【川越の高3へ】秋から始める大学受験|9月〜1月の月別にやることと、間に合わせるための優先順位

こんにちは、EIMEI予備校の二神です。

この記事は、川越とその周辺の高校に通う高3生で、「受験勉強を本格的に始めたのが秋になってしまった」という人と、その保護者の方に向けて書いています。残り時間をどう配分し、何を先にやり、何を切るのか。9月から1月まで月ごとにお伝えします。

あわせて、どうしても間に合わない場合の現実的な選択肢も正直に書きます。間に合わないことと、進む先がないことは別の話です。

まず、残り時間を「時間数」で把握する

9月下旬の時点で、共通テストまでおよそ4か月、私大の一般入試の本番まではおよそ5か月です。「まだ4か月ある」も「もう4か月しかない」も、計画の役には立ちません。時間数に直してください。

平日3時間・休日8時間を使えるとすると1週間で31時間、共通テストまでの約16週でおよそ500時間です。3科目で割れば1科目165時間ほど。英単語帳1冊に30〜40時間、日本史の通史一周に50時間前後かかることを考えると、「全科目を全範囲やり直す」は物理的に入りません。

秋から始める受験で最初に必要なのは、やることを増やす判断ではなく、やらないことを決める判断です。

9月|志望校を決める。ただし「大学名」ではなく「方式と日程」まで

秋に始める人がいちばん損をするのは、9月・10月を「志望校が決まっていないから、とりあえず英語と国語をやる」で過ごすことです。志望校が決まっていないと、過去問が選べません。過去問が選べないと、切る範囲も決まりません。

そして大学名だけでは足りません。多くの私大では、同じ大学でも方式や日程が違えば完全に別の問題だからです。EIMEIで作っている大学別の入試対策読本から、実際に問題冊子を突き合わせて確かめたことを挙げます。

  • 東洋大学…過去問は「学部別」ではなく「日程別」に選びます。同じ日に試験がある学部どうしは同じ問題なので、文学部哲学科と経済学部の過去問を両方解くのは、同じ問題を二度解くのと同じ。逆に3日程受けるなら3日程分の演習が要ります(東洋大学の記事)。
  • 法政大学…問題冊子の表紙に印刷された3桁の番号が日程を表します。205がT日程、207〜216がA方式の各日程です。105冊を突き合わせた結果、違う番号の冊子で内容が一致した組み合わせは一つもありませんでした。T日程とA方式は完全な別問題なので、T日程も受けるなら205の過去問を別に解きます(法政大学の記事)。
  • 中央大学学部ごとに別問題です。5学部共通選抜と学部別選抜も別問題で、学部別なら日程まで特定が要ります(経済学部なら2/14の選抜Ⅰか2/15の選抜Ⅱか)。一方、同一学部・同一日なら一般方式・英語外部・共通テスト併用の3方式とも同じ問題です(中央大学の記事)。
  • 明治大学…学部別入試に、複数学部が同じ問題を使う組み合わせはありません。そのかわり形式が3年間ほとんど動いていないので、同じ3年分を3周する使い方が合います。
  • 青山学院大学…全学部日程は11学部すべてが同じ問題です(例外は国語の古文の大問と、数学の文系用・理工用の別だけ)。志望学部が何であれ過去問は1種類で足ります。
  • 東京電機大学…同じ日なら学部が違っても同一冊子、日が違えば別問題。さらに英語は大問3・4の形式が2月1日・2日(TypeA)と2月3〜5日(TypeB)で分かれ、読むのが速い人はTypeA、文法が得意な人はTypeBが有利です。
  • 立教大学…一般入試に英語の試験がほぼありません(2月11日の文学部の独自日程のみ例外)。英語資格・検定試験のスコアか共通テストの英語の得点を、立教が統計的処理をして得点化します(立教大学の記事)。

9月のうちにやってほしい作業は一つです。紙に「受ける大学・学部・方式・日程」を書き出し、解くべき過去問を確定させること。ここが決まれば10月からの勉強は迷いません。決まらないまま10月に入ると、11月に同じ悩みが戻ってきます。

10月|過去問の1回目。時間は計らない

「過去問は実力がついてから」と思っている人が多いのですが、順序が逆です。読本ではどの大学でも10月に1回目を解くことを勧めています。目的が点数ではないからです。回し方は、大学が違ってもほぼ同じ形をしています。

  1. 9〜10月…いちばん古い年度を1回、時間を計らずに解く。どんな問題が出るのかを知るのが目的です。このとき、志望学部・志望日程の全科目の「出題の意図」(大学が公表しているもの)を読みます。
  2. 11〜12月…分野別の弱点をつぶす。この期間は過去問に手を出しません。
  3. 1月…2年目の年度を、本番と同じ時間で解く。採点し、素点を記録する。
  4. 2月上旬…最新年度を本番と同じ時間で解く。これが最後の予行演習です。

