【慶應義塾大学 一般選抜】全科目の傾向と対策|統一入試・共通テスト利用・国語なし。10学部すべて別の試験を学部別に整理【2027年度入試】

こんにちは、EIMEI予備校の二神です。

慶應義塾大学の一般選抜には、他の私大にある「全学部統一入試」も「共通テスト利用」もありません。10学部が10通りの試験を、それぞれ1日ずつ行います。だから「慶應の英語」という一つの試験は存在しません。文学部と法学部では、同じ英語でもまったく別の試験です。

EIMEI予備校では、2024〜2026年度の慶應義塾大学 一般選抜の問題冊子104冊(英語29・数学24・日本史12・世界史12・化学12・物理6・生物6・地理3)を一冊ずつ通読し、2026年度の一般選抜要項・統計総括・得点総括と突き合わせて、10学部・全科目の傾向と対策を1冊の「入試対策読本」にまとめて指導に使っています。この記事では、その中身をもとに、学部ごとの形式の違い・科目別の対策・おすすめ教材をお伝えします。

慶應の一般選抜、まず押さえる4つの特徴

  1. 統一入試・共通テスト利用・国語の3つがない。10学部すべてが学部独自の試験だけで合否を決めます。現代文・古文・漢文を課す学部はなく、代わりに多くの学部で小論文(商学部B方式は「論文テスト」)が課されます。
  2. 満点も配点も学部ごとにバラバラ(350〜500点)。英語の比率がいちばん高いのは看護医療学部(300点/500点=60%)、小論文の比率がいちばん高いのはSFC(200点/400点=50%)、薬学部は化学150点が最大配点です。
  3. 「採点されない答案」がある。経済学部は英語の前半(A方式は数学の前半も合算)が一定点に届かないと、残りの問題も小論文・地歴も採点されません。法学部は「英語+地歴の合計」と「地歴単独」の両方が一定点に届かないと小論文が採点されません。
  4. 2027年度から経済学部が2科目入試に。小論文が休止され、数学(A方式)・地理歴史(B方式)が150点/80分から200点/100分に拡大、満点は400点になります。SFCの外国語もドイツ語・フランス語が廃止され、英語のみになります。

同じ試験なのはどこか。学部の組み合わせを整理する

慶應では、別の学部で同じ問題が出ることはありません。そのうえで、形式や科目構成が近いのは次の組み合わせです。

  • 理工学部の学門A〜E:試験問題・科目・配点はすべて共通。合否ラインだけが学門ごとに違います。
  • 総合政策学部と環境情報学部:科目・配点・時間は完全に同一ですが、問題は完全に別。英語のテーマは総合政策が社会科学系、環境情報が科学技術・環境系に分かれます。試験日が別なので併願できます。
  • 文学部・法学部・経済学部B方式:どれも「英語+地歴+小論文」(経済は2027年度から英語+地歴の2科目)で受けられますが、英語も地歴も中身は3学部でまったく違います。
  • 商学部:A方式は英語・地歴・数学、B方式は英語・地歴・論文テスト。地歴で地理を選べるのは慶應で商学部だけです。
  • 理系:理工は物理・化学が両方必須、薬は化学のみ、医は物化生から2科目、看護医療は数学・化学・生物から1科目。理科の選び方で受けられる学部が決まります。

なお、経済のA・B、商のA・B、法の法律・政治、薬の2学科、理工の学門など、同じ学部の中での併願はすべて不可です。検定料は1学部35,000円(医学部60,000円)で、共通テスト利用がないぶん併願はそのまま費用になります。読本では、慶應は3学部までにして残りは他大学に振り分けるのを目安にしています。

合格最低点は「得点率」で見る

満点が違うので、点数のままでは比べられません。2026年度の合格最低点を得点率に直すと次のとおりです。

  • 高い:商学部B方式 75.0%、法学部 70.4%、商学部A方式 69.8%
  • 中間:経済B方式 65.7%、総合政策 64.8〜67.8%(選択パターンで違う)、環境情報 63.5%、文学部 60.0%、医学部(第1次)59.0%、経済A方式 57.4%
  • 低い:理工学部 56.0%、薬学部 薬科学科 55.7%、看護医療(第1次)51.8%、薬学部 薬学科 51.1%

