入試生物の頻出単元と大学別対策|代謝と遺伝情報の発現を先に固め、大学差の単元は後から決める【川越の予備校が解説】

こんにちは、EIMEI予備校の二神です。

この記事は、川越とその周辺の高校に通う高校生・浪人生で、理科の選択を生物にした人、どの単元から手をつけるかで止まっている人に向けて書いています。EIMEIでは大学ごとに入試対策読本を自作しており、その制作過程で集めた生物の過去問分析データを単元別に並べ替えました。

結論から言うと、代謝と遺伝情報の発現は、生物のデータがある大学ではほぼ必出。一方で遺伝・動物の恒常性・生殖と発生・植物の反応は、大学によって「毎年出る」と「数年間ゼロ」がはっきり分かれます。この二層構造をつかむことが、時間配分の出発点です。

ステップ0|「その学部・方式で生物が使えるか」を先に確認する

生物はそもそも受験できるかが大学・学部によって分かれる科目です。対象にした10大学は早稲田・明治・青山学院・立教・中央・法政・慶應義塾・学習院・東洋・東京電機。このうち生物のデータが確認できたのは9大学で、青山学院大学には生物の入試データが一件も存在しません。理工学部は物理科学科が物理必須、数理サイエンス学科以降は物理・化学から1科目選択で、募集要項の取得できた範囲内に「生物」「生物基礎」の語が一度も出てきません。科目構造による欠落です。

同じ理由で、明治大学理工学部・慶應義塾大学理工学部・薬学部・慶應義塾大学の文系4学部(経済A・商A・総合政策・環境情報)も生物を選べません。慶應義塾で生物のデータがあるのは医学部と看護医療学部だけです。法政は生命科学部の受験者のみ、中央は共通テスト併用方式でも対象学科が限られます。

単元の優先順位より先に、募集要項の確認です。理系で複数校を並べて考えている人は、理系志望が主要大学を比べるときの見方もあわせて読んでみてください。

先にお断り|大学をまたいだ数字の比較はできません

以下に出る「3/3」「6冊中4冊」といった数字は、各大学の分析資料の分母・分子をそのまま使ったものです。分析冊数も大問の数え方も大学ごとに違うので、同じ大学の中で単元どうしを比べるか、同じ単元で大学ごとの「出る・出ない」を個別に見るかの2通りに読み方を限ってください。粒度にも差があり、立教・中央・法政・慶應義塾は信頼度が高い一方、早稲田・明治・東洋・東京電機は参考程度、学習院は分析対象が2冊(2024・2025年度)のみで原資料自身が「傾向判定は暫定」と明記しています。

二本柱その1|代謝は9大学すべてで言及があるが「毎年」ではない大学もある

代謝は呼吸・光合成・発酵など。ATP収支の計算、反応系の名称、酵素反応速度論(Km・Vmax)が中心です。データのある9大学すべてで言及が確認でき、「代謝が出ない」大学は見当たりませんでした。ただし頻度には濃淡があります。

  • 早稲田(理工3学部共通)2/3、明治(農学部)1/3、中央5冊中2冊:出た年もあれば出ていない年もある水準
  • 法政6冊中4冊(呼吸3冊、光合成・光阻害2冊)、学習院は全6大問12ブロック中1ブロック
  • 慶應義塾(医学部)3/3=酵素反応速度論(Km・Vmax・kcat)、呼吸・光合成の回路と窒素固定。(看護医療学部)3/3=ATP収支計算、光合成の光化学系
  • 東洋(2022年度)5/5、東京電機は毎回大問1・2に登場し先に固めるべき分野の1位と明記

立教は数え方で印象が変わる例です。大問Ⅱ〜Ⅳでは18題中2題ですが、小問集合の大問Ⅰでは6日程すべて(6/6)で出題されており、代謝を避けて通ることはできません。

二本柱その2|遺伝情報の発現が最優先。PCR・電気泳動は横断テーマ

遺伝情報の発現は、DNA複製・転写・翻訳・遺伝子発現調節に加え、PCR・電気泳動・サンガー法・制限酵素・ゲノム編集を含みます。9大学すべてで言及があり、分母が明記されている大学の多くで最頻出クラスです。

