中央大学の英語は学部・方式で別物|大問構成・試験時間・語数を実測値で整理【川越の予備校が解説】

この記事は、中央大学を第一志望または併願先に考えている高校生・既卒生と、その保護者の方に向けたものです。中央の英語だけに絞り、方式・学部でどう違うのかを数字で書きます。

先に結論です。「中央大学の英語の傾向」という言い方は、ほとんど意味を持ちません。あるのは「法学部の英語」であり「商学部の英語」です。平均像を追っても点は伸びません。

方式によって、英語は別の試験になる

中央の一般選抜には5方式あります。5学部共通選抜(法・経済・商・文・総合政策が2月9日に同一問題)、学部別選抜の一般方式、それと同日・同一問題の英語外部試験利用方式・共通テスト併用方式、中央での試験がない共通テスト利用選抜です。

そして問題冊子は11種類あります。共通選抜(2/9)、文・国際経営(2/10)、商A・国際情報(2/11)、法(2/12)、商B(2/13)、経済Ⅰ(2/14)、経済Ⅱ・理工系3学部(2/15)、総合政策(2/16)です。

私が自作している中央大学の入試対策読本では、2024〜2026年度の問題冊子139冊(うち英語30冊)を突き合わせました。結果、同じ年度に二つの学部が同じ英文を使った例は一つもありません。

ただし、まとまるところはまとまっています。過去問選びの原則は4つ。

  1. 同一学部・同一日なら、方式が違っても問題は1つ。3方式に出願しても対策は1つで足ります。
  2. 共通選抜と学部別選抜は別問題。法学部を2/9と2/12で受けるなら過去問も2種類です。
  3. 経済はⅠとⅡ、商はAとBで別問題。2/14か2/15かを必ず確かめてください。
  4. 理工系3学部は1冊。基幹理工でも先進理工でも解く英語は同じ。

さらに、英語の試験を受けない道もあります。英語外部試験利用方式では、商・文・理工系3学部はスコアを出願資格としてしか使いません(高低は無関係)。経済は150点、国際経営は200点、国際情報は150点に換算。総合政策だけは英語を受けたうえで50点の加点。そして法学部にこの方式はありません。

以下の試験時間・配点・大問数は2026年度のものです。自分が受ける年度の要項で必ず確認してください。

方式・学部ごとの英語の中身

  • 5学部共通選抜 80分・150点・6大問・全マーク。文法語彙15問+会話文+誤り指摘+長文3題。総語数2,300語超で分量が最多
  •  90分・150点・8大問・記述+マーク。和訳30点+和文英訳20点+語彙記述10点で記述だけで60点。中央で最重量。
  •  80分・150点・4大問・全マーク。長文1題(1,400語級)に70点。ほかは会話語彙30点・整序20点・誤り指摘30点。
  • 経済Ⅰ(2/14) 90分・150点・8大問・記述+マーク。語彙・語法の小問が多い。長文3題+和訳+和文英訳。
  • 経済Ⅱ(2/15) 90分・150点・9大問・記述+マーク。Ⅰと大問構成・配点が同じ別問題なので、対策は共通でよい。
  • 商A・商B 80分・150点・5大問・記述+マーク。長文2題で105点+自由英作文80語以上(15点)。英作文は中央では商だけ。
  • 理工系3学部 80分・100点・6大問・全マーク。中央で最も軽い。長文は短め+文法語彙+2文の内容一致判定+実用文(手紙・メール)。
  • 総合政策 90分・150点・5大問・全マーク。設問文がすべて英語。対談1題+長文2題(各1,100語級)。
  • 国際経営 90分・200点・6大問・全マーク。発音アクセント・綴り・計算あり。プレゼン原稿+グラフ・表のビジネス実務型。
  • 国際情報 90分・150点・6大問・全マーク。設問文がすべて英語。実用資料(メニュー・旅行サイト)+統計グラフ+長文2題。

法の国際企業関係法学科は英語200点、文の日本史学専攻・心理学専攻などは英語100点に換算されます。同じ学部でも学科で英語の重さが違うのです。

試験時間は80分(共通選抜・文・商A・B・理工系)と90分(法・経済Ⅰ・Ⅱ・総合政策・国際経営・国際情報)に分かれます。ただし90分のほうが楽とは限りません。総合政策と国際情報は1,100語級を2題、国際経営は6大問、法は記述60点。それだけの分量があるからの90分です。