注意点が3つあります。合格最低点は正規合格者の最低点で、補欠からの繰上げ者は含みません。理工学部の数字は学門別の最低点を合格者数で加重平均した値で、「この点で受かる」ラインではありません。そして商・総合政策・環境情報・看護医療は2026年度に得点の補正が行われており、素点ではなく補正後の点です(法学部は補正なしと明記)。

合格最低点は年度で大きく動きます。法学部は2025年度から2026年度に64〜66点も上がり、受験者平均点も英語で約42点、日本史で約36点上がっていました。EIMEIでは、直近2年の得点率の高いほうに5ポイント足した値を目標にしています(法学部・商学部A方式なら約75%)。なお経済学部は2027年度から満点が変わるので、過去の得点率はあくまで参考です。

科目別の傾向と対策

ここからが本題です。慶應は学部ごとに別の試験なので、自分が受ける学部の項だけを読んでください。試験時間は問題冊子に印字されていないため、すべて要項の値です。

英語(文学部)|辞書2冊・120分・全記述

出題:150点/120分。慶應で唯一、英語辞書を2冊まで持ち込めます。約2,100語の人文・社会科学の評論1本に、下線部和訳2問・日本語の内容説明2問(100〜120字と50〜75字)・語数指定なしの英作文1本。3年間まったく同じ構成です。

対策:辞書があっても構文把握と日本語の記述力は救われません。①関係詞・同格・挿入を含む文を自然な日本語に落とす和訳、②要旨を100〜120字にまとめる記述、③英作文を「主張+理由+具体例」の型で固める。この3つを先に。

ここに注意:2026年度の受験者平均点は150点満点の44.8%。他科目より明らかに低い分、60%取れれば大きなリードになります。

おすすめ教材:『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)、『英文解釈の技術100』(桐原書店)、『やっておきたい英語長文1000』(河合出版)。英作文は『英作文ハイパートレーニング 自由英作文編』(桐原書店)。本番で使う辞書を早めに決めて、それで演習してください。

英語(法学部)|80分・約50問の全マーク、語彙が4割

出題:200点/80分。5大問・48〜53問で記述なし。語彙問題(語の綴り・句動詞やコロケーション・物語文中の語を英英定義に対応づける)が20問で約40%、会話文とインタビューで20問前後、最後に900〜1,100語の長文(段落単位の設問、脱落文の順序復元など)。

対策:語彙は単語帳の日本語訳だけでは届かない水準です。語源と英英定義で覚える学習に早く着手してください。会話表現のストックと、段落ごとに処理する長文の読み方も並行して。長文の素材はフェイクニュース、SNSと政治、子ども時代とスマホなど、時事・メディア・社会論が定番です。

おすすめ教材:『鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』(KADOKAWA)、『やっておきたい英語長文700』(河合出版)。英英辞典は『Oxford Advanced Learner’s Dictionary』(Oxford University Press)を引く習慣を。

英語(経済学部)|冊子の中に足切りの線がある

出題:200点/100分。I・IIが同じテーマの賛成論と反対論、IIIが関連論点(ここまでマーク33問)、IVが日本語の投書を読んで英語で答える記述、Vが自由英作文。冊子の途中に「解答用紙B」への切り替えの枠があり、I〜IIIが最初に採点され、一定点に達した人だけIV・Vが採点されます

対策:①I〜IIIの取りこぼしをゼロに。ここが足切りの対象そのものです。②自由英作文は「反対意見への言及→自説→本文の見解を自分の言葉で言い換えて引用(著者名・出版年つき)」を固定フォーマットに。③I・IIを読みながら賛否の論点表を作り、そのままVの材料にする流れを作る。整序・発音はほぼ出ないので後回しで構いません。

おすすめ教材:『やっておきたい英語長文700』(河合出版)、『英作文ハイパートレーニング 自由英作文編』(桐原書店)、『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)。

英語(商学部)|90分で約5,200語、記述11問が差になる

出題:200点/90分。8大問・マーク46問+記述11問が3年間同じ。長文3本(各700〜870語)、文法7問、語彙の長文空所補充、短文4本、そして動詞の語形変化(VII)と名詞派生形(VIII)の記述。語彙系が約3割で、純粋な文法は7問だけです。

