日本女子大学 総合型選抜2027|文学部3学科と児童学科の事前課題・試験内容と準備

この記事は、日本女子大学の総合型選抜で、文学部(日本語日本文学科・英文学科・歴史文化学科)と家政学部児童学科を考えている高校生と保護者に向けて書いています。日本女子大学の総合型選抜は学科ごとに課題も試験もかなり違うので、今回はこの4学科に絞って、2027年度の募集要項で確認できた内容と、高1・高2のうちにやっておく準備をまとめました。

数字や日程は、日本女子大学の公式サイトに掲載されている2027年度総合型選抜募集要項で確認したものだけを書いています。

2027年度の日本女子大学 総合型選抜の全体像

2027年度の総合型選抜は、文学部・経済学部・人間社会学部・国際文化学部・理学部・建築デザイン学部・家政学部・食科学部の各学科で行われ、募集人員は学科ごとに決められています。2027年度は経済学部経済学科が新しくでき、家政学部家政経済学科は募集を停止しています。

全学科に共通する流れは次のとおりです。

  • 第一次選考:書類審査
  • 第二次選考:目白キャンパスで、学科ごとに小論文・適性検査(基礎学力)・口述試験・プレゼンテーションなどを組み合わせて実施

出願資格の共通部分は、女子であること、高校卒業(見込み)などの条件です。今回確認した要項には、評定平均の数値条件は書かれていません。調査書は、卒業見込みの人は3年1学期(または前期)までの成績が載ったものを出すように指示されています。評定の条件がないからといって調査書を見ないわけではないので、成績は普段どおり大事にしてください。

併願については、要項に「他大学を併願している場合は、所定の手続で入学金を除く前期学費等を延納できる」という記述があり、専願を条件とする記述は見当たりませんでした。一方で、桜楓樹給付奨学金は「本学を第一志望とし、入学を確約できる者」が申請資格で、採用候補者になると入学辞退は認められません。奨学金を申請するかどうかは、ほかの大学の受験予定とあわせて家族で決めてください。

4学科の募集人員と第二次選考の中身

今回取り上げる4学科の募集人員です。

学科 募集人員
文学部 日本語日本文学科 25名
文学部 英文学科 10名
文学部 歴史文化学科 10名
家政学部 児童学科 20名

第二次選考の内容は学科ごとに違います。要項に書かれている試験の組み合わせと時間は次のとおりです。

学科 第二次選考
日本語日本文学科 適性検査(基礎学力)9:30〜11:00、午後に口述試験
英文学科 小論文(日本語)9:30〜10:30、午後に口述試験(日本語)
歴史文化学科 小論文 9:30〜10:30、午後に口述試験
児童学科 小論文 9:30〜10:30、午後に口述試験

要項には、小論文や口述試験の具体的な形式、配点の記載はありません。合否は「各学科で定めた客観式を含む複数の選考方法」の結果と出願書類を総合して判定するとされています。つまり、当日の試験だけでなく、出願書類の出来も合否に入るということです。

全員が出す書類:自己アピールと志望理由書(各約1,000字)

4学科に共通して、次の2つを出します。

  • 様式2-1 自己アピール:主体性・多様性・協働性を意識した取り組みについて、約1,000字
  • 様式2-2 志望理由書:その学科を志望する理由を、約1,000字

どちらも手書きでもパソコンでも作れます。パソコンの場合はMicrosoft Wordで明朝体・文字サイズ10.5・行間1行、手書きの場合は大学指定の用紙に黒のボールペンで書くという指定があります。

自己アピールで気をつけたいのは、「主体性・多様性・協働性」という3つの言葉をそのまま並べないことです。たとえば文化祭の企画で、意見が割れたときに自分がどう動き、その結果どうなったか。こうした一つの場面を具体的に書くほうが、3つの観点が自然に伝わります。活動の選び方や書き方は活動報告書の書き方の考え方がそのまま使えます。

志望理由書は、学科を選んだ理由を書く書類です。日本女子大学の文学部は学科が分かれているので、「文学が好きだから」では足りません。なぜ日本語日本文学科(あるいは英文学科、歴史文化学科)なのか、隣の学科ではだめなのかまで説明できるようにしておくと、口述試験で深掘りされたときにも答えやすくなります。

学科別の事前課題:ここに一番時間がかかる

4学科のうち3学科には、出願時に出す学科別課題(様式3)があります。英文学科は事前課題の代わりに、英語外部試験のスコアが出願条件になっています。

日本語日本文学科:研究計画書 1,200〜1,600字

古典文学、近現代文学、日本語学、中国文学・思想、図書館情報学、日本語教育学の6分野から1つを選び、卒業論文を想定した研究計画書を1,200〜1,600字(横書き)で書きます。テーマ・背景・方法を含め、末尾に参考文献リストを付けます。

