この記事は、12月から入試本番までの流れが見えていない高校3年生・既卒生と、その保護者の方に向けて書いています。面談でいちばん多いのが「冬以降、何がどの順番で来るのか分からない」という声です。川越校舎の二神です。ここでは12月以降に限定して、出願の締切から国公立二次までを並べます。
秋からの全体像は高3の秋から始める大学受験、共通テストの詰め方は共通テストまで残り数か月の使い方にまとめました。以下の日付は、自作している大学別の入試対策読本で確認した2026・2027年度の例です。必ず最新の募集要項で確かめてください。
12月にやること|締切、過去問の残り、共通テストの詰め
1|締切を「いつ・どこで・何を」の1文にする
12月にいちばん起きやすい事故は、勉強の失敗ではなく出願の出し忘れです。出願の作業が、いちばん忙しい時期に重なります。締切の位置は大学ごとに違います。
- 12月下旬に出願が始まる大学があります。慶應義塾大学は出願登録と検定料の支払いが12月下旬開始で、2026年度は12月25日10時から。登録・支払・書類郵送の3段階すべてが必須です。
- 共通テスト本番より前に締め切る方式があります。学習院大学の共通テスト利用と成蹊大学のC方式は、2026年度がどちらも1月15日締切。本番(1月17日・18日)より前で、自己採点を見てから出すことはできません。
- 共通テスト直後に締切が来る方式があります。中央大学の5学部共通選抜は1月23日締切で、他より1週間から2週間早い設定です。自己採点をして志望校を練り直している、ちょうどその時期に来ます。
対策は意志ではなく書き方です。「もし◯月◯日の朝になったら、登校前に◯◯大学の出願サイトを開く」の形で、いつ・どこで・何をするかを1文にする。この形式で達成率が上がることは、90件以上の研究をまとめた分析で確かめられています。書く締切は出願・試験日・合格発表・入学手続の4つ。最重要は入学手続で、合格しても手続きを逃せば無効になります。
手続きの形にも落とし穴があります。中央大学は出願書類が郵送のみ(簡易書留・消印有効)、選択科目は出願時登録制。法政大学は受験票を自分で印刷します。12月のうちに一度確認してください。
2|過去問は「残量」を数えてから配る
12月の過去問は、やる気ではなく算数で決めます。受ける日程の数×年度の数×科目の数が、残りの作業量です。東洋大学の読本では、3日程受けるなら9セット、科目が3つなら27回分になり、1月の1か月では終わらないので12月中に1周目を終える逆算が必要だと書いています。
逆に対策が増えない併願もあります。東洋大学は同じ試験日なら複数学科を併願でき、東京電機大学の前期は1日に最大4学科まで同時出願できます。増やすならこの方向からです。
年度の配り方は読本で共通です。いちばん古い年度は秋、2番目に古い年度を11〜12月、いちばん新しい年度は1月後半に本番と同じ時間割で(過去問の使い方)。なお中央大学・法政大学の読本は、11〜12月を分野別の弱点をつぶす時期とし、過去問には手を出さない配分を示しています。12月に過去問が進まないこと自体は遅れではありません。
3|共通テストの詰めは「配分表」を確定させること
12月の共通テスト対策は、知識を足すのではなく大問ごとの処理手順を固定する作業です。英語は80分・8大問で捨て問のない全問読解型。攻略読本では前半4問を30分前後、第5〜6問に20分、第7〜8問に25分という目安を挙げたうえで、大事なのは固定の数字ではなく、大問別の所要時間を記録して自分の配分表を作ることだとしています。
あわせて手順が言えるかを確認します。fact/opinionの基準(評価語や主観語が入ればopinion、数値・日付・出来事はfact)、時系列整序の手順、リスニングで値段・日時が終盤にBut/Actuallyで訂正されるパターン。そして最新2年分の本試験を、時間を計って解く。これだけは1月前半までに必ず置いてください。
共通テスト直後の数日をどう使うか
順番は、自己採点→出願判断→締切の来ている出願
やることは3つで、順番も決まっています。1つめは自己採点。遅らせると、あとがすべて遅れます。
