。筆記試験や小論文の試験日が並ぶタイプの入試ではありません。

そのため、合否を大きく左右するのは出願時に送る書類です。入試ガイドでは「提出書類から、受験生の資質や能力を総合的に評価」するとあり、書類の例としてPersonal Statement、基準を満たした英語スコア、調査書などが挙げられています。書類の出来が、そのまま選考の中身になる入試だと受け止めておくのが現実的です。

S基準とA基準の違い

2つの区分のいちばん大きな違いは英語スコアの扱いです。入試ガイドには「A基準では、英語スコアのスコア・級は問わない」と書かれています。S基準で求められる英語スコアの条件や試験ごとの具体的な数値は、今回確認した大学のページには載っていなかったので、入学試験要項で確認してください。

A基準についてはGISのお知らせでも、最低スコアの基準はなく、英検は不合格の回でも提出できると案内されています。ただし、スコアそのものは提出します。「英語の資格を持っていなくても出せる」という意味ではないので注意してください。

2027年度の日程と募集定員は、入試ガイドで次のように示されています。

項目 内容(2027年度)
S基準 出願期間 2026年9月1日(火)〜9月10日(木)
S基準 合格発表 11月4日(水)
S基準 入学手続締切 11月10日(火)
S基準 募集定員 7名
A基準 出願期間 2026年10月6日(火)〜10月16日(金)
A基準 合格発表 12月15日(火)
A基準 入学手続締切 12月22日(火)
A基準 追加合格発表 12月22日(火)、手続締切は1月8日(金)
A基準 募集定員 33名

S基準は9月上旬、A基準は10月中旬と、出願の時期が約1か月ずれています。高3の夏休みが終わってすぐにS基準の締切が来る、という点は早めに頭に入れておいてください。

また入試ガイドとGISの出願Q&Aには、S基準とA基準は併願できること、他大学・他学部との併願もできることが書かれています。ただし、併願先の大学や学部が専願(単願)を条件にしていないかは、自分で確認するように案内されています。

どちらの区分でも、評価は提出書類全体をもとに行われます。S基準を出せるスコアがあるかどうかだけで考えず、Personal Statementや紹介状まで含めた書類の完成度で勝負する入試だと考えて準備するのがよいと思います。

出願に必要な書類と、つまずきやすい点

GISは2027年度入試向けに「よくある問い合わせ」をまとめて公開しています。ここに書かれていることは、実際に出願の準備をする人がよく迷う点なので、高1・高2のうちに読んでおくと準備の全体像がつかめます。主な内容を、私の言葉で整理します。

紹介状は2通、先生2人に頼む

Q&Aでは、紹介状は出願時点で最終出身校に在籍している専任教員2名に依頼すると書かれています。お世話になった先生がすでに退職している場合でも、この条件は変わりません。留学先の高校の先生に頼めるのは、その留学先が最終出身校である場合に限られます。

ここは後回しにされがちですが、実はかなり大事な準備です。先生にとっても、夏休み明けの忙しい時期に急に頼まれるのは負担になります。高2のうちから、授業や課外活動で自分のことを知ってもらえる先生を2人意識しておくと、高3になって慌てずにすみます。学校の先生への相談の進め方は推薦の準備、学校の先生と塾にどう相談するかにまとめています。

英語スコアの出し方は試験ごとに違う

A基準のお知らせでは、提出できる英語の試験として英検、TOEFL iBT(Paper Editionを含む)、IELTS(Academic Module)が挙げられています。Q&Aによれば、要項で定められた種類のうち1種類でよく、複数の種類を出すこともできますが、複数出しても優遇はないとはっきり書かれています。大学のQ&Aでも、特定のテストが有利ということはないと説明されています。

提出の方法は試験によって違います。英検は合格証明書とCSEスコア証明書が必要で、個人成績表は使えません。TOEFLとIELTSは、試験団体から大学への電子送信を依頼したうえで、TOEFLは受験者用控えのスコアレポート、IELTSは依頼が完了したとわかる書類と成績証明書(原本またはeTRF)を出す形です。大学のQ&Aでも、出願締切と試験団体からのスコア送付には十分注意するよう呼びかけられています。締切ぎりぎりに受験すると、スコアの送付が間に合わないおそれがあります。

英検をいつまでに、どの級まで取っておくかは、英検はいつまでに、どの水準で取るかも参考にしてください。

大学は到着確認をしてくれない

Q&Aには、大学は出願書類や英語スコアの到着確認を行わないと書かれています。郵送した書類は郵便局や配送会社の追跡サービスで自分で確かめ、スコアの直送については試験団体に問い合わせることになります。

A基準のお知らせでも、書類に不備がある場合は受験資格なしと判断されると案内されています。書類を出したら終わりではなく、届いたことまで自分で確認すると覚えておいてください。

合格者の評定やスコアは公開されていない

Q&Aでは、過去の年度も含めて、合格者の評定や英語スコア、SATのスコアなどのデータは公開していないと明記されています。「何点あれば受かる」という数字を探しても公式には出てこない、ということです。ネット上の数字に振り回されず、要項の条件を満たしたうえで、書類の中身を磨くことに時間を使うほうが建設的です。

書類審査で何が見られているか

GISは評価の観点を細かく公表しているわけではありません。ただ、入試ガイドの「資質や能力を総合的に評価」という書き方と、提出書類の組み合わせを見れば、どんな準備が必要かはある程度わかります。

