國學院大學 文学部の公募制自己推薦(AO型)|日本文学科・史学科のレポートと試験

この記事は、國學院大學の文学部(日本文学科・史学科)を「公募制自己推薦(AO型)」で受けたいと考えている高校生と保護者のためのものです。2027年度(令和9年度)の入学試験要項で確認できた内容をもとに、出願書類と試験の中身、そして高1・高2のうちに準備しておきたいことを具体的にまとめます。

國學院大學の年内入試で、どの高校からでも出願できる方式の中心が「公募制自己推薦(AO型)」です。文学部・神道文化学部・法学部・経済学部・人間開発学部・観光まちづくり学部で実施されますが、学科ごとに書類も試験もまったく違うので、ここでは文学部の日本文学科と史学科に絞って見ていきます。なお、大学の総合型選抜・学校推薦型選抜のページを見ると、学校推薦型選抜として載っているのは指定校制推薦で、公募で受けられる年内入試はこのAO型が中心になります。

2027年度の日程と、出願の前に知っておくこと

要項で確認できた2027年度入試の主な日程は次のとおりです。

項目 2027年度入試
出願期間 2026年9月28日(月)〜10月2日(金)消印有効
第1次選考合格発表 2026年10月23日(金)12:00
第2次選考 2026年11月15日(日)
最終合格発表 2026年11月25日(水)12:00
入学手続締切 2026年12月2日(水)消印有効

文学部の第1次選考は書類選考です(10月18日に試験があるのは神道文化学部と法学部)。書類を通過した人が、11月の第2次選考で筆記と面接を受けます。会場や集合時刻の細かい指示は、要項と第1次合格発表時の案内で確認してください。

出願の前に押さえておきたいことが3つあります。

1つ目は、評定平均の基準がないことです。要項には「高等学校等での学習成績の状況は、出願要件としません」と書かれています。評定に自信がなくても出願できる一方で、その分、書類と試験の中身で勝負する入試だということです。

2つ目は、併願ができることです。要項には「本制度は他大学や試験日の異なる他の試験制度との併願が可能です」とあります。同じ制度の中で複数の学科・専攻に出すこともできますが、書類選考を除いて同じ試験日に複数の学科を受けることはできません。また、出願書類は学科ごとに作る必要があります。

3つ目は、出願期間が9月末から10月初めの5日間と短いことです。2,000字程度のレポートを含む書類一式をこの時期に仕上げるには、夏休みのうちに完成に近い状態まで進めておく必要があります。

日本文学科:2,000字の課題レポートと古文の論述

出願要件と志望コード

日本文学科(募集人員21名)は、日本文学科で学びたいという強い意欲があり、次の志望コードのどれかに強い関心を持つことが出願の要件です。

  • C31 日本古典文学/C32 日本近現代文学/C33 日本語(古代語・現代語・方言など)
  • C34 伝承文学(民俗学、口承文芸、祭礼・芸能など)/C35 書道

「日本文学科」という名前から古典や小説だけを思い浮かべがちですが、方言や民俗学、祭礼・芸能、書道まで入っているのが國學院らしいところです。地元の祭りや言葉に関心がある人にとっても、入口があります。

第1次選考の書類

第1次選考では次の3つを提出します。

  • 課題レポート(2,000字程度):志望コードに即した具体的な研究テーマを自分で立て、調べたこと・考えたことを論述する。表題を付け、末尾の「注」欄に参考文献やWebページを記載する。志望動機や抱負は書かない。
  • 志望理由書(1,000字程度):入学後に何をどう学びたいか、どの分野を研究し、卒業論文でどんなテーマを書きたいかを具体的に述べる。
  • 活動レポート(800字以内):学校の授業以外で「文学」とどう関わってきたか。

要項の選考のポイントでは、部活動やスポーツのように学科の学びに直接関わらない内容は、志望理由書ではなく活動レポートに書くよう求めています。また、箇条書きは認められず、一続きの文章で書くことになっています。

3つの書類のなかでいちばん差がつくのは、課題レポートです。要項に挙がっている例は、作品名と観点を組み合わせた題(ある作品の自然描写について、といった形)です。「日本の古典文学について」のような広すぎる題では、2,000字で調べて考えたことを示すのは難しくなります。作品・作家・方言・行事などの対象を一つに絞り、そのどこを見るのかまで決めると、レポートの形になります。

参考文献を書く欄があるということは、本や論文を実際に読んで書くことが前提です。インターネットの解説記事だけで書いたレポートと、図書館で関連書を何冊か読んで書いたレポートの差は、読めばすぐ分かります。課題レポートの進め方は事前課題・課題レポートの進め方でも詳しく説明しています。

第2次選考

第2次選考は筆記試験と面接です。筆記試験は古文を読んで論述する形式で、全体1,000字程度、90分です。紙の古語辞典1冊だけ持ち込むことができます(電子辞書は不可、書名に「全訳」と付くものも不可)。普段から紙の古語辞典を引き慣れておかないと、当日に時間が足りなくなります。

面接は約20分で、志望理由、課題レポートの内容、国語の基礎知識、読書や文学への関心などが確認されます。要項には「その場で考えて答える自然な対話を高く評価します」とあります。暗記した答えを読み上げるような準備ではなく、自分のレポートについて質問されたら、その場で考えて言葉にできるようにしておくことが大切です。

