講義やレポートを課す総合型選抜は、試験会場で大学の先生の講義(模擬授業)を受け、その内容をもとに小論文・レポート・ノートを書いて提出する入試です。2027年度の要項では、白百合女子大学の「講義受講方式」(45分の講義のあと60分・800字以内の小論文)、実践女子大学の「総合評価方式」の模擬授業、尚美学園大学の「体験授業型」(60分の授業とノート提出)、明治大学農学部の特別講義などで確認できます。
白百合女子大学の講義受講方式は出願11月18日(水)〜12月1日(火)、試験12月12日(土)、実践女子大学のⅡ期は12月9日(水)まで出願受付中、試験12月13日(日)で、今年度もまだ間に合います。
1. 基本情報:講義型の総合型選抜とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 呼び方の例 | 講義受講方式、模擬授業、体験授業型、特別講義など(大学によって違う) |
| 当日の流れ | 講義を受ける → 講義をもとに小論文・レポート・筆記・ノート提出 → 面接(多くの大学) |
| 講義の長さ | 30分〜60分程度(今回確認した例) |
| 書く時間 | 60分前後(白百合女子大学・実践女子大学 人間社会学部・明治大学農学部の例) |
| 見られる力 | 聞いて理解する力、要点をまとめる力、講義を踏まえて自分の考えを書く力、授業への取り組み姿勢 |
普通の小論文と違うのは、材料が「その場で聞いた講義」だという点です。課題文を何度も読み返すことができないので、聞きながら要点を書き取る力が結果を左右します。口頭で答える試験との違いは口頭試問とは?面接との違いと学部別の準備も参考にしてください。
2. 2027年度の大学例
白百合女子大学 総合型選抜「講義受講方式」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象学科 | 文学部 国語国文・フランス語フランス文・英語英文学科、人間総合学部 児童文化・発達心理・初等教育学科 |
| 募集人員 | 各2名(初等教育学科は3名) |
| 出願期間 | 2026年11月18日(水)〜12月1日(火)消印有効 |
| 試験日/合格発表 | 2026年12月12日(土)/12月16日(水) |
| 講義 | 9:30〜10:15の45分。大学所定のメモ用紙(A4・1枚)が配られ、小論文の時間にも持ち込める |
| 小論文 | 60分。講義の内容を踏まえ、要約とともに自分の考えを800字以内で論じる |
| 面接 | 20分(12:45〜)。昼食の持参が必要 |
| 配点(小論文/面接) | 国語国文・フランス語フランス文 20/80、英語英文・発達心理 50/50、児童文化・初等教育 40/60 |
| 専願・併願 | 併願制。評定の基準はなし |
「要約とともに自分の考えを」と指定されているので、講義の要約と意見の両方がないと設問に答えたことにならない形です。メモ用紙はA4の1枚だけなので、書き方を決めておかないとすぐ埋まってしまいます。
実践女子大学 総合型選抜「総合評価方式」の模擬授業
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 人間社会学部(学部一括募集)Ⅱ期 | 模擬授業 10:00〜10:30、小論文 10:40〜11:40(模擬授業の終了後に開始するため目安)、面接 13:00〜(口頭試問を含む) |
| 人間社会学部の配点 | エントリーシート10点、調査書10点、模擬授業(小論文を含む)40点、面接40点 |
| Ⅱ期の日程 | 出願11月2日(月)〜12月9日(水)、書類12月9日必着/試験12月13日(日)、発表12月18日(金) |
| 環境デザイン学部 環境デザイン学科 Ⅲ期 | 10:45〜12:35に模擬授業と課題レポート作成(模擬授業の終了後にレポートを書くため時間は目安)、面接13:30〜(口頭試問を含む)。配点はエントリーシート20点、調査書25点、模擬授業(課題レポート)25点、面接30点 |
| Ⅲ期の日程 | 出願2027年2月5日(金)〜3月2日(火)/試験3月4日(木)、発表3月6日(土) |