2つめが出願の最終判断です。国公立志望なら、ここで「二次で何割取ればよいか」を数字にします。埼玉大学の読本では、自己採点を配点の試算表に当てはめ、個別試験で必要な得点率を出してから前期・後期の出願を決める手順を示しました。同大の3学科では6つの日程のうち5つで共通テストが満点の6割から7割を占めます。崩れた分を個別試験だけで取り返すのは難しいという前提で決めてください。
3つめが締切の来ている私大の出願。中央大学の5学部共通選抜は1月23日締切。共通テストが終わったら、まずこれを済ませてください。
志望校は、この数日で新しく足さない
結果がよくても悪くても、この数日に新しい大学を足すのは勧めません。足せば過去問演習が増えます。志望校の決め方の読本では、高3の冬の方針を「現在の帯を動かさない」と書きました。大学進学者の平均出願校数は2.42校、1校だけに出願した人が48.4%(進学センサス2025)。校数を増やすことは安心ではなく作業量です。
ただし締切の遅い方式を「最後の砦」として残すのは別です。中央大学の共通テスト利用の後期は2月10日から20日まで出願でき、発表は3月11日。国公立前期の手応えを見てから出せます。
勉強は、次に受ける形式にすぐ戻す
共通テストは情報処理型で、私大の個別試験や二次とは求められる動きが違います。切り替えは早いほど楽です。明治大学の全学部統一入試と法政大学のT日程は2月5日。ここが最初の本番になる人は、1月のうちにその過去問を1年分は通しで解く。共通テスト後の1週間が最後のまとまった時間です。
1月下旬から2月|試験が連続する週の回し方
まず、自分の「本番の並び」を1枚に書く
読本で確認した範囲では、東京電機大学の前期が2月1日から5日の5日間から試験日を選ぶ方式(発表2月12日)、法政大学のT日程が2月5日の全学一斉、東洋大学の前期が2月8日から11日、明治大学の学部別入試が2月7日から17日の11日間に1日1学部で10日程です。
明治大学の読本には「日程は組めます。組めることと、こなせることは別です」と書きました。重なりがないので理屈のうえでは10学部に出願できますが、何日を本番にするかは体力と対策の両方から決めます。判断の材料は対策がどれだけ重なるか。学部ごとに問題が別なら、増やした数だけ練習が増えます。
試験のある週は、教材を増やさない
- 新しい教材をこの期間に始めない。この時期のタスクは「1日で終わる大きさ」まで割ってください。
- 試験と試験のあいだの日にやることを先に決める。「もし試験の翌日の午前になったら、次の大学の最新年度を通しで解く」のように1〜2個だけ。試験期間中は、その場で決めようとすると動けません。
- 終わった試験の答え合わせを、次の試験の前にやらない。やるなら全日程が終わってからです。
次の大学の過去問は、いつ見るか
「前日」ではなく、数日前までに1度は通しで解いた状態にしておくのが望ましいです。大学別の読本では直近3年分を古い順に解き、3回目は最新年度を本番の時間割どおりの時刻に解く回し方を勧めています。ここまで終わっていれば、前日にやるのは自分の条件の確認だけで足ります。
その条件は細かく違います。法政大学のA方式の英語は、文学部(哲・日本文・史)が3題60分、経営・人間環境が4題90分。関係のある日程は1つか2つだけです。
合格発表が挟まる週の扱い
2月は試験と発表が交互に来ます。立教大学は一般入試の合格発表が第1回から第4回まで4回に分けて行われ、第1回で不合格でもその後の発表で合格になることが制度として組み込まれています。
決めておきたいのは「発表を見る時刻」です。発表は決まった時刻からウェブで一斉に出ます(中央大学は11時、法政大学は10時)。試験当日の朝や移動中に見ると、その日に響きます。試験のない日に見ると先に決めてください。
国公立二次に向けた切り替え
国公立を受ける人は、共通テストと2月下旬の二次のあいだに私大の入試が挟まります。埼玉大学の読本では、1月は共通テストに集中し、個別試験は週1回だけ答案を書く感覚を保つという配分を示しました。そして共通テスト後から2月にかけて、残しておいた直近2年分を本番どおり通しで解く。ここで時間配分を固めます。
切り替えで大事なのは、記述答案は自分では採点できないことです。先生に添削してもらう前提で答案を捨てずに残す。数学は途中式と言葉を省かずに書き、英作文は語数を数えて記録します(国公立の二次試験は記述の型が4つだけ)。
