こんにちは、EIMEI予備校の二神です。
この記事は、坂戸高校に通っている高校生と、その保護者の方に向けて書いています。学校の英語の教科書を出発点に、入試英語との間に残る差を数字で示し、その2冊をどう使えば入試につながるかを学年別の手順まで落としました。
いちばん多い相談が「学校の予習も文法の宿題もやっているのに、模試の長文で時間が足りない」です。真面目さの問題ではありません。教科書と入試問題とでは、測っているものが違うからです。
まず、坂戸高校で使っている英語の教科書を確認します
在籍生への聞き取りをもとに、川越とその周辺の高校が使っている英語の教科書を高校別 英語の教科書レベル一覧にまとめました。坂戸高校については、次の2冊の名前が挙がっています。
- 英語コミュニケーション:Heartening(桐原書店)
- 論理・表現:Vision Quest(啓林館)
この一覧では Heartening を標準レベルに分類しています。ELEMENT や CROWN のような発展レベルほど英文が硬くなく、基礎レベルほどやさしくもない、まん中の教科書です。Vision Quest は、一覧の10校のうち7校で名前が挙がっている定番の文法・表現教材です。
この2冊は、決して物足りない教材ではありません。構造がはっきりしていて語彙にも無理がなく、土台としては十分です。問題は教材の質ではなく、完璧にしても入試との間に差が残ることです。
Heartening と Vision Quest だけを続けたときに残る、4つの差
1つめ|英文量:1回で読み切らされる語数が違う
教科書の本文はパートに分かれ、授業では1パートずつ扱います。予習で1回、授業で1回、テスト前にもう1回と、同じ英文に最低3回は触れたうえでテストを受けます。入試はまったく逆で、初めて見る英文を、最初から最後まで1回で読み切ります。
- 東洋大学:5大問60分の中に、長文読解が2本、1本あたり400〜700語
- 慶應義塾大学:総合政策・環境情報は約1,000語が3題
600語の初見英文を止まらずに読み切る力は、教科書を3回かけて読む力とは別物です。意識して練習しないと身につきません。
2つめ|語彙:教科書に出てくる順番では出題されない
私立大学20校について、2020〜2026年度の長文パッセージ約860本を分析しました。直近2年で明確に増えていたのは、生成AIと人間、スマホと若者のメンタルヘルス、気候変動の「対策と副作用」、ジェンダーと格差、日本社会もの(少子高齢化・空き家・オーバーツーリズム)の5つです。
偏りも数字で出ます。専修大学は42本中12本が心理学、東洋大学は32本中11本が歴史・文化系、成蹊大学は19本中5本が文学系です。
つまり入試で出る単語は教科書の順番では出てきません。だから単語帳は頻度順に前から潰すより、テーマごとにまとめて覚えるほうが効きます。詳しくは英単語は「頻度順」より「テーマ順」に書きました。
3つめ|速度:共通テストは80分で8大問、捨て問がない
共通テストのリーディングは2025年度の新課程で大問が6問から8問に再編されました。80分・8大問、全問が読解型で捨て問がありません。
目安は、前半4問を30分前後、第5〜6問に20分、第7〜8問に25分、残りを見直しに。大事なのは固定の数字ではなく、模試のたびに大問別の所要時間を記録して自分の配分表を作ることです。リスニングは大問6・全37問で、読み上げは第1・2問が2回、第3問以降は1回だけ。聞き直せない前提の技術が要ります。
4つめ|設問形式:「訳す・埋める」から「選ぶ・直す・書く」へ
共通テストでは、センター試験にあった発音、アクセント、文法・語法の四択(毎年10問)、語句整序、不要文指摘が全廃されました。文法が不要になったのではありません。文法が「読むための道具」として全設問の背後に沈んだのです。
代わりに生まれたのが、第4問の添削・推敲型(下書きに付いた先生のコメントに従って書き換える)と、第8問の意見文アウトライン型(賛否5人の意見+資料2点から意見文の骨組みを作る)です。
私大も方式で要求が違います。
- 日東駒専:語彙・文法の独立小問が全体の3〜5割。全問マークが基本で、合否を分けるのは処理速度と取りこぼしの少なさ
- 明治大学 法学部:超長文2本+50字要約の記述
- 学習院大学:長文2本+対話文5題+和文英訳の4大問。25字以内の和訳が定型
- 明治学院大学:100〜150語の英語エッセーが必出。全学部日程はさらに150〜180字の日本語要約
- 青山学院大学の個別日程:経済=30語の英作文+和訳、経営=和訳・英訳+150字の日本語論述
同じ大学でも方式が変われば種目が変わります。志望学部を絞ってから過去問3年分で形式を確認するのが最短です。
Vision Quest を「文法の暗記帳」で終わらせない使い方
別の問題集を買い足す必要はありません。同じ1冊を、読解と英作文につながる形で使えばいいのです。授業でやってもらう手順です。
- 解いた直後、丸つけの前に、問題へ3種類の印をつける。自信あり=◯、迷った=△、分からない=×。丸つけの「前」が大事です。
- 丸つけをする。注目するのは「◯なのに不正解」。知識が間違ったまま固まっている印で、放っておくと入試まで直りません。
- △と×は、答えではなく「理由」を1行書く。「この後ろは原形」で止めず、なぜそうなるのかを Vision Quest の解説ページの何ページかとセットでメモします。問題ページは解く場所、解説ページは理由を調べる場所です。
- △だけを3日後に解き直す。◯で正解した問題は2周目に入れません。
- 4問に1問は声に出して読む。文法問題の英文は短くて構造がきれいで、音読の素材として優秀です。ここが読解への橋になります。
- 単元が終わったら、その文法を使った英文を1つ自分で書く。例文を写すのではなく、自分の話に書き換えます。ここが英作文への橋で、明治学院の100〜150語エッセーや青山学院の30語英作文に入るときの立ち上がりが変わります。
