中高一貫校の中学生の保護者へ 大学受験の準備はいつから何から始めるか|川越・ふじみ野・鶴瀬の個別指導塾

こんにちは、EIMEI予備校の二神です。

この記事は、中高一貫校の中学生の保護者の方に向けて書いています。答えたいのは大学受験の準備は、いつから、何から始めるのか、そしてそれを家庭でどう判断するか、です。

中高一貫校には高校受験がありません。大きな利点ですが、同時に外から来る締め切りが中学3年間に一つもないということでもあります。高校受験があれば、中3の秋には周りの全員が同じ方向を向きます。それが起きないので、大学受験に向けた時間の使い方が早い段階から本人任せになりやすい構造です。

EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、中高一貫校の中学生から受け入れています。以下は面談で繰り返し出てくる質問に順に答えたものです。数字は大学ごとに自作している入試対策読本と分野別の読本から実測したものを使い、特定の学校のカリキュラムや進学実績の話はしません。

有利な点は「時間の配分」に、つまずきは3か所に出ます

中高一貫校の利点は、授業の質やクラスの雰囲気より前に時間の配分にあります。一般に進度が速く、高2の終わりから高3の前半で主要科目の履修が終わる学校が多い。そうなると高3の1年間をまるごと入試問題に使えます。高3で初めて範囲を終えるなら、演習の時間は最後の数か月です。ここが1年になるかは大きな差です。

ただし自動的に有利になるわけではありません。空いた時間に何を置くかを決めなければ、その時間は空いたままです。差がつくのは進度ではなく、空いた時間の中身を誰が決めたかです。つまずく点は3つに絞れます。

  • 進度が速いぶん、一度分からなくなると戻りにくい。学校は止まりません。分からないまま次に進み、そのうち「どこから分からなくなったのか」が本人にも分からなくなります。ゆっくりなペースなら1学期かけて崩れるところが、数週間で起きます。
  • 高校受験という区切りがないので、中2〜中3で緩みやすい。性格ではなく締め切りの構造の話です。定期テスト前は動けても、その間の時期にやることが決まっていないと、進度だけ先に行って定着が置いていかれます。
  • 英語と数学は積み上げなので、遅れが後で効く。中2で文字式の処理が遅いままなら、高2の微分積分でその遅さがそのまま出ます。中学の図形が曖昧なら、高校の図形と計量でつまずきます。遅れが表面化するのが2〜4年後になるのが、この2科目の厄介なところです。

大学入試で実際に何が求められるのか(実測値で)

「中学のうちに何をどこまで」は、ゴールの姿が分からないと決まりません。読本の数字を出します。

英語は、語彙・語数・テーマの3つで測れます

語彙。自作の英単語帳は、全国約190大学の入試英語(2007〜2026年度)から作った415題・約86万語のコーパスでテーマ別の頻度を集計して編集しました。分かったのは、どのテーマの長文にも共通して出る語が50語ほどあるということです。researcher、study、evidence、suggest、indicate、significant、despite、whereas。難しい構文を必要とせず、中学英語の文法のままで意味が取れる語が並びます。

語数。読本では問題冊子から試験時間と語数を測っています。入口にあたる大学は英語60分・長文2題(各600〜700語)。一方で90分で3,000語を超える大学があり、1本1,000語級を4本読ませる日程もあります。慶應義塾大学商学部は90分で約5,200語(設問込み)で、1分あたり約58語の計算です。

テーマ。入試英語の教養をまとめた読本では、全国約190大学・約2,600題の入試英語から1,005本の長文パッセージを取り出し、1本ずつ分野に分けました。多い順に歴史・文化・人類学125本、脳科学・心理学119本、医療・健康105本、エッセイ・文学・物語101本、環境・気候変動76本。入試の英語は、中身が理科と社会です。

数学は、出る単元がほぼ決まっています

数学の読本では、早稲田・明治・青山学院・立教・中央・法政・慶應義塾・学習院・東洋・東京電機などの過去問分析データを単元ごとに並べ替えました。

  • 場合の数・確率…分析した複数大学のデータで出題ゼロの事例が見当たりません。慶應義塾大学は文系4学部12セットすべてで出題(12/12)、理系4学部も各3/3。立教大学理系は大問Ⅰで6/6です。
  • 微分積分(数Ⅱ)…文系でほぼ必出。法政大学文系は45大問中13(29%)で単元別最頻出、立教大学文系は記述大問8冊すべてで出題。青山学院大学の文系は3年連続で大問Ⅳに置かれ、内容も「放物線の接線・法線と面積」で一致します。
  • 図形と計量・図形の性質…中央大学文系では5学部共通選抜方式の大問Ⅰが3年連続この分野に固定。東洋大学の文系では8セットすべてで最頻出クラスです。