設問形式の内訳を、分母つきで見る

  • 誤り指摘 共通選抜(5問)/文(5問)/法(10問20点)
  • 整序英作文 法/文/経済Ⅰ・Ⅱ
  • 文法語彙の独立問題 共通選抜(15問)/国際情報(30点)
  • 会話文 共通選抜/文(会話語彙30点)
  • 発音・アクセント 国際経営(毎年)/国際情報(2025年度から廃止)
  • 図表・グラフ 国際情報(統計グラフ・旅行サイト)/国際経営(プレゼンスライド・円グラフ)
  • 設問文が英語 総合政策/国際情報
  • 2文の内容一致判定 理工系3学部

3年間で形式が動いたのは国際情報(2025年度に発音問題5点を廃止、満点130点→150点)、法、経済Ⅰ・Ⅱ、文の4つ。逆に総合政策・商A・商B・国際経営・理工系は3年間まったく動いておらず、過去問がそのまま予行演習になります。

長文のテーマは何が出ているか

3年分の出典を並べると、科学・環境・テクノロジーが最多で、次に社会・言語・心理です。出典は英字新聞・科学雑誌・一般向けの本で、時事性が高い。

  • 科学・環境 月面居住/合成細胞/冷凍動物園/垂直農業/海面上昇
  • テクノロジー AIの合成データ/AIと創造産業/自動運転の安全基準/メタバースと不登校支援
  • 社会・経済 キャッシュレス社会/専業主夫の増加/貧困と恥/オーバーツーリズム
  • 言語・文化 言語の消滅とハワイ語/外国語なまり/手話の歴史/マオリ文化と観光
  • 心理・哲学 幸福の追求の逆説/努力のパラドックス/記憶の分類

対策は単純です。環境・AI・言語・心理の4つを、日本語で背景知識として持っておくこと。知らない1,000語と知っている1,000語では、かかる時間がまるで違います。

私はテーマ別の英単語帳も自作していて、全国約190大学の入試英語から作った415題・約86万語のコーパスで頻度を集計しています。中央の出題と重ねると、やることが絞れます。

  • 環境・気候変動 頻出が最もきれいに裏づいた分野。ocean 67回、plastic 65回、waste 61回、climate 50回、carbon 42回。emission・renewable・sustainable は思い出す時間をゼロに。
  • 心理・脳科学 104題でコーパス最大勢力。brain がテーマ別集計で最頻出の内容語。cognitive・bias・well-being が核。
  • AI・情報技術 2025〜26年度に出題が急増。algorithm・surveillance・misinformation・regulate・ethics。国際情報を受けるなら最優先です。
  • 言語・コミュニケーション 中央は言語ネタが目立ちます。dialect・accent・sign language。
  • 歴史・文化・人類学 パッセージ数が最多の125題。museum 35回。indigenous・heritage・colonial は急増中。
  • 経済・仕事・消費 consumer 29回、worker 30回。国際経営のグラフ・表を読む土台です。

順番は、まず全テーマ共通のアカデミック頻出語50(evidence・suggest・significant・factor など)を固め、そのうえで志望学部のテーマを2〜3章だけ回す。やり方はテーマ別に英単語を覚える方法にまとめました。

総合政策と国際情報は設問文がすべて英語です。is closest in meaning to/refer to/imply・infer/is NOT mentioned は正確に覚えること。とくにEXCEPT(true EXCEPT … は誤りを選ぶ問題)が事故のもとです。

1分あたりに処理する語数を出す

時間配分は感覚で決めません。語数÷試験時間で先に計算します。読本に語数が書かれている範囲で出すと、こうなります。

  • 5学部共通選抜 2,300語超÷80分=1分あたり約29語。しかも文法語彙15問と誤り指摘が別に乗ります。中央で最も速さが要ります。
  • 商A・B 長文2題(1題900〜1,100語)で約1,800〜2,200語÷80分=約23〜28語。ここに80語の英作文の時間も要ります。
  • 総合政策 長文2題(各1,100語級)で約2,200語÷90分=約24語。これに対談1題と英語の設問文が加わります。
  • 国際情報 長文2題(1題1,000〜1,200語)で約2,000〜2,400語÷90分=約22〜27語。これに実用資料と統計グラフ。
  •  1,400語1題÷80分=約18語。ゆるく見えますが、この1題に70点が乗っています。

法(1題700〜1,000語)・経済Ⅰ・Ⅱ(長文3題)・理工系(1題600〜800語)は、読本に題数と語数の両方がそろっていないので計算していません。推測せず、自分で過去問の語数を数えてください。

