この記事は、総合型選抜や学校推薦型選抜で思うような結果が出なかった高3の生徒と、その保護者に向けて書いています。12月から一般選抜に切り替えるときに、何をどの順番で決めればよいかを日付に沿って整理しました。来年以降に年内入試を受ける高1・高2の人にも、「落ちたときの備え」を先に知っておいてほしいので、後半に準備の話を入れています。
年内入試の結果が出るのは、11月から12月にかけてです。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜の判定結果の発表は11月1日以降、学校推薦型選抜は12月1日以降と決められています。つまり12月は、結果を受け止めてから一般選抜までの準備に使える最後のまとまった時間です。
まず日付を確認する
立て直しの計画を立てる前に、これから先の日付を紙に書き出してください。気持ちが落ち着かないときほど、日付という動かないものから考えると判断がぶれにくくなります。
| 項目 | 日付(2027年度入試) |
|---|---|
| 大学入学共通テストの出願 | 2026年10月2日で締め切り済み |
| 共通テストの受験票の取得 | 2026年12月4日からマイページで取得 |
| 共通テスト本試験 | 2027年1月16日・17日 |
| 一般選抜の個別テスト | 2027年2月1日から3月25日までの間 |
| 合格者の決定発表 | 2027年3月31日まで |
注意したいのは、共通テストの出願はもう締め切られていることです。大学入試センターの案内では、出願内容の登録は10月2日17時まで、検定料の支払いは同日23時59分までで、支払いがなければ出願は受理されないとされています。出願していない人は、共通テスト利用方式は使えないので、大学独自の個別試験で受ける一般選抜を中心に考えることになります。
出願している人は、12月4日から受験票をマイページで取得でき、試験場も受験票で確認できます。共通テスト利用方式を併願に入れられるので、選択肢はかなり広がります。
結果が出た日から1週間でやること
落ち込む時間は区切って取る
準備に時間をかけた入試ほど、不合格はつらいものです。その日のうちに切り替えようとしなくて構いません。ただ、何日までは休む、と期限を決めておくと、ずるずると勉強が止まるのを防げます。保護者の方は、理由を問い詰めるより、次の予定を一緒に確認するほうが本人は動き出しやすくなります。
何が足りなかったのかを短くメモする
年内入試の多くは不合格の理由を教えてくれません。それでも、自分で振り返ることはできます。書類、小論文、面接、学力テストのうち、手応えがなかったのはどれかを一行ずつ書いておきましょう。たとえば小論文で時間が足りなかったなら、一般選抜の国語の記述問題や、小論文を課す一般選抜の方式で同じ失敗をしないための材料になります。
学校の先生に結果を伝える
推薦書や調査書を用意してくれた先生には、早めに結果を伝えてください。一般選抜でも調査書の提出を求める大学があり、その場合は出願書類の準備を頼むことになります。担任や進路の先生は、他の生徒の出願の流れも見ているので、併願の組み方について相談できる相手でもあります。相談の仕方は推薦の準備、学校の先生と塾にどう相談するも参考にしてください。
年内にまだ受けられる入試がないか確かめる
12月に入っても、出願を受け付けている年内入試はあります。たとえば大東文化大学の総合型選抜 基礎学力テスト型は、出願期間が11月24日から12月7日、試験日が12月13日、合格発表が12月24日と案内されています。評定平均の基準はなく、試験当日は英語と、国語または数学の基礎学力テスト(3科目型もあり)で、調査書・志望理由アンケート・事前課題の小論文と合わせて判定されます。
こうした入試は、一般選抜の勉強をそのまま生かせるのが利点です。ただし、受けるかどうかは一般選抜の勉強時間をどれだけ削るかと合わせて考えてください。事前課題や書類の準備に何日もかかるなら、その分を一般選抜の過去問に回したほうがよい場合もあります。基礎学力テスト型の準備については基礎学力テスト型入試の勉強法で詳しく書いています。
一般選抜への切り替え:科目を絞って計画を立てる
12月から2月までは、長いようで短い期間です。最初に決めるのは、受ける方式で必要な科目を確定させることです。同じ大学でも、方式によって必要な教科の数や組み合わせ、配点が違います。志望校の募集要項で、方式ごとの科目と配点を確認してください。
科目が決まったら、次のように時期を分けると無理がありません。
- 12月前半:英単語・文法、古文単語など、量をこなせば点になる基礎を毎日決まった時間に回す。
- 12月後半:志望校の過去問を1年分解き、どの大問で点を落としているかを確認する。
- 1月:共通テストを受ける人は本試験までは共通テストの形式に慣れることを優先し、終わったらすぐ個別試験の過去問に切り替える。
- 2月:試験の合間は新しい問題集に手を広げず、解いた過去問の見直しにあてる。
年内入試の準備で一般選抜の勉強が止まっていた人は、まず英語から戻すことをすすめます。多くの方式で配点が大きく、毎日続けた分が結果に出やすい科目だからです。英語の次は、配点が大きいもう一つの科目(文系なら国語、理系なら数学)を毎日少しずつでも続けてください。
併願の組み直し
日程を一枚の表にまとめる
年内入試を本命にしていた人は、一般選抜の併願校をまだ決めていないことがよくあります。出願の締切は大学ごとに違うので、試験日だけでなく出願期間と入学手続の締切も一枚にまとめてください。
例として、東洋大学の2027年度入試の日程を挙げます。
