こんにちは、EIMEI予備校の二神大輝です。
この記事は、東洋大学の一般選抜(前期日程)を受けると決めた高校生と、その保護者の方に向けて書いています。学部や日程をこれから決める人にも、過去問の集め方が分からない人にも使えます。
EIMEIでは、2022〜2024年度の東洋大学 一般選抜前期日程の問題冊子、約150冊を一冊ずつ確認し、全学部・全科目の傾向を「東洋大学 入試対策読本」にまとめて指導に使っています。この記事はその中身を組み直しました。他大学は大学別 傾向と対策まとめからどうぞ。
全科目に共通する、東洋大学の3つの特徴
- 全問マークシート、1時限60分、1科目100点。記述は一切ありません。
- 全学統一問題。同じ試験日なら、学部・学科が違っても問題は同じです(数学だけ文系用・理系用に分かれます)。
- 合否判定の「方式」がいくつもある。3教科均等配点のほか、英語重視・国語重視・最高得点重視など、特定の科目を2倍にする方式が並びます。
解答数は科目によって35〜53、1問あたり70〜100秒。必要なのは記述力ではなく「60分で40問前後を処理し切る速さ」です。原則は3つ。詰まった問題に3分以上使わない(部分点がないので飛ばして最後に戻るほうが期待値が高い)。知識で解ける大問を先に、資料や長文誘導の大問を後に。最後の3〜5分はマーク確認に使う。「二つ選べ」で三つ塗って無効、という失点は毎年起きています。
過去問は「学部別」ではなく「日程別」に集める
同じ年度・同じ試験日なら、学部・学科が違っても、3教科型か4教科型かにかかわらず、問題は一字一句同じ。試験日が違えば、まったく別の問題。
約150冊を突き合わせ、日本史・世界史・地理・政治経済・英語・文系数学・物理・生物で確認した規則です。文学部哲学科の過去問と、同じ日に試験がある経済学部の過去問を解くのは、同じ問題を二度解くことになります。
- 自分が受ける試験日の問題を、学部を問わず集める。同じ日の別学部は重複なので1冊でよい。
- その日程の直近3年分を、古い順に解き、最新年度を最後に残す。
- 複数日程を受けるなら日程の数だけ演習量が要る。2日程で6セット、3日程で9セット。
例外もあります。数学は文系用と理系用で冊子が別で、2022年度は2月8日の文系数学が2月10日にも使われました。化学は情報連携学部と生命科学部で別冊、国語も理科との選択冊子の学部があります。過去問の表紙で自分の冊子の系統を確かめてください。
もう一つ、2024年度に出題の質が変わった科目があります。日本史は会話文のリード文・図版・史料と統計表の複合問題が入り、文系数学は生活題材、地理は最新統計を使う出題が増えました。2024年度以降を必ず1セットは解いてください。
科目別の傾向と対策
英語|長文2題+文法+会話+整序。速さの試験
出題:Ⅰ・Ⅱが長文読解(各600〜700語、設問9〜14問)、Ⅲが文法語法、Ⅳが会話文、Ⅴが整序英作文。解答数37〜45、発音問題と自由英作文はなし。2023年度以降は整序がほぼ全日程に定着し、5題構成が標準です。長文は海外ニュースやエッセイがもとの説明文で、心理学・動物行動・考古学・歴史・時事社会が題材。物語文・小説は出ません。
対策:配点の半分以上が長文です。標準レベルで形式が安定している文法・会話・整序を合計15分以内で片づけ、長文2題に各18〜20分を残します。設問は「本文と選択肢の照合」が中心で、背景知識より該当箇所を素早く探す力が問われます。内容一致の「三つ選べ」は、選択肢を本文の段落に対応させて一つずつ判定してください。
時間配分と目標:Ⅲ6分 → Ⅳ5分 → Ⅴ6分 → Ⅰ19分 → Ⅱ19分 → 見直し5分。長文は設問を先に読んでから本文へ。目標は素点7割(英語重視方式なら8割)で、文法・会話・整序で9割、長文で6割取れれば届きます。
「時間が足りない」の中身は人によって違います。英語長文が読めない原因の見分け方で詰まりどころを確かめてから演習へ。
国語|漢字+評論+古文の3題。漢文は出ない
出題:一 漢字の識別(5問)、二 現代文・評論(10問)、三 古文・物語(10問)。漢文と小説は出題されていません。評論は哲学・科学技術論などの硬い文章で、選択肢が長いのが特徴です。
対策:漢文の勉強時間はすべて古文文法へ。敬語の「敬意の対象」を問う設問が毎年あり、助動詞の識別とあわせて知識で取れる問題が10問中4〜5問。ここが得点の安定装置です。評論は、過去問に入る前に哲学・科学技術論の文章を月に数本読んで抽象度に慣れておくこと。漢字3分 → 古文20分 → 評論32分です。
数学|「3次関数と面積」「三角形と円」で大問2つが決まる
