こんにちは、EIMEI予備校の二神です。
この記事は、中央大学を第一志望に考えているけれど、どの学部・どの方式で出願するかを決めきれていない高校生と保護者の方に向けて書いています。科目ごとの傾向は中央大学 一般選抜 全科目の傾向と対策にまとめたので、今回は「学部と方式でどれだけ中身が違うか」だけを扱います。
数字は自作の入試対策読本の実測値です(2024〜2026年度の問題冊子139冊、大学公表の「出題の意図」51科目分、公式の入試結果データ)。出願前には必ず最新の入学試験要項でご確認ください。
前提:中央大学は「大学単位」で語れない
中央大学の特徴は、学部ごとに問題がまったく違うことです。2026年度の英語は11種類の別問題。3年分の冊子を突き合わせても、同じ年度に二つの学部が同じ英文を使った例は一つもありません。国語なら10種類、日本史なら7種類が毎年作られています。冊子に印刷された通し番号(法111、経済Ⅰ121、文150、共通選抜200など)も3年間変わっていません。
もう一つ。2026年度から学部が10に。理工学部が募集を停止し基幹理工・社会理工・先進理工の3学部に分かれ、かつての「6学部共通選抜」も2025年度から「5学部共通選抜」になりました。
1.入り方は5つ。学部によって「使えない道」がある
- 5学部共通選抜…個別試験の得点のみで判定。35,000円
- 学部別選抜 一般方式…個別試験の得点のみ。35,000円
- 学部別選抜 英語外部試験利用方式…英語資格・検定のスコアを使う(扱いは学部で3通り)。35,000円
- 学部別選抜 共通テスト併用方式…共通テストの指定科目+個別試験の合計。35,000円
- 共通テスト利用選抜(単独方式)…中大での試験なし。共通テストのみ。15,000円
このほか出願登録ごとに支払手数料1,350円。すべての学部がすべての方式を持つわけではありません。ここが出願設計の出発点です。
- 法学部に英語外部試験利用方式はありません。英検を持っていても英語の試験は免除されません
- 文学部に共通テスト併用方式はありません。共通テストを使うなら利用選抜(単独方式)です
- 理工系3学部・国際経営・国際情報は5学部共通選抜の対象外です
- 理工系3学部の共通テスト利用選抜に後期はありません。理系で3月まで粘る選択肢がない、ということです
5学部共通選抜が何をしてくれるか
2月9日の1日だけ試験を受ければ、法・経済・商・文・総合政策の5学部に最大6出願まで判定を受けられます。しかも全問マークシート。2出願目以降は15,000円なので、6出願でも110,000円(通常なら210,000円)。落とし穴は締切が1月23日で、中央大学で最も早いこと。他より1〜2週間早く、共通テストの自己採点で志望を練り直す時期に来ます。
学部別選抜の3方式は「同じ日に同じ問題」
一般方式・英語外部試験利用方式・共通テスト併用方式は、同一日・同一問題です。要項にも「一般方式と同一試験」と明記されています。経済学部を2月14日に受けるなら試験は1回で、一般方式(英語150+国語100+地歴公民か数学100の350点)、英語外部試験利用方式(国語100+選択100+英語スコアを150点換算の350点)、共通テスト併用方式の3通りに出願できます。費用は65,000円。別々に出せば105,000円ですから、受ける試験は1つ、対策も1つ、判定は3つです。
ただし減額の条件は3つすべてを満たす必要があります。①同一学部内(理工系は3学部内)②同一試験日 ③同時出願または追加出願。商の選抜A(2/11)と選抜B(2/13)は日が違うので対象外です。別々のUCAROアカウントから出すと減額は効きません。志望学科・志望順位も出願後は変更できません。
2.科目・配点・時間・形式を、学部ごとに並べる
「どの学部を受けるか」は、そのまま「何科目やるか」の決定です。
- 5学部共通選抜/法/経済Ⅰ・Ⅱ/商A・B…英語・国語・日本史・世界史・政治経済・数学
- 文学部…英語・国語・日本史・世界史・数学。政治経済がありません。選択は日本史探究・世界史探究・数学の3択
- 総合政策/国際経営/国際情報…英語と国語の2科目のみ。地歴も数学も要りません
- 理工系3学部…英語・数学・物理・化学・生物
英語は時間も配点も大問数も違う
- 5学部共通選抜…80分・150点・6大問・全マーク。総語数2,300語超で最多
