日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学)を併願校として受ける高校生・既卒生と、その保護者の方へ。受ける大学は決まったのに、どの日程を、どの方式で出すかで止まっている人のために書きました。科目の中身は日東駒専の英語は何が問われるかに譲り、ここでは日程・方式の選び方だけを扱います。材料は自作の入試対策読本(私大グループ別の傾向分析と、東洋大学の前期問題冊子 約150冊の分析)です。
入試制度・日程・配点は毎年変わります。ここに出てくる制度の話は読本の分析時点のものです。出願の判断は自分が受ける年度の募集要項で必ず確認してください。
「大学を決めた」だけでは、対策は決まらない
日東駒専には共通の性格があります。読本の分析では、語彙・文法の独立小問が英語全体の3〜5割を占め、長文は平易〜標準の時事・教養記事。全問マークが基本で、記述・英作文は専修大学の文学部E方式などの例外を除いてありません。
ここまでは「どこも同じ」に見えますが、方式と日程の単位まで降りると話が変わります。4大学はいずれも入試方式の種類が多く、全学部共通の統一型、学部ごとの個別型、共通テストの点数で判定する型、同じ試験を受けながら配点の計算だけが違う型が並びます。
そして決定的なのが、同じ大学でも日程が違えば問題そのものが違う場合があることです。東洋大学の約150冊を照合すると、同じ年度・同じ試験日なら、学部・学科・3教科型か4教科型かにかかわらず問題は一字一句同じでした。英語・日本史・世界史・地理・政治経済・文系数学・物理・生物の8科目で確かめました。一方、試験日が違えば完全に別の問題で、2月8日と2月11日の日本史はまったく別物でした。つまり「東洋大学の過去問」という言い方には意味がなく、あるのは「2月9日の過去問」です。
大学ごとの方式の型を、読本の範囲で整理する
以下は読本の分析対象に書かれている範囲です。名称や実施の有無は年度で変わるので、必ず募集要項で確認してください。
日本大学 ― 全学統一型と学部別型が並立
分析データは40パッセージ(2023・2025年度/N全学統一方式・学部別A方式ほか多学部)。N方式は文法・語彙小問3セット+長文+会話文+整序の7〜8大問のオールマーク速解型。学部別A方式も全マークで、大問の並びと小問数が学部ごとに違うだけの同系統でした。
東洋大学 ― 日程が先、方式は配点の計算方法
- 2027年度は15学部(文・経済・経営・法・社会などの14学部に環境イノベーション学部が新設)
- 一般選抜の前期は2月8日から11日の4日間で、日ごとに実施学部が決まっています。後期は3月上旬、共通テスト利用は前期・中期・後期と別枠
- 試験は1時限60分で1科目、全問マーク、1科目100点が基本(方式により特定科目を2倍)
- 同一試験日に複数学科・専攻を併願でき、試験日が異なる入試とはすべて併願できます
方式は「どの科目を重く見てもらうか」の選択です。文学部の前期なら3教科均等配点(300点)に加え、最高得点・英語重視・国語重視・4教科均等(いずれも400点)が並びます。学部により理系科目を軸にした方式や、数学・理科・地歴公民から選べる方式もあります。考え方は一つで、最も得意な科目が2倍になる方式を探すこと。複数方式に出願できる場合が多く、得意が明確なら均等配点と重視型を両方出すのが定石です。前期には英語外部試験スコアを使える制度もあります。
駒澤大学 ― 同じ大学に形式の違う2系統
分析データは51パッセージ(2021〜2023年度/T方式・全学部統一・グローバル・メディア・スタディーズ)。
- T方式・全学部統一:長文2本+図表付き読解1本+会話文+語彙定義・熟語・整序・アクセントの大問8〜10構成。語彙文法の比重が約半分
- グローバル・メディア・スタディーズ:別形式で、長文3本+報道記事の語句補充+会話文補充の読解中心5大問
専修大学 ― マーク定型と記述型が同居
分析データは42パッセージ(2022〜2024年度/経済各方式・商・国際コミュニケーション・文E方式)。経済・商・国際コミュ系は長文2〜3本+会話文+語句整序のマーク定型。一方文学部E方式だけは、長文1本+日本語要約160字+英文メール返信の記述重視で別物です。ここを志望する人だけは、要約と英作文の練習を別立てで用意してください。
過去問は「学部別」ではなく「日程別」に集める
東洋大学前期の独自問題は、科目ごとに「年度×日程」の数だけしか存在しません。文学部哲学科と、同じ日に試験がある経済学部の過去問を解くのは、同じ問題を二度解くことです。