対策:VII・VIIIの記述11問はスペルまで書けるかの勝負で、対策の費用対効果が最も高い部分です。同じ動詞を2回以上選ぶと得点にならない規定にも注意。長文は最後が主旨かタイトルの選択なので、800語の評論を一文でまとめる訓練を。時間は「IV〜VIIIを先に25分、長文3本に60分」のように過去問で固定してください。

おすすめ教材:『システム英単語』(駿台文庫)で派生語までセットで、『英文法・語法 Vintage』(いいずな書店)、『やっておきたい英語長文700』(河合出版)。

英語(総合政策・環境情報)|60問すべてマーク、英語IIIが半分

出題:200点/120分。英語I・II・IIIの3題60問で、3択の文脈語彙40問と4択の読解20問だけ。文法・会話・英作文はゼロです。英語IIIは1,200〜1,550語の一本に30問=配点の半分。総量は1分31〜36語で商学部より余裕がありますが、英語IIIを落とすと挽回できません。

対策:英語IIIだけを切り出して50〜55分で解き切る演習を。3択は意味の近い3語の使い分けが多く、論理を示す語の運用がカギです。2学部は形式が同じなので、もう一方の学部の過去問も演習素材に使えます。

おすすめ教材:『速読英単語 上級編』(Z会)、『やっておきたい英語長文1000』(河合出版)。

英語(医・理工・看護医療・薬)|4学部とも別形式

医学部(150点/90分):全問記述。英文和訳・和文英訳・字数指定の日本語説明・英語での説明・80〜100語の自由英作文。題材は医学ではなく一般向けの新聞・雑誌記事です。2026年度に3大問から2大問になり、英作文は大問IIの最終設問に統合されました。

理工学部(150点/90分):長文2・会話文・理系短文の空所補充・記述1題の5大問が3年間固定。同義語選択が毎年11〜13問。記述は2025年度までの和文英訳から、2026年度は語句補充型に変わりました

看護医療学部(300点/90分):7大問71問すべて記号選択。一問一問は標準〜やや易しめで、1問約75秒の処理速度の勝負。語頭の1文字を選ぶスペリング問題は他大学にない形式です。配点が大きいので取りこぼしが即失点になります。

薬学部(100点/80分):設問文も選択肢も英語。題材は科学論・科学史が軸で、2025年度は医学史・公衆衛生にも接近。同年に3記事を横断する総合問題が新設されました(2026年度分は読本の分析に含まれていません)。

おすすめ教材:医は『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)と『英作文ハイパートレーニング 和文英訳編』(桐原書店)。理工・薬は『やっておきたい英語長文700』(河合出版)。看護医療は『英文法・語法 Vintage』(いいずな書店)で文法20問の取りこぼしをなくすこと。

日本史|4学部で別の科目。経済Bは1500年以前が0問

文学部(100点/60分):5大問が定型。語群選択には「該当なしは0」のルールがあり消去法が効きません。IV・Vは史料+論述(2025年度から100字)。大問IIは現代史か文化史の枠で、2年連続で現代史でした。

法学部(150点/90分):難度は4学部で最高。2025年度に記述式解答用紙が新設され、200〜280字の論述が2年連続。語群は40〜76項目で、戦後政治の細部まで問われます。地歴は単独で足切りがあるので捨てられません。

商学部A方式(100点/60分):約80問を60分、1問45秒。史料・図版はほぼなく、知識の即答速度の試験です。近世の経済社会が本丸。

経済学部B方式(2027年度から200点/100分):3年分・約122問を数えて、1500年以前の出題は0問。重心は近代・現代の財政・金融・貿易です。論述は毎年10問前後で字数指定なし。史料・グラフ・地図が多く、統計から仮説を立てる資料解釈型の大問が2年連続で出ています。

おすすめ教材:『詳説日本史』と『日本史用語集』(ともに山川出版社)が軸。史料は『詳説日本史史料集』(山川出版社)、論述は『日本史の論点』(駿台文庫)。

世界史|文は記述の速さ、法は論述、経済Bは近現代の資料

文学部:全問記述で史料・地図なし。60分で約50問、用語集の細かい項目も毎年10問前後混ざります。IVはアジア、IIIはヨーロッパか国際関係が定位置で、2025年度から40字論述が2問入りました。

