この記事は、千葉大学の一般選抜(前期日程)を受けるかどうか考えている高校生・既卒生のために書いています。共通テストと二次(個別学力検査)の配点が学部でどう違うのか、試験日と出願期間、後期日程がある学部はどこかを、千葉大学が公表している「令和9年度入学者選抜要項」(2027年度入試)をもとに整理しました。
川越・ふじみ野・鶴瀬あたりから国公立を目指す人だと、埼玉大学と千葉大学で迷うことも多いと思います。最後に、その比べ方の観点も少し書いておきます。
2027年度 千葉大学 一般選抜の日程
| 項目 | 前期日程 |
|---|---|
| 共通テスト | 2027年1月16日(土)・17日(日) |
| 出願期間 | 2027年1月25日(月)〜2月3日(水) |
| 個別学力検査(二次) | 2月25日(木) 教育学部・医学部・看護学部は2月25日(木)・26日(金) |
| 第1段階選抜の結果発表 | 2月9日(火) |
| 合格者発表 | 3月9日(火) |
| 入学手続の締切 | 3月15日(月) |
国際教養学部・文学部・法政経学部・理学部・工学部・情報・データサイエンス学部・園芸学部・薬学部の二次は2月25日の1日だけです。教育学部・医学部・看護学部は面接や実技などがあるため、25日と26日の2日間になっています。
出願期間は共通テストの約1週間後から始まります。共通テストの自己採点が終わってから出願校を決める時間は、実質1週間ほどと考えておきましょう。前期と後期は同じ期間に出願します。
なお、2027年度の「一般選抜学生募集要項」は10月下旬に発表と書かれています。出願の手続きや提出書類は、募集要項が出たらそちらで確認してください。
後期日程がある学部・ない学部
千葉大学は全学部で後期日程をやっているわけではありません。2027年度の選抜要項で後期日程があるのは、次の学部です。
- 後期日程あり:文学部、法政経学部、理学部、工学部、園芸学部、医学部、薬学部
- 後期日程なし(前期のみ):国際教養学部、教育学部、情報・データサイエンス学部、看護学部
後期日程の二次は3月12日(金)で、医学部だけ3月12日(金)・13日(土)です。合格者発表は3月20日(土)です。ただし文学部は全コースではなく、後期の配点表に載っているのは行動科学コースと歴史学コースだけです。後期をあてにする人は、学科・コース単位で確認してください。
後期の二次は、前期とは中身がかなり違います。たとえば文学部行動科学コースは小論文、法政経学部は「総合テスト」、理学部物理学科も総合テストです。前期の対策をそのまま後期に使えるとは限らないので、後期まで出願するつもりなら、後期の出題形式も早めに見ておきましょう。
共通テストの配点は全学部475点
前期日程の共通テストの配点は、どの学部・学科でも合計475点です。内訳はほぼ次のとおりです(教育学部の社会科教育分野だけは国語・外国語が各50点など内訳が違います)。
| 教科 | 配点 |
|---|---|
| 国語 | 100 |
| 数学(2科目) | 50+50 |
| 外国語 | 100 |
| 情報 | 25 |
| 地理歴史・公民と理科 | 合わせて150(文系型は社会2科目+理科1科目、理系型は社会1科目+理科2科目。1科目50点) |
文系の学部(法政経学部、文学部の歴史学コースなど)は社会2科目・理科1科目、理系の学部(理・工・園芸・薬・医・看護など)は社会1科目・理科2科目です。国際教養学部、文学部行動科学コース、教育学部の多くのコース、園芸学部食料資源経済学科などは、どちらの組み合わせでも受けられる配点になっています。
理科の基礎科目(物理基礎・化学基礎など)は2つ合わせて理科1科目分、「地理総合/歴史総合/公共」は2つ選んで社会1科目分として扱われます。英語はリーディング160点・リスニング40点の合計200点満点に換算したものが素点になります。リーディングの比重がかなり大きいので、長文を時間内に読み切れるかどうかが共通テストの英語の得点を左右します。
共通テストが475点、二次は550〜1,000点と、ほとんどの学部で二次のほうが配点が大きいのが千葉大学の特徴です。共通テストで少し失敗しても二次で取り返せる余地がある一方、二次の記述で点が取れないと共通テストの貯金だけでは逃げ切れません。
文系学部の二次:法政経・文・国際教養・教育
| 学部・学科・コース | 二次の科目と配点(共通テスト475点と合わせた合計) |
|---|---|
| 法政経学部 法政経学科 | 国語300・数学300・外国語300=900(合計1,375) |
| 文学部 行動科学コース | 国語200・数学150・外国語200=550(合計1,025) |
| 文学部 歴史学コース | 国語200・地理歴史200・外国語200=600(合計1,075) |