単元別の内訳は数学の頻出単元の記事にあります。

中学のうちにここまで来ておくと、高2以降が楽になります

上の数字から逆算した到達目標です。ここが実用的な判断材料になると思います。

英語(中学卒業時)

  1. 1文の主語と動詞を、指で押さえられる。ここが崩れていると、語数を増やしても読めません。
  2. 共通の頻出語50が、見て意味が出てくる。ここが出てこない段階で難単語に進むと、どちらも残りません。
  3. 600語の英文を、辞書なしで最後まで読み切れる。入試英語の入口が600〜700語だからです。
  4. 読んだあと「何の話だったか」を日本語で一言だけ言える。

数学(中学卒業時)

  1. 文字式と方程式を、式変形で止まらずに処理できる。高校の微分積分(数Ⅱ)は計算の速さが得点差になります。
  2. 比例・1次関数のグラフを、自分で座標に書ける。「放物線の接線・法線と面積」はこの延長線上です。
  3. 相似・円周角・三平方の定理で、角度と長さを出せる。図形と計量の土台です。
  4. 樹形図と場合分けを、自分で書いて漏れなく数えられる。場合の数・確率の土台です。

この8項目は特別な教材を必要とせず、学校の授業と定期テストの範囲で確認できます。本人向けの進め方は中高一貫校の中学生へ向けた記事のほうに書きました。

家庭で見られるチェックポイント(4つ)

成績表と答案、日常の会話で確認できることに絞ります。性格の話はせず、行動に現れているかだけを見ます。

1.成績表は、順位より「同じ科目の前回との差」。校内順位は集団の中の位置です。それより先に動くのは英語と数学の前回比で、この2科目が続けて下がっているときは積み上げのどこかが抜けている可能性があります。この2つが保てていれば、他科目の上下は取り返せます。

2.定期テストの答案は、点数ではなく「落とし方の内訳」。『志望校の決め方』の記入シートでは、落とし方を「知らない/使えない/時間切れ/ミス」の4つに分けます。返ってきた答案を4つに仕分けてください。「知らない」が多ければ覚える作業が、「使えない」が多ければ演習が足りていません。「時間切れ」は処理速度の問題なので、覚え直しても解決しません。同じ60点でも、次にやることが変わります。

3.「どこが分からないか」を場所で言えるか。「数学が分からない」と「二次方程式の文章題で式が立てられない」は別の情報です。場所で言えるなら自分で戻れます。科目名でしか言えない状態が続くなら、戻る場所の特定を手伝う段階です。

4.「何時間やったか」ではなく「何を何分やったか」を言えるか。「2時間やった」しか出てこないときと、「英語の長文1題に25分、数学の大問2つに40分」と出てくるときでは、同じ2時間の中身が違います。後者が言えるなら、計画を自分で回せています。4つとも、次に何をするかを決めるための情報として使ってください。

中学のうちに塾が必要かどうかの判断基準

「中学のうちから塾に入れるべきでしょうか」。いちばん多い質問ですが、全員に必要だとは考えていません。判断は3つです。

基準1:学校の進度についていけているか。見るのは一点です。授業で扱った単元を、2〜3週間おいて解き直したときに手が動くか。直前に詰め込んで点が出ているだけなら、ついていけているとは言えません。

基準2:自分で計画を立てられているか。今週やることを自分で書いていて、それが1〜2週間で終わる大きさに割れているか。「英語を頑張る」は予定に入れられませんが、「今週は長文を5題」なら入れられます。ここができていれば、中学のうちは学校と家庭学習で回せます。

基準3:英語の積み上げが崩れていないか。上の英語の到達目標(1)〜(3)で確認します。主語と動詞が押さえられない、共通の頻出語50のうち意味が出ない語が10語以上ある、600語で途中で止まる。2つ以上当てはまるなら、学年に関係なく戻る作業が必要で、戻る作業はいちばん一人でやりにくい作業です。