- 法…90分・150点・8大問・記述+マーク。記述だけで60点
- 文…80分・150点・4大問・全マーク。長文1題(1,400語級)に70点
- 経済Ⅰ/Ⅱ…90分・150点・8〜9大問・記述+マーク。構成・配点が同じ別問題
- 商A・B…80分・150点・5大問・記述+マーク。自由英作文は中央では商だけ
- 理工系3学部…80分・100点・6大問・全マーク。中央で最も軽い
- 総合政策…90分・150点・5大問・全マーク。設問文がすべて英語
- 国際経営…90分・200点・6大問・全マーク。発音・綴り・計算あり
- 国際情報…90分・150点・6大問・全マーク。設問文がすべて英語
90分のほうが楽とは限りません。総合政策と国際情報は1,100語級の長文を2題、法学部は記述60点分を抱えています。長文1題の語数も理工系の600〜800語から文学部の1,400語級まで幅があります。さらに法学部の国際企業関係法学科は英語200点、文学部の日本史学・心理学専攻と学びのパスポートプログラムは英語100点に換算。同じ冊子を解いても、学科によって英語の重みが違います。
国語は古文と漢文の有無で分かれる
- 古文が出る…5学部共通選抜/法/文/経済/商の5系統。いずれも30点固定で3年間不変
- 漢文が出る…文学部だけ(20点固定)。他学部では3年間で1度も出ていません
- 現代文だけ…国際経営/国際情報/総合政策。古典の学習が要りません
時間はほとんどが60分、総合政策だけ70分。国際情報は大問一がまるごと知識問題で毎年15問前後・30点です。なお「2科目で古典も不要」は軽さではありません。2026年度の一般方式の倍率は総合政策7.6倍(全学部・全方式で最高)、国際情報6.4倍。科目が少ない=入りやすい、ではありません。
3.記述・論述がある学部と、ない学部
- 英語で書かせるのは法・経済・商の3学部だけ。法は下線部和訳/和文英訳(使用語3語と書き出しの指定あり)/2文に共通する1語で記述60点(150点満点の4割)。経済Ⅰ・Ⅱは和訳と英訳(配点は非公表)。商A・Bは自由英作文80語以上で15点。ほかは全問マークです
- 国語で自分の言葉を書くのは法学部だけ。2026年度から40〜60字の説明が1問から2問に。文と総合政策は抜き出し(文10〜25字、総合政策18〜65字)、商は漢字の読みをひらがなで書かせます
- 日本史・世界史の論述も法学部だけ。3年分17冊を調べて、日本史は法学部の学部別選抜のみ(20〜70字×2)、世界史も法学部のみ(10〜80字×3〜5)です
- 政治・経済は法学部で年により0〜2問。計算問題が出るのは経済学部だけで、共通選抜・法・商は3年間ゼロでした
文系数学ではマーク式は5学部共通選抜だけで、法・文・商・経済の学部別選抜はすべて記述です(経済の大問Ⅰのみ結果記入)。理工系は方式で形式が変わり、学部別選抜(2/15)の数学はⅠ・Ⅱがマーク、Ⅲ・Ⅳが記述で4題必答・100分・100点。共通テスト併用方式(2/8)は全問記述で4題中3題選択・100分・150点。理科も学部別は出願時に科目登録で90分・100点、併用方式は当日9題から3題を選ぶ100分・150点で、選択欄に○を4題以上つけると理科全体が無効になります。生物は字数指定の論述が毎回5問前後です。
つまりマークだけで完結する学部(共通選抜・文・総合政策・国際経営・国際情報)と、書いたものを誰かに見てもらう必要がある学部(法・経済・商、理工系の記述枠)に分かれます。とくに法学部は英語60点と国語・地歴の論述が重なります。受け方は法学部系統の記事にまとめています。
4.過去問は「学部」ではなく「冊子」で集める
問題冊子は11種類。どれに当たるかで、解くべき過去問が決まります。
- 2/9 5学部共通選抜(法・経済・商・文・総合政策が同一問題)
- 2/10 文学部/国際経営学部
- 2/11 商学部A(会計・国際マーケティング)/国際情報学部
- 2/12 法学部
- 2/13 商学部B(経営・金融)
- 2/14 経済学部Ⅰ/2/15 経済学部Ⅱ・理工系3学部/2/16 総合政策学部
- 5学部共通選抜と学部別選抜はまったく別の問題。法学部を2/9と2/12の両方で受けるなら過去問も2種類
- 同じ学部・同じ日なら方式が違っても問題は同じ。一般方式の過去問を解けば英語外部でも併用でも足ります
- 経済はⅠとⅡ、商はAとBで別問題。「経済学部の過去問」は2/14か2/15かを必ず確かめてください
