復習はいつ・何回・どの単位でやるか|「覚えたはずが抜ける」を設計で直す手順を川越の予備校が説明します

こんにちは、EIMEI予備校の二神です。

面談でいちばん多い相談のひとつが、これです。「覚えたはずなのに抜けていく」「やったのに模試で出てこない」。勉強時間は減っていない。ノートも埋まっている。それでも、テストの場面になると出てこない。

この記事は、川越とその周辺の高校に通う高校生・既卒生で、勉強量のわりに定着しない感覚がある人に向けて書きます。扱うのは気持ちの持ち方ではなく、復習を「いつ・何回・どの単位で」やるかを自分で決める手順です。記憶の仕組みの話はしません。EIMEIが確認できるのは、勉強の設計と行動のしかただけなので、そこに絞ります。

なお単語そのものの進め方は英単語が覚えきれないときで扱っているので、この記事では深追いしません。

「抜ける」を4つに分ける

同じ「抜けた」でも、原因が違えば打つ手が違います。まず自分がどれなのかを決めてください。ひとつに絞れないときは、直近の模試で失点した設問を5問だけ選んで、1問ずつ当てはめると判定できます。

①そもそも入っていない

読んだ・書いた・授業を聞いた、で終わっているものです。テキストに線は引いてあるのに、その単語や用語を自分の口で説明したことが一度もない。これは「抜けた」ではなく、まだ入れていない状態です。復習の設計をいじっても直りません。1回目のやり方を変える必要があります。

②入れたが、間隔が開きすぎた

7月に固めた範囲を、9月まで一度も触っていない。範囲が広がるにつれて、前に進むことだけで時間が埋まり、戻る枠が消えていきます。これはやり方の問題ではなく予定の問題です。戻る枠が予定表に存在しないなら、戻れないのは当然です。

③思い出す練習をしていない

いちばん多いのがこれです。復習と言いながら、やっているのは読み返しだけ。答えが見えている状態で確認しているので、「知っている感じ」は強くなりますが、何も見ずに出す練習はゼロ回のままです。模試は何も見られない場面なので、ここで差が出ます。

④使う場面とずれた形で覚えた

英単語を日本語訳だけで覚えたのに、入試では文中の言い換えを問われる。日本史の用語を単独で覚えたのに、出題は史料の中や年代整序の形で来る。数学の解法を答えを見ながら追ったのに、試験では白紙から立式する。覚えた形と問われる形が違うケースです。この場合、回数を増やしても改善しません。形を変える必要があります。

「思い出す練習」と「見直す」は別の作業です

ここを混ぜているかぎり、復習の回数を増やしても手応えは変わりません。順番を固定してください。

  1. 隠す。答え・訳・解説を先に閉じます。単語なら日本語側、日本史なら用語側、数学なら解答を伏せます。
  2. 出す。何も見ずに、口か紙に出します。単語なら訳とコロケーション、日本史なら用語と「いつ・誰が・何をしたか」、数学なら答えではなく最初の一手(何を文字で置くか、どの定理を使うか)を書きます。
  3. 照合する。ここで初めて開きます。
  4. 印をつける。出せなかったものにだけ印をつけます。

1から4が「思い出す練習」です。答えを開いた状態で読むのは「見直す」で、これは①の入れる作業に属します。両方必要ですが、別の作業として数えることが大事です。

何をもって「できた」とするか

基準を決めていないと、毎回自己判定が甘くなります。EIMEIでは次の線で切っています。

  • 英単語:見て2秒以内に訳が出る。詰まって思い出したものは「できていない」に入れます。
  • 英文法・構文:なぜその形になるかを一文で言える。正解の選択肢を選べただけでは「できた」にしません。
  • 日本史:用語を答えられるだけでなく、前後の出来事を1つずつ言える。年代整序と正誤判定で問われるのはこの部分です。
  • 数学解答を見ずに最後まで通る。方針だけ合っていて計算で止まったものは、別の印にして計算だけやり直します。

この基準があると、次に挙げる「印をつけたものだけ間隔を詰める」が機械的に回ります。

復習の間隔は、4点を置いてから詰める

何日後が正解かを探す必要はありません。先に4つの点を置き、できなかったものだけ点を増やすという順番にします。

  1. 初回:入れた日。ここは「見直す」中心で構いません。
  2. 翌日:翌日の朝か、次にその科目を触るとき。ここから隠して出す形に切り替えます。
  3. 週末:その週に入れた範囲をまとめて1回。曜日を固定します。
  4. 月内:月の最後の週に、その月の範囲を通しで1回。