| 方式 | 出願期間と試験日 |
|---|---|
| 大学入学共通テスト利用入試 前期 | 出願1月4日〜1月15日、共通テスト(1月16日・17日)で判定 |
| 多面的評価入試 前期 | 出願1月4日〜1月15日、試験日2月1日 |
| 一般入試 前期 | 出願1月4日〜1月28日、試験日2月8日〜11日 |
| 一般入試 後期 | 出願1月4日〜2月25日、試験日3月5日 |
このように、共通テスト利用方式は共通テストの前日が出願締切になっている場合があります。1月に入ってから慌てないよう、12月中に出願する方式を決めておくのが安全です。
受験校の数は「受けきれる数」で決める
不合格の後は、不安から受験校を増やしたくなります。けれども試験が何日も続くと、移動や疲れで1校ごとの準備が薄くなります。過去問を最低でも1〜2年分解ける数に絞り、試験が3日以上続かないように日程を組むと、当日の集中を保ちやすくなります。
入学手続の締切と辞退のルールを知っておく
年内入試で別の大学に合格している人や、これから年内に合格する可能性がある人は、手続の締切に気をつけてください。文部科学省の実施要項では、3月31日までに入学辞退を申し出た人には原則として授業料等を返すこととされていますが、専願や学校推薦型選抜(これに類する入試を含む)に合格して在学契約を結んだ人は、その例外とされています。
専願の入試は、合格したら入学することが前提です。併願できる入試かどうか、手続を二段階に分けて後の受験を続けられる仕組みがあるかどうかは、大学ごとに募集要項で確認してください。たとえば東洋大学の総合型選抜 基礎学力テスト型は、一次手続をしておけば二次手続の締切まで他の受験機会に挑戦できる仕組みだと案内されています。
年内入試の準備は無駄にならない
総合型や推薦のために取り組んだことは、一般選抜でも生きます。志望理由書を書くために読んだ本や調べた内容は、現代文や小論文の背景知識になります。面接の練習で身につけた「聞かれたことに短く答える」力は、記述問題の答案を簡潔にまとめる力と同じです。
一般選抜の中にも、小論文や書類を組み合わせる方式があります。年内入試で書いた書類や小論文の経験を使える方式がないか、志望校の募集要項を一度見直してみてください。結果が出たあとの動き方全体は年内入試の結果が出たあとにやることでも紹介しています。
保護者の方にお願いしたいこと
不合格のあと、本人が一番気にしているのは「家族をがっかりさせたのではないか」ということだったりします。結果について長く話し合うより、次に出願する大学と日程を一緒に確認するほうが、本人にとっては前を向くきっかけになります。
一般選抜の出願は、インターネットでの登録、検定料の支払い、書類の郵送が別々に必要になる大学もあります。東洋大学の一般選抜の要項でも、この三つをすべて期間内に行う必要があると書かれています。受験生本人は勉強で手いっぱいになりがちなので、締切の管理や書類の郵送を家庭で手伝うだけでも、ずいぶん負担が軽くなります。
また、試験日が続く2月は、体調を崩さないことが何より大切です。会場までの経路や所要時間を事前に調べておく、前日は早めに休めるようにするなど、家庭でできることは少なくありません。
もう一度年内入試を考える人へ(浪人を含めて)
年内入試には、現役生だけでなく既卒生が出願できる方式もあります。来年もう一度総合型選抜に挑戦することを考えている人は、今年の書類と面接のどこが弱かったのかを、記憶が新しいうちに書き残しておいてください。志望理由書の下書きや面接で聞かれた質問のメモは、次の出願で一から考え直す手間を大きく減らします。書類の見直し方は志望理由書を書いたあとの直し方で説明しています。
ただし、出願資格に卒業年度の条件をつけている方式も多いので、既卒で受けられるかどうかは必ず志望校の募集要項で確認してください。
高1・高2の人へ:落ちたときの備えを先に作っておく
年内入試だけを考えていると、不合格になったときに一般選抜の準備がまったくできていない、ということが起こります。来年以降に受ける人は、次のことを今のうちから意識しておいてください。
- 共通テストの出願は9月中旬から10月初めです。2027年度入試では9月15日から10月2日でした。多くの年内入試の結果が出る前に締め切られるので、受けるかどうかは夏のうちに決めておきます。
- 英語は、年内入試の資格としても一般選抜の科目としても必要になることが多い教科です。高2の冬から英単語と文法を毎日続ける習慣をつけておくと、どちらに進んでも困りません。
- 評定平均は高1からの成績で決まります。定期テストの勉強は、推薦の出願資格を守るためでもあり、一般選抜の基礎固めでもあります。
高2のこの冬は、志望校の年内入試と一般選抜の両方の方式を調べ、年内で決まらなかった場合の受験校も一緒に候補にしておく時期です。早めの準備の進め方は高2の冬から始める推薦準備にまとめています。
参考にした公式情報
- 文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」
- 大学入試センター「令和9年度試験」
- 大学入試センター「令和9年度 大学入学共通テストQ&A」
- 東洋大学「2027年度 大学入学共通テスト利用入試・一般入試・多面的評価入試 入学試験要項」
- 東洋大学「総合型選抜 基礎学力テスト型入試」
- 大東文化大学「総合型選抜 基礎学力テスト型」
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
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