立教大学を受けようと考えている高校2年生・3年生と、そのご家庭に向けた記事です。立教は英語の点数が試験当日ではなく出願の時点でほぼ決まっている大学で、「いつまでに何を用意するか」「どの日を受けるか」を他大学と違う順番で決める必要があります。
ここでは科目ごとの勉強法には立ち入らず、英語のしくみと6つある試験日の選び方だけを扱います。科目別の傾向は立教大学 一般選抜 全科目の傾向と対策と合わせてお読みください。
立教の一般入試には、英語の試験がほぼない
大学はこう説明しています。「外国語教科については、すべての学部で英語資格・検定試験または大学入学共通テストの『外国語(『英語』)』の得点を利用します。」試験会場で英語を解くことはありません。使えるのは次の2つです。
- 英語資格・検定試験のスコア…ケンブリッジ英語検定/実用英語技能検定(英検。従来型・S-CBT・S-Interview)/GTEC(オフィシャルスコアに限る)/IELTS(Academic Module)/TEAP/TOEFL iBT(Test Date Scoresのみ)
- 共通テストの「外国語(『英語』)」の得点…リーディングとリスニングの配点比は1対1
いずれも4技能のスコアが必要です。英検は「級の合格・不合格は問わず、4技能スコアがあれば出願できます」と説明されています。立教が見ているのは級ではなく4技能のスコアです。
例外は2つだけ
一つめは2月11日の文学部。この日にかぎり立教が作った英語の試験(75分・200点)があり、逆に資格試験のスコアも共通テストの英語も使えません。外部スコアを持っていない受験生でも、2月11日なら立教の文学部を受けられるということです。逆にスコアが強い文学部志望者なら、この日を避けたほうが有利になることもあります。文学部だけは「独自英語で勝負する日」と「外部スコアで勝負する日」を選べます。
二つめは法学部国際ビジネス法学科グローバルコース。ここだけは国語と選択科目の合計(200点満点)で判定し、英語は得点化されません。かわりに出願の条件として使われ、英検なら4技能2,450点以上かつスピーキング557点以上が条件、4技能2,600点以上なら5点が加算されます。
スコアは「基準点」ではなく「点数に換算される」
大学の説明を正確に引きます。「提出された英語資格・検定試験のスコアまたは大学入学共通テストの『外国語(『英語』)』の得点に統計的処理を行い、本学独自の方法により得点化します」
一般入試では、英検何点なら何点という換算表が事前に示されません。出願締切後に、その年の全受験生のスコアをまとめて処理します。ここから3つ言えます。
- スコアは高いほど有利です。基準点方式ではないので「2級を取れば十分」はありません
- 最低スコアの下限はありません(グローバルコースだけが例外)
- 試験の種類による有利不利も調整されます。「資格・検定試験によって有利・不利が生じないよう統計的処理を施します」と明記されており、「英検よりGTECが得」という作戦は成立しません
複数出すのが正解です
複数のスコア(共通テストの英語を含む)を同時に提出でき、統計処理後の得点がもっとも高いものが自動的に採用されます。英検も共通テストも持っているなら両方出してください。
大学のQ&Aには「『英検2級2,250点』と『英検準1級2,200点』を取得している場合、4技能スコアが高い『英検2,250点』を提出してください」という例も出ています。級が上でもスコアが低ければ、級の低いほうが有利です。
注意点が2つ。同じ試験の異なる実施回のスコアを技能ごとに組み合わせることはできません。またスコアには有効期間があり、2027年度入試は2025年1月以降のものが有効です。詳しくは英検などの外部スコアの使い方もご覧ください。
6つの試験日と、選択科目という落とし穴
立教は2026年度で6日程(2月6日・8日・9日・11日・12日・13日)。試験日が異なれば同じ学科を複数回受けられます。ところが選択科目によって受けられる日が決まってしまいます。
- 歴史総合,日本史探究…2/8・2/9・2/11・2/12・2/13の5回
- 歴史総合,世界史探究…2/6・2/8・2/11・2/12・2/13の5回
- 数学(文系)…2/6と2/9の2回
