この記事は、明治学院大学の心理学部(心理学科・教育発達学科)を自己推薦AO入試で受けたい高校生と保護者に向けて書いています。2027年度入試の要項で確認できた出願資格・提出書類・試験内容を整理したうえで、来年以降に受ける高1・高2が今から何をしておけばよいかを、時期ごとにまとめました。
明治学院大学の自己推薦AO入試は、学科ごとに出願資格も書類も試験科目もかなり違います。全学科をまとめて説明すると中身が薄くなるので、ここでは同じ学部でも性格がはっきり分かれる心理学科と教育発達学科の2つに絞ります。
自己推薦AO入試の全体の流れ(2027年度)
明治学院大学の自己推薦AO入試は、第一次選考(書類審査)と第二次選考(試験)の2段階です。第一次選考に通った人だけが第二次出願をして、白金キャンパスで試験を受けます。2027年度入試の日程は、要項では次のとおりです。
| 項目 | 2027年度入試の日程 |
|---|---|
| 第一次出願(Web登録・検定料) | 2026年9月14日(月)〜9月24日(木) |
| 第一次出願(書類郵送・消印有効) | 2026年9月15日(火)〜9月24日(木) |
| 第一次選考結果発表 | 2026年10月21日(水)10:00 |
| 第二次出願(第一次通過者のみ) | 2026年10月21日(水)〜10月28日(水) |
| 第二次選考(試験日) | 2026年11月15日(日)白金キャンパス |
| 合格発表 | 2026年12月4日(金)10:00 |
| 入学手続締切 | 2026年12月11日(金) |
出願は1学科に限られ、出願資格には「出願する学科を第一志望とし、入学を確約できる者」とあります。要項には「他大学との併願は可能です。ただし、本学に合格した場合は入学していただくことが条件です」とも書かれています。つまり、他大学の入試を受けること自体はできるけれど、明治学院に受かったら入学する前提の入試です。ほかの年内入試と組み合わせるときは、入学手続の締切が重ならないかを先に確かめておきましょう。
注意したいのは、第一次出願が9月の中旬から下旬だという点です。夏休みが明けてから書類に手をつけると、志望理由書を練り直す時間がほとんど残りません。書類の中身は夏休みまでに形にしておくのが現実的なスケジュールです。
心理学科:評定3.8以上と800字の志望理由書
出願資格
心理学科の出願資格は、共通の資格に加えて「出願時点の最新の調査書で全体の評定平均値が3.8以上の者」と「コミュニケーション能力に優れた者」の2つです。英語資格や活動実績の条件はありません。要項の募集人員表では約15名です。
ここで大事なのは「出願時点の最新の調査書」という言い方です。高3の9月に出願するなら、ふつうは高1から高3の1学期までの成績で計算されます。高3の1学期まで評定は動くので、高2の終わりで3.8に少し足りない人も、まだ届く可能性があります。逆に言えば、高1・高2で大きく崩れると取り戻すのが大変です。評定の計算のされ方は評定平均は年内入試でどう効くかでも説明しています。
提出書類
書類は調査書と、志望理由書(本学所定用紙・800字程度)です。要項の指示は「本学科のアドミッションポリシーに照らして、あなたが本学科を志望する理由と自己アピールをまとめてください」というものです。志望理由と自己アピールを800字程度に両方入れるので、思っているよりも字数に余裕はありません。
さらに任意で、志望する意欲や動機、目的意識を客観的に証明できる書類を出すことが「望ましい」とされています。例として資格の証明、課題研究の発表資料、ボランティアや課外活動の証明などが挙げられています。任意とはいえ「望ましい」と書いてある以上、出せるものがある人は準備しておく方が安心です。
心理学科のアドミッションポリシーには、「こころを科学的に探求する意欲を持っている」「より良い人間関係とより良い社会を創ることに興味・関心を持っている」という内容があります。「科学的に」という言葉に注目してください。「人の気持ちを理解したい」「悩んでいる人の力になりたい」だけで終わる志望理由書は、このポリシーと少しずれます。心理学が実験や調査、統計を使って人の心を調べる学問だと分かったうえで、自分は何を調べてみたいのかまで書けると、ポリシーに照らした文章になります。
教育発達学科:出願資格の選び方と手書きの自己アピール書
出願資格
教育発達学科は、出願資格の組み立てが心理学科とまったく違います。共通の資格に加えて、まず次のいずれか1つを満たす必要があります。
- 英検2級以上合格、またはCSEスコア1980点以上(2級以上の試験に限る)、TEAP(4技能合計)225点以上、GTEC(4技能合計)930点以上
- 英語の評定平均値4.0以上、または国語の評定平均値4.0以上
- 数学・理科・地理歴史・公民の4教科のうち、2教科の評定平均値がともに4.0以上
- 全体の評定平均値3.5以上
そのうえで、「地域社会、または海外において、自発的であり、かつ単発でない社会貢献活動(ボランティア活動や地域活動)の実績」か、国際交流経験のどちらかを持っていることが求められます。教育発達学科の募集人員は、大学の募集要項で確認してください。
全体の評定が3.5に届かなくても、英検2級や得意教科の評定4.0で出願できる道があるのがこの学科の特徴です。一方で、活動の条件は「自発的」「単発でない」とはっきり書かれています。学校で一度だけ参加した清掃活動などでは弱く、自分から続けてきた活動が必要です。要項では、ボランティア証明を出せる場合は提出し、証明書がない場合は活動した場所・期間・内容や成果を示した記録を作って添付できるとされています。どちらにしても、活動の記録を残しておくことが準備のうちです。
自己アピール書