法学部:3年で形式が2度変わりました。2025年度から200〜300字の論述が定着し、2026年度はI・IIが全問4択の正誤判定に。論述はブレトンウッズ体制、北宋の中央集権体制、オスマン軍の兵制など、制度の中身を自分の言葉で説明する型です。中国史が最重要で、戦後の国際政治も毎年1大問分あります。

商学部A方式:語群60〜78項目のマーク+記述+15〜40字の超短文論述。2025年度からテーマ史に移り全時代が出ます。2026年度に初めてグラフと地図の読み取りが登場しました。

経済学部B方式:1500年以前は72問中3問だけ(大航海時代の直前のみ)。19〜20世紀が約8割で、ラテンアメリカ・アフリカと経済的な題材の比重が高い。論述は毎年11〜13題、字数指定なし。資料の量は全学部で最多です。

おすすめ教材:『詳説世界史』と『世界史用語集』(ともに山川出版社)。論述がある法・経済Bは『判る!解ける!書ける!世界史論述』(河合出版)。

地理(商学部のみ)|資料が1枚も出ない地理

出題:100点/60分・3大問。3年間で地図・統計表・グラフが1枚も出ていません。統計は文章中の数値として問われるので、「読む」のではなく順位と概数を「覚える」科目です。9大問中7題に工業・貿易・経済統合が出ています。

対策:①経済統合を略称・加盟国・発足年のセットで。②主要統計(鉄鉱石・原油・自動車生産・穀物など)の順位と概数。③都市地理・工業立地のカタカナ用語。漢字指定・カタカナ指定の記述が多いので表記まで正確に。地形図の読図や雨温図は3年間ゼロで、後回しで構いません。

おすすめ教材:『データブック オブ・ザ・ワールド』(二宮書店)で主要ランキングを数字ごと、用語は『地理用語集』(山川出版社)。

数学(経済A・商A・SFC)|範囲も形式も学部で断絶

経済学部A方式:6大問で[1]〜[3]がマーク、[4]〜[6]が記述。[1]〜[3]が英語の前半と合わせて最初に採点されます。型はほぼ固定で、確率と数列がマーク部、空間ベクトルと3次関数+面積が記述部。数Ⅲは範囲外。2027年度から200点/100分に拡大するので、過去問より重い出題を想定してください。

商学部A方式:範囲は図形の性質・場合の数と確率・数列・ベクトル(+数Ⅰ・Ⅱ)に限定され、新課程の2年はこの限定どおり。確率は毎年独立大問で、確率漸化式として数列と融合するのが癖です。

総合政策・環境情報:全問マーク、120分で解答欄130前後。総合政策は確率・空間図形・微積(Ⅱ)が柱でベクトル・複素数平面は3年間ゼロ。環境情報は整数が3年連続、複素数平面が2年連続で、体感難度はこちらが上です。

共通:場合の数・確率は12冊すべてに出た唯一の分野です。

おすすめ教材:『基礎問題精講』(旺文社)で典型を固め、『文系数学の良問プラチカ』(河合出版)で入試レベルへ。環境情報志望は複素数平面まで『チャート式』(数研出版)で押さえる。

数学(医・理工・看護医療・薬)|マークシートは1冊もなし

出題:12冊すべて記述式で、証明や過程の記述がどこかに入ります。

  • 医学部(150点/100分):整数の性質は範囲外で3年間出題なし(2029年度から追加予定)。統計的推測が2年連続で大問Iの冒頭に。大問IIは毎年確率漸化式。
  • 理工学部(150点/120分):整数が3年とも出題、統計的推測は3年間ゼロ。複素数平面は毎年大問級、証明記述は数Ⅲの不等式評価に集中。
  • 看護医療学部(200点/80分):数Ⅲなし。大問5はデータ・統計の確定枠。証明は毎年1問で、3年中2回が無理数の証明。
  • 薬学部(100点/100分):2025年度から過程を書く記述が定着し、統計的推測が独立大問に。

ここに注意:「統計は出ない」という前提は、医・看護医療・薬では2025年度以降はっきり誤りです。

おすすめ教材:『大学への数学 1対1対応の演習』(東京出版)、『理系数学の良問プラチカ』(河合出版)。看護医療は『基礎問題精講』(旺文社)の範囲を高速で解けるように。

