模試の復習は何をどこまでやるか|落とし方4分類で1問ずつ仕分ける手順|川越のEIMEI予備校

こんにちは、EIMEI予備校の二神です。

模試が終わると、必ずこう言われます。「復習が大事だよ」。でも、何をどこまでやればいいかは誰も教えてくれない。やってみると時間がかかりすぎて、途中で次の模試が来る。そこで止まる人がとても多いです。

この記事は、川越とその周辺の高校に通う高校生・既卒生で、模試の復習を「やったほうがいいのは分かるが、終わらない」と感じている人に向けて書きます。扱うのは模試の復習の手順そのものです。1問ずつどう仕分けるか、何分で切るか、どこを捨てるか。そこに絞ります。

模試そのものの位置づけ(何回受けるか、成績表の見方)は模試の使い方で扱っています。

復習が終わらない原因は、この3つ

終わらない人の手元を見せてもらうと、原因はほぼ3つに収まります。

  1. 全問やろうとしている。正解した問題まで解説を読み、落とした問題も1問ずつ丁寧に追う。1科目で2時間かかり、2科目目で力が尽きます。
  2. 解き直しだけで終わっている。赤ペンで正解を写し、解説を読んで「なるほど」で終わる。読んだ量は多いのに、次に何をするかが決まっていません。
  3. 次にやることに変換していない。「英語の長文が弱い」で止まっている。これは感想であって、明日の行動ではありません。

逆をやれば終わります。全問やらない。解き直しの前に仕分ける。最後に行動の文にする。順に説明します。

先に時間の上限を決める

復習は、始める前に終わりを決めないと必ず延びます。EIMEIで勧めている上限は模試1回あたり合計3時間。5教科以上の国公立志望なら4時間まで、ただし2日に割ります。

内訳は、1科目40分(仕分け10分+手当て30分)を基本単位にします。

  • 私立3科目型:英語40分/国語40分/社会または数学40分/記録10分=130分
  • 国公立5教科型:主要3科目を各40分、残りを各20分に圧縮し、2日に分ける=合計3時間半前後
  • 記述式の模試で答案の書き方を落とした場合のみ、その1科目に+20分

時間を先に切ると、「全問やらない」が自動的に実現します。40分で全問は回らないので、選ばざるをえなくなるからです。

やらない問題を決める4つの基準

  1. 迷わず正解した問題は触らない。解説も読みません。
  2. 「たまたま当たった」問題は、落とした問題と同じ扱いにする。マーク式の模試では、ここが復習の本体になることがあります。
  3. 解説を5分読んで筋が見えない問題は、その日はやめて「人に聞く分」に回す。1科目2問まで。それ以上は今の位置から遠い問題です。
  4. 志望校で出ない単元・範囲は、その日は捨てる。判断材料は科目別のところで示します。

落とし方を4つに仕分ける

ここが手順の中心です。落とした問題を、1問ずつ次の4つのどれかに割り当てます。EIMEIが志望校の決め方の読本で使っている「知らない/使えない/時間切れ/ミス」という分類です。

  1. 知らなかった:語・公式・年号・文法事項そのものを持っていなかった。
  2. 知っていたが使えなかった:知識はあったのに、この問題文の形では出てこなかった。
  3. 時間切れ:手をつけていない、または途中で終わった。
  4. ミス:方針は正しく、計算・転記・マークずれ・条件の読み落としで落とした。

やり方は単純です。問題冊子の落とした設問の横に、「知」「使」「切」「ミ」の1文字だけ書く。解説はまだ読みません。先に全部の設問に1文字を書き、そこから手当てに入ります。順番を変えないでください。解説を先に読むと、どれも「知らなかった」に見えてしまいます。

この分類の意味は、落とした理由を能力の話から、次にやることの話に移すことです。「できない」は行動になりませんが、4つの分類はそれぞれ別の行動に直結します。

分類ごとに、次にやることが違う

  • 知らなかった覚える作業に入れる。単語帳・用語集・公式集のどこに載っているかを確認し、その1行を覚え直しリストに追加します。解き直しは不要です。覚える前に解いても、また落ちます。
  • 知っていたが使えなかった同じ型の問題を追加で解く。ここだけが「演習を増やす」対象です。手持ちの問題集で同じ単元・同じ設問形式を3〜5問。多すぎると他が回りません。
  • 時間切れ配分の練習に変える。することは解き直しではなく、「どの大問に何分使ったか」を書き出し、次回の配分を数字で決めることです。「大問3は12分で切って大問4へ」のように1文で書きます。
  • ミス見直しの手順を1つ足す。原因ごとに手順を変えます。符号ミスなら「答えを出したら代入して確認」、条件の読み落としなら「問題文の条件に下線」、マークずれなら「大問ごとに番号を合わせる」。足す手順は1回の模試につき1つまで。増やしすぎると本番で飛びます。

