本番で力が出せないのが心配なとき|崩れ方を4つに分けて、当日までに決めておける手順と段取り|川越のEIMEI予備校

この記事は、「模試ではそれなりに解けるのに、本番で崩れるのが心配」という高3生・既卒生と、その保護者の方に向けて書いています。川越校舎でも、秋以降の面談でいちばん多く出る相談の一つです。

先にお断りしておきます。この記事に書くのは「気持ちの持ち方」ではなく、「当日までに決めておけること」だけです。なぜそうなるのかという説明も、心の整え方も扱いません。扱うのは、試験時間の配り方、詰まったときの動き方、前日と当日の段取り、想定外が起きたときにどう動くか。どれも紙に書けて、模試や過去問で何度も通せる内容だけに絞ります。

本番で手が止まるとき、その場で判断しなければいけないことが多すぎる、という状態がよく起こります。どの大問から解くか、この問題をどこまで粘るか、残り時間で何をするか。これらを本番で考えると、考える時間そのものが答案を書く時間を削ります。だから、当日に判断しなくていいところまで、先に決めておきます。

崩れ方を4つに分けて、それぞれの手順を決める

「本番で崩れる」とひとまとめにすると、対策が作れません。ここでは4つに分けます。自分がどれに当たるかは、これまでの模試を思い出せば見当がつきます。複数当てはまる人は、いちばん回数が多かったものから1つだけ手順を作ってください。

①開始直後に、何をすればいいか分からなくなる

開始の指示が出てから最初の数分が空白になる場面です。ここは最初の3分の動作を固定することで埋められます。

  1. 冊子をめくって、大問の数と設問数を確認する(30秒)
  2. 大問ごとの終了時刻を、冊子の余白に書く(1分)
  3. あらかじめ決めておいた順番の1番目の大問を開く(残り)

大事なのは、この3つをその日に決めないことです。前から同じ順番でやっておくと、当日は手が先に動きます。「まず何をするか」を決めてある人は、開始直後に考える必要がありません。

②時間配分が崩れる

ここで効くのは、残り時間ではなく終了時刻で管理することです。「あと何分あるか」は、そのつど引き算が必要になります。開始前に大問ごとの終了時刻を書いてしまえば、時計を見た瞬間に、進んでいるか遅れているかだけが分かります。

  • 大問ごとに持ち時間を分単位で決める(例:大問1は12分)
  • 開始直後に、その終了時刻を余白に書く(例:10時12分)
  • 終了時刻を2分過ぎたら、途中でも次へ行くという基準を先に決めておく

③1問に詰まって戻れなくなる

「あと少しで解けそう」で粘ってしまう場面です。粘るかどうかを本番で判断しないために、見切りの基準戻る順番を先に決めます。

  1. 見切りの基準:手が止まって2分で方針が立たなければ、そこで離れる。時間ではなく「方針が立つか」で見ます
  2. 印を2種類だけ使う:あと一歩まで進んだ問題に△、手がかりがない問題に×。3種類以上にすると本番で迷います
  3. 戻る順番:全部の大問を通したあと、△だけを上から順に。×は、△が終わって時間が残っていれば

この「離れて、印をつけて、あとで戻る」を模試で何度も通しておくと、本番で決断の回数が減ります。

④前の科目を引きずる

1科目目でうまくいかず、そのまま次の科目に入ってしまう場面です。ここは休み時間の行動を決めておくことで扱えます。

  • 終わった科目の答え合わせをしない。答えを確かめても、その科目の点は変わりません
  • 周りの受験生や友人と、終わった問題の話をしないと先に決めておく
  • 次の科目について、休み時間に開くページを1つだけ決めて持っていく(公式の一覧1ページ、年号の1ページなど)
  • いったん席を立って、決めた場所まで行って戻るという動線を作っておく

試験時間の設計を、紙に書けるところまで具体的にする

時間配分は「気をつける」ではなく、数字で決めます。決め方は3つです。大問ごとの持ち時間、見切りの基準、最後の5分にやること。科目別に例を挙げます。試験時間や大問構成は大学・方式によって違うので、必ず自分が受ける試験の形に合わせて作り直してください。

例1:英語(長文中心・60分/大問5つ)

