学習院大学は記述が中心 英語・国語・数学・日本史・世界史の対策と、減点されない答案の書き方|川越の予備校が解説

この記事は学習院大学を受ける予定の高校生・既卒生と保護者の方に向けたものです。川越・ふじみ野・鶴瀬でEIMEI予備校の1対1個別指導をしている二神です。

「マーク模試では判定が出ているのに、過去問を開いたら書く欄が多くて面食らった」という声をよく聞きます。気のせいではありません。自作の入試対策読本の分析(2024〜2026年度の問題冊子を科目別に数えたもの)から、学習院の記述がどこにどう出るのかを整理します。全体像は学習院大学 傾向と対策、方式別の違いは方式別のちがいにあります。

科目によって、配られる解答用紙が違います

学習院の問題冊子の表紙には、どの解答用紙が配られるかが印字されています。

  • 英語・国語・日本史・世界史・公共+政治・経済 マーク用と記述用を併用
  • 数学・地理 記述用2枚のみ。マークシートは配られません
  • 理科 記述のみ

つまり全問マークの科目が一つもなく、数学・地理・理科はマークが一問もありません。数学は12冊すべてでマークシートが使われず、理科も3科目とも全問記述でした。他のGMARCH向けにマーク中心で組んだ対策のまま学習院に来ると、ここで取りこぼします。

学習院は科目別に「出題ポイント」というPDFを公表しています。日本史の項です。

「『平等院鳳凰堂』や『梁塵秘抄』と書くべきところで『鳳凰』や『梁塵』の漢字が書けていないケースが見られました。記述式解答の場合には、漢字が正確に書けないと得点には至りませんので、歴史用語を自分自身の手で書く経験が必要です。」

採点現場で多かった誤答を名指しで公表しています。読めるけれど書けない状態で本番に来る人が多いということです。

英語 マークは8〜9割。記述は4種類に固定

法・経済・文・理の英語は3年間同じ構成で、90分150点・7大問・設問約40問。マークは全体の8〜9割ですが、12冊を調べた結果、記述は次の4種類だけでした。

  • 部分和訳 句読点を含め15字/20字/25字以内。書き出しや結びの語句が与えられることが多い。1冊0〜2問
  • 語句の抜き出し 同じ段落から1語/2語/3語、または「8語句の最初と最後の語」。0〜2問
  • 整序 並べ替えて2番目と4番目の語を書く。0〜1問
  • 和文英訳 大問Ⅶ。2題で各文に2〜3個の空所、1語ずつ記入。毎年必出で10点

大事なのはないものです。完全和訳・説明記述・自由英作文は一切ありません。和訳はすべて25字以内の部分訳なので、必要なのは日本語を制限字数に収める作業で、この感覚は数えて書かないと身につきません。

大問Ⅶは費用対効果がいちばん高い10点です。出題ポイントは「不規則変化動詞の過去・過去分詞がきちんと書けるか、時制などの文法が理解できているか、連語関係に習熟しているか」と名指ししています。長い英文を組む力は要りませんが、1語のスペリングを外せば0点です。

ただし国際社会科学部のコア試験だけは別設計で、設問文がすべて英語。大問Ⅵが自由英作文で20点、2025年度からは「本文から4語以上連続して使ってはいけない」条件が付きました。意見をまとまった英文で書かせるのはこの方式だけです(GMARCH 英語の比較)。

国語 論述はゼロ。「ちょうどの字数で抜き出す」試験

国語9冊のうち、字数指定つきの論述は9冊すべてでゼロでした。記述は漢字(2025年度は法・経済系で独立大問10点)、字数指定つきの抜き出し(「Ⅰ=7字」「Ⅱ=10字」型が毎年必出)、返り点(文学部コアのみ)、文法だけです。

ですから「自分の言葉で要約する」練習は要りません。求められるのは、本文の主旨をふまえて正しい箇所を指定字数ちょうどで切り出す精度です。数えて書く以外にありません。

漢文が出るのは文学部コアだけで3年とも出題。90分150点の4大問です。法・経済系の6冊は漢文0問でした。

日本史 記述が全体の20〜40%。「漢字○文字で」が毎冊入る

日本史10冊は大問5題・小問50問で構成が完全に固定。記述は「人名を答えなさい」型の用語記述で、選択肢は与えられません。記述大問は1冊10〜20問、全体の20%から40%(文学部コアは論述を含めて40%)を占め、しかも字数と字種まで指定されます。

