学習院大学 国際社会科学部 総合型選抜(AO)2027年度の出願資格・日程・書類と準備

この記事は、学習院大学 国際社会科学部の総合型選抜(AO)を考えている高校生と保護者に向けて書いています。来年以降に受ける高1・高2の人が「いつ、何を準備すればいいか」を判断できるように、2027年度(2026年に実施)の募集要項で確認できた内容をもとに、出願資格、日程、書類、試験の中身を順番に整理しました。今年受験している高3の人向けに、11月以降の動き方も最後に書いています。

国際社会科学部はどんな学部か

国際社会科学部は国際社会科学科の1学科です。学部の紹介ページでは、法学・経済学・経営学・地域研究・社会学の5つの分野を幅広く学ぶと説明されています。

特徴は英語の使い方です。1年次は英語の4技能を身につけながら、経済などの基礎は日本語で学びます。2年次から社会科学の授業も段階的に英語で学び始め、3年次には全ての授業を英語で行うと書かれています。4年次は学びの集大成として論文を書きます。英語4週間以上の海外研修も学習内容として挙げられています。

つまり「英語が好き」だけでは足りず、英語を道具にして社会の問題を考えたい人が想定されている学部です。AOの書類や試験も、この考え方に沿って組まれています。

2027年度AOの募集人員と出願資格

2027年度の国際社会科学部AOの募集人員は20名です。出願資格は大きく2つあります。

1.卒業の時期と志望の明確さ

高校を2025年3月以降に卒業した人、または2027年3月までに卒業見込みの人などが対象です。あわせて、学部のカリキュラムを理解し、志望理由や入学後の構想がはっきりしていることが求められています。浪人生でも、卒業時期の条件に入っていれば出願できます。

なお、今回確認した募集要項の出願資格には、評定平均の数値の基準は書かれていませんでした。ただし調査書は提出書類に含まれるので、高校の成績が見られないわけではありません。

2.外部英語資格・検定試験の基準

ここが最初の関門です。次のいずれか1つの基準を満たす必要があります。2027年度は、出願時点で2024年10月以降に取得したスコアが対象です。

試験 2027年度の基準
実用英語技能検定 準1級以上合格かつCSEスコア2304点以上
TOEFL iBT(ITPは除く) 2026年1月20日以前の受験は62点以上、1月21日以降の受験は3.5点以上
IELTS Overall Band Score 5.5以上
TEAP 310点以上(4技能合計、同一試験日)
TEAP CBT 550点以上
GTEC 1220点以上(4技能オフィシャルスコア)
ケンブリッジ英語検定 162点以上
TOEIC L&R+TOEIC S&W 910点以上

英検で出願する場合、準1級に合格しているだけでは足りず、CSEスコアも2304点以上が必要です。準1級の合格ラインぎりぎりで受かった場合に届かないことがあるので、成績表のCSEスコアを必ず確認してください。TOEFL iBTは2026年1月の改訂で基準の表記が変わっています。どの試験の基準をどう読むかは募集要項の出願資格の読み方でも説明しています。

2027年度の日程

2027年度の日程は次のとおりです。出願は2段階(Web登録と書類郵送)で、郵送は簡易書留・速達で期間内必着です。

項目 日程
Web出願登録・検定料納付 2026年10月19日(月)〜10月22日(木)15時
出願書類の郵送 10月19日(月)〜10月23日(金)必着
第1次選考(書類)合格発表 11月24日(火)10時
最終選考(筆記試験・口頭試問) 12月5日(土)
最終選考合格発表 12月11日(金)10時
入学手続締切 2027年1月7日(木)

出願期間は1週間ほどしかありません。書類は夏から秋にかけて仕上げておき、10月は「出すだけ」の状態にしておくのが安全です。また、最終選考に進むには、第1次選考の合格後に別途、最終選考の検定料を期限内に納める手続きがあります。

第1次選考:志望理由書と「大学4年間の計画表」

第1次選考は書類選考です。出願資格を証明する書類(調査書など)、英語資格の成績証明書、志望理由書、大学4年間の計画表で総合的に判断されます。自己推薦書の提出はありません。

志望理由書は「科目名」まで書く

志望理由書は大学所定の用紙に日本語で20〜25行です。要項では、履修したい本学部教員の社会科学科目を具体的に挙げ、大学での学びを自分のキャリアにどうつなげるかを書くよう指定されています。

ここで差がつくのは、学部のパンフレットにある言葉をなぞるか、実際の授業を調べて書くかです。シラバスで教員の担当科目を見て、「この授業でこれを学び、それをこう使いたい」と自分の言葉で説明できるところまで調べておくと、面接でも話がぶれません。調べ方は志望理由書のための大学研究(シラバス・先生の研究)にまとめています。

20〜25行は思ったより短く、きっかけの話を長く書くと科目の話が入りません。きっかけは2〜3行に抑え、残りを「学びたい科目」と「その先のキャリア」に使うくらいの配分で考えてください。

計画表は「4年間をどう使うか」の設計図

大学4年間の計画表は、学修や海外研修の計画を図や文章で自由に示す書類です。入学後の履修を拘束するものではないと書かれています。先に書いた学部の流れ(1年次の英語4技能、2年次からの英語での社会科学、3年次の全授業英語、4年次の論文)に、自分の関心をどう重ねるかを見せる場だと考えてください。