化学|薬学部の最大配点。学部で求める力が正反対

医学部:全問記述で導出過程も要求。3年連続で化学史の実験装置を読み解く大問が出ています。60分では終わらない分量なので、取れるところを拾い論述で部分点を積む試験です。

理工学部:物理とともに必須。全問空欄補充で論述ゼロ、文字式で答える設問と手計算の有効数字で計算ミスが即失点。2026年度は実験器具の扱いが新傾向。

看護医療学部:途中過程をすべて書かせる形。題材は光合成・酵素・タンパク質など生命科学寄り。2026年度はエンタルピー表記に統一され、旧課程の書き方だけでは対応できません。

薬学部(150点/100分):350点のうち43%。5大問の役割が固定で、第5問は毎年生体高分子。実験データからの反応速度論解析、作図、字数指定記述が毎年5〜7問。

おすすめ教材:学校配布の『セミナー化学』(第一学習社)で基礎を固め、『化学 重要問題集』(数研出版)で入試レベルへ。医・薬は『化学の新演習』(三省堂)まで。

物理(医・理工)|原子の出方が正反対

医学部:全問記述の3大問で、長い誘導を読んでモデルを組み立てる試験。原子は毎年出ますが小問1〜2問で、対策コストに対して得点効率が非常に高い分野です。論述・描図もあります。

理工学部:大問1が力学、大問2が電磁気で固定、大問3が熱力学・波動・原子のローテーション。すべて空欄補充で論述ゼロ。2024年度の原子から一巡したので、次に原子が大問丸ごと来る可能性があります。ここを空白にしたまま本番を迎えるのが最大のリスクです。

おすすめ教材:『物理のエッセンス』→『良問の風』→『名問の森』(いずれも河合出版)。

生物(医・看護医療)|深さか、広さと速さか

医学部:9大問すべてが論文図表の実験考察。字数指定なしの論述が年15〜20問。進化系統・代謝・遺伝情報が中心で、人体生理はほぼ出ていません。

看護医療学部:記号選択・語句が7〜8割で、年40〜48問を80分。論述は1〜3行の行数指定で年2〜4問。遺伝情報の配列パズルやPCRの計算など、数え上げの正確さで差がつきます。

ここに注意:3年間出ていない分野は「後回しでよい」であって「切ってよい」ではありません。

おすすめ教材:学校配布の『リードα 生物』(数研出版)で知識を網羅し、医学部は『生物 思考力問題精講』(旺文社)で考察と論述を。

小論文・論文テスト|学部ごとに別物

小論文の過去問は読本の104冊には含まれていないため、ここは大学の公表資料から確認できる範囲です。

  • 法学部(100点/60分):対立する2つの意見と統計資料を踏まえて800字。要項で「国家や社会の基本原理」と領域を名指ししている唯一の学部です。平均点は2年間44〜48%で安定しており、差がつくのは英語と地歴です。
  • 文学部(100点/90分):思想系の雑誌に載った人文学の論考を読み、要約し、論じる課題文型。
  • 商学部B方式「論文テスト」(100点/70分):長めの資料と図表を正確に読む試験。「発想」より読解です。
  • 総合政策・環境情報(200点/120分):10ページ超の資料集を処理する読解試験。図示や、環境情報では算数・数学の問題が出る年もあります。
  • 看護医療:第1次試験の日に書きますが、使われるのは第2次選考。医学部は第2次試験で、問題は非公開です。

おすすめ教材:『小論文を学ぶ 知の構築のために』(山川出版社)で考え方の土台を作り、SFC志望は白書や統計を複数並べて120分で主題を取り出す練習を。

全科目共通のルールと過去問の回し方

  • 時間は要項の値で自分で計る。問題冊子には試験時間が印字されていません。
  • 解答用紙の形式ごと再現する。経済・商・法(2025年度以降)は解答用紙が2枚。経済B方式の地歴論述は字数指定がないので、実物大の解答欄で練習してください。
  • 自分の学部に足切りがあるかを確認する。経済・法は、どの部分が最初に採点されるかを頭に入れて会場へ。
  • 合格最低点ではなく、過去の自分と比べる。最低点は年度で10点以上動きます。

慶應は2026年度から全学部・全科目の「出題意図および解答例」を公表していますが、掲載は期間限定です。自分の学部の分は公開中に保存してください。問題文の二次利用には著作権処理が必要な点にも注意が要ります。