調査書からは、高校での学習への取り組み方が伝わります。紹介状からは、先生の目から見た日常の姿勢が伝わります。英語スコアは、英語で行われる授業についていく土台があるかの目安になります。そしてPersonal Statementは、なぜGISで学びたいのか、入学して何を学び、どう伸びていきたいのかを本人が伝える唯一の書類です。

Personal Statementの使用言語や字数、テーマの指定は、今回確認した大学のページには載っていませんでした。2028年度の要項が出たら、まずそこを確認してください。そのうえで、内容づくりは今から始められます。

私が生徒と一緒に書くときは、次の順番で考えます。

  1. 自分が高校生活で本気で取り組んだことを、時期と具体的な行動で書き出す
  2. その中で「もっと知りたい」「うまく説明できない」と感じた問いを1つ選ぶ
  3. GISの授業科目や教員の研究を調べ、その問いに近い学びがどこにあるかを探す
  4. 入学後に何を学び、その先にどうつなげたいかを、自分の言葉で筋道立てて書く

3番目の大学研究はとても大事です。GISのサイトではWebシラバスへのリンクも案内されています。授業の名前だけでなく、授業の中身や扱う文献まで読むと、Personal Statementに書けることが具体的になります。調べ方は志望理由書のための大学研究(シラバスと先生の研究)で詳しく説明しています。

オンライン面接への備え

入試ガイドとお知らせでは、オンライン面接は対象者のみ、必要に応じて実施するとされています。出願した全員が面接を受けるわけではありません。面接の言語や形式、日程の詳細は今回のページでは確認できなかったので、要項と大学からの案内を必ず確かめてください。

とはいえ、面接の案内が来てから準備を始めると間に合いません。英語で授業を受ける学部ですから、英語で質問されても慌てずに答えられるようにしておくと安心です。少なくとも、Personal Statementに書いた内容を口頭で説明し直せること、書いたことについて「なぜ」と聞かれても答えられることは、出願前に仕上げておきたいところです。

オンライン特有の注意点は総合型・推薦のオンライン面接対策にまとめています。

学年ごとの準備の時期

今は11月初めです。2027年度のS基準はすでに出願が締め切られ、合格発表は11月4日、A基準も10月16日で出願が締め切られ、発表は12月15日です。今年の出願にはもう間に合わないので、ここからは来年以降に受ける人向けの話になります。

なお、2028年度入試の要項はまだ発表されていません。ここに書く時期は2027年度の日程をもとにした目安です。来年度の要項が出たら、日程と条件を必ず確認してください。

高1の今から

英語の4技能をまんべんなく伸ばし始める時期です。特にライティングとスピーキングは、短期間では伸びにくいものです。英語で日記を書く、ニュースを英語で要約するなど、毎日少しずつ英語で考える時間をつくっておくと、高3になってから楽になります。

定期テストにもきちんと取り組んでください。調査書は出願書類の一つです。学年の途中で崩れた成績を後から取り戻すのは大変なので、苦手科目こそ早めに手を打っておきましょう。

高2の冬から春

英語の資格試験を本格的に受け始める時期です。S基準を考えている人は、要項の基準を確認したうえで、高3の夏までに基準を超えるスコアを確実に手元にそろえる計画を立ててください。電子送信の手続きや、スコアが出るまでの時間も逆算に入れておく必要があります。

同時に、自分が取り組んできた活動を振り返り、Personal Statementのもとになる経験と問いを探します。派手な実績である必要はありません。続けてきたことの中で考えが変わった場面を探すと、書く材料が見つかりやすくなります。紹介状をお願いしたい先生のことも、この時期から意識しておくとよいと思います。

高3の春から夏

要項が公開されたらすぐに読み、出願資格、提出書類、様式、提出方法をすべて書き出します。2027年度は、総合型選抜の入学試験要項を7月中旬頃に公開する予定と案内されていました。S基準を出すなら、夏休みのうちにPersonal Statementを仕上げ、紹介状の依頼も済ませておく必要があります。9月に入ってから動くのでは間に合いません。

A基準だけを出す人も、S基準の締切が来る9月初めには書類の大枠を完成させておくと、10月の出願期間に落ち着いて見直しができます。書き上げたら、学校の先生や家族など、自分以外の人に読んでもらってください。

一般選抜も視野に入れておく

GISのQ&Aでは、特別入試で不合格だった場合でも一般選抜(A方式)に出願できると説明されています。総合型選抜だけに絞らず、一般選抜の勉強も並行して続けておくと、結果がどうであっても次の手が打てます。法政大学の一般選抜については法政大学の一般選抜の記事にまとめています。

キャリアデザイン学部を志望する人へ

この記事では、キャリアデザイン学部の出願資格や日程までは扱っていません。法政大学の入試情報サイトの「2027 自己推薦入試・公募推薦入試一覧」では、キャリアデザイン学部の入試としてキャリア体験自己推薦、商業学科等対象公募推薦(現役生のみ)、グローバル体験公募推薦(現役生のみ)の3つが挙げられています。

学部のアドミッション・ポリシーでは、これらの総合型選抜で求める学生像を、十分な基礎学力と多様な経験があり、関心や学びの展望を的確に表現できる人、と説明しています。経験そのものだけでなく、その経験から何を考え、大学で何を学びたいのかを言葉にできるかが問われる、と読み取れます。

出願資格や日程、選考内容は、入試情報サイトで案内されている入試ガイドと入学試験要項で確認してください。準備の進め方そのものは、この記事で書いた書類づくりや学年ごとの段取りがそのまま使えます。

参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

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二神大輝