この記事は、2027年4月に川越キャンパスに新しくできる東洋大学・環境イノベーション学部を、年内入試で受けたいと考えている高校生と保護者に向けたものです。東武東上線沿線の人には通いやすい場所でもあります。大学の公式発表で確認できた4つの年内入試の中身を整理し、今年受ける高3がこれからできること、来年以降に受ける高1・高2が今から準備しておきたいことをまとめます。
新設の学部は過去の入試の情報がないので、「何を準備すればいいのか分からない」という声をよく聞きます。だからこそ、大学が公表している要項と学部の方針を丁寧に読むことが、いちばん確かな準備になります。
環境イノベーション学部はどんな学部か
大学の発表によると、環境イノベーション学部は環境イノベーション学科の1学科で、入学定員は140名、キャンパスは川越キャンパスです。学位は学士(環境科学)。文部科学省への設置届出は2026年6月に受理されています。
学びの特徴として、環境の科学的な知識に加えて、データ分析やAIなどのデジタル技術と、それを社会に伝える科学コミュニケーション力を身につけることが挙げられています。キャンパス内の里山「こもれびの森」や環境に配慮した新校舎を教材として使い、企業や行政と連携した実地研修やインターンシップなども行うとされています。3年次からは「環境創造コース」と「科学コミュニケーションコース」に分かれます。
入試を考えるうえで大事なのは、アドミッション・ポリシーの冒頭にある「文系・理系を問わず」という言葉です。続けて、社会の変化を踏まえて環境問題の解決に貢献したいという意志、論理的に考える力を高めたいという意志、科学技術やデジタル技術で環境問題を解決しようという意志、科学的な根拠にもとづくコミュニケーションで人々の問題意識を変えようという意志、そして大学で学ぶための基礎学力を持つ人を受け入れる、と書かれています。どの入試方式でも、この方針に自分がどう当てはまるかを説明できることが土台になります。
4つの年内入試と日程
大学の入試情報サイトで確認できた、環境イノベーション学部の年内入試は次の4つです。出願期間は大学の入試プラン検索に載っている総合型・学校推薦型の共通日程で、学部ごとの細かな条件は入学試験要項で確認してください。
| 入試方式 | 試験日と出願期間(2026年) |
|---|---|
| AO型推薦入試 | 試験日10月18日(日)/出願9月7日〜9月10日 |
| 学校推薦入試(小論文型) | 試験日11月22日(日)/出願11月2日〜11月5日 |
| 基礎学力テスト型入試 | 試験日11月29日(日)/出願10月29日〜11月4日 |
| 自己推薦入試 | 試験日12月13日(日)/出願11月27日〜12月2日 |
AO型推薦入試・学校推薦入試・自己推薦入試は、東洋大学の要項では「公募制・専願」の入試として扱われています。一方、基礎学力テスト型入試は「公募制・併願可」です。専願か併願可かで、ほかの大学との組み合わせ方がまったく変わるので、まずここを押さえてください。
AO型推薦入試:探究や活動を環境問題につなげる課題発表
AO型推薦入試の配点は、書類選考100点、面接100点、課題発表・質疑応答100点です。
課題は、高校での自主的な活動や総合的な探究の時間について、取り組んだ内容・成果・課題を要約し、そこで身につけた力を環境問題の発見や解決にどう生かせるかを説明するものです。大学のページには、探究のテーマは環境に直接関係しなくてもよいと書かれています。
これは大事な点です。探究で地域の商店街を調べた人、部活動で大会の運営に関わった人、プログラミングに取り組んだ人など、環境と直接関係のない経験でも出願の材料になります。ただし、そのぶん「その経験で身につけた力が、環境問題のどこに使えるのか」をつなぐ説明が問われます。たとえば、アンケートで地域の声を集めた経験なら、環境対策を住民に受け入れてもらうための調査やコミュニケーションに生かせる、というように、学部の掲げる「科学コミュニケーション」や「デジタル」と結びつけて考えてみてください。
探究の取り組みを出願書類に生かす考え方は探究・ボランティアの選び方でも紹介しています。
学校推薦入試(小論文型)と自己推薦入試:小論文と口頭試問
学校推薦入試(小論文型)と自己推薦入試は、どちらも書類選考100点、面接100点、小論文100点で評価されます。違いは出願の条件です。
- 学校推薦入試(小論文型):高等学校長の推薦を受けて受験する入試。出願資格に全体の学習成績の状況(評定平均)が含まれます。基準の数値は入学試験要項で確認してください。
- 自己推薦入試:高校の推薦がなくても、自分の意思で受験できる入試。大学のページには「文理どちらでも挑戦可能」と書かれています。
大学は小論文の準備として、環境問題について「どのような問題が起きているか」「原因は何か」といった観点で整理しておくこと、社会・経済・地域との関わりを意識すること、指定された字数の中で序論・本論・結論の構成で書く練習をすることを勧めています。
この助言どおりに準備するなら、気候変動、生物多様性、プラスチックごみ、エネルギーなど代表的なテーマごとに、現状・原因・社会や地域への影響・考えられる対策を1枚のノートにまとめておくのが近道です。そのうえで、「対策を進めるうえで何が壁になっているか」まで考えておくと、小論文で自分の意見を書くときに中身が出てきます。小論文の基本の型は小論文の書き方を参考にしてください。
3方式に共通する「環境」の口頭試問
AO型推薦入試・学校推薦入試・自己推薦入試のいずれも、面接の中に「環境」の基礎知識を問う口頭試問が含まれます。志望理由を話せるだけでは足りず、環境に関する基本的な用語や仕組みを、自分の言葉で説明できる準備が必要です。