- 地理総合,地理探究…2/8のみの1回
- 公共,政治・経済…2/12のみの1回
- 理系(数学・理科)…2/6と2/9の2回。理学部と環境学部理系型はこの2日だけ
同じ学科でも、受験機会が1回から5回まで変わります。しかも偏差値法で得点調整をするため、「点が取りやすい科目を選ぶ」という作戦も成立しません。立教で選択科目を決める基準は、有利不利ではなく受験回数です。
合否は日程ごとに独立して出ます
大学のQ&Aには「受験した日程ごとに、合否を発表します」と明記されています。複数日程の最高点を採用する制度はありません。3回受ければ3回別々に判定されます。受験回数を増やすほど「当たり日」を引ける確率が上がる、という意味で有利になるだけです。
最高点採用があるのは英語のスコアだけ。英語のスコアは最高点採用、日程ごとの合否は独立。この2つを混同しないでください。なお合格発表は第1回から第4回まであり、第1回で不合格でも後の発表で合格になることがあります。科目ごとの足切りもありません。
ただし1試験日につき選考料が35,000円かかり、割引制度はありません。回数はご家庭と相談を。
国語と選択科目の2科目で、何点取ればよいか
立教は3科目合計の合格最低点を公表しません。そのかわり「英語以外2科目」の合格者最低点を日程別・学科別に公表しています。ただし「統計処理(得点調整)前の得点を示しています」という注記つき。公表値は素点で、合否は調整後の点数で決まります。
2026年度の観光学部観光学科(2科目350点)を見てください。2月8日は286点、2月13日は208点。同じ学科・同じ年度で78点も違います。合格者のレベル差ではなく、問題の難易度差がそのまま素点に出ているだけです。文学部日本文学専修も242〜325点(83点幅)と動く一方、経済学部経済政策学科は174〜186点(12点幅)と安定。振れ幅の大きい学科ほど、複数日程を受ける価値が高いということです。
水準は、文系が素点でおおむね5〜9割、理系が4〜6割。理学部化学科は2月6日が94点/250点(37.6%)で4割を切っています。文系の感覚で「7割は必要」と考えると、理系では過大な目標です。また「英語以外2科目の最低点」と「英語の最低点」を足してはいけません。別々の受験生の値です。
目標は「受ける日程の最低点+1割」で置く
- 経済学部経済学科(2科目250点)…2月6日なら193点(最低175+1割)、2月12日なら162点(最低147+1割)
- 社会学部社会学科(2科目200点)…2月8日なら190点(最低173+1割)、2月13日なら146点(最低133+1割)
- 理学部物理学科(2科目300点)…2月6日なら151点(最低137+1割)、2月9日なら173点(最低157+1割)
同じ学科でも日程によって目標点が30〜45点変わります。違う日程の数字と比べても意味がありません。立教は偏差値法ですから、勝負は絶対点ではなくその回の平均点からどれだけ上に出られるかです。
なお2月11日の文学部だけは、立教で唯一3科目の総合点が分かります。2026年度は史学科が日本史選択460点/600点(76.7%)、教育学科が日本史選択398点/550点(72.4%)でした。
日程ごとに、出るものが違います
大学は「同一試験日で同じ試験科目の場合は、学部を問わず同じ問題が出題される」と明言しています。立教に「文学部の国語」「経済学部の国語」という区別はなく、あるのは「2月8日の国語」「2月12日の国語」です。日を選ぶ材料を挙げます(2023〜2026年度の問題冊子103冊の実測)。
国語
- 2/6…現代文の読む量が多い年がある
- 2/8…4年とも6,550〜6,700字で重い日。古文は平安の王朝文が中心で設問数も最多。そのかわり紛れが少ない
- 2/9…取り組みやすい回があった
- 2/11…漢文が入る唯一の日(文学部のみ)
- 2/12…近年は分量が軽い。ただし2026年度は40字記述が入った
- 2/13…古文が近世の歌論だった年があり、文学史で割れた
地理歴史・公民
- 2/6…世界史専用日(日本史なし)。短文記述(10字以内・1行)が出る
- 2/8…地理が受けられる唯一の日。実施科目が最多で、日本史は図版・地図・グラフがバランスよく入る
- 2/9…日本史専用日(世界史なし)。原漢文史料の比重が高い
