こんにちは、EIMEI予備校の二神です。
この記事は、川越とその周辺の高校に通っていて、「どこを併願すればいいのか」が決まらない高3生・既卒生と、その保護者の方に向けて書いています。第一志望は決まっているのに、2校目から下が偏差値表を眺めるだけで進まない――という状態を、数えられる基準で終わらせるための記事です。
結論を先に書きます。併願校は「偏差値の並び」ではなく「過去問のセット数」で決めてください。同じ大学を2つ受けても対策がまったく増えない組み合わせと、1つ足しただけで演習量が3年分×科目数ぶん増える組み合わせがあります。この差を知らずに出願すると、受験校が増えるほど1校あたりの仕上がりが落ちていきます。
まず、併願を決める順番を固定する
順番を間違えると、何度やり直しても決まりません。次の順で決めてください。
- 第一志望の学部・学科・日程・方式を1行で確定させる(「中央大学 経済学部 経済学科 2月◯日 一般方式」まで書く)
- その日程の過去問が何セットあるかを数える(これが対策の「基準量」になります)
- 基準量が増えない併願を先に全部拾う
- そのうえで、基準量が増える併願を何個まで許すかを決める
- 最後に日程表に並べて、連続受験と移動を調整する
多くの受験生は3番を飛ばして4番から始めます。タダで増やせる合格機会を取りこぼしたまま、負担の重い併願だけを積んでいる状態です。
「対策が重なる併願」と「対策が増える併願」の見分け方
EIMEIでは、東洋・青山学院・中央・東京電機・学習院・法政・慶應・明治・立教・埼玉・成蹊・早稲田の12大学について、過去の問題冊子を1冊ずつ通読して大学別の入試対策読本にまとめています。冊子を機械的に突き合わせていくと、大学の「問題の作られ方」は大きく3つの型に分かれました。ここが併願設計の土台です。
型A|試験日で問題が決まる大学(同じ日=同じ問題)
この型の大学では、同じ試験日なら学部・学科が違っても解く問題が同じです。つまり同じ日に何学科出願しても、対策はまったく増えません。
- 東洋大学…約150冊を突き合わせた結果、同じ年度・同じ試験日なら学部・学科が違っても問題は一字一句同じでした(数学は文系用・理系用で別)。試験日が違えば、まったく別の問題です
- 東京電機大学…英語・数学・理科(物理・化学)は同じ日なら学部が違っても同一の冊子。2022〜2024年度の15日程分で、日をまたいだ使い回しは一つもありませんでした。しかも1日に最大4学科・学系を併願できます
- 法政大学…問題冊子の表紙の3桁番号が日程を表し、同じ番号なら学部が違っても同じ問題、違う番号なら完全に別問題です。T日程(2月5日)は14学部が同じ問題(冊子205)を解きます
見分け方の質問:「自分の受ける日に、同じ問題を解く学部・学科は他にありますか?」——答えがイエスなら、そこは追加ゼロで足せる併願です。
型B|1回の試験で複数の判定を受けられる仕組み
試験そのものが1回でも、出願の仕方で判定が複数になる大学があります。
- 中央大学の学部別選抜…一般方式・英語外部試験利用方式・共通テスト併用方式の3つは、同じ日に同じ問題を解きます。要項にも「一般方式と同一試験」と明記されており、1回の試験で3通りの判定を受けられます
- 法政大学の英語外部試験利用入試…T日程と同じ2月5日・同じ問題冊子(205)です。T日程を受けるなら、追加の対策なしで組み合わせられます
- 東洋大学の方式…3教科均等配点(300点)のほか、英語重視・国語重視・最高得点重視(得意科目を2倍にして400点)などがあります。同じ学科に複数方式で出願できる場合が多く、得意科目がはっきりしている人は均等配点と重視型を両方出すのが定石です
- 学習院大学のプラス試験…「他学部のコア試験日に、そのコア試験と同じ問題で選抜を行う」仕組みです。冊子の表紙にも(01コア・05プラス)のように併記されており、プラス試験を受けるなら、対応するコア試験の過去問を解けば足ります
ここは「受験料は増えるが、勉強量は増えない」領域です。受験料と合格機会のトレードオフだけで判断できるので、保護者の方と相談しやすい部分でもあります。