3つのうち2つが「いいえ」なら、中学のうちに外の手を入れる判断はあると思います。3つとも「はい」なら様子を見て構いません。EIMEI予備校が1対1の個別指導でやっているのは、この「戻る場所を決める」作業を一人ずつ違う場所から始められるからです。学校が高校範囲に入っていても、骨組みが崩れているなら中学範囲まで戻ります。あわせて、中学のうちから家以外に勉強する場所があると、高校に入ってから効きます。川越校舎は自習室が朝7時から使えて、学校に行く前の時間を使う生徒がいます。

いつから、何を。学年ごとに分けます

中1。やることは2つだけです。英語は共通の頻出語50と、1文の主語・動詞。数学は文字式と方程式の処理速度。これ以外は学校の授業で十分で、塾は必須ではありません。加えて、入試英語の出題分野は歴史・文化、脳科学・心理、医療・健康が上位なので、家に日本語の読み物を置いておくと後で効きます。

中2。いちばん外圧が薄い学年です。やるのは習慣の固定で、先取りではありません。1日1本、200〜300語の英文を読む。数学は相似・円周角・三平方を「角度と長さを出す道具」にする。学校が高校範囲に入っているなら、定着を確認する仕組みを外に一つ持つことを考える時期です。

中3。英語は読む語数を400〜600語に上げ、数学は樹形図と場合分けを自分で書く作業に時間を使います。置いていかれている科目があるなら、ここが戻る最後の楽なタイミングです。高校に入ると負荷が上がり、戻る時間が減ります。塾の判断が集まるのもこの学年です。

高1。ここから中身が変わります。志望校の候補を2系統まで仮置きして、過去問を1年分「解かずに眺める」。英語の外部検定を使うかも調べ始めます。有効期間が大学と年度で違うので、受ける時期は要項で確認します。組み立ては中高一貫校の高1・高2向けの記事に、学年を通した全体像は学年別ロードマップにまとめました。

声かけで、やってしまいがちなこと/代わりにできること

やってしまいがちな言い方を先に、代わりにできることを後に書きます。心理の説明ではなく、言葉の形の話です。

  • 「このままだと間に合わない」「落ちたくないでしょう」。『志望校の決め方』では目標設定の研究を整理して、目標には「近づく型」と「避ける型」があると書いています。「落ちたくない」は避ける型で、次の行動が決まりません。代わりに:「次のテストの数学、大問2を時間内に終わらせる」。
  • 「今日は何時間やったの」。時間は中身を教えてくれません。代わりに:「今日は何を何分やった?」
  • 他の生徒や兄弟と比べる。相手が変わると数字の意味も変わります。代わりに:同じ科目の前回比だけを見る。
  • 答案を見て点数についてだけ話す。点数は結果の要約です。代わりに:答案を4つに仕分ける作業を一緒にやる。話が「気持ち」から「事実」に移ります。同書には、保護者が本人の視点を取り、選択の余地を残す関わり方のとき、本人の自己調整と成績が高いという研究結果も紹介されています。

もう一つ、中学のうちに志望校を1つに決めさせる必要はありません。大学進学者2万7千人以上が回答した調査では、興味を持った大学は平均4.67校、資料を取り寄せたのは6.29校、最終的に出願したのは2.42校でした。興味を持った学校の半分以上は、出願しないまま候補から外れます。同じ調査で進路の不安の1位は「将来やりたいことが分からない」(33.5%)です。「仮置きでいい」と伝わっていれば、調べる作業が軽くなります。

なお、お子さんのつらさが続くときは、勉強の設計だけで解決しようとせず、学校の先生や専門の相談窓口に相談してください。

この記事の要点

  • 利点は時間の配分。空いた時間の中身を決めないと有利になりません。つまずくのは戻りにくいこと/中2〜中3で外圧が薄いこと/英語と数学の遅れが2〜4年後に効くことの3つです。
  • 中学卒業時の到達目標は英語4項目・数学4項目。特別な教材は要りません。
  • 家庭で見るのは、英語と数学の前回比/答案の落とし方の内訳/分からない場所を言えるか/何を何分やったか言えるかの4つ。
  • 塾の判断基準は、2〜3週間後に解き直せるか/計画を1〜2週間の大きさに割れているか/英語の積み上げが崩れていないかの3つ。志望校は絞らなくて構いません。

「進度は速いけれど、これで足りているのか分からない」という状態が、いちばん判断しにくいところだと思います。その段階で来ていただければ、到達目標のどこまで来ているかを確認して、中学のうちにやることを決められます。受験全体の流れは保護者向け 受験の流れもあわせてご覧ください。

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EIMEI予備校について

EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

  • 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
  • ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
  • 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。

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二神大輝