埼玉大学 経済学部 総合型選抜(2027年度)の出願資格・小論文・面接と準備の進め方

この記事は、埼玉大学 経済学部の総合型選抜を受けようか考えている高校生と保護者に向けて書いています。2027年度入試(2026年度に実施)の学生募集要項で確認した出願資格・選抜の流れ・日程を整理し、高1・高2のうちに何をしておけばよいかまで順に説明します。

埼玉大学経済学部の総合型選抜は、書類と面接だけで決まる入試ではありません。英語の外部試験スコアが出願の条件になっていて、さらに大学入学共通テストの得点率でも最終合否が決まるという、国立大学らしい仕組みです。早めに全体像をつかんでおくと、準備の順番を間違えずにすみます。

2027年度 経済学部 総合型選抜の概要

まず、令和9年度(2027年度)の特別選抜学生募集要項に書かれている基本情報です。対象は経済学部 昼間コースの経済学科です。

項目 内容
募集人員 15名
出願期間 2026年11月2日(月)〜11月9日(月)郵送必着(大学への持参は不可)
第1次選抜 2026年11月21日(土)小論文10:30〜11:30、面接13:00〜(会場は経済学部)
第1次選抜の合格発表 2026年12月8日(火)14:00(経済学部ホームページ)
第2次選抜 令和9年度大学入学共通テストの得点で判定

第2次選抜の合格発表日や入学手続の期間は2月に設定されていますが、細かな日付と手続の方法は大学の募集要項で必ず確認してください。

出願資格は「評定3.8」と「英語の外部試験」の両方

出願資格は大きく3つあります。

  1. 2026年4月〜2027年3月に高校などを卒業(見込み)で、合格したら入学を確約できること
  2. 調査書の全体の学習成績の状況(いわゆる評定平均)が3.8以上であること
  3. 外部英語能力試験で、決められたスコア以上を持っていること

英語のスコアは、次のどれか一つを満たせば出願できます。

試験 必要なスコア
実用英語技能検定(英検) CSE 1950以上(一次試験のみの結果は不可)
GTEC(Advanced・Basic・CBT) 930以上(4技能のオフィシャルスコア)
ケンブリッジ英語検定(リンガスキル含む) 140以上
IELTS(アカデミック) 4.0以上
TEAP 225以上
TOEFL iBT 42以上
TOEIC L&R・S&W 1150以上(S&Wは2.5倍して合算)

注意したいのは、スコアは出願時までの2年以内に受験して取得したものに限るという点です。高1の早い時期に取ったスコアは、高3の秋には期限切れになっている可能性があります。いつ受けるかは、出願の時期から逆算して決めましょう。英検の時期の考え方は英検はいつまでに、どの水準で取るべきかでも詳しく書いています。

募集要項には、この入試について「国際化と英語に自己投資を済ませた学生、すなわち外部英語能力試験の成績優秀者を募集対象とする」という趣旨の説明があります。英語のスコアは「足切り」というより、この入試を受ける前提そのものだと考えてください。

評定の3.8は、調査書に記載される全教科の成績の平均です。どの学年までの成績が入るのか、どう計算されるのかは学校の先生に確認しておくと安心です。

選抜の流れ:第1次は小論文と面接、第2次は共通テスト

第1次選抜(11月)

第1次選抜は、小論文(200点)と面接(200点)の得点順で合否が決まります。どちらかが4割未満だと不合格になります。調査書と自己推薦書は、面接などの基礎資料として使われます。

つまり、書類の出来だけで1次の合否が決まるわけではなく、当日の小論文と面接で点を取ることが求められます。とはいえ、面接は自己推薦書をもとに質問されると考えるのが自然なので、書類を軽く扱ってよいということではありません。

第2次選抜(共通テスト)

第1次の合格者は、令和9年度大学入学共通テストを受験します。国語・地理歴史/公民・数学・外国語の4教科のうち、得点の高い3教科の合計得点率が65%以上であれば合格です。

要項では、国語(近代以降の文章)と外国語(英語)が必須で、数学は2科目の受験が必要、地理歴史・公民からは1科目を選ぶと定められています。必要な科目を受けなかった場合は失格です。科目の細かな指定は、受験する年度の募集要項で確認してください。

ここで大事なのは、年内に1次に合格しても、共通テストの準備をやめられないということです。11月の小論文・面接の対策と、1月の共通テストの勉強を並行して進める必要があります。推薦と一般の勉強の両立については推薦と一般の両立にまとめています。

自己推薦書:A4・1200字程度、様式は自由

出願書類の中心になるのが自己推薦書(志望理由を含む)です。要項の指定は次のとおりです。

  • A4サイズ1枚、1200字程度
  • 書類の上部に氏名と生年月日を書く
  • 本人がパソコンで作成する(大学指定の様式はない)

様式が自由ということは、見出しの付け方や段落の組み方も自分で決めることになります。1200字は、志望理由だけを書くなら十分ですが、「自分を推薦する理由」と「経済学部で何を学びたいか」の両方を入れると意外に足りません。

書く順番としては、次の流れが読みやすいと思います。

  1. 経済や社会のどんな問題に関心を持ったか(具体的なきっかけ)
  2. それについて自分で調べたこと、考えたこと
  3. 英語をどう学んできたか、それを大学でどう使いたいか
  4. 埼玉大学経済学部で何を学び、卒業後にどうつなげたいか

