英語長文は読めるのに設問で落ちる人へ|設問タイプ別の解き方7つと時間配分【川越の予備校が解説】

「長文は読めている。それなのに設問で落ちる」。高3の夏を過ぎると、この相談が増えます。この記事は、英語長文の設問をタイプごとに分け、それぞれの解き方の手順をまとめたものです。川越のEIMEI予備校で、大学ごとの入試対策読本を作りながら設問を数えてきた立場から書きます。

読めているのに落ちるのは、英文力ではなく設問ごとの処理手順がないことが原因になりやすい。型ごとに「どこを見るか」「どの順に見るか」が違うのに、全部を「読んで考えて選ぶ」でやると、正答率は理解度ほど上がりません。

設問の構成は、大学・学部ごとに違う

入試対策読本のために過去問の冊子を数えると、同じGMARCHでも中身がここまで違います。

  • 明治 法学部(70分)は大問Ⅰ・Ⅱとも長文で、文法語法と会話文の独立大問は3年とも0回。柱は下線部の言い換え5〜9問、英問英答3〜5問、内容一致3〜5問と日本語50字以内の要約で、いずれも3年中3回です。
  • 明治 政治経済学部(60分)は3年とも同一構成で、内容一致の正誤判定が各長文8〜9問、会話文の空所補充15問。設問総数60〜65問です。
  • 明治 情報コミュニケーション学部(60分)は、Ⅰが空所補充4〜5問+下線部の意味説明+タイトル選択、Ⅱが内容一致8〜10問、Ⅲが会話文の脱文挿入5問。3年とも同じです。
  • 明治 経営学部の長文は空所補充と指示語で10問、内容理解で5問が3年とも同じ内訳。指示語がまとまって出ます。
  • 法政は3年分17冊すべて全問マークで記述ゼロ。T日程は2026年度に長文4本(1本1,000語前後)を90分で、設問は言い換え中心です。

明治法なら言い換え、政経なら正誤判定、情コミなら脱文挿入5問が配点の中心です。「英語長文の対策」という一枚のくくりで練習すると、自分の中心に時間が入りません。

設問タイプ別の解き方

①内容一致

手順は、選択肢の骨子を先に読んで固有名詞・数字・比較表現に印→本文を段落順に1回通す→選択肢は本文の順に並ぶことが多いので上から照合→本文にない情報を足した選択肢を切る

先読みの程度は形式で変えます。明治文学部のように段落番号を指定した内容一致なら完全な先読みが得。情コミⅡのように8〜10問をまとめて問う型は覚えきれないので、キーワードに印だけつけて通します。学習院の「2つ選べ」は3つ以上マークすると無効、國學院は8択から2つで、2つ確定したら手を止めます。法政T日程の2文の正誤の組合せは、2文を別々に○×してから選びます。

②空所補充

  • 前後だけで決まるもの:接続語、前置詞、語形変化。接続語は前後2文の関係だけで決まるので、however=逆接、therefore=帰結、in addition=追加、for example=例示と和訳ではなく役割で覚え直す。前置詞補充は明治政経で3年とも出題。
  • 段落全体が要るもの:専修に定番の、1パッセージに10前後の空所が空く中文型。段落の役割(主張・理由・例・結論)が分からないと入りません。

手順は前後1文で品詞と論理の方向を決める→決まらなければ段落の役割に戻る→使い切り型は確実なものから埋める。法政は使い切り型が多く、消去法の精度が点になります。

③指示語の内容

探し方は直前から遡る。1文前の名詞句が第一候補、なければ前文の内容全体、次に段落の主題です。明治理工は毎年1文出る和訳のうち3年中2回が「they の指示内容を明示して訳せ」で、代名詞のまま訳すと減点。10〜20字の説明もあるので、指示内容を名詞句で短く切る練習が要ります。確認は答えを指示語の位置に代入して、文として成立し前後の論理が変わらないかを見るだけです。

④下線部の言い換え

私大で最も配点の中心になる設問です。明治法で5〜9問、明治商で6〜10問、法政T日程でも大量に出ます。法政T日程は選択肢自体が長く、全部丁寧に読むと時間が溶けます。