- 2/11…図版読解が最重量。選択は地理歴史のみで、数学は選べない
- 2/12…公共,政治・経済が受けられる唯一の日。世界史は論述負担が最も重い
- 2/13…文系の最終日。日本史は絵図・史料の比重が最も高い
科目によって「自分に合う日」が逆になることがあります。国語で有利なのは2/12だが、日本史で有利なのは2/8かもしれない、という具合です。迷ったら両方受けるのが立教では合理的です。
漢文について一点。全学部日程(2/6・8・9・12・13)の国語を確認した11冊すべてで、漢文の独立した大問はありませんでした。2月11日を受けないなら、立教のために漢文を用意する必要はありません。
英語のスコアは、いつまでに用意するか
高2の終わりから高3の夏までに4技能の英語資格試験を受けておくのが基本線です。理由は3つ。
- 1年以上前のスコアでも使えます。2027年度入試なら2025年1月以降が有効なので、高2の1月に受けたものも使えます
- 何度でも受け直せて、いちばん良いものを出せます。早く始めるほど回数を稼げます
- 英語が確定すると、国語と選択科目に集中できます。多くの私大は直前まで3科目を並行して仕上げますが、立教は2科目に絞れます
英検をいつ取りに行くかの全体設計は英検はいつまでに、どの水準で取るかで扱っています。
どこまで上げればよいか
立教は「合格者が英語で何点だったか」も公表しています。2026年度の共通テスト英語(200点満点)の合格者最低点です。この年の全国平均は117.46点でした。
- 経営学部 国際経営学科…180点(90%)/異文化コミュニケーション学部…170点(85%)
- 社会学部 現代文化学科…165点(83%)/社会学科145点(73%)
- 法学部 法学科…149点(75%)/観光学部 観光学科…144点(72%)
- 現代心理学部 心理学科…155点(78%)/映像身体学科129点(65%)
- 理学部 物理学科…103点(52%)/数学科89点(45%)
一つめ。文系はほぼ全学科で共通テスト英語7割以上が合格者の下限です。全国平均117.46点に対し、文系の最低点は129〜180点。平均より11〜62点も上に下限があります。立教の文系は、英語で平均並みでは戦えません。
二つめ。理学部は45〜59%で合格者が出ています。理系の英語配点は100点(満点の25〜33%)で、英語が弱くても数学と理科で挽回できます。
三つめ。同じ学部でも学科で差があります。社会学部で20点差、現代心理学部で26点差。学部単位ではなく学科単位で見てください。
資格試験ならCEFRで見ます。合格者のスコアがB2(英検準1級相当)までにとどまるのは、英米文学専修・異文化コミュニケーション・経営・国際経営・国際ビジネス法グローバルコースの5つ。この5つを志望するなら英検2級では厳しいと考えるべきです。それ以外はB1(英検2級相当)が並びます。
目標の決め方は、志望学科の最低点に10点を足すだけです。最低点はぎりぎり1人が通った点なので、上に置きます。なおこの数字は一般入試の合格者のもので、共通テスト利用入試の最低点ではありません。GMARCH全体での立教の位置はGMARCHの英語の比較もご覧ください。
2027年度を受ける人への注意
立教は「TOEFL iBTとTEAP CBTの取扱いを変更」と予告しています。この2つで出願する予定の人は、2026年11月上旬に公表される入試要項で必ず確認してください。ほかの試験を使う人には影響しません。
出願前チェックリスト
- 選択科目で何日受けられるか。地理は2/8のみ、公共・政治経済は2/12のみ
- 英語に何を使うか。資格試験と共通テスト英語は両方提出できる(高いほうが自動採用)
- スコアは有効期間内か。4技能そろっているか
- 文学部志望なら2月11日を受けるか。受けるなら漢文の準備が要る
- 志望学科の英語の配点を確認したか(学部によって100点から200点まで差がある)
立教を一言でまとめるなら「英語を先に決めて、残り2科目で戦う大学」です。志望校全体の組み方は大学別 一般選抜の傾向と対策 まとめからどうぞ。
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