生物の実験考察と論述はどう対策するか|川越の高校生・既卒生へ、大学別の出題データから手順を決める

生物の用語は覚えたのに、初見の実験問題で手が止まる。論述の欄が半分も埋まらない。この記事は、川越で受験勉強をしている高校生・既卒生と保護者の方に向けたものです。EIMEI予備校では大学ごとに入試対策読本を自作していて、生物の過去問を年度別・大問別に読み込んだ分析データがあります。その数字をもとに、実験考察・論述・計算の対策手順をまとめます。どの単元が出るかは生物の頻出単元の記事にあります。

生物が暗記科目ではないことを、数字で確認する

分析した冊数や数え方が大学ごとに違うため、大学間の比較はできません。その大学の中での比重として読んでください。

  • 法政大学(生物は生命科学部のみ選択可)は全問記述。生物6冊すべてに論述があり、1冊あたり6〜12問、うち80〜100字級が1〜3問です。
  • 中央大学は学部別選抜の5冊すべてに論述があり20〜120字。原資料は「30〜80字で毎冊5問前後あり、書く力がないと頭打ちになる」と評価。共通テスト併用方式は全問記述で論述100字・120字。
  • 慶應義塾大学医学部は全問記述で、実験考察が9大問すべて。論述は年間15〜20問で字数指定なし、小問は年間25〜30問で1問あたり約2.1分です。
  • 慶應義塾大学看護医療学部は論述が年間2〜4問で必ず行数指定(1〜3行以内)。小問は年間40〜48問で1問あたり約1.8分で、実験考察は「誘導つきの論理パズル」型。
  • 立教大学は生物12冊(6日程)のうち大問Ⅱ〜Ⅳが実験考察型の長文大問で、20〜25字の字数指定論述も出ます。
  • 東京電機大学は大問1(マーク)→大問2(語句記述)→大問3(完全記述式)の型が3年15本で共通で、大問3の理由論述は毎回2〜4問とされています。
  • 学習院大学は全問記述式で「理科3科目で最も論述が重い」とされ、2025年度は論述が6問に増えたとされます(分析対象2冊で暫定)。早稲田大学の理工3学部共通も全問記述で、理由説明の論述が全設問の過半とされます。

一方、東洋大学は全12本が全問マークシートで記述式がなく、明治大学農学部も3年とも全問マーク(39〜42問)で論述ゼロとされています。ただしマーク式なら暗記で足りる、ということにはなりません。明治大学農学部でも実験考察は毎年2題前後あり、当て勘は通用しにくいとされています。

実験考察問題は、読む順番を5つに固定する

止まる人の多くは知識不足ではなく、読む順番が決まっていないだけです。次の5手順を毎回同じ順で回します。

手順1 何を調べる実験かを1文にする

余白に「この実験は、◯◯が△△に影響するかを調べている」と書きます。◯◯は操作した側、△△は測った側。見るのはリード文の「加えた」「除いた」「測定した」という動詞だけで、あとはほぼ背景説明です。

手順2 条件を対照実験と比べる

縦に実験区、横に条件(温度・薬剤・遺伝子・光の有無など)を並べた表を余白に書きます。探すのは2つの区で「1つだけ違う」組み合わせ。これが対照実験のペアです。

手順3 表・グラフで変わったものを特定する

条件表の横に結果の数値を書き足し、結果が動いたペアと動かなかったペアを分ける。動いたペアだけが考察の材料です。

手順4 変えた条件と結果を結ぶ

型は決まっています。「区1と区2は◯◯だけが違い、△△が変化した。したがって◯◯が△△に必要である」。ただし結果が変わらなかったことから「関係がない」とは断定できません。測定範囲外だった可能性が残るので、「この条件下では変化が見られなかった」と書くほうが安全です。

手順5 設問が聞いていることに答える

手順4の文をそのまま貼らず、設問の語尾に組み替えます。「理由を述べよ」は文末を「〜だから」で終える。「考えられることを述べよ」は事実+解釈を入れる。「どのような結果が予想されるか」は増える・減る・変わらないの向きを示す。「実験を設計せよ」は何を変え、何を変えずに、何を測るかの3点。慶應義塾大学医学部では「実験を設計するレベル」の出題が確認されています。

対照実験は「何と何を比べているか」から探す

操作を1つだけ引いた区を探します。薬剤を加えた区があるなら溶媒だけの区、遺伝子を欠損させた個体があるなら同系統の欠損なし個体、光を当てた区なら暗所の区です。

対照区が2つある問題もあります。酵素の実験なら、酵素なしの区と加熱して失活させた区。前者は「酵素がないと反応しない」、後者は「酵素の構造が必要」を示します。それぞれが何を否定するために置かれたかを1行で書くと狙いが見えます。逆に条件が2つ同時に違うペアからは結論を出せません。

