この記事は、中央大学文学部の自己推薦入学試験を受けたいと考えている高校1・2年生と保護者の方に向けて書いています。中央大学文学部で、高校生が一般の公募で受けられる年内の特別入試は、スポーツ推薦を除くと自己推薦入学試験になります(指定校推薦・附属推薦は高校を通じた推薦です)。2027年度入試からは方式が大きく変わり、専攻ごとに出願資格も試験内容も違う入試になりました。公表されている2027年度の入学試験要項をもとに、専攻ごとの違いと準備の順番を整理します。
今年受けた高3生の方へ。2027年度の第2次選考の合格発表は2026年11月5日(木)11:00、入学手続期間は11月5日(木)〜11月12日(木)です。発表後すぐに手続の期限が来るので、書類や手続の流れを先に確認しておいてください。
2027年度から何が変わったか
これまでの文学部の自己推薦入学試験は、【外国語型】と【専攻適性型】という2つの出願方式に分かれていました。2027年度入試からこの2つの方式は廃止され、専攻(プログラム)ごとに定めた方式で実施されています。出願資格も専攻ごとに違います。
ほかにも、次の変更が大学の「入学試験における主な変更点」で発表されています。
- 中国言語文化専攻と東洋史学専攻は、2027年度から自己推薦入学試験の募集を停止
- ドイツ語・フランス語の筆記試験は、それぞれドイツ語文学文化専攻・フランス語文学文化専攻の出願者だけが対象
- 2028年度入試から、GTECのCBTタイプの利用を廃止(自己推薦入学試験と学部別選抜の英語外部試験利用方式が対象)
以前の情報を見て準備していた人は、志望する専攻の条件が変わっていないか、要項で必ず見直してください。
日程と募集人員(2027年度)
2027年度の日程は次のとおりでした。出願は9月上旬、第2次選考は10月下旬です。
- 出願期間:2026年9月1日(火)10:00〜9月7日(月)(締切日消印有効)
- 第1次選考(書類選考)の合格発表:2026年10月16日(金)11:00
- 第2次選考:2026年10月24日(土)、多摩キャンパス
- 第2次選考の合格発表:2026年11月5日(木)11:00
- 入学手続期間:2026年11月5日(木)〜11月12日(木)
募集人員は専攻ごとに決まっています。
| 専攻(プログラム) | 募集人員 |
|---|---|
| 国文学専攻 | 2名 |
| 英語文学文化専攻 | 5名 |
| ドイツ語文学文化専攻 | 2名 |
| フランス語文学文化専攻 | 7名 |
| 日本史学専攻 | 6名 |
| 西洋史学専攻 | 2名 |
| 哲学専攻 | 2名 |
| 社会学専攻 | 18名 |
| 社会情報学専攻 | 3名 |
| 教育学専攻 | 2名 |
| 心理学専攻 | 2名 |
| 学びのパスポートプログラム | 10名 |
志望できる専攻は1つだけです。この入試は自由応募制で、ほかの入試制度、中央大学の他学部、他大学との併願はさまたげられていません。ただし、社会学専攻の出願資格1・2と心理学専攻は、「合格後に本専攻に入学することを確約できる者」が出願資格に入っています。大学のQ&Aでは、他大学の受験を禁じるものではないとしつつ、その専攻で学びたいという意欲を特に重視していると説明されています。
出願資格:英語のスコアで出す専攻と、評定や活動で出す専攻
専攻ごとの出願資格は、大きく分けると外国語の資格で出す専攻と、評定や活動、読書経験などで出す専攻があります。
英語などの資格が中心の専攻
国文学、英語文学文化、西洋史学、社会情報学などの専攻は、英語(専攻によってはドイツ語・フランス語も可)の資格・検定試験の基準を満たすことが出願資格です。英語の基準は次のとおりで、出願期間の初日から遡って2年以内に受けたものが有効です。
- 英検:CSEスコア1980以上(受験級は2級以上)
- GTEC(CBTタイプ、検定版Advancedタイプ):930以上
- TEAP(4技能パターン):225以上
- IELTS(アカデミック・モジュール):4.0以上
- TOEFL iBT:2026年1月21日以降の受験は3.0以上、それより前は42以上
- TOEIC L&R+S&W(S&Wは2.5倍して合算):1150以上
英検は「2級以上の級で受験し、CSEスコア1980以上」という形で基準が示されています。高2のうちに2級以上を受けてこのスコアを出しておけば、英語の条件を満たす見通しが立ちます。英検を取る時期は英検はいつまでに、どの水準で取るべきかで詳しく書いています。教育学専攻は評定4.0以上と教育学への強い意欲に加え、英・独・仏いずれかの資格も必要です。
評定や活動が中心の専攻
- 日本史学専攻:高校時代に日本史学・日本考古学に関する活動(授業・部活動・個人研究・校外活動を含む)に積極的に取り組み、全体の評定平均値3.8以上、および「歴史総合」(2単位以上)「日本史探究」(3単位以上)の評定平均値4.5以上の両方を満たす人
- 社会学専攻:資格1は全体の評定平均値4.0以上、資格2は社会についての学習・課外活動・社会貢献活動などで顕著な実績、資格3は外国語の資格とグローバルな視野での関心と活動
- 心理学専攻:評定平均値4.0以上と入学の確約に加え、心理学検定、学会発表の経験、数学の評定などのいずれかの条件
- 哲学専攻:豊かな読書経験、評定平均値3.8以上、英・独・仏いずれかの資格