1回目で確かめるのは、点数ではなく「本番で何が起きるか」です。東洋大学の読本では、点数より先に「時間内に最後まで到達したか」「飛ばした問題数」「マークミス」の3つを記録するよう書いています。これが改善してから、分野ごとの穴を埋めます。

時間は必ず「自分の条件」で計る

1月の2回目以降は時間を計りますが、ここで間違える人がいます。法政大学では、同じ冊子でも学部によって解く範囲と時間が違います。A方式の英語は、文学部(哲・日本文・史)が3題60分、経営・人間環境が4題90分。冊子207の国語も、志望学部によって解く大問が違います。条件を間違えて練習すると、本番で時間配分が崩れます。

採点は、合格最低点と比べない

法政も中央も、公表される合格最低点は標準化・偏差点の処理をした後の数字です。過去問の素点と直接比べても意味がありません。記録するのは次の3つだけです。

  • 科目ごとの素点と得点率
  • 分野ごとの失点(どの大問で何点落としたか)
  • 時間が足りたかどうか(足りなければ、どの大問で詰まったか)

これを年度ごとに並べます。10月に55%だったものが1月に70%になっていれば、仕上がりは進んでいます。比べる相手は、過去の自分です。

11〜12月|科目の切り方。出ない範囲を切る

秋から始める人にとって、11月と12月が最も重要です。ここで全範囲をやり直そうとすると破綻します。切るべきなのは、「苦手だから」ではなく「自分の受ける試験に出ないから」切れるものです。

  • 東洋大学の国語には漢文が出ません。漢文の勉強時間は、すべて古文文法に回してください。
  • 法政大学の世界史は、3年間で論述がゼロです。日本史の論述(60〜80字1問)が出るのも冊子207・208・216の3日程だけ。自分の日程に出ないなら、論述対策は不要です。
  • 法政大学の物理は4分野(力学・電磁気・熱力学・波動)で固定で原子が出ません。英語は3年間全日程で記述が0問なので、英作文に時間を使う必要もありません。

逆に、切ってはいけないものもあります。中央大学の法学部では英語に和訳・英訳・語彙記述で60点、国語に40〜60字の記述、日本史・世界史にも論述。商学部は80語以上の自由英作文です。記述は自分では採点できません。模範解答と見比べて「だいたい合っている」と思ったものの多くは、点になりません。週に1本でいいので、学校か塾の先生に見てもらってください。

優先順位のつけ方は単純です。配点が大きく、かつ今の得点率が低い科目から。英語の配点が高い大学で英語が5割なら、地歴を8割から9割に上げるより、英語を6割5分に上げるほうが総合点は動きます。

共通テストと私大の配分をどう決めるか

この配分は、国公立を併願するかどうかで別の話になります。

国公立を受けるなら、共通テストが土台

埼玉大学の一般選抜は、共通テストと個別試験の合計点で決まります。読本で3学科分の比率を計算したところ、6つの日程のうち5つで共通テストが満点の6〜7割を占め、教育学部の乳幼児教育専修の後期は共通テストだけで判定していました。共通テストで10ポイント崩れると、個別試験では取り返せません。国公立志望なら、秋までは共通テスト6教科の土台を崩さないことが最優先です。

私大専願なら、共通テスト利用は「もう1つの判定」

私大専願の場合、共通テストは本命ではなく、出願を増やすための手段になります。

  • 青山学院大学では、合格者の半分以上が共通テスト利用から出ています。一般方式の合格者5,282人に対し、共通テスト利用は5,676人。倍率も共通テスト利用のほうが低く出ています。
  • 法政大学のB方式(3教科型)は5.4倍、C方式(6教科7科目型)は2.6倍。法政で試験を受ける必要がなく、2月の日程を1日も使いません。
  • 学習院大学の共通テスト利用は個別学力試験を一切課さない単独型で、コア試験・プラス試験と併願できます。
  • 立教大学は、そもそも一般入試の英語が共通テストか外部スコアです。共通テストの英語の勉強が、そのまま一般入試の英語の点になります。

配分の目安は、12月中旬から共通テスト本番までは共通テストに寄せること。ただし利用入試でしか使わない人が12月・1月を丸ごと共通テスト対策に使うと、私大の過去問の2回目が飛びます。共通テスト利用を何校分出すのかを12月のうちに決めておいてください。出す数で、寄せる度合いが変わります。

