川越の高校生へ|英検の勉強と入試の英語は何が同じで何が違うか 重なる4つと、大学ごとの「種目」

こんにちは、EIMEI予備校の二神です。

この記事は、英検の対策を英語の勉強の中心に置いていて、「このまま入試の英語が解けるようになるのか」が不安な高2・高3生と、その保護者の方に向けて書いています。川越校舎の面談でいちばん多く出る質問のひとつが、これです。

実際に出る声を、そのまま書きます。「英検対策メインで英語をやっているので、英検が使えない大学の英語が解けるか不安です」「そもそも英検でハイスコアが取れるか分かりません」。どちらも、「英検を取ること」と「入試の英語で点を取ること」を1本の物差しで考えているうちは答えが出ません。EIMEI予備校が自作している大学別の入試対策読本・共通テスト英語の攻略読本・推薦入試対策読本で確認した出題形式をもとに、重なる部分と重ならない部分を分けて整理します。

1. まず「英検が効く入口」と「効かない入口」を分ける

英検は、級とCSEスコアという1本の尺度で測る試験です。一方、大学入試の英語は大学・学部・方式ごとに別の種目になっています。この非対称が、不安の正体です。

同じ大学の中で入口が分かれている例を2つ出します。

学習院大学。読本で確認したかぎり、外部資格利用に「加点」型はありません。コア試験でも共通テスト利用でも一切使えず、使えるのはプラス試験の2つだけです。理学部物理学科プラスは英語の筆記が免除され、数学・理科の2科目300点で判定。国際社会科学部プラスはスコアを最大150点に換算して国語・選択と合算し、350点満点で判定します。

その換算表(2026年度・国際社会科学部プラス)はこうなっています。

  • 150点=英検1級/CSE 2630
  • 140点=準1級/CSE 2540、130点=準1級/CSE 2304
  • 120点=2級/CSE 2260、100点=2級/CSE 1980

要項には「英検準1級合格かつCSEスコア2510点は130点に換算」という例が載っています。級に合格していても、CSEが2540に届かなければ140点にはなりません。「準1級を持っている」だけでは足りないということです。有効期限は取得後2年以内です。

中央大学。英語外部試験利用方式でのスコアの扱いは、学部で3通りに分かれます。

  • 法学部…この方式そのものがない
  • 商・文・理工系3学部…出願資格としてのみ使用。英語の個別試験は受けず、スコアの高低は合否に関係しない(配点0点)
  • 経済150点/国際情報150点/国際経営200点…スコアを得点に換算。英語の個別試験は受けない
  • 総合政策…英語の個別試験を受けたうえで、スコアを50点分加点(英語100+国語100+スコア50の250点)

つまり「英検が使えるか」は大学単位ではなく方式単位で決まります。学習院のコア試験、中央の法学部のように、同じ大学の中に「英検をいくら上げても1点にもならない入口」が並んでいます。使われ方は英検などの外部スコアを大学入試でどう使うか、取る時期は英検はいつまでに、どの水準で取るかにまとめています。

2. 重なる部分 ― 英検の勉強がそのまま効く4つ

英検の勉強は無駄になりません。重なる部分は、はっきり4つあります

語彙 ― 一番大きく重なる

英検のために語を増やした分は、そのまま入試で効きます。ただし効き方に癖があります。入試の長文で語は「レベル順」ではなくテーマの仲間と束になって出てきます。読本の分析でも、私大の頻出テーマは生成AIと仕事・教育、スマートフォンと注意、心理学の有名研究、気候変動の「対策と副作用」、食の世界史と食の未来といった帯に集まっていました。覚える順番をテーマ側に寄せるだけで、同じ暗記量の効きが変わります(英単語は「頻度順」より「テーマ順」)。

速く読む ― 共通テストとマーク型私大に直結

共通テスト英語は80分・8大問で、全問読解型。捨て問がありません。攻略読本の時間配分の目安は、前半4問を30分前後、第5〜6問に20分、第7〜8問に25分、残りを見直しです。私大のマーク型も同じ土俵で、東洋大学は60分の5大問で長文2本(各400〜700語)、武蔵大学は60分で大問5題、慶應義塾大学の総合政策・環境情報は約1,000語×3題を読ませます。英検で身についた処理速度は、ここで素直に点になります(英語長文が読めない4つの原因)。

要約する ― 実は記述型私大の主戦場

「読んだものを短くまとめる」力は、英検の勉強でも入試でも中心にあります。そして入試側では、字数指定つきの要約・説明が具体的な配点になっています。読本で確認できた実測値を並べます。