出題:文系系列は数学Ⅰ・Ⅱ・Aで大問4題すべて必須、数列・ベクトル・数Ⅲは範囲外。文系8セットで図形と計量・図形と方程式が8回中8回、微分積分が8回中7回、場合の数・確率が8回中5回。理系系列は大問Ⅰ・Ⅱ必須で、Ⅲ(数Ⅲ)かⅣ(数Aの図形の性質・整数の性質)を学科の指定で選びます。
対策:文系はこの2分野を先に一周するのが最優先。空所補充は計算ミスがそのまま失点なので、答えの形(分数・根号)を空欄から逆算して検算する練習が効きます。理系は早めにⅢかⅣに絞ること。両方に手を出すのが最も非効率です。目標は文系7割、理系は必須2題で8割・選択で6割。
日本史|近世と近代で確実に2題
出題:大問3〜4題、39〜48問。Ⅰ 原始・古代〜中世、Ⅱ 近世(江戸)、Ⅲ 幕末〜近代。近世1題・近代1題は固定で、戦後史も複数日程で出ます。
対策:近世・近代を先に固めるのが最も配点効率がよい。年代整序が各大問に1問以上あるので、法令や改革は「順番」で覚えます。正誤組合せ(8択)は明らかな誤りを含む文から消すと速い。単元の優先順位は日本史はどの単元から固めるかも参考に。
世界史|中国史とヨーロッパ史が毎回1題ずつ
出題:大問3題、45〜50問。中国史1題+ヨーロッパ・地中海史1題+西アジアや近現代国際関係から1題が基本形です。
対策:「中国王朝史の政治制度」と「ヨーロッパ通史」の2本で大問2つ分の土台ができます。得点差は知識量より年代整序の精度で生まれ、4〜5個を並べる形式は前後関係を因果で覚えていないと解けません。通史を「年表として」再構成するノートを1冊作るのが最も効きます。
地理|統計表と地図を「読む」試験
出題:大問4題、35〜40問で、系統地理2題+地誌2題が基本。統計表はほぼ全大問に付き、資源・エネルギーは2023年度に3日程連続で出ています。
対策:「知っているか」ではなく「表とグラフから国を特定できるか」の試験です。上位国の顔ぶれと桁を覚えると解答速度が上がるので、資料集の統計ページを資源・農産物・貿易の順に毎週眺めてください。文章中心の大問から先に解き、資料の大問に最低15分を残します。
政治・経済|政治2題+経済2題の固定構成
出題:大問4題、40〜47問。Ⅰ・Ⅱが政治、Ⅲ・Ⅳが経済という枠が全日程共通。経済の大問にはグラフ・表が毎回付き、ドント式・比較優位などの計算も各日程1〜2問あります。
対策:「憲法・統治機構」と「戦後日本経済史」の2本が軸で、残りは財政金融・労働社会保障・国際経済の基礎用語で埋まります。際立つのは時事の比重で、受験前年までのニュースが各日程で問われます。新聞の見出しレベルでよいので、月に1度は整理を。
物理|小問集合+力学+電磁気。型が完全に固定
出題:分析した8冊すべてが、Ⅰ 独立小問/Ⅱ 力学の長文融合/Ⅲ 電磁気の長文融合という同じ型。電磁気・力学は8冊中8冊(電磁気はコンデンサーが5回)、熱力学7冊、波動5冊で、原子は出題なし。物理基礎だけでは完答できません。
対策:力学と電磁気の長文誘導が配点の3分の2を決めます。コンデンサーは直並列合成・誘電体挿入・エネルギーの3点を導出まで再現できるように。部分点がないので途中でつまずくと後の空欄がすべて失われます。設定図を自分で描き直してから式を立てる習慣を。Ⅰ15分 → Ⅱ20分 → Ⅲ20分です。
化学|理論計算が軸。学部で冊子が違う
出題:情報連携学部と生命科学部で別問題です。情報連携は37〜47問で計算の比重が高く、生命科学部は44〜58問で天然高分子が手厚めです。
対策:情報連携志望は、状態方程式・中和滴定・電気分解といった理論の定量計算を「立式から数値まで2分以内」で処理する練習が、そのまま時間対策になります。生命科学部志望は1問1分強のペースで、知識問題を短時間に片づけ計算に時間を残す配分です。
生物|全分野から。学部で「知識型」と「考察型」に分かれる
出題:45〜53問で1問70秒のペース。健康スポーツ科学部などは正誤組合せ中心の知識型、情報連携学部(理科型)と生命科学部は実験考察・グラフ読解・計算が中心の考察型です。
対策:ヤマを張れないので順序は頻度で決めます。代謝・体内環境・遺伝情報は毎回大問として出て設問数も多く、この3分野で土台ができます。知識型なら正誤組合せを網羅的に。考察型なら定番グラフの読み取りと、標識再捕法・ハーディワインベルグ・呼吸商などの計算を繰り返す。完全解答の設問は消去法では取れません。
日程と方式は、どう選ぶか
東洋大学の対策は日程と方式を決めた瞬間に始まります。そこが決まらないうちは、解くべき過去問も分野も決まりません。