何が聞かれるかの細かい範囲は公表されていませんが、高校の「生物基礎」「地学基礎」「化学基礎」の環境に関わる単元や、「地理総合」「公共」で扱う環境問題・エネルギーの話題は、文系・理系を問わず見直しておく価値があります。ニュースで見た環境の話題について「それはどういう仕組みか」「なぜ問題なのか」を説明する練習を、家族や先生を相手にしてみるのも効果があります。面接の準備全般は面接対策にまとめています。
基礎学力テスト型入試:併願できる学力型
基礎学力テスト型入試は、英語と国語、または英語と数学の基礎学力テストに、事前課題の小論文と調査書を合わせて評価する入試です。配点は英語100点、国語または数学100点、事前課題小論文20点、調査書30点。要項では、環境イノベーション学部の募集人員は10名です。
方式は「教科均等配点」と、得点の高い科目を2倍にして評価する「教科最高得点重視」の2つで、それぞれ国語・英語と数学・英語の組み合わせがあります。英語外部試験のスコアを英語の得点として使うこともできます(換算は大学の基準による。当日英語を受けた場合は高い方を採用)。事前課題の小論文は、インターネット出願の登録時に入力します。
2027年度の日程(11月29日実施分)は、出願期間が10月29日(木)〜11月4日(水)、合格発表が12月14日(月)、入学手続締切が12月18日(金)です。
数学で受けられる組み合わせがあるのは、理系の人にとって選びやすい点です。基礎学力テスト型の仕組みや向き不向きは東洋大学の基礎学力テスト型とはで詳しく書いています。
どの方式を選ぶか
4つの方式は、向いている人がかなりはっきり分かれます。
- AO型推薦入試:探究や課外活動で、内容・成果・課題を語れる取り組みがある人。
- 学校推薦入試(小論文型):評定の基準を満たしていて、高校の推薦をもらえる人。
- 自己推薦入試:推薦はもらえないが、環境への関心を小論文と面接で示したい人。
- 基礎学力テスト型入試:英語と国語・数学の学力で勝負したい人、ほかの大学と併願したい人。
専願の3方式は、合格したら入学することが前提です。環境イノベーション学部を第一志望にするかどうかは、学部の特設サイトやオープンキャンパスで学びの中身を確かめてから決めましょう。新設学部なので先輩の話は聞けませんが、そのぶん教員紹介やカリキュラムのページが判断材料になります。どの先生のどんな研究に関心があるかを書ける志望理由書は、新設学部でも説得力があります。調べ方は志望理由書のための大学研究を参考にしてください。
今年受ける高3の人へ
今日は11月2日です。AO型推薦入試(10月18日)はすでに終わりましたが、ほかの3つはこれからです。
- 基礎学力テスト型:出願は11月4日(水)まで。試験は11月29日。
- 学校推薦入試(小論文型):出願は11月2日(月)〜11月5日(木)。高校の推薦が必要なので、まだ相談していない人はすぐに担任の先生へ。試験は11月22日。
- 自己推薦入試:出願は11月27日(金)〜12月2日(水)。試験は12月13日。
小論文と口頭試問がある方式を受ける人は、残りの期間で代表的な環境テーマの整理と、時間を計った小論文の練習を進めてください。
高1・高2が今からやっておくこと
高1・高2の11月〜3月
- 探究のテーマに自分なりの問いを持つ:環境と直接関係なくてもかまいません。何を調べ、どんな結果が出て、何が課題として残ったかを記録しておくと、AO型推薦入試の課題にそのまま使えます。
- 評定を安定させる:学校推薦入試には学習成績の状況の基準があり、基礎学力テスト型でも調査書が30点分評価されます。
- 環境のニュースをメモする:週に1本でよいので、環境に関する記事を読み、「何が起きているか」「原因は何か」を2〜3行で書く習慣をつけると、小論文と口頭試問の両方の準備になります。
高2の3月〜高3の夏
- 川越キャンパスのオープンキャンパスに行き、新校舎やこもれびの森を実際に見る。
- 学部の教員紹介ページで研究分野を調べ、関心のある分野を2つほどに絞る。
- 夏休み中に志望理由書やAO型の課題の下書きを作り、学校の先生や塾で見てもらう。
2028年度の入試については、現時点で公式の予告は確認できていません。入試の方式や内容は年度によって変わる可能性があるので、高1・高2の人は来年の春以降に公開される要項を必ず確認してください。
参考にした公式情報
- 東洋大学 環境イノベーション学部の入試(2027年4月開設)
- 東洋大学 総合型選抜・学校推薦型選抜(公募制・専願)入学試験要項
- 東洋大学 2027年度 基礎学力テスト型入試 入学試験要項(PDF)
- 東洋大学 入試を探す(入試プラン検索)
- 東洋大学 環境イノベーション学部の設置届出受理のお知らせ
- 東洋大学 環境イノベーション学部 特設サイト
- 東洋大学 環境イノベーション学部 教育方針(ポリシー)
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
あわせて読みたい
- 東洋大学の年内入試2027完全ガイド(日程・倍率の一覧)
- 東洋大学の基礎学力テスト型とは
- 東洋大学 国際観光学部の総合型
- 探究・ボランティアの選び方
- 小論文の書き方
- 東洋大学の一般選抜
- 東洋大学 12/13のAO型推薦・自己推薦入試
EMiL個別について
EMiL個別は、総合型選抜・学校推薦型選抜を専門にした1対1の個別指導塾です。EIMEI予備校の鶴瀬・ふじみ野・川越の校舎とオンラインで受講できます。志望理由書に書くことを見つけるところから、小論文・面接の練習、評定や英検の対策まで、一人ひとりの志望校に合わせて一緒に準備します。
EMiL個別の詳しい内容はこちら/ご相談は各校舎の公式LINEから