  • 2024年度 文学部コア 「この宮の名称を漢字7文字で」
  • 2024年度 経済学部コア 「国際機関の通称名を英文字3文字で」
  • 2025年度 法学部コア 「漢字5文字以内で」「漢字6文字で」「漢字2文字で」(1冊3問)
  • 2026年度 経済学部コア 「組織の名称を漢字5文字で」

史料問題はほぼ出ません(10冊で図版・グラフ・統計表の設問は0件、史料引用も2件)。史料集を読む時間は、用語の書き取り精度に回してください(日本史・世界史の勉強法)。

文学部コアだけにある7行論述(20点)

日本史で論述があるのは文学部コアの大問Ⅴだけで、法・国際社会科学・経済の各コアにはありません。字数指定ではなく行数指定で「指定された行数(7行)の範囲で述べなさい。(20点)」。3年連続同形式で、主題は2024年度が源実朝、2025年度が松方財政、2026年度が正徳の政治。

「一人物・一政策を7行で説明する」型なので、江戸の政治改革・明治の財政政策・鎌倉の人物を、それぞれ7行の型に整理しておくのが直接の対策です。大学の講評にも、2026年度について「享保の改革以後の内容しか述べていなかったり、逆に元禄時代の内容しか書かれていない答案も散見されました」とあります。時代の範囲を取り違えると、内容が正しくても点になりません。

世界史 誤文訂正と学術書抜粋が、どちらも全問記述

型① 誤文訂正(毎冊必出・16〜24点・全問記述)。「誤りの語句を解答用紙の所定のA欄に、それに替わるべき正しい語句をB欄に記入しなさい」という指示で、設問まで含めると6本型で18か所、4本型で12か所の記入。正誤を判定するのではなく、誤りを特定して正しい語を自分で書くので、共通テスト型の練習では届きません。教科書の太字を、似た語と取り違えない精度で覚えてください。

型② 学術書からの長文抜粋(毎冊必出・24〜32点・全問記述)。現代の歴史学者が書いた文章を読ませる大問で、配点がいちばん重い。経済学部系では大西洋三角貿易・東インド会社・大分岐など経済史に寄ります。

型③ 200字論述2題(文学部コアのみ・30点)。指示は「与えられたキーワードをすべて用い、200字以内で歴史的に論述しなさい。なおキーワードには下線を付しなさい。句読点は1マスに1つずつ、数字は1マスに2字まで入れなさい」。出た指定語句は、2024年度がA「康熙帝・鄭氏・台湾・海禁」/B「インフレーション・世界恐慌・ブロック経済・レンテンマルク」、2025年度がA「専売・逃亡・節度使」/B「フス・サン=ピエトロ大聖堂・トリエント公会議」、2026年度がA「茶・アヘン・銀流出」/B「成文法・財産政治・陶片追放」。

対策は決まります。用語を単独で覚えるのではなく、3〜4語をつないで200字になる塊で覚えること。教科書の1節を読んだら指定語句になりそうな語を3つ選び、200字で書く。そしてキーワードには必ず下線を引く。原稿用紙で練習してください。

地域別では中国史が約12大問で最頻出、古代地中海が約9、アフリカ史が約5大問。このアフリカ史が、配点の重い誤文訂正と長文読解に出てきます。

数学 12冊すべてマークシートなし。答案用紙は2枚

  • マークシートなし・全問記述式
  • 大問4題、問題冊子4ページ、解答用紙は(そのⅠ)(そのⅡ)の2枚
  • 大問ごとに「答えだけを書くこと」(1・3が多い)か「答えを導く過程も書くこと」(2・4が多い)が明示される

この最後の一点が当日の戦い方を決めます。「答えだけ」の大問は途中式を丁寧に書く必要がないので、そのぶんを過程記述の大問に回す。冊子を開いたら、まず4つの大問の指示を確認することです。

理学部のコア・プラスは150点で数学Ⅲ込み、証明・論証の要求(「割り切れる整式であることを示せ」型)も加わります。文学部の心理・教育プラスも理学部コアと同一問題なので数学Ⅲが出ます。出願前に自分の方式の出題範囲を要項で確認してください(数学の勉強法)。

大学が公表している「不正解になる書き方」

公共+政治・経済の出題ポイントです。「問題文の指示を無視した解答(たとえば、字数指定や、漢字・ひらがな・カタカナ・アルファベット略称などの指定を無視した解答)は、不正解となります。」 内容が合っていても字種・字数の指定を外せば不正解です。日本史の「漢字5文字で」、世界史のキーワード下線、国語の抜き出しも同じです。

