【川越の高校生へ】模試の使い方|判定より大事な3つの数字と、返却後1週間でやること【全統模試・進研模試】

こんにちは、EIMEI予備校の二神です。

この記事は、川越とその周辺の高校に通っていて、模試を受けたあとの1週間をどう使えばいいか分からない高1・高2・高3生と、その保護者の方に向けて書いています。「判定を見て、一喜一憂して、そのまま次の模試を受ける」を止めるための記事です。

結論から言います。模試でいちばん価値が低い情報が判定で、いちばん価値が高い情報は設問別の正答率です。その価値は、返却から1週間で薄れます。

判定(A〜E)が表しているものと、表していないもの

判定は「この成績帯の受験生が、過去にその大学にどれくらい合格したか」を当てはめた推定値です。いい加減な数字ではありませんが、成り立ちを知らないと読み違えます。

判定を支える前提は3つあります。母集団(進研模試は高校単位で受けることが多く学力の幅が広い、河合塾の全統模試は大学受験を前提にした層が中心。同じ偏差値でも意味が違います)、志望者数、そして配点と科目です。

ずれがいちばん大きいのは配点です。青山学院大学の全学部日程は、文系なら英語150点が350点満点の43%、理工なら英語150+数学150で75%を占めます。明治大学の国際日本学部の2科目方式は英語200点・国語150点だけ、総合数理学部は数学200点・英語120点です。模試の均等配点で出た偏差値と、この配点で出る合否は、同じ方向を向きません明治大学の記事で学部ごとの配点を整理しています)。

限界を4つ挙げます。

  1. 判定は「今日の位置」であって「本番の位置」ではありません。高2の秋のE判定は、単に範囲が終わっていないだけのことが大半です。
  2. 志望者は出願直前に入れ替わります。秋に並んでいた人が、実際には別の大学に出願します。
  3. 私大の個別試験と模試は、問題の形が違います。法政大学のT日程は2026年度で1本1,000語前後の長文が4本、90分。中央大学の5学部共通選抜は80分で総語数2,300語超です。
  4. 大学は受験者平均点を公表していないことが多い。明治も青学も、公表は志願者数・受験者数・合格者数・満点・合格最低点・倍率まで。「平均と比べて自分がどこか」という測り方は、入試の側に用意されていません。

判定は「見るな」ではなく「それだけを見るな」です。判定は1行の要約で、本体は成績表の後ろのページにあります。

判定より大事な3つの数字

① 設問別正答率|全体の正答率と自分の正誤を掛け合わせる

多くの成績表には設問ごとの全体正答率が載っています。自分の正誤とクロスさせると、模試が4つの箱に分かれます。

  • 正答率が高い(およそ50%以上)のに落とした…最優先。ここを取るだけで順位は動きます
  • 正答率が低い(およそ30%未満)のに取れた…得意の確認。急ぎません
  • 正答率が高く、取れた…維持でよく、復習時間は使わない
  • 正答率が低く、落とした…後回しで結構。全体の7割が落とす問題は、合否を分けていません

復習で最も多い失敗は、4番目の箱に時間を使うことです。難しい問題ほど解きたくなりますが、そこは差がついていない場所です。正答率50%以上で落とした問題にだけ印をつけ、その数を数えてください。英語で7問、日本史で11問といった数字が出ます。この数が、次の模試までに減らす対象です。

② 科目内の分野別得点率|科目の偏差値は中身を隠す

「英語の偏差値58」は何も教えてくれません。その58が文法で稼いだのか長文で稼いだのかで、次にやることが正反対になります。分野別(大問別)の得点率を、志望校の出題と並べてください。

  • 日本史…青山学院大学の全学部日程は、確認できた4年分すべてが50問で、原始古代から近現代までほぼ均等。「近現代だけ」は通用しません
  • 古文…中央大学の出典は3年15題のうち13題が平安から鎌倉。日記・物語・説話が中心で、敬語から主語を判定する切り口が定番です
  • 漢文…中央大学で出るのは文学部だけ。明治の法・商・政治経済は独立大問が3年とも0です。志望校に出ないなら、壊滅していても優先度は最下位です
  • 英語の文法…法政のT日程は2025年度に文法の独立大問が消え、2026年度には会話文も消えて長文4本に。青学の全学部日程は40問中25問(62.5%)が読解。入試の重心は知識問題から読解へ移っています

