この記事は、津田塾大学 総合政策学部の総合型選抜を考えている女子高校生と保護者に向けて書いています。2027年度の総合型選抜要項で確認した日程・出願書類・選考の流れを整理し、来年以降に受ける高1・高2が今から何をしておけばよいかを具体的に説明します。
総合政策学部の総合型選抜は、志望理由書と事前課題の論述、英語資格の証明書による書類選考と、それをもとにした面接で合否が決まります。当日に小論文を書く試験はありませんが、そのぶん出願前の書類づくりに多くの時間がかかる入試です。
2027年度 総合政策学部 総合型選抜の概要
2027年度の要項で確認した基本情報は次のとおりです。面接の会場は千駄ヶ谷キャンパスです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 募集人員 | 総合政策学科 20名 |
| 出願期間 | 2026年9月1日(火)〜9月16日(水)必着 |
| 第1次選考(書類)の結果発表 | 2026年10月3日(土)郵送で通知 |
| 第2次選考(面接) | 2026年10月31日(土)千駄ヶ谷キャンパス |
| 合格発表 | 2026年11月11日(水)郵送(速達)で通知 |
| 入学手続締切 | 2026年12月18日(金)消印有効 |
今日(2026年11月2日)の時点で、2027年度の出願と面接はすでに終わっています。今年受けた高3の人は、11月11日の合格発表を待つ段階です。この記事は主に、来年以降に受ける人がどう準備するかを中心に書いていきます。
出願資格と併願のルール
出願資格は、女子であることと、高校などを卒業(2027年3月卒業見込みを含む)していることなどです。評定平均の基準や、英語資格の最低スコアは要項には書かれていません。
併願については、他大学との併願はできますが、津田塾大学 学芸学部の総合型選抜との併願はできません。また、入学後に他学部・他学科へ移ることは認められていません。総合政策学部で学びたい理由がはっきりしているかどうかが、出願の前提になります。
学芸学部の総合型選抜とは、出願期間・第1次選考の結果発表・試験日が共通です。英語英文学科・国際関係学科・多文化・国際協力学科は合格発表が11月6日と早く、総合政策学科は情報科学科と同じ11月11日の発表になっています。
出願書類:志望理由書と事前課題、それぞれ1200字以内
出願書類の主なものは次のとおりです。
- 志願票(写真を貼る)
- 調査書
- 志望理由書(1200字以内)
- 事前課題の解答(1200字以内)
- 英語の能力を証明する書類(1つ以上)
- 出願書類チェックリスト
志望理由書と事前課題の解答用紙は、パソコンで作成する用のファイルと手書き用のファイルの両方が大学のサイトで用意されています。提出は簡易書留・速達の郵送のみで、窓口での受付はありません。
英語資格は「スコアの基準なし」だが提出は必須
英語の能力を証明する書類は、TOEFL iBT、TOEIC(L&RとS&Wの両方。IPは不可)、IELTS(アカデミック)、GTEC(CBT・検定版)、TEAP(4技能)、実用英語技能検定(英検)のうち1つ以上を提出します。英検以外は2024年4月1日以降に受験したものだけが有効です。
最低スコアは決められていませんが、求める学生像には「英語で聞く・話す・読む・書くための基礎力」が挙げられています。スコアの高さは書類選考で見られると考えて、できるだけ高いスコアを出せるよう準備しておくのが自然です。英検をいつ受けるかは英検はいつまでに、どの水準で取るべきかで詳しく書いています。
事前課題:資料を読み、地域の課題を論じる
事前課題は、総合政策学科では「現代社会が抱える諸課題に関する論述問題」とされています。2027年度の問題用紙は8月1日に公開されました。
2027年度の課題は、官公庁が公表した統計の表を読み取る問いと、それを踏まえて論じる問いの2問構成でした。テーマは環境分野で、人間と野生動物の関係にかかわるものです。後半の問いでは、自分と関わりのある地域の課題を取り上げ、対策を考え、そのよい面と悪い面まで論じることが求められています。字数は、前半が200字以内、後半が1000字以内です。引用・参考文献を明記することも指示されています。
この形式から読み取れるのは、総合政策学部が「データを正しく読む力」と「身近な地域の問題を自分で調べ、具体的な解決策を考える力」を見たいと考えていることです。求める学生像に「データ分析の土台となる基礎的な数理的思考力」が入っていることとも重なります。
毎年同じテーマが出るわけではありませんが、準備としては次のような練習が役に立ちます。
- 官公庁の統計(人口、環境、雇用など)の表やグラフを見て、増減・地域差・時期による変化を200字程度で説明する
- 自分の住む市町村が抱えている課題を一つ選び、市のホームページや新聞記事で現状を調べる
- 対策を一つ考え、その長所と短所、実行するときの難しさを書き出す
- 以上をまとめて1000字程度の論述にし、参考にした資料を明記する
事前課題の進め方は事前課題・課題レポートの進め方でも解説しています。
志望理由書:課題意識と総合政策学部の学びをつなぐ