教育発達学科の書類で目を引くのが自己アピール書です。要項には「A4用紙2枚またはA3用紙1枚に記載すること。形式は問わない」「イラスト、図、写真を使っても構わない。ただし、パソコンは使用不可」とあります。書く内容は、アドミッションポリシーに照らして、高校時代に取り組んだことを踏まえた志望理由です。字数の決まった文章ではなく、手書きで紙面を自分で組み立てる書類です。
自由度が高い分、何を伝えるかが決まっていないと、写真を貼って感想を書いただけの紙になってしまいます。教育発達学科のアドミッションポリシーには、子どもの心の理解と支援に強い関心があること、小学校教員・幼稚園教員・特別支援学校教員になることを強く希望していること、ボランティアや国際交流などの経験があり多様な人とのコミュニケーションに関心があること、という内容が並んでいます。この3つにそれぞれ自分のどの経験が対応するのかを先に決めてから、紙面の配置を考えると筋が通ります。
手書きなので、下書きと清書を何度か繰り返す時間も見込んでおきましょう。図や矢印を使うなら、読み手が一目で流れを追えるかを、家族や先生に見てもらうとよいです。
第二次選考:小論文60分と面接
心理学科・教育発達学科とも、第二次選考の試験科目は小論文と面接で、各科目100点です。当日の時間割は、小論文が10:00〜11:00の60分、面接が13:00からです。要項には「面接は志願者多数などの場合、グループ面接となることがあります」とあり、個人面接だけを想定していると戸惑うかもしれません。
小論文の字数やテーマは要項に書かれていません。そのかわり、明治学院大学は自己推薦AO入試の過去問を公式サイトで公開していて、心理学科・教育発達学科とも2023年度から2026年度の小論文が掲載されています(解答は掲載されていません)。出題の形式や分量は、実際に過去問を開いて確かめるのがいちばん確実です。
過去問を見るときは、解いてみる前に「何を読ませて、何を書かせようとしているか」を書き出してみてください。資料や文章を読んで自分の考えを述べる形なら、読み取りの正確さと、自分の経験や知識をどうつなげるかの両方が見られます。心理・教育系の小論文で求められやすい考え方は教育・心理・社会・福祉系の小論文と統計読解で詳しく書いています。
面接では、提出した志望理由書や自己アピール書の内容が質問のもとになります。書類に書いた活動について「なぜ始めたのか」「続けるなかで何が変わったか」「大学で何を学んでそれをどう生かすか」と聞かれたとき、書類と同じ話をくり返すだけでなく、一段深い答えを用意しておきましょう。グループ面接になった場合は、ほかの受験生の話を聞いたうえで自分の考えを重ねる力も見られます。面接全般の準備は面接対策を参考にしてください。
心理学科と教育発達学科、どちらを受けるか
出願は1学科だけなので、どちらにするかは早めに決める必要があります。心理学科はこころを科学的に調べることに関心がある人向け、教育発達学科は子どもの支援と教員になることをはっきり目指す人向けと考えると分かりやすいです。
「心理に興味があるけれど、将来は学校の先生になりたい」という人は、教育発達学科のポリシーに自分の希望が合っているかを確かめてください。逆に「子どもに関わりたいが、教員になるかは決めていない」という場合、教育発達学科のポリシーにある「教員となることを強く希望している」とのずれが面接で問われるかもしれません。どちらの学科でも、カリキュラムや先生の研究を実際に調べて、自分の関心と重なるところを見つけておくことが、志望理由書の説得力につながります。調べ方は志望理由書のための大学研究にまとめています。
高1・高2が今からやっておくこと
今は11月初めです。来年以降にこの入試を受ける人のために、時期ごとの準備を並べます。
高1・高2の11月〜3月
- 評定を落とさない:心理学科は全体3.8以上、教育発達学科も全体3.5や教科4.0が資格の選択肢になります。2学期の期末と学年末の定期テストは、どちらの学科を考えている人にとっても大事です。
- 英検2級を狙う(教育発達学科):評定以外の道として英検2級以上があると、出願資格を確実に満たせます。受験のタイミングは英検はいつまでに、どの水準でを参考に計画してください。
- 続けられる活動を始める(教育発達学科):地域の子ども向け学習支援や放課後の居場所づくりなど、子どもと関わる活動は教育発達学科のポリシーと結びつけやすいです。「単発でない」ことが条件なので、高2の冬からでも、出願までに1年近く続けられます。
高2の3月〜高3の夏
- 公式サイトで過去問を開き、60分でどのくらい書けるかを一度試す。
- オープンキャンパスで心理学部の模擬授業や相談コーナーに行き、ポリシーの言葉が実際の授業でどう具体化されているかをつかむ。
- 夏休み中に志望理由書(心理学科)や自己アピール書(教育発達学科)の下書きを終え、先生や塾で直してもらう。
活動を始めたら、日付・場所・何をしたか・どう感じたかを簡単にメモしておくと、出願書類を書くときに役立ちます。証明書をもらえる活動なら、終わったあとではなく続けている間に、発行してもらえるかを確認しておきましょう。
今年受ける高3の人へ
2027年度入試は、第一次選考の結果発表(10月21日)と第二次出願(10月28日締切)がすでに終わっています。第一次選考を通過した人は、11月15日の試験まで約2週間です。過去問で60分の小論文を時間を計って書くこと、提出した書類を読み返して面接で聞かれそうなことを洗い出すことに時間を使ってください。合格発表は12月4日、入学手続の締切は12月11日です。
参考にした公式情報
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
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