  • 早稲田(理工3学部共通)3/3(2026年度は3題中2題)、明治(農学部)2/3
  • 立教:大問Ⅱ〜Ⅳで6/18(最頻出)、大問Ⅰで6/6。法政6冊中6冊(最頻出、遺伝暗号表が3冊で配布)
  • 中央5冊中4冊(併用方式のPCR・制限酵素、学部別のABO描図・DNA複製)
  • 慶應義塾(医学部)3/3で「配列を実際に読む・実験を設計するレベル」まで要求、(看護医療学部)3/3で延べ5大問と最頻出
  • 学習院は12ブロック中3ブロック、東洋(2022年度)4/5、東京電機は先に固めるべき分野の2位

同じ基盤分野でも細胞・分子(細胞膜・細胞骨格・タンパク質の立体構造)は大学差が出ます。立教は大問Ⅰで6日程すべて出る定番ですが、法政は6冊中1冊で「単独テーマとしては希薄」です。

見落とせないのは、PCR・電気泳動・サンガー法を実験データとして読ませる出題が、広い範囲の大学で共通している点です。明治農学部のPCR増幅表、立教の制限酵素、慶應義塾看護医療学部のPCRのサイクル数と増幅倍率の数式化など。原理の理解だけでなく、初見の実験データを読む練習が要ります。

大学差が生まれる単元1|遺伝は評価がもっとも両極端

遺伝(メンデル遺伝・連鎖組換え・集団遺伝計算)は評価がもっとも両極端に分かれる単元です。

  • 慶應義塾(医学部):「古典遺伝(メンデル比・連鎖と組換え価・検定交雑・伴性遺伝)は3年とも未出」と原資料が明示。2024年度の顕性・潜性判定が唯一の接点。看護医療学部も同様に「3年とも未出」
  • 東京電機:「遺伝計算(交配比・組換え価・遺伝子頻度・ハーディワインベルグの法則)が15本中13本前後で出題」と明記。先に固めるべき分野の3位で、大問3で理由論述とあわせて出ます
  • 立教:ハーディ・ワインベルグの法則が大問Ⅰで6日程中4回(進化系統の内数)。中央はABO式血液型の遺伝が「遺伝情報」の内数、法政は「組換え価」が遺伝情報6/6の内訳として言及されるのみ

遺伝を独立した大問で立てる大学は少なく、多くは内数として出ます。なお早稲田・明治・学習院が「データなし」なのは原資料に言及がなかったという意味で、慶應義塾のような「3年とも未出」という断定ではありません。明示的な断定がある単元以外は、基本的な計算方法を最低限おさえておくのが安全です。

大学差が生まれる単元2|慶應義塾医学部で人体生理がほぼ出ない

動物の反応(神経・筋肉・感覚器)は多くの大学で扱われます。早稲田2/3、明治農学部1/3、立教は5/18・大問Ⅰで5/6、中央5冊中2冊、法政6冊中4冊、東洋2022年度は5本中3本。ところが動物の恒常性(体液・免疫・内分泌)になると評価が正反対に分かれます。

  • 慶應義塾(医学部):「神経・筋肉・感覚器・内分泌・体液恒常性・循環・腎臓は3年とも未出」と明示。原資料自身が「医学部なのに人体生理がほぼ出ない」と特記し、出題は2025年度の免疫のみ
  • 慶應義塾(看護医療学部):「ヒトの恒常性(腎臓・肝臓・血糖調節・体温調節・自律神経・ホルモン)は3年とも未出」と明示。免疫のみ2026年度に出題され、「看護系にもかかわらず0」と特記
  • 東洋(2022年度):体内環境(自律神経・内分泌・免疫・腎臓肝臓)が5本すべて(5/5)。2023〜2024年度分も「ほぼ毎回大問として出題」

