日本大学の学校推薦型選抜(公募制)2027年度|商・国際関係・生産工学部の出願条件と日程

この記事は、日本大学の学校推薦型選抜(公募制)を考えている高校生と保護者の方に向けて書いています。日本大学は学部ごとに出願条件も日程も選考内容もかなり違うため、ここでは商学部・国際関係学部・生産工学部の3学部に絞り、2027年度入試の公式の学部別要項で確認した内容をもとに整理します。

今年受ける高3生には「いま何が締切前で、何が終わったか」を、来年以降に受ける高1・高2生には「いつまでに何を整えておけば出願条件を満たせるか」をお伝えします。

日本大学の「公募制」はどんな入試か

日本大学の学校推薦型選抜には指定校制と公募制の2つがあります。大学の説明では、公募制は「学業成績や資格の所持など、学部や短大各学科が定める一定の要件を満たし、高等学校等で推薦を受けた生徒だけが出願できる選抜」とされています。

つまり、指定校推薦のように「その高校に枠があるかどうか」ではなく、学部が決めた条件を満たし、かつ自分の高校から推薦をもらえれば出願できる入試です。高校の推薦書が必要なので、校内で推薦の手続きを受けることが前提になります。

2027年度の公式ページでは、公募制を実施しているのは商学部、芸術学部、国際関係学部、生産工学部、工学部、医学部、歯学部、松戸歯学部、生物資源科学部、薬学部、短期大学部です。法学部や文理学部、経済学部などはこの一覧に入っていないので、「日大の推薦ならどの学部でも受けられる」とは考えないでください。

公募制と指定校制の違い、校内選考の流れは学校推薦型選抜(公募制・指定校制)の仕組みと校内選考で詳しく説明しています。

3学部の日程を並べてみる(2027年度)

同じ日本大学でも、学部によって出願期間が2週間ほどずれています。ここが日大の公募制を考えるときのいちばんの注意点です。

商学部

項目 2027年度
出願期間 11月2日(月)〜11月5日(木)
選考日 11月21日(土)
合格発表 12月4日(金)9時
入学手続締切 12月15日(火)

国際関係学部

項目 2027年度
出願期間 11月2日(月)〜11月5日(木)
選考日 11月14日(土)
合格発表 12月1日(火)
入学手続締切 12月11日(金)

生産工学部

項目 2027年度
出願期間 11月16日(月)〜11月24日(火)
選考日 12月5日(土)
合格発表 12月14日(月)
入学手続締切 12月22日(火)

この記事を書いている11月2日の時点で、商学部と国際関係学部はちょうど出願期間に入ったところで、締切は11月5日(木)です。生産工学部はこれから出願期間が始まります。どの学部も、合格発表から入学手続締切までは10日前後しかありません。一般選抜との併願を考えている人は、この短さを家族と先に共有しておくと慌てずにすみます。

出願条件は学部ごとにまったく違う

日大の公募制で見落としやすいのが出願資格です。3学部を比べると、評定(要項の言葉では「全体の学習成績の状況」)の基準があるかどうかからして違います。

商学部:評定3.8以上+もう1つの条件

商学部は、2027年3月に卒業見込みの人が対象です。2026年3月の卒業生は対象に入っていません。

普通科・総合学科の人は、全体の学習成績の状況が3.8以上であることに加えて、次のいずれか1つを満たす必要があります。

  • 英語の学習成績の状況が4.0以上
  • 地理歴史または公民を8単位以上履修し、その教科の学習成績の状況が4.5以上
  • 商業・情報・家庭(専門教科)を8単位以上履修し、その教科の学習成績の状況が4.5以上
  • 実用英語技能検定2級以上、GTEC(4技能)840以上、TOEIC L&R 470以上のいずれか
  • 生徒会長・副会長、または文化部・体育部の部長を1年間務めた(見込みを含む)