数字を持ち時間に割り振ります。共通選抜(80分)なら、文法語彙15問に8分、会話文と誤り指摘に12分、長文3題に55分、見直し5分。文学部(80分)なら、ほかの3大問を35分で終えて長文に40分(1分35語で足ります)。この配分を紙に書いて本番に持っていくこと。速度自体が足りないなら英語が時間内に解き終わらないときを読んでください。

記述・和訳・英作文が出る方式

中央の英語で書かせるのは法・経済・商の3学部だけです。法は和訳30点+和文英訳20点+2文に共通する1語を書く語彙記述10点で合計60点、150点満点の4割。経済Ⅰ・Ⅱは和訳と和文英訳(配点は非公表)。商A・Bは自由英作文80語以上(15点)。

大学が公表している「出題の意図」に、和訳は「その内容を自然な日本語で適切に表現する力」、英訳は「与えられた語と書き出しを用いて、日本語の文を英語に訳す問題」とあります。和訳は直訳の羅列では伸びず、英訳は語と書き出しが指定されるパズルに近い作業です。

対策は一つです。週に1本でいいので和訳と英訳を書いて、人に見てもらうこと。模範解答と見比べて「だいたい合っている」と判断したものの多くは点になりません。60点分をマーク式の勉強では埋められません。

商学部は3年間、毎年80語以上の自由英作文を出しています。テーマは社会的な二択ばかりで、金融教育を必修にすべきか/海外経験を必修にすべきか/動物実験をした製品を使うべきか/起業か就職か公務員か。白紙だと確実に15点失います。序論で立場を示し、理由を2つ挙げ、結論で繰り返す。80語ならこれで足ります。

複数の学部を併願するなら、順番はこうする

重なるところから先に固めるのが原則です。土台は3つ。①テーマ語彙(環境・AI・言語・心理・歴史文化)。②文法語法の独立問題(共通選抜15問、経済Ⅰ・Ⅱの小問、国際情報30点、文の会話語彙30点)。③1,000語級を読み切る速度(商・総合政策・国際情報・文)。

受ける学部の分だけやるのは次です。

  • 記述 法・経済(和訳と英訳)、商(自由英作文)
  • 誤り指摘 共通選抜・文・法。受けないなら練習は不要
  • 整序英作文 法・文・経済Ⅰ・Ⅱ
  • 発音・アクセント・綴り 国際経営
  • 英語の設問文 総合政策・国際情報
  • 図表・実用資料 国際経営・国際情報・理工系(手紙・メール)

土台の3つを10月で固め、11月から学部固有の形式に入るのが現実的です。

中央を受けるなら、最低限やっておくこと3つ

  1. 自分の受ける試験がどの問題冊子に当たるかを確定させる。これをやらずに「中央大学の過去問」を買うと、半分は関係ない問題を解くことになります。経済なら2/14か2/15か、商なら選抜Aか選抜Bか、共通選抜も受けるのか。
  2. 志望学部の英語の「出題の意図」を読む。大学自身が「何を測ったか」を書いた文書を公表しています(2026年度は一般選抜の全54科目中51科目分)。解く前・解いた後・直前期の3回読んでください。
  3. 1分あたり語数を計算して、紙に書く。大問ごとの持ち時間を決めて本番に持っていきます。

残り3か月の優先順位

中央の一般選抜は2月8日から16日です。5学部共通選抜の出願締切は1月23日と中央で最も早く、共通テストの自己採点で志望を練り直している時期に来ます。出し忘れが最も起きる場所です。

  • 9〜10月 解くべき過去問を確定させ、最も古い年度を時間を計らずに1回解く。出題の意図もここで読みます。並行して、テーマ語彙(共通50語+志望学部の2〜3テーマ)と文法語法を回します。
  • 11〜12月 過去問には手を出さず、弱点をつぶす期間。長文の速度を1分あたりの語数で測って上げる。記述がある学部の人は、週1本ずつ書いて人に見てもらいます。
  • 1月 2年目の年度を本番と同じ時間で解き、素点を記録。月末は弱点補強ですが、1月23日の出願を必ず先に済ませてください。
  • 2月上旬 最新年度を本番と同じ時間で解く。最後の予行演習です。1週間前に解答用紙の形式(法・経済は記述用紙とマーク用紙の2枚併用)を確認し、時間配分を紙に書きます。

採点で一つ注意があります。中央大学は偏差点で得点調整をしていて、公表される合格最低点は偏差点と素点が混在します。偏差点の学部では自分の点と直接比べても意味がありません。比べるべきは過去の自分です。

手応えが出ない時期は誰にでもありますが、それが続いてつらいときは、学校の先生や保護者の方、専門の窓口に早めに相談してください。

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EIMEI予備校について

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二神大輝