- 自分が受ける日程(たとえば2月9日)の問題を学部を問わず集める。同じ日の別学部の冊子は重複なので1冊でよい
- その日程の直近3年分を、時間を計って解く
- 複数日程を受けるなら日程の数だけ演習量が必要。2日程なら6セット、3日程なら9セットが目安
- 形式は日程をまたいで共通なので、足りなければ他の日程で形式慣れを補う
例外もあります。数学は文系用と理系用の2系統で、同じ日でも別冊子。2022年度には2月8日の文系数学が2月10日でもそのまま使われた例があり、日程をまたいだ使い回しも起こります。化学は学部によって別冊でした。なお地歴・公民、数学、理科は多くの日程で一つの冊子に同居して印刷され、試験時間は「選択科目全体で60分」ではなく「自分の1科目で60分」です。
東洋大学の中身を、実測値で見ておく
英語を例に数字で示します(分析対象:2022〜2024年度25冊、実質13種類)。
- 全問マーク、60分、100点。記述・発音・自由英作文なし。解答数は37〜45
- Ⅰ・Ⅱ 長文読解:各600〜700語、設問9〜14問
- Ⅲ 文法語法:単文空所補充8〜12問/Ⅳ 会話文:選択肢8〜9個から空所補充5〜7問
- Ⅴ 整序英作文:6〜7問、日程により有無
配点の半分以上を長文が占め、60分で45問前後を処理します。時間配分の目安はⅢ文法6分→Ⅳ会話5分→Ⅴ整序6分→Ⅰ長文19分→Ⅱ長文19分→見直し5分。目標は素点7割で、内訳は文法・会話・整序で9割、長文で6割。英語重視方式なら8割です。
日程差が出るのが大問Ⅴです。2022年度の整序英作文は2月8日・11日のみ、2023〜24年度はほぼ全日程に入り、5題構成が標準になりました。2022年度の4題構成を解くときは、Ⅴがある前提で時間を厳しめに。また2024年度に出題の質が変わった科目もあります。2024年度以降を必ず1セットは解く理由です。
日程を選ぶときの、5つの判断基準
① 出題の形が自分に合うか
上で見たとおり、同じ日東駒専でも処理すべき設問数がかなり違います。判断は単純で、候補の過去問を1セットずつ時間を計って解き、点数ではなく「時間内に最後まで到達できたか」を見る。ここは直前期に最も伸ばしにくい部分です。
② 本命との日程の間隔
見るのは2点。本命の直前に、形式の近い試験を1つ置けるか。本番の空気で時間配分を試せます。もう一つは本命の直後に詰めすぎていないか。切り替えの準備時間が取れません。東洋の前期は2月8日から11日に集中し、後期は3月上旬、共通テスト利用は別枠。同じ大学に時期の違う入口が複数ある前提で組めます。
③ 移動時間と連日受験
埼玉県西部から都内へ通うなら、往復の移動時間はそのまま学習時間から引かれます。東洋大学の同一試験日に複数学科・専攻を併願できる仕組みを使えば、受験日数そのものを減らせます。基準は3つ。
- 連続は2日までを基本線にし、3日目に何をするかを先に決める
- 会場までの経路を、出願前に時刻表で確認する
- 連日になる2日は、形式の近い試験にそろえる。マーク中心の翌日に記述中心を置くと、切り替えのコストが余計にかかります
④ 科目の配点
同じ学科でも方式で満点が変わります。得意科目が1つ突出しているなら重視型、全体が平らなら均等配点が原則。選択科目の組み合わせも効きます。東洋大学が公表した2026年度前期3教科均等配点(300点満点)の合格最低点では、経済学部経済学科の「英国数」と「英国地公」で13点の差がありました。ただし調整後の点数として公表された数字なので素点の目標には使えず、用途は組み合わせの比較だけ。最新の入試結果と募集要項で確認してください。
⑤ 共通テスト利用と一般をどう組み合わせるか
東洋大学の共通テスト利用は前期・中期・後期と別枠です。つまり結果が出た後にも出願できる枠が残る設計です。
- 共通テスト前に出す枠(一般の日程、共通テスト利用の前期):手応えが分からない段階で出すので、「確実に押さえる」役割に厚く配分する
- 共通テスト後に出す枠(共通テスト利用の中期・後期、一般の後期):自己採点を見てから決められるので、調整弁として残す
後出しの枠を使い切るか残すかで、1月中旬以降の選択肢の広さが変わります。制度の全体像は共通テスト利用入試のしくみに。実施の有無と締切は年度で変わります。
連日受験になるときの、1日の段取り
前日にやること
- 受験票・筆記用具・時計・上着を1か所にまとめる。当日の朝に探す物をゼロにする
- 経路と出発時刻を1行でメモする
