この記事は、年内に教科のテストで受けられる「基礎学力テスト型」の入試を考えている高1・高2の生徒と保護者に向けて書いています。東洋大学・大東文化大学・立正大学の2027年度入試の公式情報をもとに、試験の中身と、いつから何を勉強すればよいかを整理しました。今年受ける高3の人に向けた日程の確認も入れています。
はじめに一つ注意があります。基礎学力テスト型は「公募推薦」と呼ばれることが多い入試ですが、2027年度入試では、この3大学とも総合型選抜の一つとして案内しています。名前より中身で比べることが大切なので、まずその点から説明します。
基礎学力テスト型とはどんな入試か
基礎学力テスト型は、英語・国語・数学などの教科のテストを中心に、年内に合否が決まる入試です。志望理由書や面接が中心の総合型選抜と比べると、ふだんの教科の勉強がそのまま得点になるのが特徴です。
区分については、大学ごとに経緯があります。東洋大学は「総合型選抜 基礎学力テスト型入試」として募集していて、入試のよくある質問のページでは、推薦書の提出は不要と説明されています。大東文化大学は、基礎学力テスト型を学校推薦型選抜として実施したのは2025年度のみで、2026年度からは総合型選抜(基礎学力テスト型)に移行したと公式サイトに記載しています。立正大学も、2027年度入試では「総合型選抜 基礎学力テスト型」として募集しています。
区分が総合型選抜になると、高校の校長の推薦書が要らなくなる、出願の時期が早くなるといった違いが出ることがあります。ただし出願資格の細かい条件は大学ごとに違うので、必ずその年の入学試験要項で確認してください。総合型と学校推薦型の違いは指定校・公募推薦・総合型の違いで詳しく説明しています。
3大学の2027年度入試で確認できること
東洋大学 総合型選抜 基礎学力テスト型入試
- 試験は2教科で、英語と国語、または英語と数学を選びます。出題範囲は基本的に教科書の範囲とされています。
- 要項では、国語は漢文を除く範囲、英語はリスニングを除く範囲です。数学は数学Ⅰ・Ⅱ・Aに加え、Bは数列、Cはベクトルが対象と書かれています。
- 配点は2教科均等配点のほか、高得点の科目を2倍にする方式や、英語・国語・数学のいずれかを重視する方式があります。
- 基礎学力テストと、書類選考(調査書等と事前課題小論文)の合計点で判定します。事前課題小論文は400字以内で、建学の精神から一つを選んで書き、インターネット出願のときに入力します。
- 英語の外部試験のスコアを大学の英語の得点に換算して使え、当日の英語も受けた場合は高い方の得点で判定されます。
- 同じ学科の別の配点方式、他学科・他学部、東洋大学の一般選抜、他大学との併願ができます。
2027年度入試の日程は、出願期間が10月29日から11月4日、試験日が11月29日、合格発表が12月14日です。東洋大学の基礎学力テスト型について詳しくは東洋大学の基礎学力テスト型とはもあわせて読んでください。
大東文化大学 総合型選抜 基礎学力テスト型
- 出願に評定平均値の基準はなく、現役生・既卒生を問わず出願できると案内されています。
- 2科目型は「国語または数学」と「英語」、3科目型は英語・国語・数学です。3科目型は2027年度入試で新しく加わりました。
- マーク式の基礎学力テストと、出願時に出す調査書・志望理由アンケート・事前課題(小論文、400字以上600字以内)の総合判定です。試験当日の面接はありません。
- 英検・GTEC・ケンブリッジ英語検定・TEAPのスコアを英語の得点に換算して使えます。換算表や有効期限は入学試験要項で確認してください。
2027年度入試の日程は、出願期間が11月24日から12月7日、試験日が12月13日、合格発表が12月24日、入学手続の締切が2027年2月25日です。なお、大学のページ内で出願開始日の表記が異なる箇所があるので、出願開始日は入学試験要項で確認してください。
立正大学 総合型選抜 基礎学力テスト型
- 全学部が対象で、出願に評定平均値の基準はありません。
- 試験は2科目で、英語外部試験のスコアも利用できます。科目の組み合わせは入学試験要項で確認してください。
- 選考方法は書類審査(調査書)、入学希望理由書、基礎学力テスト、面接です。
- 立正大学内の他学部や他大学と併願できます。学部によっては、総合型選抜の入試説明会や個別相談への出席が出願要件になる場合があると案内されています。
2027年度入試は、出願期間が10月22日から28日、試験日が11月15日で、すでに試験が終わっています。合格発表は12月1日、手続締切は12月11日です。
3大学を比べてわかること
同じ「基礎学力テスト型」でも、中身はかなり違います。
- 面接の有無:立正大学はあり、大東文化大学は当日の面接なし。東洋大学の案内ページには面接の記載がありません。
- 書類の比重:3大学とも調査書などの書類を判定に使い、東洋と大東文化は事前課題の小論文があります。テストだけで決まる入試ではありません。
- 日程:立正が11月中旬、東洋が11月末、大東文化が12月中旬と、時期がずれています。
文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜・学校推薦型選抜で面接による評価を必ず行うことになり、令和8年度にすでに実施していて令和9年度からの導入が難しい区分も、遅くとも令和11年度入試(いまの高1が受ける入試)までに面接を導入するとされています。また、教科のテストは他の評価方法とバランスの取れた配分で使うこととされました。高1・高2の人が受ける年には、面接が加わったり書類の比重が変わったりする可能性があるので、毎年の要項で確認してください。この制度の変化は年内入試の面接必須化とは?で説明しています。
基礎学力テスト型の勉強法
「基礎」は「簡単」という意味ではない