型C|学部ごと・日程ごとに別問題の大学(ここが負担になる)
逆に、足すたびに演習量が積み上がるのがこの型です。
- 中央大学…学部ごとに問題が違います。同じ年度に二つの学部が同じ問題を使っていた例はありませんでした。5学部共通選抜と学部別選抜も、まったく別の問題です
- 法政大学のA方式…日程ごとに別問題です。冊子207と208、209と212は、同じA方式でも内容がまったく違いました
- 青山学院大学の個別学部日程…学部ごとに日も内容も別で、和訳・計算過程・論述など記述が入ります。全学部日程が全問マークシートで記述が一切ないのと対照的です
- 成蹊大学…A方式は学部ごとに別問題、E方式(2教科型全学部統一)は全学部共通。A方式とE方式の間に共通の問題はありません
- 東京電機大学…同じ日なら対策は増えませんが、日を増やすと増えます。英語は2月1日・2日(TypeA)と2月3〜5日(TypeB)で大問3・4の形式が変わります
見分け方の質問:「その併願先の過去問は、いま自分が解いている過去問と別冊ですか?」——イエスなら、直近3年分×科目数の演習が丸ごと追加されます。
大学別の詳しい問題の作られ方は、東洋大学の傾向と対策、法政大学の傾向と対策、中央大学の傾向と対策にまとめています。併願先が決まったら、その大学の記事を読んでから過去問に入ってください。
受験校数は「校数」ではなく「セット数」で決める
「何校受ければいいですか」という質問には、校数では答えられません。過去問の総セット数で考えてください。計算はこうです。
セット数 = 別問題になる日程・冊子の数 × 3年分 × 受験科目数
具体例を挙げます。
- 東洋大学を3日程受ける → 3日程×3年=9セット(同じ日の別学部は重複なので集めなくてよい)
- 東京電機大学で同じ学科を2日受ける → 3科目×3年×2日程=18セット
- 東京電機大学で同じ日に4学科出す → 追加0セット
この計算を併願先ぜんぶで足して、12月までに終わる量かどうかで判断します。終わらない量なら、受験校を減らすのではなく、まず型C(別問題)の併願を型A・型B(同じ問題)の併願に置き換えられないかを探してください。
EIMEIの目安は、別問題のセットは1年分あたり2〜3時間(復習込み)です。9セットなら20〜27時間、18セットなら40〜54時間。ここに他教科の演習と学校の予定が乗ることを考えると、11月から本番まででこなせる「別問題」は、多くの生徒で5〜7種類が上限です。それ以上は、解いただけで復習が終わらない状態になります。
日程の組み方|連続受験を避ける3つのルール
合格機会を増やしたつもりが、体力切れで全部崩れる——これがいちばん多い失敗です。日程表は次の順で組んでください。
- 第一志望の日の前日は、原則として試験を入れない。前日を移動と最終確認に使えるかどうかで、当日の処理速度が変わります
- 3日連続で受験しない。2日受けたら1日空ける。空けた日は新しい問題に手を出さず、直前に受けた日程の見直しだけにします
- 同じ日に複数学科を出せる大学を、連続受験の代わりに使う。東京電機大学のように1日に最大4学科・学系を併願できる大学なら、受験日数を増やさずに判定の数だけ増やせます
川越から都内の会場に通う場合、朝の移動時間も日程表に書き込んでください。集合時刻から逆算して家を出る時刻まで決めておくと、連続受験の重さが数字で見えます。成蹊大学のように全学部が一つのキャンパスに集まっている大学もあれば、学部ごとに会場が分かれる大学もあるので、会場は学部単位で確認してください。
安全校の選び方|「偏差値が低い」ではなく「同じ答案で受かる」
安全校は、下に並べるものではなく重ねるものです。基準は3つあります。
1. 同じ答案で判定を受けられるか
東京電機大学の合格最低点(2025年度・一般選抜前期・300点満点)を見ると、同じ大学の中で得点率に約20ポイントの幅があります。情報系(情報メディア204点、情報システム工195点、情報通信工195点)は3科目で7割近くが必要な一方、理工学部の多くの学系は5割台です。第一志望の学科と同じ日に、最低点が10〜20点低い学科を1〜2つ加えておくと、同じ答案で複数の判定を同時に受けられます。これが最も効率のよい安全校の作り方です。
