立教大学観光学部の自由選抜入試【2027年度】2,400字の課題作文と小論文の準備

この記事は、立教大学観光学部の自由選抜入試を考えている高校1・2年生と保護者の方のために書いています。観光学部の自由選抜入試では、出願時に2,400字程度の課題作文を出し、2026年度の第2次選考では小論文も課されました。大学が公開している2027年度の出願書類と、2026年度の問題・出題意図をもとに、何が求められているのか、今から何を準備すればよいのかを説明します。

今年受けている高3生の方は、第2次選考の合格発表が2026年12月7日(月)11:00の予定です。

観光学部で学べることを先に確認する

観光学部は新座キャンパスにあり、観光学科と交流文化学科の2学科があります。大学の学部紹介では、観光学科は新しい観光ビジネスや地域振興を生み出す人を育てる学科で、「観光産業の経営」と「地域の計画」について専門知識と分析能力を身につけるとされています。交流文化学科は、観光を通じて新しい社会や文化を構想できる人を育てる学科で、「文化交流」と「地域社会と観光」について学びます。

学部としては「ビジネス」「地域社会」「文化現象」の3つの視点から観光を見ることを特色にしています。3年次の選抜試験に通れば4年次から学部に在籍したまま大学院の履修を始められ、入学から通算5年で学士と修士を取れる大学院特別進学制度もあります。

ここを先に読んでおくのは、課題作文でも面接でも「観光をどの視点で学びたいのか」がはっきりしているほうが書きやすく、話しやすいからです。ホテルや旅行会社で働きたいのか、地域の観光を立て直したいのか、観光が文化や人の意識をどう変えるかに関心があるのか。自分の関心が2学科のどちらに近いかを、まず考えてみてください。

観光学部が求める学生像

観光学部の入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)には、意外に思える点がいくつか書かれています。

  • 入学前に観光の専門知識は必要ない。高校のどれかの教科で優れた力を持ち、多様な文化に関心があることが望ましい
  • 調査・分析・発表・議論に必要な日本語の力と、英語の4技能を高校までに身につけておくこと
  • 多様な人と関係を築き、協力して作業できること。生徒会、部活動、行事の運営、ボランティアなど集団での協働経験
  • 海外渡航の経験は必要ない

「観光学部だから旅行経験が豊富でないと」と考える人は多いのですが、方針を読む限り、見られているのは知識や経験の量より、ものごとを調べて考え、人と協力して形にする力です。自由選抜入試の合格者には、教員が選んだ推薦図書のリストが送られ、入学前の学習が勧められていることも方針に書かれています。

出願書類の中心は2,400字程度の課題作文

大学の「特別入試 出願書類」ページで、観光学部の欄に載っている大学所定の書類は課題作文表紙だけです。ほかの多くの学部が志望理由書の様式を指定しているのに対し、観光学部の所定様式は課題作文だけです。志望理由にあたる内容も、課題作文の中で伝えることになります(調査書など大学所定でない書類は入試要項で確認してください)。

2027年度の課題作文表紙によると、出願資格は資格Ⅰ〜Ⅳに分かれ、資格ごとに課題が違います。どれも2,400字程度です。

資格 課題作文で求められること(要旨)
資格Ⅰ 観光関連産業の経営、または観光による地域活性化のどちらかについて、問題意識や将来構想を持った経緯と、入学後の学習・活動計画
資格Ⅱ 観光関連産業の経営を継ぐと決めた経緯と、経営を通じて社会に貢献したい思い、その実現に向けた構想と課題。継ぐ企業・組織の名称と概要も書く
資格Ⅲ 観光が社会・文化や人々の価値観に与える影響について、具体例を挙げて考察する
資格Ⅳ 海外での経験が観光学部への入学意欲につながった理由と、入学後の計画

各資格に出願できる条件そのもの(評定や活動の要件など)は、2027年度の入試要項で確認してください。この記事では、公式の書類で読み取れる課題の中身だけを書いています。

形式は、手書きでもパソコンでもかまいません。手書きならA4判・横書き・20字×20行の原稿用紙に黒か青のボールペン(消せるペンは不可)、パソコンならA4判・横書き・40字×30行です。どちらの場合も本人が作成することが条件です。評価は、作文の内容、論理的構成力、文章表現力などを総合して行うと書かれています。

課題作文で気をつけたいこと

2,400字は、原稿用紙なら6枚です。志望理由を思いつくままに書くと、同じことのくり返しになりやすい長さでもあります。資格Ⅰ・Ⅳは「経緯」と「入学後の計画」の2本立てなので、前半で何がきっかけでどう考えが変わったかを書き、後半で観光学部の授業や研究とつなげて計画を書く、という組み立てが基本になります。資格Ⅱは、継ぐと決めた経緯と、経営を通じて実現したいことの構想と課題が中心です。