興味深いのは、慶應義塾の両学部とも免疫だけは例外的に実績があることです。逆に東洋志望なら、体内環境は動物の反応と並ぶ主要分野として扱ってください。

大学差が特に大きい分野|中央大学は植物分野が5冊すべてゼロ

生殖と発生、植物の反応と調節は、「毎年出る」と「一度も出ない」の差がもっとも明確に出る2分野です。

生殖と発生

  • 早稲田1/3、明治農学部2/3、立教は2/18・大問Ⅰで3/6、法政6冊中3冊、中央5冊中3冊、東洋(2022年度)5/5
  • 慶應義塾(医学部)1/3=ヒドラの移植実験、(看護医療学部)1/3=体軸決定・プラナリア再生
  • 学習院は全12ブロック中0ブロック。ただし原資料が「n=2では判定不能。捨ててよい根拠にはならない」と明記

植物の反応と調節

  • 中央は5冊中0冊で、分析対象5冊すべてで出題されていません
  • 明治(農学部)3/3(3年とも植物ホルモンかABCモデル)、慶應義塾(看護医療学部)3/3
  • 法政6冊中4冊(花芽形成・光周性・オーキシン・気孔)、立教は3/18・大問Ⅰで4/6、学習院12ブロック中2ブロック、早稲田1/3、東洋2022年度3/5
  • 慶應義塾(医学部)2/3。ただし「植物ホルモンの体系的知識・光周性・花芽形成は3年とも未出」と別に明示され、出たのは蛇紋岩植物のNi耐性などの個別テーマです

つまり「2/3出ている」という数字だけでは、植物ホルモンの一覧を丸暗記すべきかは判断できません。

周辺単元|生態と進化系統は「頻度」と「配点」を分けて見る

生態と環境は、同じ大学の中でも対照が生まれます。早稲田は理工3学部共通で生態が3年間ゼロ(0/3)、一方で人間科学部理系では1年分5大問中2大問が生態・バイオームです。立教も大問Ⅱ〜Ⅳでは18題中0題なのに、大問Ⅰでは6日程中3日程で標識再捕法・物質循環・遷移が問われます。中央5冊中4冊、法政6冊中3冊、明治農学部2/3。慶應義塾は両学部とも2/3ですが、医学部は「バイオーム・植生の遷移・個体群生態は3年とも未出」と明示されており、頻度だけで個体群生態の計算まで対策すると決めるのは早計です。

進化と系統・生物の分類は、慶應義塾が両学部とも3/3で延べ5大問と最頻出、法政6冊中5冊、中央5冊中4冊、立教は大問で1/18・小問集合で5/6。一方で明治農学部だけは3年間出題なし(0/3)という例外です。

ここで大事なのが、東洋・東京電機に共通する「頻出だが配点は小さい」という評価です。東洋は「1大問あたりの設問数が4〜5問と少なめ」、東京電機は「大問3で深く問われることは少なく配点も小さい」と付記。頻度と配点は別物として確認してください。

形式|実験考察の比重と論述の字数は大学でまったく違う

解答形式は、全問マークシートの大学から全問記述・論述重視の大学まで幅があります。同じ知識量でも、答案の作り方が違えば得点は変わります。

  • 東洋:全12本が全問マークで記述式は皆無。ただし完全解答指定(該当選択肢を全てマークしないと0点)の設問が各大問に1〜3問
  • 明治(農学部):3年とも全問マーク(39〜42問)で論述・作図はゼロ。実験考察は毎年2題前後。早稲田(人間科学部理系)も全問マーク・論述ゼロ
  • 早稲田(理工3学部共通):大問3題・全問記述で、理由説明の論述が全設問の過半
  • 立教:マークと記述の併用。20〜25字の字数指定論述や作図があり、大問Ⅰが小問集合、大問Ⅱ〜Ⅳが実験考察型の長文大問
  • 中央:学部別選抜は4大問×25点でマーク・記述併用、論述は5冊すべてにあり20〜120字。共通テスト併用方式は3大問×50点で全問記述、論述は100字・120字と重い
  • 法政:全問記述。論述は6冊すべてで1冊あたり6〜12問、80〜100字級が1〜3問
  • 慶應義塾(医学部):全問記述式で実験考察が9大問すべて。論述は年間15〜20問で字数指定は一切なし。小問は年間25〜30問(1問約2.1分)で、素材は原著論文の図表(改変)です
  • 慶應義塾(看護医療学部):200点・80分。実験考察は「誘導つきの論理パズル」型で、論述は年間2〜4問のみ・必ず行数指定。小問は年間40〜48問(1問約1.8分)
  • 学習院:全問記述式。「理科3科目で最も論述が重い」と原資料が明記し、2025年は論述が6問に増加。同年度には「誤答は正答の得点から減点します」という設問も登場
  • 東京電機:大問1(正誤マーク)→大問2(語句記述)→大問3(完全記述式)の型が3年15本で共通。大問3で理由論述が毎回2〜4問