2027年度の東洋大学は、文・経済・経営・法・社会・国際・国際観光・情報連携・理工・総合情報・生命科学・食環境科学などの14学部に、環境イノベーション学部が加わって15学部になります。前期日程は2月8日から11日までの4日間で、日ごとに実施学部が決まっています。後期は3月上旬、共通テスト利用入試は前期・中期・後期と別に設けられています(併願設計は共通テスト利用入試の使い方も参考に)。
方式は「どの科目を重く見てもらうか」の選択です。文学部なら、3教科均等配点(300点満点)、最も高い1科目を2倍にする最高得点重視、英語重視、国語重視、4教科均等配点(いずれも400点満点)が並びます。考え方は一つ、自分の最も得意な科目が2倍になる方式を探すこと。同じ学科に複数方式で出願できる場合が多く、得意科目がはっきりしている人は均等配点と重視型を両方出すのが定石です。前期日程には英語外部試験のスコア利用もあります。
併願は「同じ日に増やす」が効率的です。同一試験日に複数の学科・専攻を併願でき、問題が日程ごとに1種類なので、同じ日に出すぶんには負担が増えません。逆に試験日を増やすと日程の数だけ演習が増え、3日程・3科目なら27回分。12月中に1周目を終える逆算が必要です。
合格最低点は「素点の目標」にしない
2026年度の合格最低点(前期・3教科均等配点・300点満点)では、文学部・経済学部・社会学部の人気学科は180点前後、理工・総合情報・食環境科学は160点前後と、同じ大学の中に明確な段差があります。経済学科のように選択科目の組み合わせで最低点が13点違う学科もあるので、数学と地歴公民のどちらで受けるかはこの差も見て決めましょう。
ただし公表される合格最低点は小数点のついた「調整後の点数」で、答案の素点ではありません。300点満点で156〜189点、率にすると52〜63%ですが、これは受験者全体の中での相対的な位置を示す数字です。全問マークで標準的な難度ですから受験者平均は素点で5〜6割と見込まれ、そこを上回る目標として、EIMEIでは素点7割(人気学科は7割5分)を置いています。
英語は、こうやって指導しています
過去問を何年分解いても、それだけで本番に届くわけではありません。東洋大学は日程ごとに1種類しか問題がないので、真面目な生徒ほど早く解き切って、2周目には答えを覚えてしまいます。私は英語科なので、そこで何をしているかを書きます。
① 頻出テーマを、長文演習より先に入れる
東洋大学の長文は、海外ニュースやエッセイがもとの説明文です。心理学、動物行動、考古学、歴史、時事社会。題材の範囲が、あらかじめ決まっているということです。
EIMEIでは数百大学・数千問の入試英文を分析し、繰り返し出るテーマ(環境、科学技術、心理、社会など)を整理した『入試英語の教養 頻出テーマ読本』を自作しています。東洋大学の長文の題材はこのテーマと重なるので、語彙と背景知識がそのまま効きます。この試験で勝負を決めるのは該当箇所を素早く探す速さ。初めて読む英文でも「この話は知っている」と思えれば内容をつかむ時間が短くなり、その分を照合に回せます。だから長文演習より先に、テーマのインプットを置いています。
② 東洋大学の予想問題を、オリジナルで作っています
自分の日程の直近3年分を解き終えたあと、「本番と同じ形式で、まだ答えを知らない問題」が手元に残らない。ここが東洋大学の対策で苦しいところでした。
そこでEIMEIでは大学別の英語予想問題を自作しています。東洋大学の予想問題もその一つです。長文2題+文法+会話+整序の5題構成、600〜700語という長さ、解答数、60分という時間。読本の分析でつかんだ形式をそのまま再現し、題材も実際に出ている分野から選んで、英文・設問・解説まですべてオリジナルで作りました。12月や1月に、本番と同じ形式の初見の問題をもう1セット解ける。この1回で直前期の手応えは変わります。
③ そして、君だけの予想問題へ
1対1の個別指導なので、答案から「どこで時間を失っているか」「どの設問の型で落としているか」が見えます。その弱点に合わせて、その生徒のためだけの予想問題を作ることもしています。「東洋大の英語、何から始めればいい?」という段階からで大丈夫です。
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※本記事の傾向分析は、2022〜2024年度の東洋大学 一般選抜前期日程の問題冊子 約150冊の確認に、制度の記述は2027年度入試の公開情報(2026年9月時点)にもとづきます。入試制度・日程・配点は毎年変わるため、出願前に必ず最新の入学者選抜要項をご確認ください。
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