分野別得点率を書き出し、志望校で「毎年出る/たまに出る/出ない」に仕分けてください。「毎年出る」×「得点率が低い」に入った分野だけが、次の一手です。

③ 志望者内順位の推移|判定ではなく順位と母数を見る

判定は5段階ですが、その裏には「志望者◯◯人中◯◯位」があります。こちらのほうが細かく、比べやすい。

見方は2つ。ひとつは倍率との対応です。中央大学の一般方式には合格最低点が偏差点(科目間調整後の点数)で出る学部があり、その数字を目標にできません。読本ではこういうとき「まず倍率を見る」としています。3倍なら上位3分の1、5倍なら上位5分の1が出発点です(中央大学の記事)。順位を志望者数で割れば、自分の位置が分数で出ます。

もうひとつは推移です。1回の順位には体調も相性も混ざります。3回分を並べて、はじめて傾向になります。法政の読本には「過去問の素点は過去の自分と比べる。10月に55%だったものが1月に70%になっていれば仕上がりは進んでいる」とあります。比べる相手は、合格最低点でも他人でもなく、前回の自分です。

模試の数字と、志望校の必要得点率をつなぐ

模試は相対位置を、入試は絶対点を問います。最後は得点率で確かめます。

  • 明治大学…2026年度の合格最低得点率は学部別で6割台後半から7割台前半、全学部統一で7割台後半から8割台。目標は学部別なら最低点の1割増し、全学部統一なら最低点+数点
  • 青山学院大学…全学部日程の合格最低点は文系がおおむね68〜79%、理工が67〜77%。受験者平均が非公表なので物差しは最低点だけ。目標は志望学科の得点率+5ポイント
  • 法政大学…公表値は標準化後の数字で、A方式は多くが62〜75%、T日程は59〜76%。目安は標準化後で7割ですが、A方式38学科のうち16学科は7割超です(法政大学の記事
  • 中央大学…素点が公表される一般方式の理工系3学部は57.7〜66.0%。偏差点の学部では「どの科目も7割」が一つの安全圏

つまり現実の線は「全科目7割前後」で、1科目9割・他は6割という設計は成り立ちません。合格最低点÷満点で得点率を出し、上乗せを足した目標得点率を満点に掛け、科目の配点へ割り振ってください。青学の読本の例なら法学部法学科(全学部日程)は最低点73.7%・目標79%で、英語120/150、国語79/100、地歴公民79/100。どの科目も6割を切らないことが条件です。

ただし模試の得点率を、そのまま入試の得点率と比べないでください。使うのは科目間のバランスと分野別の穴です。

返却後1週間でやること

復習は返ってきた週に終えるのが原則です。時間が空くほど「どう考えて選んだか」を忘れ、答え合わせで終わります。

すべての間違いを、まず4つに分ける

手順の中心です。原因が違えば、次にやることも違います。

  1. 知識がなかった…単語を知らない、年号を覚えていない。→ ふだんの教材の該当ページに戻る。新しい教材は買わない
  2. 知識はあったが引き出せなかった…見覚えはあるが出てこない。→ 覚え方ではなく復習の間隔の問題。回す頻度を上げる
  3. 時間が足りなかった…最後の大問に手がつかない、焦って選んだ。→ 大問ごとの持ち時間を決め直す作業
  4. 読み違い・条件の取り違え…「適当でないもの」を読み飛ばした、主語を取り違えた。→ どこで曲がったかを本文に書き込む。最も再発します

4つの割合を数えてください。①が多い人と③が多い人では、次の1か月が正反対になります。①なら教材を回す時間、③なら時間を計って解く演習。①の人が過去問を増やしても、点は動きません。

7日間の割り振り

  1. 1日目…判定はまだ見なくて結構です。問題冊子を開き、時間内に手をつけられなかった問題に印。まず「本番で何が起きたか」を残します
  2. 2日目…全設問に①〜④のタグを振る。1科目15〜20分。ここで解説を読みます
  3. 3日目…正答率を書き写し、「正答率50%以上×落とした」を抜き出す。多くても科目あたり10問前後です
  4. 4日目…分類④と②を解き直す。なぜその選択肢が切れるかを声に出して説明します。説明できない問題が残ります
  5. 5日目…分類③に大問ごとの持ち時間を数字で割り当てる。英語なら600〜700語の長文1題に設問込み18〜20分が一つの目安です
  6. 6日目…分類①を、模試の解説ではなくふだんの教材のページに戻して潰す。解説の余白に覚えた知識は残りません
  7. 7日目…紙1枚に計画を3つだけ書く。次の模試までに減らす失点の目標数(例:英語7問→3問)、毎日やること1つ、週1でやること1つ

10個書いた計画は1つも実行されません。書いた紙は次の模試の日まで机に貼り、当日の朝に読み返して自分で採点してください。保護者の方は、返却直後に判定の話をすると心が折れがちなので、1週間後に「4分類のどれが多かった?」と聞くのがおすすめです。答えられるなら復習は機能しています。