この4点だけを予定表に書きます。そして週末と月内の回では、印がついているものだけ扱います。全部やり直すと時間が足りず、結局どこもやらないことになります。週末に印つきが多すぎて終わらないときは、翌日の点をもう1回増やす(2日後にもう一度出す)という形で、詰めるのは間隔のほうです。

回数を科目ごとに変える理由

科目によって、1回で扱える量と、抜けたときの損失が違います。だから一律の回数にはしません。

英単語は1項目あたりの負荷が小さく、1回の判定が数秒で終わります。だから回数を多く(週2回以上)取れます。一方、数学の解き直しは1題に10分前後かかるので、同じ回数は物理的に置けません。代わりに1回あたりの密度で補います。日本史は用語の判定が速い一方、出題が史料や整序の形で来るため、用語の回数とは別に「形を変えて出す回」を月内の点に置きます。

復習の単位を決める(1回で扱う量)

「単語を復習する」では予定になりません。1回で扱う量を数字で決めてください。目安はこれくらいです。

  • 英単語:1回30語前後。EIMEIのテーマ別単語帳は1テーマ約30語+成句という構成なので、1テーマ=1単位で切れます。
  • 英文法:1回1項目(分詞構文、仮定法など)+例文5文。問題数ではなく項目で切ります。
  • 日本史:1回で教科書1節分、用語なら30語前後。過去問の形に合わせるなら大問1つ分を単位にします。
  • 数学:1回3題。解き直しは「最初の一手だけ」を10題まとめて確認する回と、「最後まで通す」3題の回を分けます。

単位を細かくしすぎると管理そのものが負担になります。1〜2週間で一周し終わる大きさまで割って、それ以上は割らないのが扱いやすい線です。

優先順位の例1:日本史の時代を、頻度の数字で重みづけする

EIMEIは大学ごとに入試対策読本を自作していて、そのために過去問冊子を年度別・大問別に読み込んだ実測データがあります。日本史では、学習院大学は3年×10冊=50大問の集計で、近代(幕末〜1945)が約12大問と最多、近世が約11大問、原始古代が約9大問、中世が約4大問、現代(戦後)が約3大問という分布でした。

この場合、復習の点を全時代に等間隔で置くのは合理的ではありません。近代と近世は週末の点に毎週入れ、中世と現代は月内の点だけに置く。そのうえで、中世は「出ると重い」と分析で指摘されている時代なので、回数は少なくても1回あたりの密度を上げる(用語だけでなく前後関係まで出す)という配分にします。

さらに極端な例として、慶應義塾大学経済学部B方式は、3年間・全10大問で原始古代と中世の出題が0(0/10)で、逆に近代は10大問すべてに登場し、現代も10大問中8でした。この方式が第一志望なら、原始古代・中世に復習の点を置く必要はほぼありません。時代ごとの出方は日本史の頻出単元と大学別対策で詳しく扱っています。

優先順位の例2:数学の単元を、周回に入れるか外すかで分ける

数学も同じやり方で決められます。場合の数・確率は、分析した複数大学のデータのどれを見ても頻度が高く、慶應義塾大学は文系・理系あわせて12セットすべてで出題(12/12)、立教大学理系は大問Ⅰで6/6、中央大学文系は独立大問として59大問中11で分野別最多、学習院大学は12セット中10という数字でした。志望校が変わっても周回から外す根拠が見当たらない単元なので、週末の点に固定で置きます。

対して複素数平面は、慶應義塾大学理工学部が3/3で毎年出る一方、法政大学理系は0/9、学習院大学は理学部4冊を含む12セットすべてでゼロでした。中央大学理系は2/5です。つまりこの単元は、志望校の実績を見てから復習の点を置くかどうかを決める単元です。全単元を同じ回数で回すのをやめるだけで、同じ時間で周回数が増えます。単元ごとの数字は数学の頻出単元と大学別対策にまとめています。