| 専願・併願 | 専願。評定の条件はなし |
人間社会学部では、模擬授業と小論文の40点が面接と同じ重さです。小論文の字数は要項に指定がありません。
尚美学園大学 総合型選抜「体験授業型」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象学科 | 芸術情報学部 情報表現学科・芸術表現学科、総合政策学部 総合政策学科 |
| 選考 | 60分の体験授業、ノート(芸術表現学科はワークシート)の提出、面接 |
| 評価の観点 | 情報表現学科:ノートのとり方や記述内容から授業への取り組み姿勢を評価。総合政策学科:理解度と取り組む姿勢を評価 |
| 実施方法 | 対面のみ(オンラインは不可) |
| 今後の日程 | Ⅳ期:Web出願11月11日(水)〜11月24日(火)、試験12月5日(土)/Ⅴ期:Web出願1月19日(火)〜2月1日(月)、試験2月13日(土) |
| 免除の制度 | 芸術表現学科はオープンキャンパスなどへの参加で、総合政策学科は「総合型選抜対策 プレ体験授業」への参加で、体験授業が免除される場合がある(条件は要項で確認) |
| 専願・併願 | 専願。評定の基準はなし |
尚美学園大学は、小論文ではなく授業中にとったノートそのものを提出するのが特徴です。きれいに写すより、何が大事だったかが分かるノートを目指しましょう。
明治大学 農学部 自己推薦特別入試の特別講義(今年度は終了)
農学部の自己推薦特別入試では、第二次選考で各学科の専攻に関連した60分程度の特別講義を受け、講義の内容を踏まえた60分の筆記試験を受けます。筆記では知識だけでなく思考力・判断力・表現力が問われ、午後に1人約10〜15分の個別面接があります。2027年度の第二次選考は10月10日(土)に生田キャンパスで行われ、今年度の出願は締め切られています(来年度以降の受験生向けの目安)。特別講義の開始から30分を過ぎると入室できず、講義・筆記・面接のすべてが受けられなくなると要項に書かれています。学科別の評定の条件などは明治大学 農学部 自己推薦特別入試【2027年度】で説明しています。
3. 書く課題の3つの形
4大学の課題は、要約+意見型(白百合女子大学)、講義を踏まえた論述型(実践女子大学、明治大学農学部)、ノート・ワークシート提出型(尚美学園大学)に分かれます。どれも「聞きながら要点をつかむ→短くまとめる→理由つきで意見を書く」の3段階で練習できます。
4. 練習法1:講義ノートの取り方
A4の紙1枚に収める前提で、次のように使うと書きやすくなります。
- 紙を3つに分ける:上の1行にテーマ、左の広い欄に講義の内容、右の細い欄に「疑問・自分の考え」、下の3行に講義のまとめ。
- 最初の5分は「問い」を探す:先生が「今日は〜について考えます」と言った言葉をそのまま書く。
- 文ではなく語句と矢印で書く:「高齢化→担い手不足→地域の…」のように、原因と結果を矢印でつなぐ。
- 数字・具体例・定義には印をつける:小論文で講義を引用するときの材料になる。
- 「しかし」「つまり」の後は必ず書く:話の向きが変わるところに講義の主張がある。
- 右の欄に自分の反応を1〜2個:「自分の地域では?」「反対の立場なら?」など、意見の種をその場でメモする。
練習の材料は、志望大学のオープンキャンパスの模擬授業や、大学が公開している講義の動画が向いています。30分の講義を1回聞いて、ノートだけで3行の要約を書けるかを目安にしてください。
5. 練習法2:要約から意見へつなぐ型(800字の構成例)
白百合女子大学のように「要約とともに自分の考えを800字以内」と指定された場合の配分例です。
| 段落 | 書くこと(字数の目安) |
|---|---|
| 1. 要約 | 講義の問い、先生の主張、その理由を3〜4文で(200〜250字) |
| 2. 自分の立場 | 講義の主張に賛成か、どこを付け足したいかを1文で示す(50字) |
| 3. 理由と具体例 | 自分の経験や見聞きしたことを1つ挙げ、講義の内容と結びつける(300字) |
| 4. 別の見方への応答 | 反対の意見や課題を1つ挙げ、それにどう答えるか(100〜150字) |
