埼玉県立大学 保健医療福祉学部 学校推薦型選抜(2027年度)の出願資格・小論文・面接

この記事は、埼玉県立大学 保健医療福祉学部の学校推薦型選抜を考えている高校生と保護者のための記事です。看護・リハビリ・福祉・臨床検査・口腔保健などの専門職をめざし、地元の公立大学に推薦で進みたいと考えている人に向けて、2027年度入試の入学者選抜要項と学生募集要項で確認した内容を整理しました。

埼玉県立大学の学校推薦型選抜は、大学入学共通テストが免除され、小論文と面接・調査書で合否が決まります。その一方で、埼玉県とのつながりや、卒業後に県内で働く意志が出願の条件になっているのが大きな特徴です。高1・高2のうちから準備できることも多いので、順番に見ていきましょう。

2027年度 学校推薦型選抜の日程

項目 内容
インターネット出願の登録 2026年10月23日(金)9時〜11月6日(金)14時
出願書類の提出 2026年11月2日(月)〜11月6日(金)17時必着(一般書留郵便のみ)
選抜期日 2026年11月22日(日)
合格発表 2026年12月10日(木)午前10時(大学ウェブサイト)
入学手続 合格発表後〜2026年12月23日(水)

試験会場は越谷市の埼玉県立大学です。試験当日は駐車場が使えず、東武スカイツリーラインのせんげん台駅西口からバス(約5分)か徒歩(約20分)で向かうよう案内されています。東上線沿線から行く場合は、乗り換えを含めて時間に余裕をもって移動経路を確認しておきましょう。

学科・専攻ごとの募集人員

学校推薦型選抜の募集人員は、全体で185名です(入学定員395名)。学科・専攻ごとの内訳は次のとおりです。

学科(専攻) 推薦の募集人員
看護学科 65名
理学療法学科 20名
作業療法学科 18名
社会福祉子ども学科 社会福祉学専攻 22名
社会福祉子ども学科 福祉子ども学専攻 9名
健康開発学科 健康情報学専攻 18名
健康開発学科 検査技術科学専攻 20名
健康開発学科 口腔保健科学専攻 13名

多くの学科で、入学定員のおよそ半分が推薦の枠になっています。埼玉県立大学をめざすなら、推薦は「おまけの受験機会」ではなく主要な入口の一つだと考えておくとよいでしょう。

出願資格:評定3.5以上と「埼玉県」の条件

出願資格は次のとおりです。すべてを満たす必要があります。

  • 2026年4月〜2027年3月に高校などを卒業(見込み)していること
  • 埼玉県内の高校に在学している、または2026年4月1日以前から本人(あるいは配偶者・一親等の直系尊属)が埼玉県内に住所を持っていること
  • 合格したら入学を確約できること
  • 出願時までの全科目の評定平均値が3.5以上であること
  • 学業成績・人物ともに優秀で、志望学科の課程を学ぶ強い意志があること
  • 卒業後、埼玉県内で、修学した学科に関連する職業に従事する強い意志があること
  • 出身高校の校長が責任をもって推薦できること

都内の高校に通っていても、2026年4月1日以前から引き続き県内に住所があれば条件を満たせる場合があります。通信制高校の場合は、学校法人の本部が県内にあり、出願時の居住地も県内であることが条件です。自分が当てはまるか迷ったら、学生募集要項の該当ページを読み、高校の先生と一緒に確認しましょう。県内高校の在学者以外は、住民票などの提出が必要です。

出願資格の文言の読み方は募集要項の出願資格の読み方でも解説しています。

1校から推薦できる人数には上限がある

高校1校から推薦できる人数は、学科・専攻ごとに上限があります。看護学科は10人、理学療法学科は4人、作業療法学科は6人、社会福祉学専攻は5人、福祉子ども学専攻・健康情報学専攻・検査技術科学専攻・口腔保健科学専攻は各4人です。

上限があるということは、同じ高校から希望者が多い場合、校内選考が行われる可能性があるということです。校内選考の基準や時期は高校ごとに違うので、高2の終わりまでには担任や進路指導の先生に確認しておきましょう。校内選考の考え方は学校推薦型選抜の仕組みと校内選考にまとめています。

選抜方法:小論文70点、面接と調査書等30点

選抜は、小論文試験と面接試験、調査書などの提出書類を総合して判定します。配点は小論文70点、面接及び調査書等30点の合計100点です。共通テストは免除されています。

配点を見ると、小論文の比重がかなり大きいことがわかります。面接と書類も合わせて30点あるので軽視はできませんが、準備の時間は小論文に多めに割くのが理にかなっています。

募集要項では、小論文で知識・技能と思考力・判断力・表現力などを評価すると書かれています。一方で、小論文の試験時間・字数・出題の形式は、2027年度の要項からは確認できませんでした。過去の出題形式は大学が公開している情報や、高校の進路指導室にある資料で確かめてください。

面接では、入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)に基づく質問をすると書かれています。面接と調査書等では知識・技能を確かめるとともに、とくに主体的に多様な人々と協働しながら学ぶ態度を評価するとされています。個々の面接の開始時間は当日に発表されます。面接の形式(個人か集団か、時間)は要項で確認できなかったため、ここでは書きません。

