この記事は、明治大学国際日本学部の自己推薦特別入学試験を考えている高校生と保護者に向けて書いています。とくに、来年以降に受ける高1・高2の人が「いつまでに何をそろえればいいか」を逆算できるように、2027年度の入学試験要項で確認できたことを中心に整理しました。今年受けている高3の人に向けた日程の話も途中に入れています。
国際日本学部の自己推薦は、評定・英語資格・活動実績という3つの条件をすべて満たしたうえで出願する方式です。どれか1つでも足りないと出願できないので、高3になってから考え始めると間に合わない条件がある、というところから話を始めます。
2027年度 国際日本学部 自己推薦特別入試のあらまし
まず、要項に書かれている基本の形を表にまとめます。
| 項目 | 2027年度の内容 |
|---|---|
| 募集人員 | 国際日本学科 12名 |
| 評定 | 評定平均値4.0以上(在学中の人は第3学年1学期または前期までの成績) |
| 英語資格 | 英検準1級以上など、指定の試験で基準以上(1種類・1回分を提出) |
| 活動実績 | 高校在籍中の活動で、要項が示す5つの区分のいずれか1つ以上 |
| 第一次選考 | 出願書類による選考 |
| 第二次選考 | 小論文(60分)と口頭試問(20分)。出願書類と合わせて総合的に判断 |
| 試験会場 | 中野キャンパス |
| 併願 | 他大学・他学部との併願は認められている |
要項には第二次選考の配点は書かれていません。小論文と口頭試問のどちらが重いかは公表されていないので、どちらかに寄せた準備をするより、両方を同じ重さで準備するほうが安全です。
なお、国際バカロレアのフルディプロマを取得済み、または2027年3月31日までに取得見込みの人には別の出願資格(イ)があります。この記事では、日本の高校に通っている人が使う出願資格(ア)を中心に説明します。
出願資格を3つに分けて読む
1. 活動実績(高校在籍中のもの)
要項では、高校在籍中の活動として次のいずれか1つ以上に当てはまることが求められています。
- 都道府県以上の規模の大会・コンクールなどでの優秀な成績
- 生徒会活動での目覚ましい活躍
- 英語以外の語学検定や国家資格などの資格の保有
- 学校外での活動での目覚ましい活躍
- その他、国内外での優れた活動実績
「目覚ましい」「優れた」という言葉を見ると身構えてしまいますが、大学のQ&Aでは、成果・実績のレベルに最低基準は設けていないと答えています。本人が説得力をもってアピールできるものであれば出願資格を満たす、という考え方です。どの区分に当たるかも志願者自身が判断します。
一方で、はっきり線が引かれていることもあります。高校入学前の実績や卒業後の実績は認められません。中学時代の受賞は使えないので、高校に入ってから何をしてきたか、これから何をするかが問われます。
また、証明資料は紙で出すものに限られます。Q&Aでは、自作の動画をDVDなどで出すことはできず、ウェブサイトへのリンクも参照しないと書かれています。動画制作やウェブでの発信が活動の中心の人は、活動の中身を紙の資料でどう見せるかを早めに考えておく必要があります。
2. 評定平均値4.0以上
評定は第3学年1学期(または前期)までの成績で見られます。つまり、高1・高2の成績がそのまま大きな割合を占めます。高3の1学期だけで平均を大きく上げるのは難しいので、高1の2学期・3学期の定期テストから意識しておくのが現実的です。苦手科目の提出物や小テストも評定に入る学校が多いので、テストの点だけで考えないことも大切です。
3. 英語資格(1種類・1回分)
2027年度の要項で示されている基準は次のとおりです。2024年9月10日以降に受験したものが対象です。
| 試験 | 基準 |
|---|---|
| 実用英語技能検定 | 準1級以上 |
| TEAP(4技能パターンのみ。CBTは不可) | 309以上 |
| TOEFL iBT(Home Editionは不可) | 2026年1月20日以前の受験は72以上、1月21日以降の受験は4以上 |
| IELTS(アカデミック・モジュール) | 5.5以上 |