選択問題についても「正答数を明示せずに過不足なく正答を選択することを求める場合もあります」とあります。マークの側にも、増やすと消える設問があります。英語の長文の最後には毎年「7択から2つ選ぶ。3つ以上マークしたら0点」型が入り、法学部コア系の国語には「三つ選べ。三つ以上マークした場合は0点」型、2025年度の生物には「誤答は正答の得点から減点します」という複数選択が出ました。

部分点の側も公表されています。化学は、答えが誤っていても明快な論理があれば部分点を与える旨と、有効数字の誤りや単位の欠落は減点対象である旨。地理は、キーワードを外さなければ加点する方針。ただしこの2科目は読本でも要旨として扱っているので、言い回しが効く箇所は自分が受ける年度の公表資料で確認してください。

答案の書き方は3つです。①指定(字数・字種・行数・下線)を先に読み、書き終えたら指定だけを見直す。②計算と論証は途中を書く。③選択問題で迷ったら、数を増やさない。

マーク中心の大学と併願するなら、練習をこう分ける

マーク中心の大学の演習は、頭の中で解いて答え合わせをしてもある程度成立しますが、学習院では成立しません。

  • 平日のインプットは共通で構いません。単語・文法・用語・公式はどこでも同じものを使います
  • 週に1〜2コマ、学習院用の「書く演習」を固定する。日本史・世界史の用語を手で書く、英語の部分和訳を字数を数えて書く、数学の大問2題を過程まで書き切る
  • 目的を分ける。マーク中心の大学では速度と選択肢の処理、学習院では書く精度と形式要件。同じ日に両方やるなら、目的をノートに書いてから始めます
  • 採点も分ける。「内容は合っていたが字数指定を外した」「漢字が出てこず平仮名で書いた」という落ち方を記録します

点数の比べ方も混乱しやすい。学習院は方式によって満点が250点から500点まで分かれているので、「180点取れた」に意味はありません。必ず得点率で管理を。2026年度の合格最低点の得点率は、文系のコア・プラスがおおむね55%〜60%台前半、理学部が63%〜70%台前半でした(過去問はいつから何年分)。

学習院を受けるなら、最低限やっておくこと3つ

  1. 日本史・世界史の用語を、すべて手で書く。赤シートで隠す方式だけでは記述大問に対応できません。大学が名指しした誤答は「鳳凰」「梁塵」「大内裏」「種子島」「海舶互市新例」です
  2. 数学は、答案を1枚まるごと書き上げる。大問ごとに「答えだけ」か「過程も」かが指定されます。答えだけ合わせる演習では、過程記述の大問で手が止まります。週1回、時間を計って4題分
  3. 英語は、和文英訳2題と25字以内の部分和訳を毎週触る。1回10分で足りますが、字数を数えることとスペリング確認は省かないこと

残り3か月の優先順位

学習院の一般選抜は2月上旬の1週間程度に集中します。日程は年度で動くので、自分が受ける年度の要項で確認してください。

1か月目 形式に体を合わせる。受ける方式の科目・配点・満点・解答用紙の形を書き出し、過去問を1年分、本番と同じ道具で解きます。知識の総復習が終わっていなくて構いません。形式で落ちる分を先に見つけるのが目的です。

2か月目 配点の重い記述から潰す。世界史なら誤文訂正(16〜24点)と学術書抜粋(24〜32点)、文学部コアなら200字論述2題(30点)。日本史なら記述大問と7行論述(20点)。論述がある人は、この時期に型を作ってしまうのが有効です。書いたものは必ず誰かに読んでもらってください。時代の範囲のずれは自分では気づけません。

3か月目 時間配分を紙に書いて持っていく。日本史の60分型は大問5・小問50で1問72秒。マーク大問を各10分で回し、記述大問に各12〜15分を残す配分が現実的です。世界史の経済学部系はマークだけで60問を超え、記述が加わって60分。1問45秒以下で、設問数の点では学習院でいちばん厳しい試験です。

記述の練習は正答率がすぐ動かないので、伸びを感じにくい時期でもあります。書いた答案を日付順に並べて見比べてみてください。しんどさが続くときは、学校の先生や保護者の方、専門の窓口に相談を。

最後に、確認してほしいこと

この記事の数字は2024〜2026年度の問題冊子を数えた結果です。出題形式・配点・試験時間・採点の方針は年度によって変わることがあります。科目別の「出題ポイント」PDFは2年度分のローリング掲載で古い年度は消えるので早めに保存し、自分が受ける年度の要項とあわせて必ず確認してください。

学習院の記述対策は、いま使っている教材を目で追う形から手で書く形に変えるだけです。何から手をつけるか迷うなら、一度相談してください。

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EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

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二神大輝