手順は下線部の骨(主語・動詞・目的語)を確定→文脈の方向を確定(肯定か否定か、増か減か)→選択肢を骨だけで比べ、方向が逆のものを先に切る。言い換えの型は、抽象を具体に開く/具体を上位語でまとめる/難語をやさしい説明に置き換える/比喩を字義に戻すの4つ。自作の短い例なら、本文が its effects lasted for decades のとき選択肢は it had a long-lasting influence の側に寄ります。語が同じかではなく意味の方向と強さが同じかを見ます。明治情コミは選択肢がすべて英文なので、日本語に訳す癖があると時間を失います。

⑤段落の要旨・タイトル

タイトル選択は明治文学部で3年とも、政治経済学部で3年中2回、情コミⅠでも毎年出ます。手順は各段落を1語でメモ→全体の主題文(多くは第1段落の後半か最終段落)を特定→選択肢を「広すぎる」「狭すぎる」で切る。1段落だけを言い当てた選択肢は狭すぎ、テーマ名だけは広すぎ。設問に the passage as a whole(本文全体)とあれば「部分一致の選択肢を切れ」の合図で、正解は本文より一段抽象的だが飛躍しすぎないものです。

⑥図表・実用文書

  • 武蔵は大問5題60分が全年度・全方式で共通し、語彙文法・会話・実用文で全体の約半分。案内・旅程表・シラバス・Eメールが毎年出ます。
  • 駒澤は分析した51本のうち十数本に表やグラフが付き、問われるのは「数値の変化・順位の入れ替わり」。
  • 法政の理系日程は図表・模式図の読み取りが大問の半分近く。明治 経営学部は2026年度に図表・実用文読解が2大問25問新設されました。

実用文の失点は読解力不足ではなく、条件の見落とし(申込期限、対象学年、割引の条件、weekends only のような限定)がほぼすべてで、ひっかけの9割は日付・時刻・金額・人数の数字に仕込まれています。手順は事故防止型です。数字はすべてマークする→脚注や小さい注意書きを必ず読む→「AとBの共通点」型は片方にしかない特徴を消す→数の言い換えを数字に直す。a quarter は25%、the third most は3番目に多い、と直してから図表に当てます。

⑦文挿入・段落整序

脱文挿入は明治情コミⅢで5問、総合数理でも毎年、東洋は会話文の文挿入が5大問のひとつとして固定、法政の理系日程には不要文削除と文補充が入ります。手順はひとつ。挿入文の指示語(this、such、these)が指す先が直前にある場所を探す。This change also affected … なら、直前に change に当たる内容がある位置しかありません。次に接続語の方向で絞り、会話文なら話者の交代が自然かを確認します。

出来事の順に並べる整序は別手順です。選択肢を先に読みキーワードに印→本文は時の表現(before、after、then、日付、年齢)にマークしながら1回だけ通す→語られた順ではなく起きた順に直す(回想は had+過去分詞が目印)→確実な最初と最後を固定し中間は消去法

選択肢の言い換えは、本文のどの語と対応するか

共通テスト6年分の分析から出た原則があります。正解の選択肢は、本文の表現をほぼ必ず言い換えています。読本の実例では、本文の buy が選択肢では purchase に、once a week が weekly になります。purchase は buy のフォーマル形、weekly は「週に1回」を1語にした形です。associated with と be linked to、claim と argue と insist のように、単語を覚えるとき「同じ意味の別の顔」を一緒に入れると選択肢処理が速くなります。

逆向きの原則も大事です。本文の語句をそのまま使った選択肢はワナであることが多い。「同じ単語は疑い、言い換えには寄る」を初期設定にしてください。

設問文が英語の大学がある ― よく出る7表現

東京理科大は薬・創域理工が設問文まで英語(経営・理は日本語設問)、中央大は総合政策・国際情報が設問英語、明治の総合数理は設問文も選択肢も英語の英問英答が大半で、英文5本17〜19ページを70分で処理します。明治法にも英問英答が3〜5問あり3年とも出ています。設問語の誤読は1問まるごと落とします。

  • According to the passage(本文によれば)=本文に書いてあることだけが根拠。常識で補うなという合図。
  • is closest in meaning to(意味が最も近い)=答えるのは辞書の意味ではなくその文脈での意味
  • What does “it” refer to?(何を指すか)=答えるのは名詞句。代入して成立するかを確認。
  • What can be inferred …?(何が推論できるか)=直接は書いていないが、書いてあることから必ず導ける内容。飛躍は切る。
  • is NOT mentioned(言及されていない)=本文にある3つを消して残りを選ぶ作業に変わる。
  • All of the following are true EXCEPT …誤りを選ぶ問題。EXCEPT を見落とすと正反対の答えになります。
  • best describes(最もよく表す)=複数正解に見えても1つに絞る。the main idea/the main purpose も全体を答える設問。