| TOEIC L&R及びS&W | L&Rで785以上かつS&Wで310以上(片方だけの提出は不可) |
| GTEC(CBTタイプ) | 1180以上 |
| ケンブリッジ英語検定 | 160以上 |
Q&Aでは、提出できるのは1種類・1回分だけで、複数を出すことはできないとされています。また、どの試験を選んでも有利・不利はないと書かれています。自分が点を取りやすい試験を選んでかまいません。
注意したいのは有効期間です。2027年度は「2024年9月10日以降」が対象なので、今の高3にとっては高1の夏以降の受験が使える計算になります。来年度以降の基準日は、その年度の要項が出るまでわかりません。高1で準1級に受かっても、受験年度の基準日より前だと使えない可能性があるので、高2以降にもう一度受ける前提で計画しておくと安心です。英検の取り方の時期については英検はいつまでに、どの水準でも参考にしてください。
2027年度の日程と、今日(11月2日)時点の状況
2027年度入試の日程は次のとおりです。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026年9月7日〜9月10日 | 第一次選考の出願(消印有効、国外からは必着) |
| 2026年11月2日〜11月8日 | UCAROの出願連携 |
| 2026年11月9日 | 第一次選考の合格発表(UCAROで午前10時以降) |
| 2026年11月9日〜11月13日 | 第二次選考の出願(消印有効) |
| 2026年11月28日 | 第二次選考(中野キャンパス) |
| 2026年12月8日 | 第二次選考の合格発表(UCAROで午前10時以降) |
| 2027年1月14日〜1月22日 | 入学手続 |
今年受けている高3の人は、今まさにUCAROの出願連携の期間に入っています(11月8日まで)。11月9日の第一次発表のあと、第二次の出願は13日までと短いので、検定料の振込や書類の準備は発表前に段取りを決めておくと慌てずにすみます。第二次選考まではおよそ3週間です。この期間は小論文を時間を計って書くことと、出願書類を読み返して口頭試問で聞かれそうなことを洗い出すことに時間を使ってください。
9月出願で発表が11月という流れは、高1・高2の人にとっても大事な情報です。出願書類は高3の夏休み中に仕上げることになり、英語資格も評定も、その時点でそろっていなければなりません。
提出書類で何を書くのか
第一次選考は書類だけで決まります。要項で求められている主な書類は次のとおりです。
- 志望理由書(大学指定の書式、自筆・日本語):国際日本学部で学びたいことと自分の将来像
- エントリーシート(大学指定の書式、自筆・日本語):出願資格の活動実績のうち、自分が当てはまる活動について
- 活動実績を証明する資料(指定書式の表紙を付ける)
- 調査書、英語資格の証明書類 など
志望理由書とエントリーシートの字数は要項本文には書かれていないので、指定書式の大きさを見て書く分量を決めることになります。実際の設問文も指定書式で確認してください。
活動実績の証明資料は、種類・内容・枚数に制限はありませんが、資料の量で合否が決まるわけではないと要項に書かれています。賞状や新聞記事、活動報告などを何十枚も集めるより、エントリーシートで語る活動を裏付ける資料を選んで出すほうが、読む側にとってもわかりやすくなります。再発行できない資料は写しで出してかまいません(原本証明は不要)。
志望理由書は「日本と世界をつなぐ」とどう結びつくか
要項には、学部が求める人物像として「日本と世界をつなぐ」というキーワードが示されています。日本の文化・社会への理解に加えて、世界各地域の文化・社会についての教養と、英語・日本語による発信力を備えた人、という説明です。
ここから考えると、志望理由書で大切なのは「日本が好き」「海外に興味がある」で止めないことです。たとえば、地域の祭りの運営にかかわった経験があるなら、その祭りを海外から来た人にどう伝えたか、伝わらなかったことは何か、そこから大学で何を学びたいか、という順番で書くと、学部の言葉と自分の経験がつながります。