「いつ海外研修に行くか」「どの分野のゼミを目指すか」「卒業論文で何を扱いたいか」を時間の順に並べるだけでも、志望理由書と一本の線でつながります。志望理由書と計画表で言っていることが食い違わないように、2枚を並べて読み直すことが大切です。

なお要項には、志望理由書と計画表が生成AIによって作成されたと判明した場合、不正行為として受験を認めないと明記されています。下書きの段階から自分で書き、先生や塾には「読んでもらう」形で使ってください。

最終選考:英語の筆記試験と口頭試問

筆記試験(90分)

最終選考の筆記試験は90分で、英語で出題され、英語または日本語で解答します。内容は国際社会に関する英語の長文読解で、英語と日本語の論理的な思考力、国際社会についての知識を確認すると説明されています。

過去の問題の細かい形式は大学の公開資料で確認してほしいのですが、準備の方向ははっきりしています。社会問題を扱う英文を読み、要旨をつかみ、自分の意見を根拠つきで書く練習です。英語の新聞記事や国際機関の短い報告書を読み、日本語で要約してから意見を書く、という練習を週に1〜2本続けるだけでも力がつきます。

口頭試問(1人10〜15分)

口頭試問は英語と日本語で、1人10〜15分です。英語でのコミュニケーション能力、自己紹介や将来像、国際社会の課題について日本語で説明する力などを確認すると書かれています。

英語パートは、志望理由や将来の話を英語で1分程度話せるようにしておくことから始めましょう。日本語パートでは、最近気になっている国際的な問題について「何が起きているか」「なぜ問題なのか」「自分はどう考えるか」を2分程度で話す練習が有効です。英語の面接やプレゼンの準備は集団討論・プレゼン・英語の対策で詳しく書いています。

併願と、公募制推薦との違い

学習院大学の総合型選抜の中で、他の試験区分や複数学科と併願することは可能とされています。ただし、同じ試験日の他の試験区分や他学科とは併願できません。

国際社会科学部には、同じ時期に学校推薦型選抜(公募制)もあります。こちらは国際社会科学部を第一志望とし、合格したら入学を確約することが条件で、全体の学習成績の状況4.2以上、数学Ⅰ・Ⅱ・A・Bの4科目の履修(見込み)が求められます。英語の基準は英検なら2級以上合格かつCSEスコア1980点以上などで、AOより低めです。最終選考の日程(12月5日)と形式(英語の筆記試験と口頭試問)はAOとほぼ同じです。

大まかにいうと、英語資格が高ければAO、評定と数学の履修がそろっていれば公募制も選択肢になります。どちらが合うかは高2のうちに一度確かめておきましょう。同じ学習院の経済学部の公募制推薦は学習院大学 経済学部の公募制推薦で取り上げています。

2028年度から英語の基準が変わる

いまの高2が受ける2028年度入試では、AOの英語資格の基準が変更されると大学が公表しています。たとえば英検は、2027年度の「準1級以上合格かつCSEスコア2304点以上」から、2028年度は「CSEスコア2300点以上」という表記に変わります。TOEFL iBT、TOEIC、TEAP、GTECなども基準の数値が変わり、TEAP CBTは利用できないとされています。

高2の人は、自分が使う予定の試験について、学習院大学の「入試制度の変更点」のページで2028年度の基準を確認してから受験計画を立ててください。

学年別の準備スケジュール

高1(いま〜高2の春)

  • 英検やGTECなどを一度受けて、今のスコアと基準との差を数字で知る
  • 英語の授業の予習・復習を丁寧に続け、調査書に残る成績を落とさない
  • ニュースで気になった国際問題をノートに書きためる(後で志望理由書の種になる)

高2(いま〜高3の春)

  • 冬から春にかけて、出願に使う英語資格のスコアを取りにいく。2027年度は「2024年10月以降に取得」のスコアが対象だったので、2028年度の取得時期の条件も要項で確認する
  • オープンキャンパスや学部サイトで授業内容を調べ、気になる教員と科目をリストにする
  • 英語の社会系の文章を読んで日本語で要約する練習を始める

英語資格の取得時期の考え方は英検はいつまでに、どの水準でを参考にしてください。

高3(春〜秋)

  • 6〜8月:志望理由書と計画表の下書き。シラバスで科目を決める
  • 9月:書類を仕上げ、学校に調査書を依頼する
  • 10月:Web登録と郵送(2027年度は10月19日〜23日)
  • 11〜12月:英語長文の読解と記述、口頭試問の練習

今年受けている高3の人へ

2027年度のAOの出願は10月23日で締め切られています。出願した人は、11月24日(火)10時の第1次選考の発表を待つあいだに、最終選考の準備を進めてください。発表から12月5日の試験までは2週間足らずです。合格した場合は最終選考の検定料の納付期限(12月1日まで)も忘れないようにしましょう。

結果を待つあいだも、一般選抜の勉強は止めないことをおすすめします。最終選考の準備と並行して、1日のうち一般選抜の科目に使う時間を先に決めておくと崩れにくくなります。

参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

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二神大輝