この4つのうち、時間をいちばん使うべきなのは「使えなかった」です。「知らなかった」はリストに移せば数分、「ミス」は手順を1行足せば終わります。仕分けをすれば、40分の使い道は自然に決まります。

科目別の復習のしかた

仕分けたあとの手当ては、科目によって違います。短く具体的に書きます。

英語

落とした設問を、語彙・文構造・設問の条件のどれで落としたかに割り直します。語彙で落としたなら、その語を単独で覚えるよりテーマの束で覚えるほうが次につながります。EIMEIが入試英文を集めて集計したところ、テーマごとに出題数が大きく偏っていました。歴史・文化系が125題、心理・脳科学が104題、物語・エッセイが101題、医療・健康が86題です。落とした長文がこの帯のテーマなら、その語彙群を優先して構いません。環境・気候変動のテーマでは、ocean が67回、plastic が65回、waste が61回、climate が50回、carbon が42回。このレベルの語を落としているなら、そこが最優先です。

文構造で落としたなら、その1文だけを書き出して、主語と述語に印をつける。長文を丸ごと読み直す必要はありません。設問の条件で落としたなら、何を読み飛ばしたかを1行で書きます。

数学

落とした大問の単元名を書き出し、その単元が入試でどれだけ出るかで優先順位をつけます。EIMEIは大学ごとに入試対策読本を自作していて、過去問冊子から単元別の頻度を集計しています。同じ単元でも、大学・学部で重さがまったく違います。

  • 場合の数・確率:分析したどの大学でも頻度が高い単元です。慶應義塾大学は文系4学部の12冊すべてで出題(12/12)、立教大学理系は大問Ⅰで6/6、中央大学文系では独立大問として59大問中11回で単元別最多。ここを落としたら最優先で手当てします。
  • 微分積分(Ⅱ):法政大学文系では45大問中13(29%)で単元別最頻出。一方、早稲田大学社会科学部は同じ3年間で0/3です。志望学部で見ないと優先順位が決まりません。
  • ベクトル:中央大学は文系17冊中5回に対し、理系は3年間で0/5。同じ大学の中で正反対になります。
  • 複素数平面:慶應義塾大学理工学部は3/3で毎年。法政大学理系は0/9、学習院大学は理学部を含む12冊すべてで出題なしです。
  • 数列:東洋大学の文系(数Ⅰ・Ⅱ・A)学部群は、そもそも出題範囲に入っていません。
  • 極限・微分積分(Ⅲ):早稲田大学理系は6冊すべてで出題され、しかも必ず最終大問。中央大学理系は20大問中11(55%)。数Ⅲを課す学部を受けるなら、ここは外せません。

つまり、複素数平面を落としても、志望校が法政大学理系や学習院大学なら、その日の40分をそこに使うのは後回しでよいということです。逆に場合の数・確率なら、志望校が何であれ手当てします。単元ごとの出方は数学の頻出単元にまとめています。

国語

現代文は、落とした設問を「本文の根拠になる箇所を見つけられなかった」か「見つけたが選択肢との対応を誤った」かに分けます。前者なら本文に戻って根拠の行に線を引く。後者なら、切った選択肢のどこが本文と食い違うかを1行で書く。これだけで解説の読み流しになりません。古文は「単語」「文法」「主語の取り違え」のどれか、漢文は「句形」かどうかで切り分けます。

社会

落とした問題に、どの時代・どの地域・どの分野かをメモします。一問一答に戻すのは「知らなかった」だけです。「知っていたが使えなかった」なら、教科書のその節を前後あわせて通しで読み直します。用語は知っていたのに、つながりで問われると出てこない形で落ちているからです。

理科

公式・法則を知らなかったのか、条件から式を立てられなかったのかを分けます。前者は覚え直しリストへ。後者は同じ設定の問題を3問追加。計算だけの失点は「ミス」に入れ、式の書き方(単位を書く、代入前に文字式で整理する)の手順を1つ足します。

記録は5項目だけ

復習の最後に、ノートかメモに5項目だけ残します。項目は固定。増やすと続きません。

  1. 日付(模試を受けた日)
  2. 科目
  3. 落とした数
  4. 分類の内訳(知○問/使○問/切○問/ミ○問)
  5. 次にやること(1行。行動の文で書く)

