この記事は、東洋大学の総合型選抜(基礎学力テスト型入試)の「事前課題小論文」について調べている人に向けたものです。11月4日(水)の出願締切に向けてこれから書く人、すでに出願を済ませて11月29日(日)の試験を待っている人、そして来年以降に受けることを考えている高1・高2の人と保護者の方を想定しています。
2027年度入試の要項に書かれている決まりを確認したうえで、400字の組み立て方と、配点20点をどう受け止めればよいかを順に整理します。記事の最後に、東洋大学の予想問題をお渡しする案内があります。
事前課題小論文の決まり(2027年度入試要項より)
まず、要項に書かれていることだけを並べます。ここを読み違えると、内容以前のところで困ることになります。
| 項目 | 要項の記載 |
|---|---|
| 字数・書式 | 400字以内、横書き |
| 字数の数え方 | 改行・空白も字数に含む。全角・半角はどちらも1字。段落の前後の空白と、文章全体の先頭・末尾の改行は数えない |
| 提出方法 | インターネット出願登録のときに入力する。紙で印刷したものは受理されない |
| 変更 | 入学検定料の支払い後は、理由を問わず変更できない(追加出願のときも変更できない) |
| 併願した場合 | 複数の学科(専攻)・方式を併願しても、提出する小論文は1つ |
| 採点 | 学科(専攻)ごとの基準で採点する |
| 配点 | 全方式で20点(調査書等30点とあわせて書類選考50点) |
課題の文章は次のとおりです(要項の「小論文課題」の課題内容より)。
東洋大学の建学の精神の中から1つを選び、選択した建学の精神を冒頭に記載しなさい。続けて、選択した建学の精神をどのように理解したかを簡潔に述べたうえで、それを踏まえて東洋大学でどのような学びをしたいと考えているかを、自らの経験と関連付けながら400字以内で述べなさい。
なお、要項には「課題内容に関する問い合わせには一切応じません」とあり、作成にあたっては東洋大学公式サイトの「東洋大学について」のページを参考にするよう書かれています。
20点はどのくらいの重さか
基礎学力テスト型入試の満点は、2教科均等配点が250点、最高得点重視・英語重視・国語重視・数学重視の各方式が350点です。このうち事前課題小論文は20点なので、満点に占める割合は均等配点で8%、それ以外の方式でおよそ6%です。
要項の学部・学科別入試一覧には、昨年度の結果について「調査書等、事前課題小論文がそれぞれ配点10点によるもの」という注記があります。つまり2027年度は小論文の配点が10点から20点に上がっています。調査書等も30点になり、書類選考の比重は前の年より大きくなりました。
とはいえ、配点の大部分は英語と国語(または数学)の試験です。小論文だけで結果が決まるわけではありませんが、学力試験は1点を上げるのに時間がかかります。一方、小論文は課題の条件を外さずに書くだけで、取りこぼしを減らせる部分です。「満点を狙って何日もかける」より「条件を外さない400字を早めに仕上げ、残りの時間を学力試験に回す」という向き合い方が、配点のバランスに合っています。
課題文を4つの条件に分ける
課題の一文には、書くべきことがいくつも入っています。分けると次の4つです。
- 建学の精神を1つ選び、冒頭に書く(何を選んだかが最初の行で分かること)
- その建学の精神をどう理解したかを簡潔に書く(長い解説はいらない)
- 東洋大学でどのような学びをしたいかを書く(志望する学科で何を学ぶか)
- それを自分の経験と関連付ける(経験と学びと建学の精神がつながっていること)
採点の基準そのものは公表されていませんが、課題文が求めているのはこの4つです。書き終えたら、1つずつ「入っているか」を確かめてください。崩れやすいのは、建学の精神の説明だけで字数を使い切ってしまうこと、経験は書いてあるのに建学の精神とつながっていないこと、学びが「幅広く学びたい」のように学科と関係なく書けてしまう内容になっていること、などです。
東洋大学の建学の精神(3つ)
東洋大学公式サイトの「建学の理念」のページには、建学の精神として次の3つが掲げられています。
- 「諸学の基礎は哲学にあり」
- 「独立自活」
- 「知徳兼全」
冒頭には、選んだものをこの表記どおりに書きます。漢字の書き間違い(「兼全」を別の字にするなど)は、冒頭に書くだけに目立ちます。公式サイトで一字ずつ確かめてから入力してください。