日本文学科の評価の観点には、古文・漢文を含む国語の知識・技能が含まれています。入学前に「現代の国語」「言語文化」「古典探究」「文学国語」などを履修していることが望まれる、とも書かれています。

史学科:4分野からテーマを選ぶレポートと英文・古文・漢文の論述

出願要件

史学科(募集人員24名)は、史学科で学びたい意欲があり、日本史学・外国史学(東洋史・西洋史)・考古学・地域文化と景観のいずれか(複数可)を強く志望していることが要件です。加えて、英語検定試験でCEFR A2以上のスコアを持っていることが必要です。どの試験のどのスコアがA2にあたるかは、要項の対照表で確認してください。なお大学からは、TEAP CBTのスコアは2026年4月以降の入試で利用できなくなったとする訂正が出ています。

第1次選考の書類

  • レポート(2,000字程度):4分野のいずれかから主題を選び、調べた内容を論述する。表題を付け、参照した文献・史資料を所定欄に書く。
  • 志望理由書(1,000字程度):4分野のうち何を、どのように学びたいかを具体的に述べる。これまでの自主的な学習にも触れる。
  • 活動レポート(800字以内):高校在学中に主体的に取り組んだ活動と、そこから学んだこと。自主的な学習・探究、資格・検定や表彰、部活動、ボランティア、海外留学など。資格証明書や表彰状などの資料の提出は不要。
  • 英語検定のスコア証明書

レポートは主題の設定、構成、論述の仕方、根拠の提示で評価されると書かれています。さらに「根拠のない空論や個人的見解に終始しないことが重要です」という一文があります。歴史が好きな人ほど、好きな人物や時代への思いを書きたくなりますが、史学科が見ているのは史料や文献にもとづいて論じられるかどうかです。「〇〇はなぜ起きたのか」という問いを立て、複数の文献で何が言われているかを比べ、自分はどう考えるかを根拠つきで書く、という組み立てを意識してください。

「地域文化と景観」の分野は、身近な地域を対象にしやすいのが特徴です。たとえば自分の住む町の古い街道や寺社、城下町の町割りなどを、市町村史や郷土資料館の資料を使って調べるのは、高校生でも取り組みやすいテーマです。

第2次選考

第2次選考は論述試験と面接です。論述試験は英文・古文・漢文から1つを選び、全体で1,000字程度、90分。内容を要約したうえで自分の見解を述べ、さらに出願時のレポートについて200字程度で説明する部分があります。自分のレポートの要点を200字で言える準備も必要だということです。

面接は約20分で、志望動機や入学後の抱負、何をどう学びたいかが問われます。評価の観点には地理歴史・国語・英語の知識・技能が含まれていて、入学前に「世界史探究」「日本史探究」「地理探究」から1つ以上を履修していることが望まれています。

2つの学科に共通する準備の考え方

日本文学科も史学科も、「自分で問いを立てて調べ、文章で論じる」ことを出願の時点で求めているのが特徴です。志望理由書だけで出せる入試に比べると準備は重くなりますが、そのぶん評定に関係なく力を示せる方式でもあります。

レポートのテーマは、志望理由書と切り離さずに考えると全体の筋が通ります。レポートで扱ったテーマを大学でさらに深めたい、そのために國學院のこの分野で学びたい、という流れにできると、書類どうしが支え合います。そのためには、学科のカリキュラムや先生方の専門分野を調べておく必要があります。調べ方は志望理由書のための大学研究(シラバス・先生の研究)を参考にしてください。文学部・人文系の推薦全体の考え方は文学部・人文系の推薦にまとめています。

高1・高2が今からやっておくこと

いま11月の時点で、来年以降にこの入試を考えている人がやっておきたいことを時期ごとに並べます。

高1・高2の冬(11月〜3月)

  • 関心のある分野の本を読み始める:新書や入門書を月に1〜2冊。読んだら、何が書いてあったか、自分は何が気になったかを数行メモしておくと、レポートのテーマ探しにつながります。
  • 古文・漢文の基礎を固める:日本文学科の古文の論述、史学科の古文・漢文の選択肢に直結します。学校の授業の古典文法と句法を、学年末までに一通り身につけておきましょう。
  • 英語の検定を受ける(史学科):CEFR A2以上が出願要件です。高2のうちに取っておけば、高3は書類と論述に集中できます。時期の考え方は英検はいつまでに、どの水準でを参考にしてください。

高2の3月〜高3の夏

  • レポートのテーマを決め、図書館で文献を集める。地域の資料館や史跡に足を運ぶのもこの時期がよいです。
  • オープンキャンパスで学科の先生に話を聞き、テーマの方向が学科の学びと合っているかを確かめる。
  • 夏休み中にレポート2,000字と志望理由書1,000字の下書きを終え、学校の先生や塾で見てもらう。
  • 90分で1,000字程度を書く練習を、日本文学科なら古文、史学科なら選ぶ予定の英文・古文・漢文で始める。

今年受ける高3の人へ

2027年度入試は、出願(10月2日締切)と第1次選考の合格発表(10月23日)が終わっています。第1次を通過した人は、11月15日の第2次選考に向けて、90分の論述を時間を計って書く練習と、自分のレポートについて面接で聞かれそうなことの整理を進めてください。史学科の人は、レポートを200字で説明する練習も忘れずに。最終合格発表は11月25日、入学手続の締切は12月2日です。

参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

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二神大輝