  • 最初の1分:大問数の確認と、終了時刻の書き込み
  • 語彙・文法の大問:合わせて10分。1問に30秒以上かけず、迷ったら△をつけて次へ
  • 長文3題:1題14分で切る。設問を先に見て、本文に戻る回数を減らす
  • 残り5分:マーク欄のずれの確認と、△のうちいちばん前にあるもの1問だけ

長文が最後まで届かないのが毎回の課題なら、配分より先に読む速さの問題かもしれません。その場合は英語が時間内に解き終わらないときの考え方で、1分あたり何語読む必要があるかを先に確かめてください。

例2:数学(60分/大問3つ)

  • 最初の2分:全部の大問に目を通して、解く順番を決める。難しそうな大問を後ろに回す
  • 大問1つあたり17分。小問(1)で詰まったら、(2)以降の設定だけ読んでから離れる
  • 見切りの基準:方針が立たないまま3分経ったら、そこで印をつけて次の大問へ
  • 残り5分:計算の途中で止まっている答案に、使った式と方針を1行書き足す

例3:国語(現代文2題・60分)

  • 最初の1分:設問数と記述の有無を確認して、終了時刻を書く
  • 1題25分。傍線部の設問は本文の順に処理し、全体を問う設問は最後に回す
  • 見切りの基準:選択肢を2つに絞った時点で決める。3周目は読まないと先に決めておく
  • 残り8分:記述の空欄を埋める。字数が足りない解答を優先する

現代文は回ごとに点が動きやすい科目です。配分を変えても上下が続くなら、原因が配分ではないこともあります。現代文の点数が回ごとにブレる原因の分け方も見てください。

最後の5分にやることを、先に1つ決めておく

ここを決めていない人が多いところです。残り5分で新しい問題に手を出すと、解答欄の確認が抜けます。最後の5分の動作は、次の順で固定してしまうのが安全です。

  1. 氏名・受験番号・解答用紙の面を確認する
  2. 解答欄のずれと、記号の記入漏れを上から確認する
  3. 空欄が残っていれば、書ける範囲で埋める
  4. それでも時間が余ったら、△の1問目に戻る

模試と過去問を「本番の練習」として使う

ここまで決めた手順は、決めただけでは当日出てきません。同じ手順を、同じ順番で何回も通しておくことが練習になります。

  1. 過去問や模試を解くときは、必ず時間を計り、終了時刻を余白に書くところから始める
  2. 解き終わったら、大問ごとに実際にかかった時間を記録する。次の配分は、この実測値で組み直す
  3. 落とした問題を4つに分ける:知らなかった/知っていたが使えなかった/時間切れ/書き間違いなどのミス
  4. 「時間切れ」と「ミス」に入った問題の数を、回ごとに並べる。ここが減っていれば、手順が身についてきています

4分類のうち、時間切れは配分の練習、ミスは最後の5分の手順で扱えます。知識と演習の話とは分けて数えてください。模試そのものの使い方は模試の使い方にまとめています。

もう一つ、決めごとの書き方です。「もし◯◯になったら、△△する」という一文の形で書いておくと、当日に判断せずに動けます。「もし大問2で3分手が止まったら、印をつけて大問3へ行く」「もし残り5分になったら、解答欄の確認を始める」。この形で3つだけ作って、模試のたびに同じ3つを使ってください。

想定外が起きたときの動きを、先に決めておく

本番では、練習と違うことが起こります。起こったときに考えると時間を失うので、ここも決めておきます。

  • 問題の形式が変わっていた:最初の1分で大問数と設問数を数え直し、その場で持ち時間を割り直す。総試験時間を大問数で割って、いったん均等に置く
  • 知らない分野が出た:その大問を後ろに回し、解ける大問を先に終わらせる。戻ってきたら、設問の中で分かる用語が入っているものから手をつける
  • 時計が見えにくい・置き場所がない:会場に着いたら最初に時計の位置を確認する。見えにくい席なら、腕時計を机上の許可された場所に置けるか、試験開始前に試験官へ確認する
  • 筆記具を落とした、消しゴムがない:予備を筆箱とは別の場所にも入れておく。足りなければ手を挙げて試験官に伝える
  • 体調が優れない:無理に続ける判断を自分でしないでください。手を挙げて試験官に申し出ることを、あらかじめ決めておいてください。会場には申し出るための手順があります