- 理工系3学部は1つの冊子。ただし2/8の併用方式は2/15とは別問題なので、両方受けるなら両方解きます
買うときの注意が2つ。表紙に「6学部共通選抜」とある過去問集は2024年版までで、問題は使えますが方式の説明はいまの制度と違います。「理工学部」の過去問は基幹理工・社会理工・先進理工の過去問としてそのまま使えます(再編で形式も配点も冊子番号も不変)。
年度差も押さえてください。3年間まったく形式が動いていないのは総合政策・商A・商B・国際経営・理工系で、過去問がそのまま予行演習になります。一方国際情報は2025年度から発音問題(5点)を廃止して実用資料読解を新設し、満点も130点から150点へ。法は和文英訳が15点から20点に、文は2026年度に大問の配点が変わりました。古い年度では、いまはない設問を飛ばす判断が要ります。回し方は過去問の使い方に書きました。
5.併願するなら、どの学部とどの学部が近いか
- いちばん近いのは、同じ学部・同じ日の3方式。追加の対策はゼロで判定が3つ
- 次に近いのは理工系3学部どうし。冊子が同一で、検定料の減額も3学部をまたいで効きます(基幹理工の応用化学と先進理工の情報工を同日に併願しても2出願目は15,000円)。さらに2/8と2/15で同じ学科を2回受けられます
そこそこ近いのが経済Ⅰと経済Ⅱです。英語は大問構成・配点が同じ別問題なので対策は共通で足ります。ただし日本史と世界史は方針が違い、経済Ⅰ(2/14)は経済史に特化して貿易グラフや統計表が毎年入り、経済Ⅱ(2/15)は社会史・地域史や政治・外交・文化が中心。選択科目だけは2通りの準備が要ります。なお経済学科だけは3回のチャンスがあり(2/9・2/14・2/15)、2026年度の一般方式の倍率は選抜Ⅰ6.2倍、選抜Ⅱ4.7倍でした。
逆に見た目ほど近くないのが、総合政策・国際経営・国際情報です。「英語と国語の2科目」は同じでも中身は遠い。国際経営の英語は200点で国語の2倍、綴り・発音・プレゼン資料・計算まで入ります。国際情報は実用資料と統計グラフが中心で国語は知識大問30点。総合政策は1,100語級の長文2題と70分の国語3題。同じ準備で3つ回れるわけではありません。
そして同じ日に2学部は受けられません。2/10は文と国際経営、2/11は商Aと国際情報、2/15は経済Ⅱと理工系3学部が重なります。例外は2/9の5学部共通選抜だけです。
倍率で見ると、空いている入口は「負担の重い入口」
- 法学部の一般方式…4教科型2.6倍に対し3教科型4.2倍(法律学科は2.7倍/4.5倍)。1科目増やすだけで倍率が1.7倍近く下がります
- 法学部の共通テスト併用方式…2.2〜2.9倍。この方式の個別試験は英語だけです
- 共通テスト利用の前期…教科数の多い型ほど低く、法5教科型1.7倍、文4教科型(専攻フリー)2.2倍
- 文学部の一般方式…学部計3.0倍で、中央大学で最も低い層です
逆もあります。理工系3学部の共通テスト併用方式は4.2〜6.9倍と高め。同じ方式でも学部で混み具合が正反対です。英語外部試験利用方式も、文学部の各専攻は募集1〜2名で14.5〜17.2倍まで振れる一方、理工系3学部は2.1〜4.6倍。後期は経済13.8倍・商13.6倍で合格者が各学科4〜5名なので、当てにした計画は立てないでください。
他大学と並べるときはGMARCHの入試比較を、大学別の記事は傾向と対策のまとめを合わせてご覧ください。
決める順番
- 受ける学部と日程を決める(同日に2学部は不可)
- その日程が11種類のどの冊子に当たるかを確定させる
- その冊子に記述があるかを確認する。あるなら、見てもらう相手を先に確保する
- 同一学部・同一日で3方式を出せないか検討し、締切1月23日を書き込む
川越で、出願の設計から一緒に考えます
中央大学は、学力とは別に「設計」の作業が要る大学です。どの冊子を解くのか、記述があるのか、同じ日に何を出すのか。一人でやりきるのは負担が大きいと思います。
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EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。
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