埼玉大学の2027年度は、前期の個別試験が2月25日・26日、発表が3月6日、後期が3月12日・13日、発表が3月20日です。前期と後期は両方に出願できますが、前期で合格して手続きをすると後期の合格の対象にはなりません。受験期間は3月20日前後まで続きます。2月で終わる想定で計画を組まないでください。
受験期間中に崩れたときの、戻し方
卒業論文の完成日数を学生に予測させた研究(Buehler et al., 1994)では、予測の平均33.9日に対して実際は平均55.5日、予測どおりに終えられた学生は29.7%でした。これは「計画の誤謬」と呼ばれる見積もりのクセで、見積もりより時間がかかるのは特別なことではありません。
崩れたときにやりがちなのが、前日にできなかった分を翌日に上乗せすることです。するとその日の予定も崩れ、遅れが広がります。遅れた分は追いかけず、次の日の型に戻ることを優先してください。手順は3つです。
- 今日の予定を1〜2個に減らす。締切のときと同じ「もし◯時になったら、△△をする」の形で決めます。着手できないという失敗に、とくに効きます。
- 原因が環境なら、環境を変える。スマートフォンの置き場所を操作した実験(Ward et al., 2017、795人)では、机の上・かばんの中・別室の順で成績が段階的に上がりました。我慢するより、置き場所と通知を変えるほうが確実です。
- 「落とし方」を4つに分けて書く。原因を「知らなかった/使えなかった/時間切れ/ミス」に分けます。知らないなら覚える、使えないなら演習、時間切れなら配分の練習、ミスなら見直しの手順。失敗を「能力がない」と説明する人は無力感に向かい、「やり方を持っていなかった」と説明する人は次の行動に向かいます。
そして週に1回10分だけ、今週いちばん崩れた領域を1つ書き、来週続ける工夫を1つ、減らす工夫を1つ決める。受験期間中はこの10分で足ります。なお、つらさが続くときは一人で抱えず、学校の先生や保護者の方、専門の相談窓口に話してください。
保護者の方ができること・しないほうがいいこと
12月以降、本人が時間を取られるのは勉強ではなく事務です。
- 4つの締切の表を一緒に作る。出願・試験日・合格発表・入学手続の締切を大学ごとに1枚に。入学手続だけは必ず二重で確認してください。
- 出願の実務を確認する。郵送のみか、簡易書留か、消印有効か。受験票は印刷が必要か。どちらが調べても同じ結果になる作業です。
- 費用は12月までに一度だけ数字にする。私立の一般選抜の検定料は1校あたり3万5千円前後で、併願割引のある方式もあります(法政大学のT日程は1件目35,000円・2件目以降15,000円)。学費と生活費は大学昼間部の年間平均が182万円ほど(日本学生支援機構の令和4年度調査)。一度だけ調べて、一度だけ共有する。
しないほうがいいことは3つ。この時期に受験校の構成を変えさせない(校数を増やすことは過去問演習の増加です)。判定や点数だけで話を進めない(C判定は定義上は五分五分。見るなら同じ模試での推移です)。勉強のやり方に細かく口を出さない(保護者が本人の視点を取り、選択の余地を残す関わり方のとき、本人の自己調整と成績が高いことが分かっています/Grolnick & Ryan, 1989)。
話が合わないときに効くのは説得ではなく材料です。現在のレベル帯・過去問の得点率・受験校の構成・費用が1枚にあると、話が「気持ち」から「事実」に移ります(大学受験の1年間の流れ)。
12月以降の流れを、川越で一緒に組む
締切の位置、過去問の残量、試験が連続する週の並び。この3つは紙に落とせば10分で確認できますが、最初に決めるところだけは、一人でやると抜けます。冬以降の流れが見えないままの方は、一度ご相談ください。
あわせて読みたい
EIMEI予備校について
EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。
- 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
- ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
- 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。
川越校舎の詳細・無料体験のお申し込みはこちら/ふじみ野・鶴瀬校舎のことは公式LINEからお問い合わせください。