| 5. 結論 | 大学で学びたいこととつなげて締める(50〜100字) |
要約では自分の意見を混ぜないこと、意見では講義の言葉を1回は使うことを意識すると、「講義を踏まえた」答案になります。
小論文そのものに慣れていない人は、先に小論文の練習は何から始める?高2の冬から12週の進め方で基本の書き方を練習しておくと、この型にすぐ入れます。
6. 練習法3:60分の時間配分
- 設問を読み、問われていることに線を引く(3分):「要約」「考え」「理由」など、答えるべき要素を数える。
- ノートを見直し、講義の主張を1文にする(7分):要約の下書きはこの段階で決める。
- 自分の立場と具体例を決めてメモを作る(10分):右の欄に書いた反応から選ぶ。
- 書く(33分):800字なら1分あたり約25字のペース。要約は10分以内に書き終える。
- 見直し(7分):字数、誤字、講義の内容と違うことを書いていないかを確認する。
講義の直後は内容を覚えているので、最初の10分で要約を固めてしまうと、講義の細部を忘れずにすみます。
7. 本番までの練習スケジュール(4週間の例)
- 1週目:講義の動画を3本聞き、ノートと3行要約だけを作る。時間は測らない。
- 2週目:講義1本ごとに要約200字を書く。先生や家族に講義を聞いていない立場で読んでもらい、伝わるか確認する。
- 3週目:要約+意見の800字を時間を測って2本書く。志望学科の分野(文学、心理、教育、社会、農学など)の講義を選ぶ。
- 4週目:本番と同じ順番(講義→書く→面接の練習)で1回通す。面接では講義の感想を聞かれても答えられるようにしておく。
8. 当日のチェックリスト
- □ 開始時刻の30分前には会場に着く計画にした(白百合女子大学は講義開始20分、明治大学農学部は講義開始30分を過ぎると受験不可)
- □ 昼食が必要な日程か確認した(白百合女子大学は持参が必要)
- □ メモ用紙の扱い(配られるか、持ち込めるか)を要項で確認した
- □ ノートに「問い」「主張」「理由」「具体例」を書き分ける練習をした
- □ 面接で志望理由書と講義の内容の両方を話せるようにした
9. よくある質問
Q. 講義の内容が難しくて理解できなかったらどうしますか?
全部を理解できなくても、先生が一番伝えたかった主張と、その理由を1つ書ければ答案は作れます。分からなかった部分は、意見の段落で「〜の点はさらに調べたい」と正直に書くほうが、内容を作るより自然です。尚美学園大学のように取り組む姿勢を評価に含める大学もあります。
Q. 講義のテーマは事前に分かりますか?
今回確認した要項では、講義の具体的なテーマは示されていません。明治大学農学部は「各学科の専攻に関連した講義」、尚美学園大学は学科の学びに関連する体験授業とされているので、志望学科の分野の基本用語や最近のニュースを知っておくと理解が速くなります。
Q. 12月以降に受けられる講義型の入試はありますか?
今回確認した中では、白百合女子大学(試験12月12日)、実践女子大学 人間社会学部Ⅱ期(試験12月13日)、尚美学園大学Ⅳ期(試験12月5日)・Ⅴ期(試験2月13日)、実践女子大学 環境デザイン学科Ⅲ期(試験3月4日)があります。ほかの方式も含めた一覧は12月以降に出願できる総合型・推薦は?2027年度 首都圏の大学の例にまとめています。
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- 12月以降に出願できる総合型・推薦は?2027年度 首都圏の大学の例
- 白百合女子大学 総合型選抜2027|公募推薦なし・12月講義方式
参考にした公式情報
- 2027年度 出願要項 総合型選抜|白百合女子大学
- 学生募集要項2027 総合型選抜|実践女子大学
- 2027年度 総合型選抜 学生募集要項|尚美学園大学
- 2027年度 農学部 自己推薦特別入学試験要項|明治大学
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
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