5番目は「英語を頑張る」ではなく、「関係詞の後の省略が入った文を、問題集の該当ページで5問」のように、教材とページと問題数まで書きます。ここまで書ければ、翌日そのまま実行できます。

この記録には、もう一つ役割があります。次の計画の見積もりの材料になることです。学生に卒業論文の完成までの日数を予測させた研究では、平均の予測が33.9日に対して実際は55.5日かかり、予測どおりに終えられた人は29.7%でした。人は自分の作業時間を短く読みがちだということです。だから次の予定を組むときは、前回の模試の復習に実際何分かかったかを先に見ます。

返却前と返却後で、やることを分ける

復習を一度で終わらせようとすると重くなります。2回に分けてください。

返却前(受けた当日から3日以内)にやるのは、ここまで書いた全部です。問題冊子と自分の解答の記憶があればできます。仕分け・手当て・記録。むしろこちらが本体で、時間の上限3時間はこの回に使います。内容を覚えているうちのほうが速く終わります。川越校舎は自習室が朝7時から使えるので、模試の翌朝に1科目分だけ片づける生徒もいます。

返却後(1〜2週間後)にやることは1つだけ、30分です。成績表の設問別の正答率を見て、落とした問題を2つに分けます。

  • 正答率が高いのに落とした問題=多くの人が取れている問題。ここは優先して手当てします。返却前に「ミス」「使えない」に入れた問題がここに集まっていたら、次にやることを1行書き足します。
  • 正答率が低く、自分も落とした問題=周りも取れていない問題。触らなくてよい。ここに時間を使うのが、終わらなくなる典型です。

判定や偏差値の読み方は、返却後の30分には入れません。数字の見方は模試の偏差値が上がらない今の立ち位置の測り方で扱っています。復習の時間に判定を眺め始めると、手が止まります。

同じ模試を、後日もう一度解くか

結論は、全部は解き直しません。分類で決めます。

  • 「知っていたが使えなかった」と「時間切れ」に入れた問題だけ、2週間後に時間を計って解く。この2つは本番の場面で解けるかが決まるので、同じ問題でも意味があります。
  • 「知らなかった」は解き直さない。覚え直しが先で、覚える前に解いてもまた落ちます。覚えたあと、同じ単元の別の問題で確認します。
  • 「ミス」も解き直さない。足した見直し手順が次の演習で機能するかどうかを見るだけです。
  • 記述式の模試で、答案の書き方(途中の説明、論述の構成)で落とした大問は、1回書き直す。これは例外で、書く動作そのものを直す必要があるからです。

解き直す量は、1回の模試で合計30分以内を目安に。復習のタイミングと回数の決め方は復習のタイミングの決め方で扱っています。

模試が続く時期に、積み残しをどう捨てるか

秋以降は模試が続きます。前の模試の復習が終わらないまま次が来る、という事態は普通に起こります。そのときの決め方を先に作っておきます。

原則:次の模試の問題冊子を開いた時点で、前の模試の未処理分は捨てる。ただし、記録に書いた「次にやること」の行だけは残す。捨てるのは問題冊子で、そこから取り出した行動ではありません。

捨てる順番も決めておきます。上から捨てます。

  1. 正答率が低かった問題
  2. 志望校で出ない単元・出題範囲外の単元
  3. 使わない選択科目の範囲
  4. 「知らなかった」に入れた問題(覚え直しリストには残るので、消えません)

逆に、最後まで残すのは「正答率が高いのに落とした問題」と「使えなかった問題」です。この2つが残れば、復習としては成立しています。

積み残しが3回続くなら、捨て方の問題ではなく、受けている模試の本数か1回にかける時間の設計の問題です。過去問で同じ状態になったときの切り分けは過去問が解けなかったときにまとめました。

今日からできること

直近の模試の問題冊子を出して、落とした設問の横に「知」「使」「切」「ミ」の1文字を書く。解説は読まない。ここまでで10分です。そのあと内訳を数えて、5項目の記録を1行書く。これで復習の骨は通ります。

復習が終わらないのは、やる気の量の問題より、仕分けの手順と時間の上限が決まっていないことのほうがずっと多いです。手順を先に決めてください。うまく回らない期間が続いてつらいときは、学校の先生や保護者の方にも今の状況を話してみてください。

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EIMEI予備校について

EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

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この記事を書いた人

二神大輝