学科ごとのアドミッション・ポリシーから準備を考える

面接の質問はアドミッション・ポリシーに沿って行われるので、志望する学科の方針を読んでおくことは欠かせません。要項に載っている内容を、要点を私なりに短く言い換えると、次のようになります。

  • 看護学科:看護学の基礎となる知識・技能、柔軟な思考力と表現力、相手の価値観を尊重し、話を聴いてコミュニケーションをとる力
  • 理学療法学科:地域やグローバル社会の健康課題への関心、根拠にもとづいて説明する力、協働して社会に貢献する姿勢
  • 作業療法学科:人の生活や環境への関心、課題を多角的にとらえて論理的に説明する力、多様な人と協働する態度
  • 社会福祉学専攻:福祉の法制度や実践への関心、多角的に考えながら共生社会に向けた課題に主体的に取り組む意欲
  • 福祉子ども学専攻:子どもと環境への関心と探究心、地域と連携して子どもの育ちを支える姿勢
  • 健康情報学専攻:情報を集め、分析し、解釈する基礎力、分野をまたいで考える力
  • 検査技術科学専攻:医学的な知識の基礎となる学力、論理的な思考と発想力、臨床検査への関心
  • 口腔保健科学専攻:歯科口腔保健の専門知識・技術を身につける強い意欲、多角的な視点で課題に取り組む力、他者と協力して社会に貢献する意欲

どの学科にも共通しているのは、「人と協力すること」と「自分の考えを筋道立てて説明すること」です。面接では、部活動や委員会、ボランティアなどで人と協力した経験を、具体的な場面とともに話せるようにしておきましょう。

小論文の準備:医療・福祉の話題を自分の言葉で

保健医療福祉系の小論文では、高齢化、地域医療、子育て支援、障害のある人の暮らし、健康づくり、医療従事者の働き方といった話題がよく取り上げられます。ここで大事なのは、知識を並べることではなく、課題を一つ取り上げて、原因と対策を筋道立てて書くことです。

練習は次の順番で進めると取り組みやすいと思います。

  1. 新聞やニュースから、医療・福祉に関する記事を週に1本選ぶ
  2. 記事の要点を100〜150字でまとめる
  3. 「自分ならどう考えるか」を600〜800字で書く(意見、理由、具体例、予想される反論への答え、結論)
  4. 先生や塾の講師に添削してもらい、書き直す

この大学の推薦は「卒業後に県内で働く意志」が条件になっているので、小論文でも埼玉県の地域の事情に触れられると説得力が増します。自分の住む市町村の高齢化の状況や、地域の病院・福祉施設の取り組みなどを調べておくとよいでしょう。統計やグラフを使う問題への備えは教育・心理・社会・福祉系の小論文と統計読解が参考になります。

併願のルール

国公立大学の学校推薦型選抜には、1つの大学・学部にしか出願できません。また、国公立大学の推薦型・総合型選抜に合格して入学手続をした場合は、入学辞退が許可された場合を除き、ほかの国公立大学の選抜では合格者になれません。不合格だった場合は、共通テストを受けて国公立大学の一般選抜に出願でき、埼玉県立大学の一般選抜を受けることもできます。

私立大学との併願については要項からは確認できませんでした。私立の年内入試と組み合わせる場合は、合格したら入学を確約するという条件を踏まえて、高校の先生とよく相談してください。

今年受ける高3の人へ(11月2日時点)

インターネット出願の登録は11月6日(金)14時まで、出願書類は11月6日(金)17時必着です。書類は一般書留郵便でしか受け付けられないので、郵便局の窓口から送る必要があります。推薦書・調査書は高校の校長が作成して厳封するものなので、まだ受け取っていない人はすぐに先生に確認しましょう。

試験の11月22日までの約3週間は、小論文を時間を決めて書く練習と、アドミッション・ポリシーを踏まえた面接の練習に集中してください。

高1・高2のうちにやっておくこと

ここからは、来年以降に受ける人向けです。2028年度入試の条件が今年と同じとは限らないので、要項が公表されたら必ず確認してください。ここでは2027年度の内容をもとに準備の進め方を書きます。

高1〜高2:評定を3.5以上で安定させる

評定平均3.5は、出願時までのすべての科目の平均です。高1の成績も含まれるので、高1の学年末の成績から意識しておくことが大切です。医療系は理科、福祉系は国語や公民の力が入学後の学びにつながるので、成績の数字だけでなく中身も大事にしましょう。評定の上げ方は評定平均の上げ方で詳しく書いています。

高2の夏〜冬:職業と地域を知る

  • 病院・福祉施設・保育所などの見学やボランティアに参加し、働く人の話を聞く
  • 埼玉県立大学のオープンキャンパスに参加し、学科ごとの学びの違いを知る
  • 自分の住む地域の医療・福祉の課題について調べ、メモを残しておく

「卒業後に県内で働く意志」は出願資格の一つなので、面接で聞かれることも想定しておきましょう。なぜ埼玉で働きたいのかを、自分の経験と結びつけて話せるようにしておきましょう。

高2の冬〜高3の夏:小論文と面接の練習を始める

小論文は書いた本数に比例して上達します。高3の夏休みまでに10本以上書いて添削を受けておくと、秋の直前期に慌てずにすみます。面接は、志望理由と高校時代の活動を2分程度で話す練習から始めてください。看護・医療系の準備全体については看護・医療系を目指す人へも読んでみてください。

参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

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二神大輝