模試のスケジュールの組み方

実施回・実施日・難易度は年度で変わりますので、日程は主催団体の年間予定と学校の案内でご確認ください。ここでは組み方の考え方だけをお伝えします。

原則|受ける模試は、復習が終わる数だけ

1回の復習には1週間かかります。月2回受ければ2週間が復習で埋まり、定期テストが重なれば教材を進める時間が消えます。模試は受けるほど伸びるものではありません。申し込むときは、翌週の7日も一緒にカレンダーへ。ここを空けずに申し込むと、復習が飛びます。

学年ごとの軸

  • 高1…学校で受ける進研模試などで十分。目的は判定ではなく学習習慣の確認。英語と数学の分野別得点率だけ見ます
  • 高2…河合塾の全統模試のような大学受験を前提にした模試を年に数回加えます。判定は範囲未修の影響が大きいので、見るのは分野別と順位の推移。長文の得点率と所要時間を毎回記録します
  • 高3マーク型(共通テスト形式)と記述型の2本立て。マーク型は時間配分と処理速度、記述型は思考過程と答案の作り方を測ります。片方だけでは足りません

高3の1年を4つの節目で区切る

  1. 春〜初夏…現状把握。判定は無視してよく、見るのは分野別の穴だけ
  2. 夏の終わり…最初の分岐点。模試と同じ週に志望校のいちばん古い年度の過去問を時間を計って解き、素点を目標点と比べます。偏差値と素点が食い違う科目が課題
  3. …届いていない科目を優先度の高い分野から潰す。全範囲のやり直しはしません。模試より過去問に比重を移します
  4. 共通テスト前後…時間割どおりに解く練習を。青学の共通テスト利用は合格最低点が77〜88%、法政の英語外部試験利用は68.6〜90.4%で文系の主要学科でも74〜78%。1科目で8割近くが必要です。模試で届かない方式は、出願先を組み替える材料になります

志望校別の模試の使い方

特定の大学に向けた模試は本命1校分だけで十分です。併願校の分まで受けると復習が回りません。形式に慣れる目的なら過去問のほうが正確です。法政の問題は学部ごとではなく試験日ごとに作られ、中央は2026年度だけで11種類の英語が作られました。自分が受ける日程の過去問に当たるのが確実です。なお志望校欄は毎回同じ順で書いてください。変えると順位の推移が比べられません。

判定が悪かったときにやってはいけない3つ

  1. 教材を変える…1冊を終える前に替えると、どれも中途半端になります
  2. 判定だけで志望校を下げる…夏までの判定は範囲の進み具合を強く反映します。判断材料は過去問の素点の推移です
  3. 全範囲をやり直す…時間が足りません。手をつけるのは「毎年出る×得点率が低い」分野だけです

逆に、配点の重い科目で目標率を下回っていれば、判定がAでも危ういままです。

でも、成績表を正しく読むだけでは足りない

復習を完璧にこなしても、それだけで本番に受かるわけではありません。本番で出るのは見たことのない英文です。必要なのは、どんな問題でも読める・考えられる本質的な学力です。

そして成績表は、志望校が決まって初めて読めます。立教大学志望なら一般入試の英語はほぼ英語資格・検定試験か共通テストの英語で決まるので、記述模試より共通テスト型が重要になります(立教大学の記事)。中央の文学部なら漢文が要り、法政の経済学部・社会学部なら現代文だけで済みます。志望が決まった瞬間に、見るべき欄の半分が入れ替わります。

EIMEIでは、模試をこう使っています

1対1の個別指導なので、成績表だけでなく問題冊子の書き込みを見ます。4分類のうち③(時間)と④(読み違い)は、冊子にしか残らないからです。

見るべき欄は、志望校の実物から決めます。EIMEIでは大学ごとの一般選抜を独自に分析し、大学別の入試対策読本にまとめて指導に使っています。語数・設問数・出題分野・合格最低得点率は、実際の問題冊子と公表資料を数えて確かめた数字です。さらに、最新の形式・時間配分を再現した大学別の英語予想問題をオリジナルで作成し、答案から見えた弱点に合わせてその生徒のためだけの予想問題を作ることもしています。

今日から変えられること

  • 最初に見るのは判定ではなく、設問別正答率・分野別得点率・志望者内順位の3つ
  • 復習の対象は「正答率50%以上で落とした問題」だけに絞る
  • 間違いを知識/引き出し/時間/読み違いの4つに分類する
  • 返却から7日で終わらせ、最後に計画を3つだけ書く
  • 模試は復習が終わる数だけ受け、翌週の7日を先にカレンダーへ

模試は判定をもらうためのものではなく、次の1か月で何をするかを決める材料です。読み方が変われば、同じ模試から取れるものが変わります。

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