グラフ・表も、見る順番を決めておく

  1. 軸の名前。横軸と縦軸が何か(時間・濃度・波長・温度)。
  2. 単位。全体量か1分あたりか。単位が速度なら、高さは量ではなく変化の速さです。
  3. 目盛り。等間隔か対数か。途中から始まるグラフは変化が実際より大きく見えます。
  4. 変化の向き。増える・減る・いったん増えて減る・頭打ちの4つに分類。頭打ちは「何かが足りなくなった」の合図です。
  5. 線の位置関係。交差する点があれば必ず問われます。

グラフの端(0のとき、最大のとき)と折れ曲がる点は、必ず設問になります。0のときに値がゼロでなければ操作以外の原因があり、折れ曲がる点では律速の要素が入れ替わっています。表なら最大と最小の欄に印をつけます。

東京電機大学ではメセルソン・スタール型のDNA複製実験グラフやサンガー法の電気泳動パターンの読み取りが出るとされ、明治大学農学部ではPCR増幅表を使った実験考察が出ています。法政大学では遺伝暗号表が6冊中3冊で配布されます。配られる資料は読む対象です。

論述は字数帯で入れるものを変える

字数帯は大学で違います。中央大学の学部別選抜は20〜120字、法政大学は80〜100字級が1冊あたり1〜3問、中央大学の共通テスト併用方式は100字・120字。20字と120字では書くものが違います。

20〜40字 結論だけを置く

理由も過程も入りません。入れるのは答えそのものとキーワード1〜2語。削るのは実験の説明の繰り返しと「〜と考えられる」という保険です。「Aが増加したため、Bの合成が促進されたから」で29字。これで足ります。

40〜80字 事実+しくみ+結論の3点

この帯がいちばん出ます。型は「(実験結果の事実)ので、(しくみ)。したがって(結論)」。3つそろえば表現がつたなくても点は入り、1つ抜けると減点されます。抜けやすいのは「しくみ」です。

80字以上 場合分けか、二段の論理

80字超は要素を2つ以上要求している合図です。2つの実験区の比較を両方書く/しくみを2段でつなぐ/条件による場合分けを書く、のいずれかです。削るのはリード文の言い換えと教科書の一般論。聞かれているのはこの実験の説明なので、出てきた物質名・区の名前を必ず入れます。

字数指定がないとき、行数指定のとき

慶應義塾大学医学部のように字数指定がない場合は、解答欄の大きさが指定の代わりです。欄の8割を目安に3点セットを入れます。行数指定なら、1行に何字書けるかを過去問で数えておきます。最後に設問の語尾と自分の文末が対応しているかを確認してください。記述の考え方は理系の大学別 数学・理科とも共通です。

計算は、出るものが限られている

  • 遺伝の計算(交配比・組換え価・遺伝子頻度・ハーディ・ワインベルグの法則)。東京電機大学は「15本中13本前後で出題」と原資料に明記があり、確認できなかったのは15本中2本のみ、先に固めるべき分野の3位とされています。立教大学はハーディ・ワインベルグが大問Ⅰで6日程中4回、東洋大学も二遺伝子雑種の交配比と遺伝子頻度計算が挙げられています。
  • 代謝の収支計算。慶應義塾大学看護医療学部で解糖系・呼吸のATP収支計算。酵素反応速度論(Km・Vmax・kcat)は同大学医学部で確認されています。
  • 増幅率の計算。慶應義塾大学看護医療学部でPCRのサイクル数と増幅倍率の数式化。同学部では縮重塩基表記の解読など、数え上げの正確さを問う形も出ています。

逆に中央大学は「計算がほぼ不要」と評価され、慶應義塾大学の医学部・看護医療学部は古典遺伝(メンデル比・連鎖・組換え価・検定交雑)が3年とも未出と原資料が明示しています。遺伝計算に時間を寄せるべきかは、志望校で正反対になります。

分野の偏りを見て、時間の寄せ先を決める

共通して優先度が高いのは2つです。遺伝情報の発現(DNA複製・転写翻訳・PCR・電気泳動など)は法政大学が6冊中6冊で最頻出、立教大学が大問Ⅱ〜Ⅳで18題中6題、中央大学が5冊中4冊、慶應義塾大学は両学部とも3/3、東京電機大学は先に固めるべき分野の2位とされています。