3番目は、この入試が英語の力を重視していることを考えると、ほかの大学の書類以上に意識して書いておきたい部分です。スコアを並べるのではなく、なぜ英語を学び続けたのか、それが経済学の学びとどうつながるのかを自分の言葉で書きましょう。

志望理由の組み立て方は志望理由書の書き方で説明しています。大学の授業や先生の研究は、シラバスや教員紹介のページで調べておくと、書く内容が具体的になります。

小論文:60分で「要約・説明」と「自分の考え」

小論文は60分です。要項には、文章を読んで著者の考えを要約または説明する設問と、それを踏まえて自分の考えを述べる設問を出すと書かれています。読解力、論理の明確さ、社会科学の知識が見られます。

この形式で点を落とす原因は、だいたい次の3つです。

  • 要約で自分の意見を混ぜてしまう
  • 意見の設問で、課題文の内容とつながらない一般論を書く
  • 時間配分を誤り、後半の論述が尻切れになる

練習では、新聞の経済面や新書の一節を使い、200字程度の要約を毎回書いてから、600字前後の意見文を書くという組み合わせを繰り返すとよいでしょう。要約は「筆者の主張」と「その根拠」だけを抜き出し、具体例は削ります。意見文では、課題文のどの部分に賛成・反対するのかを最初に示し、理由を1つか2つに絞ります。

経済学部の小論文なので、物価、雇用、人口減少、地域経済、国際貿易といったテーマについて、基本的な用語の意味を説明できる状態にしておくと、課題文の理解が早くなります。小論文の基本は小論文の書き方で説明しています。

面接:日本語の個人面接、グループディスカッションはなし

面接は個人面接が基本で、志願者が多い場合は集団面接になることがあります。面接員は複数で、グループディスカッションは行わず、日本語で実施されます。

評価の中心は、要項によれば「社会科学に広く関心を持ち、思考力があり、積極的に学修する意欲を持っているか」です。聞かれる内容を予想すると、次のようなものが考えられます。

  • 自己推薦書に書いた関心について、もう一段深い質問(なぜそう考えたのか、反対の意見をどう考えるか)
  • 最近気になった経済や社会のニュースと、それについての自分の考え
  • 英語を大学でどう使っていきたいか
  • 大学で学んだことを将来どう生かしたいか

面接は200点と、小論文と同じ重さがあります。原稿を覚えて話す練習より、想定外の質問に、少し考えてから自分の言葉で答える練習を積んでおくほうが本番で崩れにくくなります。練習の進め方は面接対策にまとめています。

併願のルール

この総合型選抜に出願すると、埼玉大学のほかの総合型選抜・学校推薦型選抜には出願できません(第1次選抜で不合格になった場合は除く)。一方で、国公立大学の一般選抜(前期日程・後期日程)への出願・受験はできます。ただし、総合型選抜に合格して入学手続をした場合は、前期・後期日程を受けても合格にはなりません。

私立大学の年内入試と組み合わせる場合は、それぞれの大学の入学手続の締切がいつかを並べて確認しておきましょう。埼玉大学の最終合格は共通テストのあとに決まるので、12月の時点ではまだ合否が確定していないことを前提に計画を立てる必要があります。

今年受ける高3の人へ(11月2日時点)

今日(2026年11月2日)から出願期間が始まっています。締切は11月9日(月)の郵送必着で、大学への持参はできません(期間後に届いた場合は、11月7日(土)までの発信局消印があるものに限り受け付けると要項にあります)。発送方法も要項で確かめ、余裕をもって送ってください。調査書の発行や外部英語試験の証明書は学校や試験団体の手続きが必要なので、まだそろっていない人はすぐに確認しましょう。

第1次選抜の11月21日までは3週間ほどです。この期間は、60分の小論文を時間を計って数本書くことと、自己推薦書をもとにした面接の練習に集中してください。共通テストの勉強も止めずに続けることが大切です。

高1・高2のうちにやっておくこと

ここからは、来年以降にこの入試を考えている人向けです。2028年度入試の要項はまだ出ていないので、今年と同じ条件になるとは限りません。ただ、準備の方向性は大きく変わらないはずです。

高1の冬〜高2の春:評定と英語の土台

  • 評定3.8を下回らないよう、定期テストの取りこぼしを減らす。苦手教科も平均を下げない程度には点を取る
  • 英検・GTECなどを一度受けて、今の自分の位置を知る。高1で取ったスコアは高3の出願時に期限切れになる可能性があるので、「練習」と割り切ってよい

高2の夏〜冬:関心のテーマを決め、本を読む

  • 経済や社会の問題から、自分が気になるテーマを一つ決める(地元の商店街、物価、働き方など身近なものでよい)
  • そのテーマについて新書を2〜3冊読み、短い要約と感想を書きためる
  • 大学のオープンキャンパスや公開講座に参加し、経済学部で何を学べるかを知る

高2の冬〜高3の夏:スコアを確定させ、書類を書き始める

  • 出願時から2年以内に入るタイミングで、基準以上のスコアを取る。夏までに取れていれば、秋は書類と小論文に集中できる
  • 自己推薦書の下書きを書き、先生や塾で読んでもらう
  • 共通テストの3教科で65%を目標に、国語・英語・数学または地歴公民の勉強を計画的に進める

参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

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