大学で学びたいことを具体的にするには、学部のカリキュラムや教員の研究内容を一度は読んでおきたいところです。調べ方は志望理由書のための大学研究(シラバス・先生の研究)で説明しています。
エントリーシートは「何をしたか」より「どう取り組んだか」
エントリーシートは活動実績について書く書類です。入試の趣旨として、要項には「一つの正解を問う学力試験ではなく、志願者が主体的に取り組んできた成果を評価」するという考え方が示されています。結果の大きさだけでなく、自分で決めて動いた部分がどこだったかを書けるようにしておきましょう。うまくいかなかったことや、途中でやり方を変えたことも、書き方しだいで十分な材料になります。
第二次選考:小論文60分と口頭試問20分
小論文
小論文は60分です。過去の問題は大学のホームページで公開されており、Q&Aでは、ホームページで公開している情報がすべてで、キャンパスでの追加閲覧はできないとされています。まずは公開されている過去問を読み、どんな素材が出て、何を求められているかを自分の目で確かめてください。
60分という時間は、資料を読み、考え、書いて見直すには余裕がありません。練習では最初から時間を計り、「読む・メモする・書く」の配分を自分なりに決めておくと本番で崩れにくくなります。小論文の基本の型は総合型の小論文の書き方で説明しています。
口頭試問
口頭試問は20分です。Q&Aでは、質問の内容には答えられないとしたうえで、想定した質問だけでなく想定外の質問にも落ち着いて対応できるよう、学部について十分に調べて準備するよう案内しています。
「口頭試問」という名前なので、面接より知識や考えを問われる場面があると考えておいたほうがよいでしょう。自分の志望理由書とエントリーシートに書いた言葉について、「それはどういう意味か」「なぜそう考えたのか」と聞かれても答えられるように、書いた内容を一文ずつ説明する練習をしておくと準備になります。面接の基本は面接対策にまとめています。
学年別:いつ何をしておくか
高1(今の11月〜高2の春)
- 2学期・3学期の定期テストで評定を落とさない。4.0は高1からの積み重ねで決まります。
- 英語は、まず英検2級レベルを固め、準1級を視野に入れた学習を始める。
- 高校在籍中の活動しか使えないので、部活・生徒会・校外活動のうち、続けられそうなものを1つ決める。
高2(来年4月〜高2の冬)
- 英語資格を受け、基準に届くかを確認する。届かなければ高3の夏前までに何回受けられるかを数えておく。
- 活動の記録(日付、やったこと、写真、資料)を残しておく。後から集め直すのは大変です。
- 大学のオープンキャンパスや学部の公開情報で、何を学べる学部かを調べ始める。
高3(4月〜9月の出願まで)
- 1学期の成績で評定が確定するので、1学期の定期テストは大事です。
- 夏休みに志望理由書とエントリーシートを書き、学校の先生にも読んでもらう。
- 9月上旬の出願に向けて、調査書の発行を学校に早めに頼んでおく。
併願と入学手続について
要項とQ&Aによると、この入試は専願ではなく、他大学・他学部との併願が認められています。ただし、本学部での勉学を強く希望する人のための入試とされており、合格したら入学することが前提です。そのうえで、入学の確約を求めるものではないとも説明されています。
入学手続は2027年1月14日から1月22日までで、一括納入のみ、期間後の手続きは認められません。一般選抜を併用する人は、ほかの大学の発表日と照らし合わせて手続の判断をすることになります。第二次選考の準備をしながら一般選抜の勉強も止めないことが、結果がどちらに転んでも困らない進め方です。
同じ明治大学でも、学部によって自己推薦の条件はかなり違います。たとえば農学部は志望学科を専願とすることが出願資格に入っていますし、文学部は評定や書類の形がまた違います。比べてみたい人は明治大学 農学部の自己推薦特別入試の記事も参考にしてください。
参考にした公式情報
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
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