代謝は慶應義塾大学が両学部とも3/3、法政大学が6冊中4冊、東洋大学は2022年度の5本すべて、東京電機大学は1位とされています。ただし早稲田大学の理工3学部共通は2/3、明治大学農学部は1/3、中央大学は5冊中2冊。立教大学は大問Ⅱ〜Ⅳでは18題中2題ですが、大問Ⅰでは6日程すべてに出ます。大問で出るかと小問で出るかは別に数えます。

  • 植物の反応と調節は中央大学が5冊中0冊、明治大学農学部3/3、慶應義塾大学看護医療学部3/3、法政大学6冊中4冊。
  • 生態と環境は早稲田大学の理工3学部共通が0/3、立教大学が大問Ⅱ〜Ⅳで0/18、中央大学は5冊中4冊。早稲田大学は人間科学部理系だと5大問中2大問が生態・バイオームで、同じ大学でも入口で違います。
  • 動物の反応と恒常性は、慶應義塾大学が両学部とも神経・筋肉・内分泌・体液恒常性・腎臓を3年とも未出と原資料が明示(免疫のみ実績あり)。東洋大学の2022年度は体内環境が5本すべて、法政大学は6冊中4冊。
  • 進化と系統は慶應義塾大学が両学部とも3/3で最頻出、法政大学6冊中5冊、明治大学農学部0/3。東洋大学・東京電機大学は頻出でも配点が小さいと付記があり、後回し可とされます。

志望校が決まらないうちは遺伝情報の発現と代謝。決まったら、その大学で0や未出と記録された分野を後ろに送る。ただし「データなし」と「明示的に未出」は別で、言及がないだけの分野は出ない保証ではありません。時間が足りないときの順番は理科が間に合わないときにあります。

用語の覚え方を、考察向きに変える

考察で止まる人の暗記は、用語と定義が1対1で結ばれているだけです。「フロリゲンとは花芽形成を促進する物質」で止まると、それを使った実験のグラフは読めません。3点セットに変えます。

  1. 用語(名前)
  2. しくみ(何が何に働き、次に何が起こるか。矢印でつなぐ)
  3. 止めたらどうなるか(この物質を除いたら、何が起きなくなるか)

3つめが考察問題の答えそのものになります。入試の実験はたいてい「除く・壊す・加える」操作なので、暗記の段階で「止めたら」を書いておけば初見でも予測が立ちます。ノートを縦3列に分け、左に用語、中央に矢印、右に「止めたら」。右の列がある人だけが手が動きます。

演習の本数と、記録のしかた

  • 実験考察型の大問を週3題。1題25〜30分で解き、直しに同じ時間をかけます。
  • 論述は週10問。20〜40字を4問、40〜80字を4問、80字以上を2問。
  • 計算は毎日3問。志望校で比重が高いなら5問。

記録は見開き1ページに4つだけ。①設問が聞いていたこと(理由か予想か設計か)②自分の答案③模範解答にあって自分に無かった要素(事実・しくみ・結論のどれが抜けたか)④次に同じ形が出たらどうするか1行。③を毎回同じ3分類で書けば、2週間で自分がいつも何を抜かすかが見えます。点数だけの記録では、この偏りは見えません。

残り3か月の組み方

1か月め 遺伝情報の発現と代謝を3点セットで作り直します。この2分野はデータのある大学すべてで言及があるので、志望校が固まっていなくても無駄になりません。この月は解けたかより手順どおりに読めたかを見ます。

2か月め 志望校の形式に合わせ、書く練習か処理速度の練習に分けます。慶應義塾大学なら医学部は論述年間15〜20問で1問あたり約2.1分、看護医療学部は論述2〜4問で1問あたり約1.8分。前者は書く量、後者は速さです。同じ大学でも学部で練習が変わります。過去問の使い方は過去問はいつから何年分にあります。

3か月め 時間を計った通し演習と、記録ノートの読み返し。新しい問題を増やすより、同じ抜け方を2回しないほうが点が動きます。なお原資料が「判定不能」と留保する大学もあるので、数字は自分の受ける方式の過去問で確かめます。

そして、どの時点でも先に確認することが1つ。志望校・志望学部で生物を選択できるか。青山学院大学の理工学部は物理科学科が物理必須、以降の学科も物理・化学から1科目選択で、生物は選べません。明治大学理工学部、慶應義塾大学の理工学部・薬学部・文系4学部も学部単位で生物を選べず、法政大学は生命科学部の受験者のみです。募集要項での確認が、単元の優先順位より先です。

やることは3つ。実験考察は5手順を固定する。論述は字数帯ごとに入れるものを決める。用語は「止めたら」まで書く。EIMEI予備校では志望校の出題データを見ながら、1対1で配分を決めます。

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EIMEI予備校について

EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

  • 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
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  • 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。

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二神大輝