高校生にとって「研究計画書」はなじみがないかもしれませんが、求められているのは完成した研究ではなく、何を、なぜ、どうやって調べたいかです。たとえば近現代文学なら、ある作家の作品の中で何が気になっているのか、それを確かめるにはどの作品とどの資料を読むのか、という順で考えると形になります。参考文献リストが必要なので、実際に本や論文を読んでおかないと書けません。

歴史文化学科:小論文 1,800〜2,000字

3つの課題から1つを選び、1,800〜2,000字(横書き)の小論文を書きます。課題の大枠は次のとおりです。

  • 自分の出身地や住んだことのある海外の国、関心のある地域の歴史・文化・言語・宗教・思想・社会環境
  • 博物館・美術館・図書館・資料館・文書館などで出会った文物
  • 大学にゆかりのある人物(成瀬仁蔵、広岡浅子、渋沢栄一、平塚らいてうなど)、または自分の先祖・親族

どの課題も、実際に足を運ぶ、資料を調べる、話を聞くといった経験があると書きやすくなります。参考文献や典拠を明示する指示もあるので、調べたことの出どころを記録しておく習慣が大切です。親族に話を聞く場合は、日付と相手、聞いた内容をその場でメモしておくと、あとで典拠として示せます。

児童学科:図書を1冊読んで要約・選書理由・自分の考え

発達、創造・文化、社会・臨床の3領域から1つを選び、関連する図書を1冊読んで、要約(約800字)、選書理由(約400字)、自分の考え(約800字)を書きます。

ここでは、本選びの段階から差がつきます。入門書を1冊選ぶのもよいのですが、選書理由で「なぜこの領域のこの本なのか」を自分の経験とつなげて書けると説得力が出ます。要約は本の主張を正確にまとめる力、自分の考えは本の内容を受けてどこまで考えを進められるかが見られていると考えてください。

なお、日本語日本文学科と歴史文化学科の課題では、生成AIを使った文章作成は禁止と明記されています。課題の進め方全般は事前課題・課題レポートの進め方にまとめています。

英文学科の英語資格の条件

英文学科は、英語外部試験のスコアが出願条件です。要項にある主な基準は次のとおりです(TOEFL iBTは受験日によって基準の表記が変わるので、要項で確認してください)。

試験 基準
英検(CSE2.0) 2級以上を受験し、CSEスコア1950以上
TEAP(4技能) 225以上(TEAP CBTは420以上)
GTEC(検定版) 930以上
ケンブリッジ英語検定 140以上
IELTS(アカデミック) 4.0以上

証明書は、出願締切日からさかのぼって2年以内に受けたもの(2027年度は2024年9月15日以降の受験)に限られます。英検の場合、2級に受かっていてもCSEスコアが1950に届かなければ条件を満たさないので注意してください。日本語日本文学科・歴史文化学科・児童学科には、英語外部試験の指定はありません。

2027年度の日程と、今日(11月2日)の時点で

項目 日程
出願期間 2026年9月7日〜9月15日(書類は消印有効)
第一次選考の合否発表 2026年10月9日 15:00
第二次選考 2026年10月25日
合格発表 2026年11月2日 15:00
入学手続期間 2026年11月2日 15:00〜11月13日
前期学費等の納入期限(延納した場合) 2027年2月4日 23:59

今年受験した高3の人へ。今日の15時が合格発表で、入学手続期間は11月13日までです。他大学を併願している人は、延納の手続きをするかどうかを期間内に決めてください。結果がどちらであっても、次の動き方は年内入試の結果が出たあとにやることにまとめています。

高1・高2がいまから始める準備

出願は高3の9月上旬で、事前課題はそれより前に仕上げる必要があります。高3の夏に一から始めると、本を読む時間も、博物館に行く時間も足りません。高2の終わりまでに「何について書くか」の候補を持っておくことを目標にしてください。

高1・高2の冬(いま〜3月)

  • 日本語日本文学科志望なら、6分野のうち気になる分野の入門書を1冊読む。古典なら現代語訳と原文を並べて読むところからでもかまいません
  • 歴史文化学科志望なら、近くの博物館や資料館、郷土資料館に行ってメモを取る。地元の歴史を調べるのは、首都圏の高校生にとって始めやすい入り口です
  • 児童学科志望なら、3領域のどれに関心があるかを考えながら、子どもの発達や遊び、福祉に関する本を読んでみる
  • 英文学科志望なら、英検2級を受けてCSEスコアを確認しておく

高2の春〜高3の夏

  • オープンキャンパスで学科の先生の話を聞き、授業や研究の内容を調べる(志望理由書の材料になります)
  • 高3の5〜6月に事前課題の題材を決め、7月に下書き、8月に推敲と清書
  • 自己アピールと志望理由書は、事前課題と内容がつながるように書く
  • 口述試験に向けて、提出した書類の内容をもとに質問を想定して答える練習をする

文学部系の推薦全般の考え方は文学部・人文系の推薦でも説明しています。同じ女子大学の総合型選抜で、当日の講義とディスカッションで選ぶ形式の東京女子大学の知のかけはし入試と比べてみるのもおすすめです。

参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

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二神大輝