もう1つ。共通テスト第4問(添削・推敲型)の最良の練習は、自分が書いた英文の推敲です。1日置いて読み直し、「接続語は適切か」「結論は主張を言い直せているか」を点検する。このとき接続語を和訳ではなく役割で覚え直すと効きます。however=逆接、therefore=帰結、in addition=追加、for example=例示。この区別だけで第4問は前後の関係だけで決まります。
学年別|部活を続けながらの現実的な配分
高1|単語と音読の2つだけ。平日30分で構いません
やることは2つ。単語を毎日やることと、Heartening の本文を音読することです。音読は和訳なしで意味が浮かぶまで。1パート10回が目安、5回目までは意味を確認しながら、6回目からは英語の語順のまま読む。この時期の音読が、高3で長文を読む速度を決めます。
部活がある日は単語15分+音読15分で十分。ゼロの日を作らないことのほうが、1日の量より大事です。そして評定は1年生から始まっています。年内入試を残すなら定期テストは捨てないでください。
高2|Vision Quest を終わらせ、秋から初見の長文を週1本
高2は文法を終わらせる学年です。Vision Quest を前の手順で最低2周。学校の進度とは別に、自分で最後まで通せると強いです。そして秋からは初見の長文を週1本。知らない英文を時間を計って読みます。最初は300語で構いません。ここで「教科書は読めるのに初見は読めない」が表に出ますが、それを高2のうちに知ること自体に価値があります。高3の秋に気づくのとは残り時間がまるで違います。
平日は単語と文法だけ、長文は土日に1本。「毎日やること」と「週末にやること」を分けて置くと、部活の予定で崩れません。詳しくは部活と大学受験の両立へ。
高3|形式に合わせて演習を切り替える
春から夏は単語と文法の総点検、長文を週3本。部活が終わった時点で量を増やせるよう、単語と文法は先に終えておくのが理想です。夏以降は過去問へ。秋からは形式に合わせた練習に切り替えます。全問マークで速読が要る学部と、50字要約や和訳が要る学部とで、同じ時間の使い方をしてはいけません。
一般選抜・共通テスト利用・年内入試をどう組み合わせるか
年内入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)は評定が土台です。評定は高1の1学期から積み上がり、あとから取り返せません。ここを残すかどうかで高1・高2の定期テストの扱いが変わります。制度と面接は年内入試の制度と面接に書きました。
共通テスト利用入試は1回の結果を複数の大学に出せる入口です。向き不向きがあるので、共通テスト利用入試の使い方を読んでから出願校を決めます。
そして英語資格スコアです。立教大学は、一般入試で独自の英語問題を出すのが現在は文学部日程だけで、他学部は英検・TEAP等のスコアか共通テストを利用します。スコアの確保がそのまま英語対策になる大学もあるのです。
決め方はこうです。評定が取れているなら年内入試を1つ残し、英語資格スコアを高2のうちに取り、共通テスト利用と一般選抜を本命に置く。この3つは別々の準備ではありません。土台は同じで、違うのは高3の秋から先の演習の中身だけです。
EIMEI予備校 川越校舎でできること
川越校舎は2026年6月に開校しました。川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分です。授業は1対1の個別指導なので、学校の教材をそのまま持ってきてもらって進められます。Heartening でも Vision Quest でも、その本で指導します。
「Vision Quest の×印だけ潰す」「Heartening の音読をチェックする」「今週はワークを止めて初見の長文に回す」といった調整ができます。何をやるかだけでなく、何をやめるかを一緒に決められるのが1対1の強みです。
自習室は朝7時から使えます。学校へ行く前の1時間を単語と音読にあてる生徒がいます。部活にも学校の予定にも左右されないのでいちばん崩れにくい勉強時間です。グループ校舎はふじみ野・鶴瀬です。
まとめ
- Heartening は標準レベル。土台には十分ですが、入試との差は英文量・語彙・速度・設問形式の4点に残ります
- 初見400〜700語を1回で読み、共通テストは80分8大問。私大は方式ごとに要約・英作文が入ります
- Vision Quest は印をつけて解き、理由を1行書き、△だけ解き直し、音読と自作英文まで持っていく
- 高1は平日30分、高2の秋から初見長文を週1本、高3は形式に合わせて切り替える。3つの入試は土台が共通で、分かれるのは高3の秋からです
坂戸高校で英語の進め方に迷っている方は、EIMEI予備校 川越校舎の無料体験・個別説明会へお越しください。Heartening と Vision Quest を持ってきていただければ、次の定期テストと志望校から逆算して、優先順位を一緒に決めます。
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EIMEI予備校について
EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。
- 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
- ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
- 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。
川越校舎の詳細・無料体験のお申し込みはこちら/ふじみ野・鶴瀬校舎のことは公式LINEからお問い合わせください。