設問を先に読むか、本文を先に読むか

設問を先に読むのは、実用文・図表(共通テスト第1・2・5問、武蔵、駒澤、法政の理系日程、明治経営の新形式)、段落番号指定の内容一致(明治文学部)、スライドや概要を完成させる型(共通テスト第7問)、時系列整序。実用文は「探すために読む」素材で、設問が指定する情報だけをスキャンすれば足ります。

本文を先に読むのは、下線部の言い換えが中心の大学(明治法、法政T日程)、タイトル選択・要旨、1本1,000語級の長文が並ぶ試験。下線部は読む順に出るので、読みながら処理するほうが速い。

折衷が実は最多です。内容一致が8〜10問まとまる型(明治情コミⅡ、明治政経)は設問の「種類」だけ確認して本文に入る。この5秒が効きます。

1問あたりにかけられる時間

  • 明治 政治経済学部:60分で60〜65問。1問1分を切ります。速くさばく試験で、1題20分を守れるかを見ます。
  • 明治 農学部:60分で45問前後、1,000語級の超長文と800語級の会話文つき。1問約80秒です。
  • 明治 国際日本学部:80分で設問数は2026年度が約42問、2024年度が約56問。1問85秒〜1分50秒。英語が満点350点中200点(57%)なので、ここの設計が合否に直結します。
  • 法政 A方式の冊子207:同じ冊子でも文学部(哲・日本文・史)は3題60分で1題20分、経営・人間環境は4題90分で1題22.5分。T日程の2026年度は長文4本90分で1本22.5分です。
  • 共通テスト:80分8大問。目安は前半4問を30分前後、第5〜6問に20分、第7〜8問に25分、残りを見直し(第8問は約15分想定)。大事なのは模試のたびに大問別の所要時間を記録し自分の配分表を作ることです。

1問1分の試験で1問に3分かけるのは、他の2問を捨てる判断です。読み終わらない悩みが中心なら英語が時間内に解き終わらないとき、共通テストの大問別手順は共通テスト英語の攻略をどうぞ。

間違えた設問を4つに分類する

  1. 読み違い:該当箇所は見つけたのに意味を取り違えた。構文が取れていない、否定を落とした、主語がずれた。設問の練習では直らないので、英語長文が読めない原因の見分け方に沿って切り分けます。
  2. 探し方:読めば分かったのに、その箇所にたどり着けなかった。段落の役割を追っていない、言い換えに気づかない、先読みの判断を誤った。手順を決めれば直る種類です。
  3. 時間:足りなくて雑に選んだ、後半を読めなかった。配分の問題で、大問別の所要時間の記録から始めます。
  4. 知識:単語・イディオム・文法を知らず決められなかった。英文法の抜けの埋め方のように別の作業に戻します。

練習の回し方

  1. 志望学部の設問構成を1枚に書き出す(最初の1回だけ)。過去問3年分を開き、設問タイプごとに問数を数えます。明治のように形式が3年ほぼ固定なら、この1枚が本番の地図に。法政A方式のように日程で形式が分かれる大学は、受ける冊子だけ見ます。
  2. 上位2タイプだけを週2回、短い長文で練習する(1本10分で解き5分で照合)。
  3. 照合を固定する。正解の選択肢と本文の該当箇所を線で結び、どの語がどの語に言い換えられたかを書き出す。言い換え中心の学部では直接の得点練習です。
  4. 間違いを4分類で記録する。ノートの右端に「読/探/時/知」と書くだけ。2週間で中心が見えます。
  5. 2週間に1回、本番と同じ条件で通す。3題60分なら3題60分、長文4本90分なら4本90分。大問別の所要時間を記録します。
  6. 設問英語の大学なら、上の7表現を5分音読する日を作る。本番で設問文に止まる時間が消えます。

設問タイプ別の練習は本文が読めている人には効きますが、読めていない人には効きません。判定は、設問を隠して本文を日本語で要約できるかで測ります。要約が作れないなら手順より先に読む力の建て直しで、抽象的な議論で止まるなら英語長文の抽象概念が土台になります。勉強が思うように進まない時期が長く続くときは、学校の先生や保護者の方、専門の窓口に相談してください。

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