1月〜直前期|やることは3つだけ

共通テストから私大の本番までは、おおむね2〜3週間です。ここで新しい教材を始めても仕上がりません。読本が直前期に指定しているのは、次の3つです。

  1. 志望学部・志望日程の「出題の意図」をもう一度読む。大学が公表している一次資料で、勉強の方向が合っているかの最終確認になります。中央大学は一般選抜の全54科目のうち51科目分を公表しています。
  2. 解答用紙の形式を確認する。中央大学の法・経済の政治経済は記述用紙とマーク用紙の2枚併用、理工系の共通テスト併用方式は選択欄に○×。法政も、選択科目・理科は解答用紙を選んだ時点で科目が確定します。ここでの事故が最も惜しい失点です。
  3. 時間配分を紙に書いて持っていく。「大問Ⅰに15分、Ⅱに12分」と決めておく。形式が固定されている大学ほど、これが効きます。

出願の締切にも注意してください。中央大学の5学部共通選抜は1月下旬に締切があり、共通テストの自己採点の直後に手続きが重なります。出願日程は最新の入学試験要項で確認し、12月のうちにカレンダーへ書き込んでおいてください。また法政大学は大学公式の過去問公開が2年分です。直前に「もう1年分」を探しても見つからないことがあります。

間に合わないと感じたときの、現実的な選択肢

正直に書きます。秋から始めて第一志望に届かないことはあります。取れる選択肢はどれも「諦める」ことではなく、残り時間に合う設計へ組み替えることです。

1|受験校のレベルを調整する

レベルの差は、偏差値表ではなく「1回の試験で読む量」で見てください。英語で比べると差がはっきりします。

  • 東洋大学 前期日程…長文2題(各600〜700語)+文法語法・会話文・整序英作文の5題を60分。全問マークです。
  • 法政大学 T日程…2026年度は1本1,000語前後の長文を4本、90分。
  • 中央大学 5学部共通選抜…80分で6大問、総語数2,300語超。文法語彙15問と誤り指摘が加わります。

10月の1回目で東洋大学の60分に最後まで届かないなら、法政T日程を本命に据えるのは残り4か月では無理があります。本命は1つ残したうえで、確実に届く層の出願を厚くするのが現実的です。

2|「対策が増えない併願」を優先する

時間がない人ほど、出願の増やし方を選ぶべきです。同じ演習で複数の判定を受けられる形を探してください。

  • 東洋大学は日程別なので、同じ日程の中で学部・学科を併願しても対策は1つも増えません。
  • 東京電機大学は1日に最大4学科・学系を併願できます。第一志望の学科と同じ日に、合格最低点が10〜20点低い学科を1〜2つ加えれば、同じ答案で複数の判定を受けられます。
  • 学習院大学はプラス試験の問題が別学部のコア試験と同一(法学部プラス=経済学部コア)なので、演習素材が実質的に倍になります。

逆に明治大学のように共用がない大学では、学部を増やした分だけ形式の練習が増えます。出願できる数と、こなせる数は別です。

3|共通テスト利用を「網」として使う

共通テスト利用は、追加の対策がほとんど要らないまま判定を増やせる方式です。ただし、本命にはしないでください。試験を受けない分、求められる得点率が高く出ます。

同じ理由で、法政大学の英語外部試験利用入試も本命に向きません。倍率16.2倍、得点率74〜78%。実力があっても通らないことがある水準です。あくまで網の一部と考えてください。

4|年内入試を検討する。ただし「楽な道」ではありません

年内入試は、一般選抜より準備が軽いわけではありません。成蹊大学の総合型選抜(自己推薦型)は、学部ごとに課題審査の中身がまったく違います。高校長の推薦は不要ですが、その分だけ自分で書類と課題を仕上げる必要があります。また成蹊では、2026年3月に新設が発表された総合型「基礎学力型」が同年7月に実施取りやめとなりました。制度は年によって動きます。

そして時期の問題があります。多くの年内入試は出願が秋のうちに締め切られます。10月・11月に思い立って間に合うものは多くありません。検討するなら、まず高校の進路指導室で指定校推薦の枠と校内の締切を確認してください。

秋から始めて全部が間に合うわけではありません。ただ、「受ける試験を決めて、その試験に出るものだけをやる」という方針に切り替えるだけで、残り4か月の密度は変わります。変わるのは学力の総量ではなく、時間の使い先です。

秋から始める人こそ、計画を人と作ってほしい

ここに書いたことは、全部ひとりでもできます。ただ、秋から始める人にとっていちばんの敵は、判断に迷って止まる時間です。「どの方式で出すか」で1週間悩むと、500時間のうち30時間が消えます。

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※本記事の傾向・倍率・得点率は、EIMEI予備校が作成した大学別入試対策読本(各大学の問題冊子および大学公表の入試結果データ・出題の意図・入学試験要項にもとづく分析)によります。入試制度・日程・配点・出願締切は毎年変わります。出願前に必ず各大学の最新の入学者選抜要項をご確認ください。

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二神大輝