慶應義塾は、同じ大学の中で医学部が「深さ×記述量」、看護医療学部が「広さ×処理速度」という対照的な設計です。鍛えるべき力がまったく違います。

そして、マーク式の比重が高い大学でも論述の負担が軽いとは限りません。中央について原資料は「論述が30〜80字で毎冊5問前後あり、書く力がないと頭打ちになる」と評価しています。制限字数の中で理由を筋道立てて書く訓練は、小論文の書き方の構成の考え方と通じます。また中央のように共通テスト併用方式で形式が大きく変わる大学もあるので、方式選びで迷っている人は共通テスト利用入試の使い方もあわせて確認してください。

着手の優先順位|5つのステップ

  1. 募集要項で生物が選べるかを確認する。青山学院理工、明治理工、慶應義塾の理工・薬・文系4学部は生物という選択肢自体がありません
  2. 代謝と遺伝情報の発現を先に固める。9大学すべてで言及があり、志望校を問わず優先度が高い単元です。PCR・電気泳動は、原理の暗記だけでなく実験データを読む練習までセットに
  3. 志望校が固まった時点で、遺伝・動物の反応と恒常性・生殖と発生・植物の反応の優先順位を調整する。東京電機なら遺伝計算、東洋なら体内環境、明治農学部と慶應義塾看護医療学部なら植物の反応が上位です
  4. 形式に合わせた答案練習を早めに始める。20〜25字(立教)、30〜80字(中央学部別)、80〜100字(法政)、100〜120字(中央併用)と、必要な書き方が違います
  5. 直近数年分の過去問を自分の手で解いて確認する。集計は出発点で、自分が受ける年度・方式に当てはまるかは自分で確かめる必要があります

併願する場合は、9大学で共通して重視される単元(代謝・遺伝情報の発現)と、大学によって急所が分かれる単元(遺伝・動物の恒常性・生殖発生・植物の反応)を分けて考えると時間を配分しやすくなります。大学ごとの全体像は大学別 傾向と対策まとめにまとめています。

川越で生物の優先順位を一緒に決めたい人へ

生物は「全部やる」が一番効率の悪い科目です。まず生物で受験できるかを確かめ、二本柱を固め、志望校が決まった時点で残りの単元と答案形式を組み替える。この順番を一人で管理するのは、なかなか大変です。

EIMEI予備校川越校舎は、川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。指導は1対1の個別指導なので、志望校が決まっている人はその大学の単元配分に合わせて、まだの人は二本柱から進めて選択肢を残す形で、組み立て方を変えられます。2026年6月に開校した校舎で、グループ校舎はふじみ野・鶴瀬にあります。

「自分の志望校で生物が使えるのか」「どの単元から手をつければいいのか」を相談したい方は、無料体験・個別説明会からお問い合わせください。志望校を聞かせてもらえれば、この記事の優先順位を、あなたの科目・方式に合わせて引き直します。

あわせて読みたい

EIMEI予備校について

EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

  • 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
  • ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
  • 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。

川越校舎の詳細・無料体験のお申し込みはこちら/ふじみ野・鶴瀬校舎のことは公式LINEからお問い合わせください。

📩 二神大輝 の更新をメールで受け取る
新しい記事が公開されたらお知らせします(いつでも解除OK) ・ 読者 2
この記事が役に立ったら、いいね!

この記事を書いた人

二神大輝