志望理由書は1200字以内です。面接では、志望理由書と事前課題の内容をもとに、学修への希望、問題意識、将来の抱負が問われると要項に書かれています。つまり、志望理由書は面接の台本の役割も果たします。
総合政策学部は、社会を正確に把握して課題を見つける力、根拠にもとづいて解決策を探る思考力、解決策を実行する行動力、合意形成に必要な英語力とコミュニケーション能力を重視するとしています。志望理由書では、次の流れで書くと、この方針に沿った内容になりやすいと思います。
- 自分が関心を持っている社会の課題と、関心を持ったきっかけ
- その課題について、自分で調べたり行動したりしたこと
- 調べるうちに見えてきた「自分にはまだ足りない知識・技能」
- 総合政策学部のどの授業や学びでそれを身につけたいか
- 卒業後、その力をどう生かしたいか
3番目の「足りないもの」を書くと、大学で学ぶ必要性が自然に伝わります。授業内容は大学のシラバスで調べ、具体的な科目名や学びの内容に触れられるとよいでしょう。書き方の基本は志望理由書の書き方にまとめています。
面接:書類の中身を深く聞かれる
第2次選考は面接です。面接の時間や形式は要項には書かれておらず、集合時間は第1次選考の結果と一緒に知らされます。
事前課題と志望理由書をもとに質問されるので、次のような深掘りに答えられるようにしておきましょう。
- 事前課題で取り上げた地域の課題について、なぜそれを選んだのか
- 提案した対策に反対する人がいたら、どう説明するか
- 資料の読み取りで気づいたことのほかに、調べたことはあるか
- 大学で何を学び、将来どんな仕事や活動につなげたいか
提出した書類は必ずコピーを取っておき、面接の前に読み返してください。書いた内容を自分の言葉で説明し直せることが大切です。深掘りへの答え方は面接対策も参考にしてください。
求める学生像から準備を逆算する
要項に書かれている求める学生像は、次のようなものです。
- 現代社会の課題に関心を持ち、解決しようとする意欲がある
- 知的好奇心が旺盛で、行動力がある
- 主体的に学び続ける意志がある
- 論理的に考え、表現する力がある
- 英語で聞く・話す・読む・書くための基礎力とコミュニケーション力がある
- 歴史・地理・文化に関する知識と、データ分析の土台となる基礎的な数理的思考力がある
この中で見落としやすいのが、最後の歴史・地理・文化の知識と数理的な思考力です。文系の学部だからと数学を早めに手放してしまうと、統計を読む課題で苦労することがあります。高校の数学や情報の授業で扱う、平均・割合・グラフの読み方は、苦手でも基本だけは押さえておきましょう。地理や歴史も、地域の課題を考えるときの背景知識になります。
また「行動力」は、書類と面接で具体的なエピソードとして語れるかどうかが問われます。大きな活動である必要はありません。気になった課題について、自分で調べに行った、人に話を聞いた、小さくても何かを試したという経験があれば、それを丁寧に書けば十分に伝わります。
今年受けた高3の人へ
2027年度の面接は10月31日に終わり、合格発表は11月11日(水)に郵送(速達)で届きます。合格した場合の入学手続締切は12月18日(金)消印有効です。結果を待つあいだも、一般選抜やほかの入試の準備は止めずに続けておきましょう。結果が出たあとの動き方は年内入試の結果が出たあとにやることにまとめています。
高1・高2のうちにやっておくこと
2028年度入試の要項はまだ出ていないので、日程や書類が今年と同じとは限りません。ただ、今年の流れを見ると、出願は9月、事前課題の公開は8月なので、高3の夏休みは事前課題と志望理由書に集中することになります。それまでにできることを挙げます。
高1の冬〜高2の春
- 英検やGTECなど4技能の試験を一度受け、自分の英語の位置を知る。英検以外の試験は有効期間が決まっているので、出願に使うスコアをいつ取るかを考えておく
- ニュースを見て、気になった社会の課題をノートに書きためる
高2の夏〜冬
- 関心のある課題について新書を読み、関係する統計を官公庁のサイトで探してみる
- 自分の住む地域の課題について、市役所の資料や地域の人の話から情報を集める
- 大学のオープンキャンパスや説明会に参加し、総合政策学部の授業内容を知る
高2の冬〜高3の夏
- 英語資格のスコアを確定させる
- 志望理由書の下書きを書き、何度か直す
- 資料を読んで1000字程度で論じる練習を数本こなし、添削を受ける
参考にした公式情報
- 津田塾大学 学部 総合型選抜(2027年度)
- 2027年度 総合型選抜要項 総合政策学部 総合政策学科(PDF)
- 2027年度 総合政策学科 事前課題 問題用紙(PDF)
- 2027年度総合型選抜などの入試要項公開のお知らせ
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
あわせて読みたい
- 志望理由書のための大学研究(シラバス・先生の研究)
- 事前課題・課題レポートの進め方
- 探究・ボランティアの選び方
- 小論文の資料・グラフ読み取り型
- 立教大学 異文化コミュニケーション学部 自由選抜入試
- 東京都立大学の総合型選抜・学校推薦型選抜
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