【法学部・政治学系を受けるなら】大学で違う記述・論述と、社会科目の選び方|川越の受験生へ

こんにちは、EIMEI予備校で英語科を担当している二神です。

この記事は、法学部・法律学科・政治学科・国際政治学科などを志望する高校3年生・既卒生と、その保護者の方に向けて書いています。「法学部は記述が多い」とよく言われますが、入試対策読本を作るために問題冊子を突き合わせると、記述の中身も字数も、使える社会科目も、大学ごとにまったく違います。ここを曖昧にしたまま出願を決める生徒が毎年いるので、読本の実測値だけで整理します。

扱うのは、読本のうち法・政治系の学部について記述がある9大学(慶應義塾・早稲田・明治・青山学院・立教・中央・法政・学習院・成蹊)です。読本は大学ごとに作っていますが、東洋・東京電機・埼玉の3冊には法・政治系の学部の記述がないため扱いません。

1. 「法学部だから記述が多い」は、半分しか当たっていない

記述・論述が重い法学部と、ほぼ全問マークの法学部が、同じ併願リストの中に並んでいます。重い側は中央(英語・国語・日本史・世界史のすべてで書かせる)、慶應義塾(地歴の200〜300字級論述と800字の小論文)、早稲田(英作文・国語180字・世界史250〜300字)です。

一方、学習院の法学部は国語も政治・経済も字数指定の論述がゼロです。国語9冊、政治・経済10冊を調べて、説明や意見を書かせる問題は1問もありませんでした。記述はあっても漢字・抜き出し・用語を字数どおり書かせる客観的なもので、採点は事実上一意です。成蹊の法学部も5科目がマーク中心、法政の法学部系日程の英語も全問マークです。

つまり「法学部=論述」で対策を組むと、学習院・成蹊・法政では過剰になり、中央・慶應・早稲田では足りません。どこが重いのかを、科目ごとに見ていきます。

2. 大学ごとの違いを、読本の実測値で

中央大学 法学部

英語は90分・150点・8大問で、150点のうち60点が記述(和訳30点・和文英訳20点・語彙記述10点)。長文は1題700〜1,000語、誤り指摘が10問20点です。国語は古文30点が固定で漢文はゼロ、しかも自分の言葉で書く記述があるのは法学部だけで2026年度に1問から2問に増えました。出題の意図には「法学部には日本法制史や日本近代政治史など文語文を読む授業があり」と古文を出す理由まで書かれています。日本史は法制史・外交史・財政史で20〜70字の論述が2問、世界史は10〜80字の論述が3〜5問です。

出願面では、共通テスト併用方式(個別試験は英語だけ)が2.2〜2.9倍と法学部で最も通りやすい入口。一般方式も4教科型2.6倍・3教科型4.2倍と教科数の多い型ほど空いています。法学部だけ英語外部試験利用方式がありません。

慶應義塾大学 法学部

配点は外国語200・地理歴史150・小論文100の450点。要項には「小論文は、外国語および地理歴史の合計点、ならびに地理歴史の得点、いずれもが一定の点数に達した受験生について採点します」とあります。地理歴史に単独の足切りがあるので、英語で稼いで地歴を捨てる戦略は成立しません。

英語は5大問で語彙問題が20問・全体の約40%。英英定義に対応づける形式なので、単語帳の日本語訳だけでは届きません。小論文は60分100点、対立する2つの意見と統計資料を読んで800字以内(2026年度の資料は内閣府「治安に関する世論調査」)。要項でテーマ領域を名指ししているのは、慶應では法学部だけです。

早稲田大学 法学部

150点満点で英語60・国語50・選択40。見ておきたいのが受験者平均点で、英語は60点満点で29.873点(50%)、国語は50点満点で22.011点(44%)。「早稲田の英語は8割」という言い方は数字と合いません。国語は大問4題(古文・漢文・現代文評論2)で漢文が毎年独立大問、最後に180字の記述。その重さが平均点に出ました。180字に20分を残す配分を最初から固定してください。

明治大学 法学部・政治経済学部

法学部の英語は70分150点で長文2題だけ。文法語法や会話文の独立大問は3年とも出ていません。記述は日本語50字以内の要約・説明だけで、題材はⅠが社会・法・人権系(障害者差別訴訟、法律家の言葉づかい)で固定。国語は3大問31〜34問で設問数が最多、字数指定の自作記述はありません。

政治経済学部は別物で、英語は60分で60問超と明治で最も過酷、国語は50字記述が3年連続、日本史は大問Ⅰが初見史料+150字論述で固定、世界史は220〜260字の論述。法と政経を併願するなら、論述の準備は政経側に合わせることになりますGMARCH併願の英語比較の記事)。

学習院大学 法学部

入口が独特です。法学部コア(2月10日)とプラス(2月6日)は別日で、プラスの日は経済学部コアの問題を解きます。「法学部プラスの過去問がない」と悩む必要はなく、経済学部コアの過去問がそのまま演習素材になり、演習量が実質的に倍になります