資格Ⅲは性格が違い、志望理由ではなく考察の文章です。具体例を1〜2個に絞り、観光によって地域の暮らしや文化、人の考え方がどう変わったかを、良い面と難しい面の両方から論じる必要があります。ニュースで見た話を並べるより、自分で現地を歩いたり、地元の人に話を聞いたりした例のほうが説得力が出ます。話を聞く手順は高校生が取材・インタビューをする手順で紹介しています。

選考の流れと、公開されている小論文の形式

立教大学の自由選抜入試は第1次選考と第2次選考の2段階で行われます。2027年度は第1次選考の合格発表が2026年10月30日(金)11:00、第2次選考の合格発表が2026年12月7日(月)11:00です。大学のQ&Aでは、出願書類、筆記試験、面接試験等のすべてに力を入れるよう案内されており、評価方法の内訳は公表されていません。

筆記試験は、大学が2026年度の観光学部の小論文と出題意図を公開しています。日本語の文章を1編読み、要約したうえで自分の考えを論じる1問の構成で、論述部分は800字程度の指定でした。読む文章は観光そのものではなく、時間の感覚が社会や経済の変化とともにどう変わってきたかという、歴史に関わる文章で、それを踏まえて現代の観光と時間の関係を論じる形でした。

出題意図には論理的構成力、分析力、文章表現力、基礎的学問知識が挙げられています。観光の知識を問うのではなく、社会や歴史についての文章を読み、筋道を立てて自分の考えを書けるかが見られていると読み取れます。2027年度に同じ形式で出るとは限りませんが、準備の方向としては「社会・歴史・文化の文章を読んで要約し、意見を書く」練習が合っています。小論文の基本的な進め方は総合型の小論文の書き方にまとめています。

併願のルール

大学のQ&Aによると、自由選抜入試の中で2つ以上の学部・学科に出願することはできません。観光学部の観光学科と交流文化学科を両方受けることも、経営学部と観光学部を両方受けることもできません。試験日が重ならない立教大学のほかの入試や他大学との併願は可能です(帰国生入試は試験日が2日間のため併願不可)。経営学部の自由選抜入試については立教大学経営学部の自由選抜入試で書いています。

高1・高2の今からやること

いまの高2生は2028年度入試、高1生は2029年度入試を受けることになります。毎年、大学の「入試の主な変更点」と入試要項で内容が変わっていないか確認したうえで、次の順で準備を進めてください。

高2の11月〜3月:関心のある観光の「現場」を1つ決める

課題作文のどの資格で出すにしても、具体的な経験や観察がないと2,400字は埋まりません。地元の観光地、商店街のイベント、外国人観光客の増えた場所など、自分が何度も通える現場を1つ決めて、季節ごとに見に行くことから始めましょう。気づいたことはその日のうちにメモに残します。探究の時間やボランティアと結びつけるやり方は探究・ボランティアの選び方で書いています。

あわせて、観光学部の教員の研究や授業内容を調べ、自分の関心と重なる分野を探しておきます。大学のWebサイトで観光学科・交流文化学科の授業や教員を読み比べると、2学科の違いがよく分かります。

高2の春〜高3の夏:英語と文章力を同時に伸ばす

アドミッション・ポリシーには英語の4技能が挙げられています。自由選抜入試の出願資格に英語のスコアが関わるかどうかは資格ごとに要項で確認が必要ですが、入学後の学びを考えても、英語は続けておいて損はありません。立教大学は2028年度入試からGTECのCBTタイプを使えなくすると予告しているので、スコアを出願に使う可能性がある人は受けるタイプに注意してください。

文章力は、月に2〜3本、新聞や新書の文章を読んで200字の要約と600字程度の意見を書く練習を続けるのが確実です。題材は観光に限らず、歴史・地域・文化・経済と広くとってください。

高3の4月〜夏:資格を決めて課題作文を書く

入試要項が出たら、資格Ⅰ〜Ⅳのどれに当てはまるかを確認し、課題作文に取りかかります。2,400字は一度で仕上がる長さではありません。7月中に初稿、8月に2回以上直すくらいの余裕を見ておくと安心です。直すときは、課題の問いに一つずつ答えているかを、設問の文と照らし合わせて確かめてください。

今年受けている高3生へ

第2次選考の合格発表は12月7日です。結果を待つ間も一般選抜の勉強は続けておきましょう。立教大学の一般入試については立教大学の一般選抜にまとめています。

参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

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二神大輝