- 翌日の大問構成と時間配分を1回だけ確認する。東洋の英語なら「文法6分、会話5分、整序6分、長文19分ずつ、見直し5分」。新しい問題は解かない
- 持っていく教材を1冊だけ選ぶ。会場で開くのは何度も見た知識のページに限る
当日と、翌日への切り替え
- 開場時刻に合わせて着く計画にする
- 開始前にやることを決めておく。大問の順番の確認、時計を机に置く、マーク位置をそろえる
- 翌日も試験がある日は、その日のうちに自己採点をしない。できなかった分野はメモに書いて一度手放し、次の形式の確認を優先します
受験期の過ごし方がうまく回らない状態が続くときは、学校の先生や保護者の方、専門の相談窓口に相談してください。
併願の組み方 ― 役割で考える2パターン
大学名ではなく「本命」「実力相応」「確実に押さえる」という役割で組みます。全体の考え方は併願校の決め方を先にどうぞ。
パターンA:本命が国公立の場合
- 共通テスト利用で「確実に押さえる」役割を先に決める。自己採点を見てから出せる枠を確認する。一般で受ける日数を減らせます
- 2月上旬に「実力相応」を1〜2日置く。マーク中心の私大と記述中心の二次は形式が違うので、「会場で時間内に解き切る練習」と割り切る
- 国公立前期の直前1週間は空ける。ここを埋めると記述練習が止まります
- 後期の枠は、使わずに残す選択肢も持っておく
パターンB:本命が私大の場合
- 本命の1週間前までに「確実に押さえる」役割を1つ終わらせる
- 本命の直前3〜5日に、形式の近い「実力相応」を1日置く。形式がそろっていないとリハーサルになりません
- 本命の翌日は空ける。手応えを引きずったまま次に入ることになります
- 本命の後にもう一度「実力相応」を置く。出願の設計が一発勝負になりません
検定料と締切を、どう管理するか
金額は扱いません。管理のしかただけです。日東駒専は方式が多いぶん出願の「枠」が増えやすく、枠の数がそのまま検定料の合計と締切の数に跳ね返ります。
- 1枚の表を作る。列は「大学/学部・学科/方式/試験日/出願開始日/出願締切日/必要書類/支払い方法と入金期限」。入金期限は出願締切と別の場合があります
- 締切日ではなく「出す日」を自分で決めて書き込む。締切の3日前を自分の締切にする。当日に出す前提だと、書類の不備で詰みます
- 検定料の合計を表の下に出す。枠を増やすかは、金額を見てから保護者の方と決めます
- 「共通テスト後に決める枠」だけ色を変える。自己採点後にこの行だけ見直します
表は保護者の方と共有できる形に。確定のタイミングは出願校をいつ確定させるかで扱いました。締切と必要書類も、自分が受ける年度の募集要項で確認してください。
過去問を、どの順番で解くか
量は上のとおり(自分の日程の直近3年分が本体、2024年度以降を必ず1セット)。解く順番はいちばん早い試験日の日程からです。学部別に並んだ過去問集を順に解くと、この順番は崩れます。
1セットごとに、点数の前に「時間内に最後まで到達できたか」「知識系の大問で何割取れたか」を記録してください。知識系が9割に届かないなら、長文より先にそこを固めます。科目ごとの傾向は東洋大学 一般選抜 全科目の傾向と対策、日程と方式の詳細は東洋大学の日程と方式の違いにあります。
まず、受ける日程を1つ決めるところから
よくないのは、「日東駒専も受ける」という状態のまま12月を迎えることです。大学だけ決まって日程が決まっていないと、過去問も方式も検定料の見通しも立ちません。逆に日程を1つ決めれば、解くべき過去問がその場で確定します。制度は毎年変わりますから、出願の前に、自分が受ける年度の募集要項で必ず確認してください。
EIMEI予備校の川越校舎は、川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。2026年6月に開校しました。日程の並べ方の相談は、模試の成績表と受験校の候補リストをお持ちいただくと早く進みます。
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- 東洋大学の日程と方式の違い ― 前期・後期・共通テスト利用
- 東洋大学 一般選抜 全科目の傾向と対策
- 併願校の決め方 ― 役割で組む併願の考え方
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- 共通テスト利用入試のしくみ ― 一般との組み合わせ方
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