英語は法・経済・文・理の4グループで3年間同じ型。7大問150点90分、Ⅲ以降は15・15・15・15・10点で固定、記述は25字以内の部分和訳・抜き出し・和文英訳(空所に1語ずつ記入)だけです。注意点は国語で、法学部コア系の国語は平均得点率52〜54%と法学部の全科目で最も低い水準です。「三つ選べ。三つ以上マークした場合は0点」という複数選択が効いています。

成蹊大学 法学部

A方式は英語120・国語100・選択100の320点満点。英語は60分・6大問40問で4年連続同じ構成です。発音5・英英定義5・熟語語法5・整序5のあと、Ⅴが約1,800〜2,000語の物語(グリム童話やワイルド『星の子』など)、Ⅵが約650〜750語の社会系記事で、Ⅵは刑罰制度・選択的夫婦別姓・言語政策が題材です。前半20問を短時間で片づけ、残りを長文2題に回す配分が前提。2026年度A方式法学部の6科目は大学が問題・解答・出題意図を公開しているので、必ず入手して解いてください。同年度の合格最低点は法律学科234.5/320(73%)、政治学科235.29/320(74%)でした。

法政大学 法学部

Ⅰ日程(国際政治学科)とⅡ日程(法律・政治学科)は別の問題です。「法政の法学部の過去問」という言い方に意味がありません。英語はどちらも長文だけの4大問で、知識問題の独立大問がなく全問マーク。Ⅱ日程は文化史・メディア史など人文寄りの題材が軸で、日本史は両日程とも60〜80字の論述が1問。2月8日の国際政治と2月16日の法律・政治は、別の日なので併願できます。

青山学院大学 法学部

全学部日程と個別学部日程で、解く試験がまったく違います。全学部日程は英語・国語・地歴公民の3教科マーク式(法学科の合格最低点は得点率73.7%)。個別学部日程では教科の学力は共通テストで測り、独自試験は90分200点の「総合問題」に置き換わります。A方式は「社会に関連する現代文」を軸に国語と地歴公民を融合させた記述を含む試験、B方式は択一式と単語記述で、英文読解と英語での論述も入ります。

大学はB方式の2026年度の出題について、『歴史総合』および『公共』に含まれる内容のうち日本の近代法制度の確立期に関連する総合理解を問うたと説明しています。世界史探究・日本史探究ではなく歴史総合を名指ししているのは青学ではここだけ。B方式を受けるなら歴史総合と公共の教科書を一度通読する価値があります。

立教大学 法学部

制度の確認が先です。一般入試の外国語は、すべての学部で英語資格・検定試験か共通テストの成績を使います。独自の英語問題が出るのは2月11日の文学部日程だけ。法学部志望者にとっては、英検などの4技能スコアを高2の終わりから高3の夏までに確保することが、そのまま英語対策になります。

国語は全学部日程なら現代文2題+古文1題の3大問・75分で、漢文は出ません。日本史は2大問で論述が毎回1問(全学部日程は45〜70字)。法学部の倍率は3.7〜4.2倍と文系では低めでした。なお国際ビジネス法学科グローバルコースだけは英語を得点化せず、国語と選択科目の合計200点で判定します(英検4技能2,450点以上などが出願条件)。

3. 社会科目は「選べるもの」と「重さ」が大学ごとに違う

どれが有利かという話ではなく、そもそも選べる科目が大学で違います。

  • 慶應法…世界史・日本史の2択。政治・経済は使えず、地歴150点に単独の足切りつき。
  • 明治法…世界史・日本史・公共政経の3択。地理と数学では受験できません。
  • 学習院法…コアは日本史・世界史・地理・政治経済・数学。地理が選べるのはコアだけで、プラス試験にはありません。
  • 成蹊法…日本史・世界史(歴史総合込み)・政経・数学。数学は数学Bもデータの分析も範囲外。
  • 中央法…日本史・世界史・政治経済・数学の4択。

同じ科目名でも中身が違います。日本史は、明治法が大問Ⅰに近現代の史料3点と全問記述(漢字指定)を置いて教科書レベルでは5〜6割止まり、慶應法は語群40〜76項目で選択肢を消せず戦後政治の細部まで問われます。対して学習院法は史料問題が出ず、リード文の空所補充と用語記述という純粋な知識型です(日本史の頻出単元と大学別対策の記事)。

世界史は差がさらに大きい。中央法は非ヨーロッパが厚くテーマ史が必出(2024年度は感染症、2025年度は踊り、2026年度は綿)、早稲田法は3年とも「近現代の非ヨーロッパ地域と欧米による支配」の論述、学習院法は毎冊必出の誤文訂正(誤りを特定して正しい語を書く全記述)が最大の関門。成蹊法は全問マークで論述も語句記述もゼロです(世界史の頻出単元と大学別対策の記事)。