同じページには、東洋大学の教育理念として「自分の哲学を持つ」「本質に迫って深く考える」「主体的に社会の課題に取り組む」の3つも載っています。建学の精神をどう理解したかを書くときに、自分の言葉で言い換える手がかりになります。ただし、公式サイトの文章をそのまま書き写しても「自分がどう理解したか」にはなりません。読んだうえで、自分の経験に照らすとどういう意味に受け取れるかを1〜2文で書くのが課題の求めていることです。
3つのうちどれを選ぶか
どれを選んでも有利・不利があるとは要項に書かれていません。選び方は単純で、自分の経験と、志望学科で学びたいことの両方につなげやすいものを選びます。
- ある出来事をきっかけに「そもそもなぜそうなのか」を考え続けた経験がある人は、「諸学の基礎は哲学にあり」とつなげやすい
- 自分で決めて、自分の力でやり切った経験(役割を引き受けた、続けてきたことがある)がある人は、「独立自活」とつなげやすい
- 知識を身につけることと、人との関わりや自分のあり方を両方大事にしてきた経験がある人は、「知徳兼全」とつなげやすい
これはあくまで書きやすさの目安です。先に建学の精神を決めて経験を探すより、先に経験を3つほど書き出し、いちばん具体的に書けるものに合う建学の精神を選ぶほうが、話が無理なくつながります。
400字の配分の目安
400字は思っているより短く、段落を4つ作ると1段落あたり100字程度しかありません。目安として、次の配分で書き始めると条件を落としにくくなります。
| パート | 字数の目安と中身 |
|---|---|
| 1 冒頭 | 10字前後。選んだ建学の精神をそのまま書く |
| 2 理解 | 60〜80字。自分はこの言葉をどう受け取ったか |
| 3 経験 | 120〜150字。いつ・何をして・何を考えたかを1つに絞って書く |
| 4 東洋での学び | 120〜150字。志望学科で何を学び、経験とどうつながるか |
| 5 締め | 20〜40字。学びを通してどうありたいか |
経験は1つに絞ってください。部活動も委員会もボランティアも、と並べると、どれも「やりました」で終わってしまいます。1つの出来事について「そのとき何に困り、何を考え、どう動いたか」まで書けると、建学の精神の理解ともつながりやすくなります。
東洋での学びは、志望学科の授業内容やカリキュラムを大学公式サイトで調べてから書きます。学科名を入れ替えても成り立つ文章になっていないか、という目で読み直すと、具体性が足りているかどうかが分かります。
書き上げるまでの手順
- 課題文を写して、4つの条件に線を引く。何を書くかを最初に固定します。
- 経験を3つ書き出す。それぞれ「いつ」「何をした」「何を考えた」を一言ずつメモします。
- 建学の精神を1つ選ぶ。公式サイトの「建学の理念」のページを読んでから決めます。
- 志望学科で学びたいことを2〜3行で書く。学科の公式ページで、授業や学ぶ分野を確認します。
- 配分表に沿って下書きする。最初は450字ぐらいになってもかまいません。
- 削って400字以内にする。改行や空白も字数に入るので、入力欄に入れる形のままで数えます。
- 声に出して読み、第三者にも読んでもらう。「建学の精神・経験・学び」の3つがつながって読めるかを確かめてもらいます。
- 入力して、支払いの前にもう一度読む。入学検定料を支払うと、あとからは直せません。
文章の組み立て方そのものに不安がある人は、小論文の書き方の基本もあわせて読んでおくと、段落の作り方や言い切り方の確認になります。
併願するときの1本の書き方
基礎学力テスト型入試は、学部の枠を越えて複数の学科(専攻)・方式を併願できます。ところが小論文は1つしか出せず、採点は学科(専攻)ごとの基準で行われます。つまり、同じ400字が併願先のそれぞれの学科で読まれることになります。
併願先が近い分野(たとえば同じ学部の中の学科どうし)なら、共通する学びのテーマを中心に書けば無理がありません。分野が大きく離れている場合は、いちばん行きたい学科に合わせて書くと決めてしまうほうが、どの学科にも当てはまるぼんやりした文章になるよりも中身がはっきりします。そのうえで、ほかの併願先にもつながる言葉(社会のどんな課題に関心があるか、など)を1文入れておくと、読み手が学科ごとに変わっても筋が通ります。