専門学科の人も全体の学習成績の状況3.8以上が必要で、日商簿記2級以上、全経簿記1級以上、全商の各種1級、ITパスポートや基本情報技術者・応用情報技術者、英検2級以上などの資格、または生徒会・部活動の役職経験のいずれかが求められます。

英語の資格を使う場合、英検以外は出願締切から2年以内に受けたものに限られます。GTECはオフィシャルスコアであること、TOEIC-IPは使えないことも明記されています。また、商学部(志望学科)を第一志望とし、合格したら入学を確約できることも条件です。

国際関係学部:評定3.7以上+英語

国際関係学部は、高3の1学期(前期)までの全体の学習成績の状況が3.7以上で、さらに次のどちらかを満たすことが条件です。

  • 英検準2級以上(CBT・S-CBTを含む)、またはGTEC(4技能)680以上(オフィシャルスコア)。2025年1月以降に受けたものに限る
  • 外国語の学習成績の状況が4.0以上

こちらも、第一志望で合格したら入学を確約できることが求められます。英語の資格の水準は商学部より低めですが、受けた時期の指定があるので、古いスコアしか持っていない人は注意が必要です。

生産工学部:評定の基準は書かれていない

生産工学部の公募制は、要項に評定の基準が書かれていません。そのかわり、次のどちらかにあてはまることが出願資格になっています。

  • 本学部の志望学科での学業を強く希望する人
  • 親族などが営む企業(生産工学部の専門領域に関連する産業)の経営者を目指す人、または将来企業経営の道を志す強い意志がある人

第一志望・入学確約が条件なのは他の2学部と同じです。2027年3月卒業見込みの人に加えて、2026年3月に卒業した人も出願できます。資格や受賞歴は必須ではなく、ある人だけ一覧表と証明書を出す形です。

「評定が足りないから推薦は無理」と思っている理系志望の人は、こうした学部ごとの違いを一度きちんと読んでみる価値があります。要項の読み方は募集要項の出願資格の読み方にまとめています。

募集人員と選考方法

募集人員

商学部の公募制は合計50名で、商業学科26名、経営学科14名、会計学科10名です。国際関係学部は国際総合政策学科5名、国際教養学科3名と少人数です。生産工学部は9学科で合計49名、1学科あたり4〜7名です。

国際関係学部や生産工学部のように1学科数名の募集は、学科選びそのものを慎重に考える必要があります。「なんとなく通りやすそう」で選ぶより、その学科で何を学びたいかを書類と面接で説明できる学科を選んだほうが準備がぶれません。

選考方法

3学部とも、書類審査と小論文に加えて、口頭での試験があります。

  • 商学部:書類審査、小論文、口頭試問
  • 国際関係学部:書類審査、小論文、面接
  • 生産工学部:書類審査、小論文(60分・600字以内)、面接

商学部と生産工学部の要項には、合計点で決めるのではなく、それぞれの項目に基準があり、すべてを満たす必要があるという趣旨が書かれています。小論文が良くても面接で基準に届かなければ不合格になりうる、ということです。どれか1つを捨てる作戦はとれません。

商学部と国際関係学部の小論文の字数や時間は、今回確認した学部別要項には載っていませんでした。大学の募集要項で確認してください。

出願書類で書くもの

自分で文章を書く書類も学部で違います。商学部は学修計画書、生産工学部は志望理由書を出します。国際関係学部の公募制の書類は推薦書、出願確認票、調査書と資格の証明書で、自分で書く志望理由の書類は一覧にありません。そのぶん、面接で志望理由を自分の言葉で話せることが大切になります。

学修計画書は「入学後に何をどう学ぶか」を書く書類です。志望理由書と似ていますが、過去の経験よりも大学の4年間の計画に重心があります。商学部なら、商業・経営・会計のどの学科で、どの分野の授業やゼミに関心があるのかまで具体的に書けるよう、学部のカリキュラムを見ておきましょう。大学研究のやり方は志望理由書のための大学研究(シラバス・先生の研究)が参考になります。