| 文学部 日本・ユーラシア文化コース | 国語300・地理歴史300・外国語300=900(合計1,375) |
| 文学部 国際言語文化学コース | 国語200・地理歴史150・外国語200=550(合計1,025) |
| 国際教養学部 国際教養学科 | 国語か理科を選んで300、数学か地理歴史を選んで300、外国語300=900(合計1,375) |
| 教育学部 小学校コース | 国語300・数学300・外国語200・面接200=1,000(合計1,475) |
法政経学部は「数学あり」の文系
文系で目立つのは法政経学部です。二次は国語・数学・英語の3教科すべて300点で、地理歴史はありません。私大の法・経済学部を英語・国語・社会で受けるつもりの人にとって、ここがいちばん大きな違いです。
数学の範囲は数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・Cで、数学Bは「数列」、数学Cは「ベクトル」が出題範囲と指定されています。文系で数学の記述答案を書いた経験が少ない人は、高3の秋からでも、答案の書き方を毎週見てもらう時間をとったほうが安心です。
文学部はコースで配点がまったく違う
文学部は人文学科の中のコースごとに、二次の科目も配点も違います。行動科学コースは数学、ほかのコースは地理歴史(歴史総合・日本史探究か、歴史総合・世界史探究から1つ)です。
合計点も1,025点から1,375点まで幅があります。行動科学コースや国際言語文化学コースは共通テスト475点に対して二次550点で、共通テストの比重がほぼ半分です。日本・ユーラシア文化コースは二次900点で、二次の比重が大きくなります。同じ文学部でも、共通テストの得点で出願を判断するときの感覚はコースごとに変わります。
教育学部はコース・分野ごとに要項を確認
教育学部は全コース・分野とも二次1,000点・合計1,475点ですが、中身はばらばらです。小学校コースは面接があり、中学校コースの各教科分野は専門適性検査、音楽・図画工作美術・保健体育は実技、英語教育コースは英語のライティングが入ります。教育学部を考えている人は、自分の分野の行を必ず要項で見てください。
理系学部の二次:理・工・情報・園芸・薬・医・看護
理系学部の前期二次は、ほとんどが数学・理科・英語の3教科で900点ですが、教科ごとの点の置き方は学科でかなり違います。
| 学部・学科・コース | 二次の科目と配点 |
|---|---|
| 理学部 数学・情報数理学科 | 数学600・理科150・外国語150=900 |
| 理学部 物理学科 | 数学300・物理300・化学100・外国語200=900 |
| 理学部 化学科 | 数学250・化学300・物理/生物/地学から150・外国語200=900 |
| 理学部 生物学科 | 数学150・生物350・物理/化学から200・外国語200=900 |
| 理学部 地球科学科 | 数学250・理科200+200・外国語250=900 |
| 工学部(建築学・機械工学・医工学・電気電子工学) | 数学300・物理200・化学100・外国語300=900 |
| 工学部(都市工学・デザイン・物質科学) | 数学300・理科150+150・外国語300=900 |
| 工学部 共生応用化学コース | 数学300・化学200・物理100・外国語300=900 |
| 情報・データサイエンス学部 | 数学300・物理200・化学100・外国語300=900 |
| 園芸学部(園芸・応用生命化学・緑地環境) | 数学300・理科150+150・外国語300=900 |
| 園芸学部 食料資源経済学科 | 数学450・外国語450=900 |
| 薬学部 | 数学300・理科150+150・外国語300=900 |
| 医学部 医学科 | 数学300・理科150+150・外国語300・面接100=1,000 |
| 看護学部 | 理科250+250・外国語300・面接100=900 |
理学部は「得意科目に寄せた配点」
理学部は学科の名前どおりの科目に点が寄っています。数学・情報数理学科は数学だけで600点、生物学科は生物が350点、化学科は化学が300点です。専門にしたい科目が得意な人ほど有利になる作りです。
工学部・情報データサイエンス学部は物理の比重が高い
工学部の建築学・機械工学・医工学・電気電子工学の各コースと、情報・データサイエンス学部は、物理200点・化学100点です。化学で受けたい人は共生応用化学コース(化学200点・物理100点)か、物理と化学が同点の都市工学・デザイン・物質科学コースを見ることになります。工学部はコースごとに出願するので、理科の得意・不得意でコースの選び方が変わることは押さえておきましょう。