英語の長文テーマでも同じ判断ができます。EIMEIが作った入試英文のコーパス(全国約190大学・415題・約86万語)では、テーマ別のパッセージ数は歴史・文化系が125題、心理・脳科学が104題、物語・エッセイが101題、医療・健康が86題でした。環境の章では ocean が67回、plastic が65回、waste が61回、climate が50回、carbon が42回という集計です。周回の順番は、この数字と志望校の出題テーマの重なりで決めます。

記録はノートに4項目だけ

復習の設計は、記録がないと二週目から崩れます。ただし記録を凝ると記録自体が目的になります。書くのは4項目だけにしてください。

  1. 日付
  2. 範囲(テーマ名、節、大問番号など、単位そのまま)
  3. できなかった数(印をつけた数。正答数ではなく、できなかった数を書きます)
  4. 次にいつやるか(日付で書く。「また今度」は書かない)

1行が15秒で書ける量です。科目ごとにページを分けず、1冊に時系列で並べてください。3週間ためると、自分がどの範囲で何回つまずいているかが、探さずに見えます。かかった時間を1つだけ足しておくと、次の週の予定を実績から立てられます。

記録が続かないときの落とし方

止まったときに全部やめてしまうのが、いちばん損をします。落としどころを先に決めておいてください。

  • 第1段階:4項目のうち「範囲」と「次にいつやるか」の2項目だけにする。できなかった数は書かない。
  • 第2段階:ノートをやめて、教材の該当ページの端に日付だけ書く。
  • 第3段階:週に1回、10分だけ座って、その週に触った範囲と次に戻る日を書く。それ以外は書かない。

数日空いた分を追いかけて上乗せすると、その週の予定も崩れます。空いた分は追いかけず、次の回から再開するのが復帰の最短ルートです。生活の側が崩れているときの立て直しは受験期の自己管理で扱っています。

模試と過去問を復習に組み込む

模試は「受けて終わり」にすると、復習の設計に何も足しません。間違えた設問を、3つに分けるだけで足ります。

  • 知識が抜けた:用語・単語・公式そのものが出てこなかった。→ その範囲を復習の単位に登録し、翌日の点から入れ直します。
  • 読み方:知識はあったが、設問の要求を取り違えた。選択肢の切り方を間違えた。→ 復習の回数では直りません。同じ形式の設問を続けて解く回を別に作ります。
  • 時間:解けたはずだが、そこに到達しなかった。→ これも復習の対象外です。解く順番と持ち時間の配分を変える話になります。

この3分類をやると、模試の失点のうち復習の設計で直せる分がどれくらいかが数字で出ます。多くの場合、思っていたより「読み方」と「時間」が多いです。分け方の詳細は模試の使い方を見てください。

過去問も同じです。1年分解いたら、間違えた設問を3分類して、「知識が抜けた」に入ったものだけを復習の単位に登録します。過去問を解き直すこと自体を復習にすると、量が多すぎて回りません。

高1・高2と高3で変えること

同じ4点の置き方でも、学年で役割が変わります。

高1・高2は、復習の対象が定期テストの範囲と重なります。ここでやるべきは、やり方を固めることです。隠して出す形を習慣にする、単位の大きさを自分で決められるようにする、記録を4項目で続ける。志望校別の重みづけはまだ不要で、全範囲を同じ回数で回して構いません。この時期に「思い出す練習」の形が身についていると、高3で範囲が一気に広がったときに設計だけ差し替えられます。

高3・既卒生は、時間が有限なので重みづけが主役になります。志望校の出題データを見て、周回に入れる範囲と入れない範囲を分ける。月内の点は「全範囲を通す」から「志望校で出る形に変換して出す」に役割を変える。そして秋以降は、新しく入れる量を減らし、印がついているものを消す作業に時間を寄せていきます。

どちらの学年でも、記録が3週続けてほぼ空になっているときは、設計の問題ではなく別のところに原因があります。そのときは学校の先生や保護者の方に今の状況を話して、一緒に組み直してください。

EIMEI予備校は1対1の個別指導なので、この4点の置き方と単位の大きさを、生徒ごとに一緒に決めています。自分の場合はどう組めばいいか決めきれないときは、体験のときに持っている教材と直近の模試を持ってきてください。その場で復習の単位を決めるところまでやります。

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EIMEI予備校について

EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

  • 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
  • ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
  • 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。

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この記事を書いた人

二神大輝