政治・経済も同じです。中央法は記述用紙とマーク用紙の2枚併用で論述が年により0〜2問、しかも政治と経済の比重が年で逆転します(2024年度は政治17対経済83、2025・2026年度は政治66対経済34)。「法学部だから政治だけ」は通りません。早稲田法は論述が毎年で時事が大問1つぶん(約25%)。明治法は逆に論述・図表・計算がゼロで、判例名・思想家名・法律名を漢字で正確に書けるかがすべて。成蹊法はⅠ憲法・政治、Ⅱ経済、Ⅲ国際の順番が4年間同じ、学習院法は条文の直接引用が全冊で常態です(政治・経済の頻出単元と大学別対策の記事)。

4. 対策が重なる大学と、別に時間が要る大学

A ― マーク中心で、訓練をまとめられる群

  • 成蹊の法学部A方式(5科目がマーク中心)
  • 法政の法学部Ⅰ日程・Ⅱ日程(英語は長文だけの全問マーク)
  • 学習院の法学部コア・プラス(記述はあるが字数指定の論述はゼロ)
  • 青山学院の全学部日程(英語・国語・地歴公民の3教科マーク)

この群は標準的な英文と評論を速く正確に処理し、選択肢を詰める同じ力で戦えるので、併願校を足しても追加コストが小さい。

B ― 別枠で時間を取るしかない群

  • 中央の法…書く技術を4種類(和訳・英訳・国語の記述・社会の論述)そろえる必要があります。
  • 慶應の法…地歴の200字級論述と800字の小論文。しかも地歴に単独の足切り。
  • 早稲田の法…英作文2題、国語180字、世界史250〜300字。
  • 明治の政治経済…日本史150字・世界史220〜260字の論述。

和訳、英訳、字数指定の日本語要約、800字の小論文は、それぞれ別の技術です。まとめて記述対策、はできません。志望順位の高い1〜2校に絞るのが現実的です。

C ― そもそも別競技の群

青山学院の個別学部日程(共通テスト+総合問題)と立教(英語資格スコアの確保そのものが英語対策)は、他大学の過去問演習では埋まりません。A群を軸に3〜4校、B群は第一志望の1校に集中、C群は受けると決めたら夏までに準備を始める。この順序をおすすめしています(大学別 入試対策記事のまとめ)。

5. 大学別のオリジナル予想問題を、どう作っているか

EIMEIでは英語の予想問題を大学別に自作しています。法・政治系に関わるものだと、中央の5学部共通選抜(法・経済・商・文・総合政策)、青山学院の全学部日程、法政T日程、学習院のコア試験、慶應経済の段階レベル予想問題など。英文・設問・解説はすべてオリジナルで、手順は決まっています。

  1. テーマより先に、形式を固定する。大問構成、記述の字数・語数指定、選択肢が使い切り型かどうかまで本番に合わせます。中央の共通選抜なら総語数2,300語超の6大問全マーク、学習院コアなら配点まで固定された7大問。テーマが当たっても形式が違えば練習になりません。
  2. 素材を、その大学が好むジャンルから選ぶ。20大学の入試英語の長文パッセージ約860本を大学・学部別に分析し、大学ごとの「顔」を出してあります。中央なら制度と社会(社会保障の格差、自動運転のAI規制、言語の消滅)、学習院なら科学の研究紹介と文化もの、法政なら英語で読む日本社会。
  3. 語数と本数を本番に合わせる。成蹊法の2,000語の物語1本と、法政A方式の長文4本では必要な時間配分がまるで違います。
  4. 解説に「なぜこの形式か」を書く。設問が何を測っているのかを本人に言語化させます。本番に届かない生徒には、テーマと形式はそのまま英文の難しさだけ落とした段階レベル版を作ります(慶應経済でやっている方法です)。

予想は的中がゴールではありません。頻出テーマを日本語で先に理解しておけば、外れた英文にも「知の隣町」から入れます。2027年度なら、生成AIと仕事・教育・倫理、スマートフォンと若者のメンタルヘルス、ジェンダーと格差、日本社会もの(少子高齢化・空き家・外国人労働者)が射程に入ります。

川越で、法学部の併願設計から相談したい方へ

「自分の併願だと、どこが重なってどこが別枠になるのか」が気になった方は、一度お話ししましょう。法学部系は大学名で括れないぶん、受ける学部・日程・方式が決まれば、やるべき訓練は具体的に決まります

EIMEI予備校 川越校舎は2026年6月に開校しました。川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。1対1の個別指導なので、論述の練習量とマーク演習の配分を志望学部の形式に合わせて変えられます。ふじみ野校舎・鶴瀬校舎もご利用いただけます。

無料体験・個別説明会は川越校舎の開校特設ページから受け付けています。法学部か政治学科かで迷っている段階の相談でも構いません。

※この記事の数字と出題内容は、EIMEIで自作した大学別入試対策読本のうち上記9大学の9冊の記述にもとづきます。東洋・東京電機・埼玉の3冊には法・政治系の学部の記述がないため扱っていません。最新の募集要項は必ずご自身でご確認ください。

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EIMEI予備校について

EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

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二神大輝