数学の範囲は数学Ⅲまで
理系学部(理・工・情報データサイエンス・園芸〈食料資源経済を除く〉・医・薬)の数学は数学Ⅲまでで、数学Cは「ベクトル」と「平面上の曲線と複素平面」が範囲です。文系の数学(数学Cはベクトルだけ)とは範囲が違うので、過去問を見るときは自分の学部の問題を選んでください。
看護学部は数学なし、園芸の食料資源経済は理科なし
看護学部の二次には数学がなく、理科2科目が250点ずつ、英語300点、面接100点です。園芸学部食料資源経済学科は、数学450点・英語450点の2教科だけです。共通テストも社会と理科の受け方を選べる配点で、理系学部の中では文系の人も考えやすい学科です。
英語の資格で二次の点が上乗せされる学部
千葉大学は、英検などの外国語検定試験のスコアで二次の外国語の点数に加点する仕組みがあります(前期日程のみ。後期日程では使いません)。
- 国際教養学部:スコアによって二次の外国語を満点に換算(受験免除)、または40点加点
- 最大30点加点:教育学部英語教育コース、工学部の都市工学・デザイン・医工学・物質科学・共生応用化学の各コース、園芸学部、看護学部
- 最大10点加点:文学部日本・ユーラシア文化コース、法政経学部、教育学部(英語教育コース以外)、理学部、工学部の建築学・機械工学・電気電子工学の各コース、情報・データサイエンス学部、薬学部
- 利用しない:文学部(日本・ユーラシア文化コース以外)、医学部
たとえば最大10点加点の学部では、英検のCSEスコア2300以上で10点、2180以上で5点です。加点は二次の外国語の満点が上限です。対象になるのは2024年4月1日以降、2026年12月までに受けた試験で、使える試験は1種類だけです。
いま高3の人は、2026年12月までに受けた試験が対象という点に注意してください。加点より二次の英語そのものの配点のほうがずっと大きいことも忘れないようにしましょう。
二次の英語・記述にどう備えるか
ここまで見てきたように、千葉大学はほとんどの学部で二次の英語が200〜300点あり、合計点の中でも大きな比重を占めています。英語の出題の傾向を国公立全体の中でつかんでおきたい人は、国公立大学の英語の傾向も読んでみてください。
国語・数学・理科も記述式です。マーク式の模試で点が取れていても、記述の答案になると部分点がもらえない、ということはよくあります。採点者に伝わる答案の書き方は国公立二次の記述対策にまとめているので、あわせて確認してください。
過去問に取り組むときは、次の順番がおすすめです。
- 自分の学部・学科の配点表を見て、二次の各教科の点の比率を確認する
- 過去問を1年分、時間を計って解き、どの教科でどれだけ点を落としたかを配点に当てはめて計算する
- 配点が大きいのに点を落としている教科から、優先して時間を回す
同じ1点の重みは学部によって違います。配点の大きい教科の記述を1問ずつ詰めるのが、二次で点を伸ばす確実な方法です。
埼玉から千葉大学を受けるときの考え方
川越・ふじみ野周辺から国公立を目指す人は、千葉大学と埼玉大学のどちらを前期で受けるかで迷うことがよくあります。国公立の前期日程は全国で同じ日程なので、前期で両方を受けることはできません。
- 二次の科目:同じ系統の学部でも、二次に数学があるか、地理歴史があるか、理科を何科目課すかは大学ごとに違います。自分の得意科目で受けられるほうを選ぶのが基本です。
- 共通テストと二次の比重:千葉大学は多くの学部で二次の配点が大きめです。共通テストが思うように取れなかったとき、二次で逆転を狙いやすいかどうかは、もう一方の大学の配点表と並べて見ると分かります。
- 後期日程の有無:前期で受けなかったほうの大学を後期で受けられるかどうか。千葉大学は学部によって後期がないので、組み合わせを考えるときに注意が必要です。
- 通学:千葉大学は千葉県にあり、川越方面からは都内を横断する移動になります。実際の通学時間はオープンキャンパスや受験の下見で一度確かめておくと安心です。
埼玉大学の学部ごとの入試の形は埼玉大学の入試対策に、二次の準備は埼玉大学の二次対策にまとめています。そもそも国公立を第一志望にするか迷っている人は、国公立か私立かの考え方から読んでみてください。
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参考にした公式情報
- 千葉大学 令和9年度 入学者選抜要項(令和8年7月)
- 千葉大学 令和9年度千葉大学入学者選抜方法の変更について(予告)
- 千葉大学 令和9年度千葉大学入学者選抜(一般選抜)における出題教科・科目等について
- 千葉大学教育学部 入試案内
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