出題範囲が教科書の範囲だと聞くと、易しい試験を想像するかもしれません。けれども、範囲が限られている分、基本的な問題を落とさないことが前提になります。難問で差がつくのではなく、取れるはずの問題をどれだけ確実に取れるかで差がつくと考えてください。
英語:単語・文法・長文を毎日少しずつ
英語は3大学とも必ず関わる科目で、東洋大学では英語を重視する配点方式も選べます。勉強の順番は次のとおりです。
- 英単語帳を1冊決め、毎日同じ範囲を繰り返す。
- 文法問題集で、語法・時制・関係詞など頻出の単元を一通り終わらせる。
- 短めの長文を毎日1題読み、知らない単語と読めなかった文を書き出す。
東洋大学の範囲にはリスニングが含まれないので、筆記の対策に時間をかけられます。また、英検などのスコアを換算できる大学が多いので、高2のうちに英検を受けておくと、試験当日の英語の負担を減らせる場合があります。換算の基準は大学ごとに違うので要項で確認してください。英検の受験時期は英検はいつまでに取るべきかにまとめています。
国語:現代文の読み方と古文の基礎
国語は現代文と古文が中心になります。東洋大学の範囲では漢文が除かれています。現代文は、問題を解いたあとに「本文のどこを根拠にその選択肢を選んだか」を確認する習慣をつけてください。古文は単語と助動詞の意味を覚えるだけで、読める文章が大きく増えます。
数学:範囲を確認して、典型問題を繰り返す
数学を選ぶ場合は、まず志望校の出題範囲を確認します。東洋大学ではAは図形の性質と場合の数と確率、Bは数列、Cはベクトルが範囲です。教科書の例題と章末問題を解けるようにしたうえで、典型問題の解き方を何度も繰り返すのが近道です。
マーク式の練習と時間配分
大東文化大学はマーク式です。東洋大学の時間割は1時限・2時限とも60分です。本番と同じ時間で過去問や問題集を解き、見直しの時間を残して最後まで解き切る練習をしてください。過去問題を公開している大学もあるので、志望校の公式サイトで確認しましょう。
事前課題・面接も早めに準備する
事前課題の小論文は、出願のときに提出します。東洋大学は建学の精神から一つを選んで400字以内、大東文化大学は400字以上600字以内です。字数は短くても、大学の考え方を読んで自分の経験と結びつける必要があるので、出願直前に書き始めると間に合わないことがあります。書き終えたら、学校の先生など第三者に一度読んでもらうと、伝わりにくい部分に気づけます。
立正大学のように面接がある大学では、入学希望理由書の内容について聞かれることを想定して、書いたことを自分の言葉で説明できるようにしておきます。
一般選抜との両立を前提にする
基礎学力テスト型は、3大学とも他大学との併願ができると案内されています(東洋大学は自大学の一般選抜との併願も可能です)。そのため、基礎学力テスト型のためだけの勉強をする必要はほとんどありません。英単語、文法、古文の基礎、数学の典型問題は、一般選抜でもそのまま使います。
反対に気をつけたいのは、年内に合格が決まるかもしれないという期待で、一般選抜の勉強のペースを落としてしまうことです。秋に基礎学力テスト型を受ける人も、試験が終わった翌日から一般選抜の過去問に戻れるよう、勉強の計画は一般選抜の日程まで通して立てておいてください。結果が出たあとに慌てずにすみます。
学年別の準備の時期
高1:定期テストで基礎を固める
基礎学力テストの範囲は、高1・高2で習う内容がほとんどです。定期テストの勉強をきちんとすることが、そのまま基礎学力テストの準備になります。調査書も判定に使われるので、評定を保つ意味もあります。この冬は、英単語と数学の基本問題を毎日続ける習慣をつけてください。
高2:冬から春に苦手科目を一つ減らす
高2の12月から3月は、英語・国語・数学のうち受ける2科目を仮に決め、苦手な単元を一つずつ埋めていく時期です。英検は高2のうちに一度受けておくと、高3の秋に換算スコアとして使える可能性があります。2027年の夏までには、志望校の2028年度入試の要項や予告を確認し、面接の有無や科目に変更がないかを見てください。
高3:夏までに一通り、秋は過去問
高3の夏休みまでに、範囲の教科書レベルを一通り終わらせ、9月以降は過去問と時間配分の練習に移ります。事前課題がある大学は、出願期間の1か月前には下書きを始めてください。
今年受ける高3の人へ
東洋大学は出願期間が11月4日までで、試験は11月29日です。大東文化大学は11月24日から12月7日が出願期間で、試験は12月13日です。どちらも他大学との併願ができるので、基礎学力テスト型の勉強はそのまま一般選抜の準備になります。年内入試がうまくいかなかったときの動き方は総合型・推薦に落ちた後、12月からの立て直しで紹介しています。
参考にした公式情報
- 東洋大学「総合型選抜 基礎学力テスト型入試」
- 東洋大学「2027年度 総合型選抜 基礎学力テスト型入試 入学試験要項」
- 東洋大学 入試よくある質問「基礎学力テスト型入試 推薦書は必要ですか」
- 大東文化大学「総合型選抜 基礎学力テスト型」
- 大東文化大学「最新入試TOPICS 2027」
- 大東文化大学「学校推薦型選抜 学力検査等の内容」
- 立正大学 入試情報サイト「総合型選抜」
- 立正大学 入試情報サイト「基礎学力テスト型」
- 文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
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- 年内入試の面接必須化とは?2027年度の文科省実施要項
- 東洋大学 基礎学力テスト型入試2027の全体像(11/29)
- 東洋大学 基礎学力テスト型入試の事前課題小論文400字
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