- 学びのパスポートプログラム:評定平均値3.8以上と、大会での実績、課外活動での役割、英語の資格、異文化協働の経験などのいずれか
評定は、高3生なら最終学年の第1学期(2学期制は前期)までの数字で判断されます。高2の今の成績がそのまま出願資格に関わるということです。細かな条件は専攻ごとに長く書かれているので、要項の該当ページを一字ずつ確認してください。評定の考え方は評定平均と年内入試の関係もあわせてどうぞ。
出願書類:志望理由書は手書き、小論文を課す専攻も
全員が出す書類は、調査書、志願者経歴書・検定試験記入用紙、志望理由書です。志望理由書は手書きのみ(パソコン不可)で、枚数や字数の制限はないとされています。
専攻によっては、出願時に小論文(書式3)や活動内容説明資料(書式4、A4で8枚以内)を出します。小論文のテーマと字数は専攻ごとに決まっています。
- 社会学専攻:自己推薦文(その専攻に入学するにふさわしい理由)1,500字程度
- 学びのパスポートプログラム:卒業時に身につけたい力と大学生活の計画 2,000字程度
- 哲学専攻:今までに読んだ哲学書について 3,000字程度
- 心理学専攻:科学的な根拠を示している心理学の本を2冊以上取り上げ、長所と問題点を論じる 3,000字程度
- フランス語文学文化専攻:資格ごとのテーマで4,000字程度
哲学や心理学のテーマは、出願の直前に本を読み始めても間に合いません。高2の今から、専攻に関わる本を読んで記録を残しておくことが、そのまま出願書類の準備になります。
第2次選考:専攻ごとに試験の形が違う
第1次選考は出願書類で、第2次選考は筆記試験と面接などで判断されます。第2次選考は1限と2限に分かれ、内容は専攻ごとに大きく違います。
| 専攻(プログラム) | 第2次選考(1限/2限) |
|---|---|
| 国文学・西洋史学・社会情報学・教育学 | 英語の外国語試験(映像を見て選択式で答える)/面接 |
| 英語文学文化 | 英語の外国語試験/英語でのディスカッション形式の面接 |
| ドイツ語文学文化 | 出願資格で選んだ言語の外国語試験(英語は選択式、ドイツ語は記述式)/面接 |
| フランス語文学文化 | 講義理解力試験(演習形式のディスカッション)/面接 |
| 日本史学 | 日本史学・日本考古学に関する小論文試験/面接 |
| 哲学 | 英語で書かれた哲学の文章を読み、日本語で論述する資料読解力試験/面接 |
| 社会学 | 教員の講義を受けてから小論文を書く講義理解力試験/グループワークと面接 |
| 心理学 | 資料を読んで小論文を書く資料読解力試験/グループディスカッション形式の面接 |
| 学びのパスポートプログラム | 分野を横断する文章を読む論述試験/プレゼンテーションを含むグループディスカッション形式の面接 |
社会学専攻の「講義を聞いてから書く」形式や、心理学・学びのパスポートのグループでの面接は、ふだんの小論文練習だけでは慣れにくい形です。人の話を聞きながらメモを取り、要点をまとめて自分の意見を言う練習を、授業や探究の発表の場で意識して積んでおくとよいでしょう。グループでの討論の準備は集団討論・プレゼン・英語で説明しています。配点や評価基準は要項に書かれておらず、選考方法の詳細には答えられないとされています。
高1・高2の今からやること
いまの高2生は2028年度入試、高1生は2029年度入試を受けます。専攻ごとの方式は2027年度に始まったばかりなので、毎年「入学試験における主な変更点」と要項を確認してください。そのうえで、今からできることを時期ごとに書きます。
高2の11月〜3月
- 中央大学文学部の専攻一覧を見て、志望する専攻を1つに絞る。迷う場合は、各専攻の授業や教員の研究を読んで比べる
- その専攻の出願資格が英語中心か、評定・活動中心かを確認する
- 英語が必要なら、英検(2級以上でCSE1980以上)やほかの試験を高2のうちに一度受ける。GTECを使う場合は2028年度入試からCBTタイプが使えない点に注意
- 評定が条件に入る専攻なら、高2の学年末の成績を落とさない。日本史学なら「歴史総合」「日本史探究」の成績も意識する
高3の4月〜8月
2027年度の場合、要項の公開は7月中旬の予定と発表されていました。出願は9月上旬なので、要項を見てから書き始めるのでは遅い専攻もあります。小論文や活動内容説明資料が必要な専攻は、高3の春に下書きを始め、夏休み中に何度か直してください。志望理由書は手書きなので、清書の時間も見込んでおきます。文学部での学びをどう言葉にするかは文学部・人文系の推薦も参考になります。
高3の9月〜10月
出願後は第2次選考に向けて、専攻の試験形式に合わせた練習をします。英語の外国語試験は映像を見て答える形式なので、英語を聞いて内容をつかむ練習が中心です。面接では志望理由書の内容を深く聞かれる前提で、書いたことを自分の言葉で説明し直せるようにしておきましょう。
今年受けた高3生へ
第2次選考の合格発表は11月5日、入学手続は11月12日までです。結果がどうであっても、一般選抜を考えている人は勉強を止めないでください。中央大学の一般選抜については中央大学の一般選抜にまとめています。
参考にした公式情報
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
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