併願の組み方そのものや、他の入試との関係については年内入試の併願ルールで整理しています。なお、基礎学力テスト型入試を受験すると、11月22日・12月13日実施のAO型推薦入試・自己推薦入試・学校推薦入試総合評価型など、東洋大学の専願のみの入試には出願できなくなります(要項の出願資格の注記より)。
これから出願する人へ(11月4日まで)
出願を完了させるには、インターネット出願登録・入学検定料の支払い・出願書類の郵送の3つが必要です。インターネット出願登録は11月4日(水)の23時59分までできますが、小論文の入力が終わらないと登録自体が完了しません。さらにその後に支払いと郵送(消印有効)が続くので、11月4日の夜に書き始めるのでは間に合わないおそれがあります。
- 小論文は11月3日のうちに下書きを終え、11月4日の早い時間に入力する
- 入力したら支払いの前に、4つの条件と字数をもう一度確認する
- 調査書(出願時点で3か月以内に発行され、厳封されたもの)が手元にあるかも同時に確認する
出願の手順や書類の詳細は、必ず大学の要項で確認してください。
出願を済ませた人へ(11月29日まで)
出願を済ませた人の小論文は、もう変更できません。書いた内容が気になっても、そこに時間を使うのはやめて、11月29日の学力試験に集中してください。試験は1時限目が10時から11時、2時限目が11時30分から12時30分で、英語と、国語または数学の2教科です(方式・学科によって受験科目が異なるので、要項の学部・学科別入試一覧で確認してください)。
11月29日までに何をどの順番で進めるかは、基礎学力テスト型入試の勉強法にまとめています。合格発表は12月14日(月)です。
ひとつだけ、出願した小論文の文面は手元に保存しておいてください。一般選抜や他大学の年内入試で志望理由を書くときに、自分が何を書いたかを確かめられます。
来年受ける高1・高2の人へ
来年度以降の課題が今年と同じになるかどうかは分かりません。それでも、「建学の精神」「大学での学び」「自分の経験」の3つをつなげて書く形式の準備は、今からでも進められます。また、調査書等も30点あります。小論文の20点とあわせた書類選考の50点のうち、調査書の30点は高校生活の積み重ねが反映される部分です。
- 経験をその都度メモしておく。行事・部活動・授業の探究などで「考えたこと」を書き残しておくと、高3の秋に材料を探さずに済みます。
- 学科の学びを調べておく。オープンキャンパスや大学公式サイトで、学科ごとの授業を見ておきます。オープンキャンパスの使い方も参考にしてください。
- 短い文章を書く練習をする。400字前後で「経験→考えたこと→これから」を書く練習を何度かしておくと、本番の課題が変わっても対応できます。
- 評定を落とさない。調査書は書類選考の一部です。評定と年内入試の関係は評定平均と年内入試で整理しています。
そして、学力試験の比重が大きい入試であることは変わりません。高1・高2のうちに英語と国語(または数学)の基礎を固めておくことが、小論文の準備と並んで大切です。
東洋大学の予想問題をお渡しします
EIMEI予備校では、東洋大学の過去の出題を分析して、東洋大学の入試に合わせた予想問題を自作しています。各校舎の公式LINEから個別相談を申し込み、校舎で話を聞きに来てくださった方に、この予想問題をお渡しします。
- 下の公式LINEから、通いやすい校舎を友だち追加します。
- 「東洋 予想問題」と送って、個別相談の日時を決めます。
- 校舎で個別相談(試験までの進め方を一緒に確認します)をしたあと、その場で予想問題をお渡しします。
- 川越校舎の公式LINE(川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分)
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- 鶴瀬校舎の公式LINE(鶴瀬駅西口から徒歩3分)
予想問題は過去の出題の傾向から作ったもので、実際の入試問題を予告するものではありません。
参考にした公式情報
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
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