小論文と口頭試問・面接の準備

小論文

生産工学部の「60分・600字以内」は、時間に対して字数が少なめです。長く書く力よりも、問いに対して最初に自分の立場をはっきり書き、理由を2つ程度に絞って筋道立てて書く力が求められると考えておくとよいでしょう。600字だと、前置きを長く書くとすぐに字数が尽きます。

練習は、まず制限時間を気にせずに1本書き、次に60分で書き、最後に誰かに読んでもらって直す、という順番がおすすめです。

口頭試問と面接

商学部の「口頭試問」は、志望理由を聞く一般的な面接とは少し性格が違い、学部の学びにかかわる知識や考え方を口頭で問われる場面が想定されます。商業・経営・会計にかかわる基本的な言葉(売上と利益の違い、企業がどう資金を集めるか、など)を自分の言葉で説明できるか、日頃のニュースで気になった企業の話題について考えを話せるかを確かめておきましょう。

国際関係学部と生産工学部の面接では、なぜこの学科なのか、入学後に何を学びたいのかを中心に聞かれると考えて準備するのが基本です。生産工学部で「将来企業経営の道を志す」という資格で出願する人は、どんな業界でどんな会社にしたいのかを具体的に話せるようにしておく必要があります。

高3生へ:11月のいま確認すること

商学部・国際関係学部を考えている人は、11月5日(木)の締切に向けて、推薦書や調査書がそろっているか、英語資格の証明書の原本や写しが手元にあるかをすぐに確認してください。学校の推薦が必要な入試なので、まだ担任の先生に相談していない場合は今日のうちに話すのが先です。

生産工学部は11月16日(月)から出願が始まり、選考は12月5日(土)です。いまから約1か月あるので、志望理由書を仕上げながら、600字の小論文を週に2〜3本書いて直すくらいの練習量は確保できます。

どの学部も「第一志望で入学を確約」が条件です。合格したら一般選抜には進まない前提で出願することになるので、家族とも話し合っておきましょう。

高1・高2生へ:いまから準備できること

来年以降に日大の公募制を考えるなら、いちばん大事なのは評定と英語資格を、出願条件に届く形で早めにそろえておくことです。

評定は「高3の1学期まで」で決まる

国際関係学部の要項には、高3の1学期(前期)までの成績で見ることが書かれています。高3の夏に出願を考え始めても、評定はほぼ決まっています。高1・高2の定期テストがそのまま出願資格になると考えてください。商学部の3.8、国際関係学部の3.7はどちらも、主要科目で取りこぼしが続くと届かない数字です。評定の上げ方は評定平均の上げ方で具体的に紹介しています。

商学部では、全体の評定に加えて「英語が4.0以上」「地歴または公民が4.5以上」といった科目別の条件も選べます。得意科目がはっきりしている人は、その科目の成績を高めに保っておくと選択肢が増えます。

英検は高2のうちに

商学部で英語資格を使うなら英検2級以上、国際関係学部なら準2級以上が目安になります。国際関係学部は2025年1月以降に受けたものという時期の指定があり、商学部も英検以外は出願締切から2年以内という条件があります。毎年の要項で時期の扱いが変わる可能性もあるので、高2の冬から高3の春にかけて取っておくくらいの計画が安心です。

高2の冬からやっておきたいこと

  1. 志望学部の学科一覧とカリキュラムを読み、どの学科で何を学ぶかを決める
  2. 自分の評定と英語資格を、上で紹介したような条件と照らし合わせる
  3. 生徒会や部活動の役職、資格の取得など、出願資格になる経験を整理する
  4. 600字前後の小論文を月に数本書き、時間内に書き切る練習を始める
  5. 担任の先生に、推薦入試を考えていることを早めに伝えておく

日本大学には公募制のほかに総合型選抜もあり、学部によってはそちらのほうが合う人もいます。比べてみたい人は日本大学の総合型選抜の記事も読んでみてください。

参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

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二神大輝