でも、教材と過去問だけでは合格できない

ここまで対策と教材を書いてきましたが、最後にいちばん大事なことを書きます。

教材を1冊終わらせても、過去問を何年分解いても、それだけで本番に受かるわけではありません。

本番で出るのは、見たことのない英文、見たことのない資料です。慶應はどの学部も論述や英作文で「自分の言葉で説明する力」を問い、形式も年度ごとに動いています。過去問の答えを覚えている生徒ほど、初見の問題で崩れます。必要なのは、どんな問題が来ても読める・考えられる本質的な学力です。教材と過去問は、その学力を「自分の学部の形式で出し切る」ための道具にすぎません。

英語は、こうやって指導しています

私は英語科なので、英語で具体的に何をしているかをお話しします。

① 数百大学・数千問の分析から「頻出テーマ」を先に入れる

EIMEIでは、慶應だけでなく数百大学・数千問の入試英文を分析し、入試で繰り返し出るテーマを整理しています。慶應の英文は、文学部なら言語と思考や戦争原因論のような人文系の評論、法学部ならSNSとメディア、経済学部なら政策の賛否、環境情報なら培養肉や気候変動。どれも入試の頻出テーマそのものです。

初めて読む英文でも「あ、この論点知ってる」となる。これが、慶應の長く硬い英文を速く正確に読むための最短ルートです。

② 最新の入試の「変化」を実物で確認する

慶應の英語はこの3年でも動いています。医学部は2026年度に2大問構成へ、理工学部は記述の形式が変わり、薬学部は2025年度に総合問題が新設されました。そして2027年度からは経済学部が2科目入試になり、英語の足切りを突破できるかがこれまで以上に決定的になります。EIMEIでは最新年度の問題冊子を実際に確認し、その変化を指導と教材にすぐ反映しています。

③ 慶應経済の英語に「入口」を作る予想問題

慶應経済の英語は、いきなり過去問に挑んでも歯が立たない生徒が少なくありません。そこでEIMEIでは、形式とテーマは慶應経済のまま、英文の難しさだけを落とした段階レベルの予想問題を、英文から設問・解説まですべてオリジナルで作っています。賛成論・反対論を読み比べる流れも、足切りの対象になる前半のマーク問題も本番と同じ形なので、レベルを上げながら本番の形式に体を慣らせます。

あわせて、引用つきの自由英作文の書き方も型から指導します。「反対意見への言及」「本文の見解の言い換え」「著者名と出版年」。慶應経済が求める作法を、一つずつ書けるようにしていきます。

④ そして、君だけの予想問題へ

1対1の個別指導なので、一人ひとりの答案から「どこで時間を失っているか」「どの設問の型で落としているか」が見えます。その弱点に合わせて、その生徒のためだけの予想問題を作ることもしています。

「慶應の英語、自分の学部は何から始めればいい?」という段階からでも大丈夫です。今の答案を見せてもらえれば、本番までに何をどの順番でやるかを一緒に組み立てます。

大学別の傾向と対策(ほかの大学)

EIMEI予備校では、大学ごとに入試対策読本を作成しています。併願校の記事もあわせてご覧ください。

【高校別】英語の教科書レベル一覧|川越・埼玉の高校で使う教科書と正しい使い方

大学別 一般選抜の傾向と対策 まとめページはこちら

無料体験・個別説明会のご案内

EIMEI予備校 川越校舎は、川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。

無料体験・個別説明会では、志望学部・方式(経済A/B、商A/Bなど)・受ける学部の組み合わせを一緒に確認し、今の成績から本番までの計画をお伝えします。模試の結果や過去問の答案があれば、ぜひお持ちください。

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※本記事の傾向分析は、2024〜2026年度の慶應義塾大学 一般選抜の問題冊子104冊(英語・数学・地理歴史・理科)と、2026年度一般選抜要項、2025・2026年度の統計総括・得点総括、2027年度以降の変更に関する大学の公表文書にもとづきます。小論文・論文テスト、SFCの情報、薬学部の2026年度英語は問題冊子の分析に含まれていません。入試制度・日程・配点は毎年変わります。出願前に必ず大学の最新の入学者選抜要項をご確認ください。

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