前日と当日の段取りは、時刻と持ち物と移動だけで決める

ここは考えることを減らす作業です。当日に迷う場面を、前日までに紙の上で片付けておきます。

前日にやること

  1. 会場までの経路を確定させる:乗る電車、乗り換え駅、最寄り駅から会場までの出口と道順。乗り換えを1回減らせる経路があるかも確認する
  2. 集合時刻から逆算して、家を出る時刻を決める:会場到着を集合時刻の30分前に置き、そこから移動時間と、遅れた場合の余裕(15分程度)を足して出発時刻を1つ決める
  3. 止まったときの代わりの経路を1つ書いておく:別路線、バス、タクシーで向かえる駅など
  4. 持ち物を全部かばんに入れて、前日のうちに閉める。当日に入れるものはゼロにしておく
  5. 大問ごとの持ち時間と、「もし〜なら〜する」の3つを書いたメモを、受験票と同じところに入れる

持ち物の一覧(受験する試験の要項で必ず確認してください)

  • 受験票、写真つきの身分証(必要な試験のみ)
  • 鉛筆またはシャープペンシル、予備を別の場所に、消しゴムを2つ
  • 鉛筆削り、時計(試験会場で使用が認められている形のもの)
  • 会場の地図と、前日に決めた経路・出発時刻を書いたメモ
  • 交通系の支払い手段と、現金を少し(経路が変わったときのため)
  • 上に着るもの、脱げるもの(室温が分からないため、調整できる形で)
  • 自分で決めた休み時間に開く1ページだけ。科目ごとに1枚まで

会場に着いてからやること

  1. 教室と自分の席を確認する。そのあと、トイレの場所と、休み時間に行く動線を確認する
  2. 席から時計が見えるかを確認する。見えなければ、開始前に試験官に確認する
  3. 試験開始前に、机の上に出すものだけを出して、かばんは決められた場所へ
  4. 開始を待つあいだは、決めておいた1ページだけを開く。新しい問題は解かない

休み時間にやること

  • 終わった科目の話をしない、答えを確かめない
  • 決めた動線で席を離れて戻る
  • 次の科目の、決めた1ページだけを開く
  • 次の科目の大問ごとの終了時刻を、メモで見直しておく

直前期の全体の流れと、いつ何を確認しておくかは12月から本番までの流れにまとめています。

保護者の方へ

当日までに保護者の方ができることは、移動と持ち物の確認にほぼ集中しています。ここは本人だけで抜けが出やすい部分で、手伝いの効果がはっきり出ます。

  • 経路と出発時刻を、本人が書いたメモを一緒に見て確認する。大人が別の目で見ると、乗り換えの抜けが見つかります
  • 止まったときの代わりの経路を、一緒に1つ決めておく
  • 持ち物を、上の一覧と受験票の注意事項で2人で読み合わせる
  • 複数日程を受けるときは、日付・会場・集合時刻の一覧を作って、家の見える場所に貼る

言葉のかけ方については、行動の話にとどめるのが安全です。「経路は決まった?」「持ち物は一緒に見る?」「何時に出る?」のように、確認できることを聞く。手応えや点数の予想、判定の話は、試験が全部終わってからで間に合います。保護者の方向けに、受験全体の流れは保護者向け 受験の流れにまとめました。

あわせて読みたい

川越で、当日の手順を一緒に決める

EIMEI予備校の1対1指導では、受ける試験の大問構成を確定させてから、大問ごとの持ち時間と見切りの基準、最後の5分の手順を紙に落とします。そのあと、過去問で同じ手順を何回も通して、大問ごとの実測時間を記録していきます。この記録は一人だと甘くなりがちなので、講師と一緒に見る価値があります。

川越校舎の自習室は朝7時から使えます。時間を計って1科目分を通す場所としても使ってください。なお、不安やつらさが続いて抜けないときは、勉強の設計の話だけで抱え込まず、学校の先生や保護者の方、専門の窓口にも相談してみてください。

EIMEI予備校について

EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

  • 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
  • ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
  • 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。

川越校舎の詳細・無料体験のお申し込みはこちら/ふじみ野・鶴瀬校舎のことは公式LINEからお問い合わせください。

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二神大輝