2. 募集枠が小さい方式を安全校にしない
「2教科だから安全」は成り立ちません。成蹊大学のE方式は枠が1学科あたり4名から20名と小さく、法律学科ではA方式110名に対してE方式は19名。枠が小さいぶん合格最低点が9割前後まで上がります。法政大学の英語外部試験利用入試も、英語が免除されて1科目で決まるぶん2026年度の倍率は16.2倍(キャリアデザイン55.1倍、人間環境34.3倍)まで上がりました。こうした方式は安全校ではありません。本命にせず、対策が重なるT日程との併願として使うのが現実的です。
3. 記述の有無で難度が変わることを見落とさない
青山学院大学は、全学部日程が全問マークシート(記述なし)、個別学部日程には和訳・計算過程・論述が入ります。「第一志望だから個別学部日程も受ける」と決めた瞬間に、記述の練習が必要になるということです。マーク中心で仕上げてきた人にとって、これは安全校ではなく追加の本命です。詳しくは青山学院大学の傾向と対策にまとめています。
出願の締切管理|ここでの事故は取り返しがつきません
毎年、勉強ではなく手続きで受験機会を失う生徒がいます。次の5つを、紙かスプレッドシートで一元管理してください。
- 「出願開始日」ではなく「出願締切日」を並べた表を1枚作る。大学名・学部・方式・試験日・締切日・検定料・出願済みかの7列で足ります。法政大学のように方式ごとに締切が違い、出願がすべて郵送という大学もあります。郵送なら、締切日そのものではなく「投函する日」を表に書いてください
- 出願サイトのアカウントは1つに統一する。中央大学の要項には「出願登録を複数のUCAROアカウントから行った場合、それぞれ独立した出願となるため、入学検定料の減額は適用されません」と書かれています。家族が別々に登録してしまう事故が実際に起こりえます
- 検定料の割引条件を、出願前に必ず読む。中央大学の学部別選抜で2出願目が15,000円になるのは「同じ学部の中か理工系3学部の中での併願」「試験日が同じ」「同時出願または追加出願」の3つをすべて満たす場合です。一方、5学部共通選抜は学部をまたいでも2出願目以降15,000円と条件がゆるく、法政大学で併願割引があるのは2月5日実施のT日程と英語外部試験利用入試だけです。割引の条件は大学ごと・方式ごとに違います
- 追加出願の枠を残しておく。共通テストの自己採点や第一志望の手応えを見てから足せるよう、締切が遅い日程を1つ把握しておきます
- 最後に要項で再確認する。制度は毎年変わります。試験時間・科目・選択票の書き方まで、要項の現物で確認してください
この表は、保護者の方と共有できる形にしておくのがおすすめです。締切の管理だけは、受験生ひとりで抱えなくていい仕事です。
併願設計を、1枚の紙にする
ここまでをまとめると、やることは次の6行です。
- 第一志望を「学部・学科・日程・方式」まで1行で書く
- その日程の過去問セット数を数える
- 同じ日・同じ問題で出せる学科と方式を、全部書き出す
- 別問題になる併願を、5〜7種類を上限に選ぶ
- 日程表に並べ、3日連続と第一志望の前日をつぶす
- 締切日順に並べ替えて、出願管理表にする
この6行が埋まれば、併願は決まっています。埋まらない欄があるなら、その欄が「次に調べること」です。
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EIMEI予備校 川越校舎は、川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。指導は1対1の個別指導です。
無料体験・個別説明会では、志望学部・受ける日程・方式を一緒に確認し、ここで書いた「セット数の計算」と「出願管理表」をその場で作ります。模試の結果や、すでに考えている併願リストがあれば、ぜひお持ちください。併願の組み方は、早いほど選択肢が残ります。