  • 明治大学 法学部…超長文2本の言い換え+50字要約記述
  • 明治学院大学 全学部日程…150〜180字の日本語要約(含めるべき3点の指定つき)
  • 青山学院大学 経営(個別)…和訳・英訳+150字の日本語論述
  • 専修大学 文学部E方式…日本語要約160字+英文メール返信
  • 成城大学 A方式系…30〜50字の日本語記述説明
  • 早稲田大学 教育学部C方式…180〜250字の日本語要約+英語論述/文・文化構想…自分の言葉での英文要約完成

書く ― 新課程の共通テストが「書く手前」まで来ている

共通テストの英語は、センター試験から発音・アクセント・文法四択(毎年10問)・語句整序・不要文指摘という「知識を単独で問う問題」が全廃されました。代わりに2025年度の新課程で大問が6問から8問になり、2つの新形式が加わっています。

  • 第4問 添削・推敲型…生徒の下書きに教師のコメントが付き、その指示に従って書き換える
  • 第8問 意見文アウトライン型…賛否5人の意見+資料2点を読み、自分の立場の意見文の骨組みを完成させる

攻略読本では、第4問のいちばん良い練習は自分の英作文の推敲だと書きました。英検のために書いた英文を1日置いて読み直し、接続語が適切か・結論が主張を言い直せているかを点検する習慣が、そのまま第4問の目になります。私大でも、早稲田法は資料分析+意見の英作文2題、慶應経済は「本文を引用し、反対意見に言及して書く」英語エッセー、明治学院は100〜150語の英語エッセー(具体例を挙げる指定つき)が必出です。

3. 重ならない部分 ― 大学ごとの「種目」

ここが不安の中身です。英検の勉強では一度も触らないのに、入試では配点になっている形式があります。読本の実測値で挙げます。

  • 下線部和訳…慶應義塾大学 文学部は辞書持込可で約2,000語1題の精読記述(和訳+字数指定の日本語説明)。中央大学 法学部は和訳・英訳・同綴り語記入で記述大問が3つ分あり、私大有数の記述型です。明治大学 理工学部、立教大学 文学部日程にも和訳記述があります。
  • 和文英訳・整序英作文…学習院大学は日程グループが違っても長文2本+短い対話文5題+和文英訳(1語ずつ記入)の4大問で固定。東洋大学は和文対応の整序英作文が毎回。武蔵大学は短文空所7問+整序3問。國學院大学は長文の中に整序(3番目と6番目を答える)を織り込みます。明治大学 政治経済学部は整序英作+語形記述です。
  • 内容一致の「作法」…学習院大学は「2つ選べ」で3つ以上マークすると無効。國學院大学は8択から2つ選ぶ形式。法政大学のT日程は2文の正誤組合せ判定。同じ「内容一致」という名前でも、失点の仕組みが違います。
  • 字数・語数の縛り…学習院大学の25字以内の和訳、青山学院大学 文学部英米文A方式の50語英作文、同 経済学部の会話文に基づく30語英作文。字数・語数は守れないと採点されません。
  • 設問文が英語・形式が独特…中央大学の総合政策・国際情報、東京理科大学の薬・創域理工は設問文まで英語。早稲田大学 人間科学部の前置詞補充(補充不要の選択肢あり)、成蹊大学 法A方式の発音・語彙定義の小問群も独特です。

そして比重の問題もあります。武蔵大学は語彙文法・会話・実用文が全体の約半分で、長文が読めるだけでは勝てません。逆に法政大学は全方式で全問マーク・記述も英作文もなく、東京理科大学も全学部・全方式マークのみです。「記述が要る大学」と「一切要らない大学」が、同じ併願リストの中に並びます。

4. 英検が使えない大学を併願に入れるとき、何をいつから足すか

手順は4つです。

  1. 方式を1行ずつ並べて、3色に塗り分ける。「英検で英語を受けない方式」「英検が加点になる方式」「英検が1点にもならない方式」。大学名ではなく方式名で書くのが要点です。中央大学なら商・文・理工系は1色目、総合政策は2色目、法学部は3色目になります。
  2. 3色目の方式を1つ選んで、過去問1年分の形式だけを書き出す。解かなくていいので、大問の並び・記述の有無・字数指定・設問文の言語だけを写します。ここで「自分に足りない種目」が名前で分かります。
  3. 足す種目を2つまでに絞る。和訳・整序・字数指定の要約・語彙文法の小問。だいたい2つに収まります。読本で見たかぎり、形式が年度を超えて固定されている大学(東洋大学、武蔵大学、國學院大学、学習院大学)は過去問の反復がそのまま対策になります
  4. 時期を決める。英検を一般選抜で使うなら、有効期限(学習院は取得後2年以内)から逆算して受験時期を先に固定し、スコアが確定した直後を「種目を足す時期」に充てます。年内入試で使うなら、総合型選抜の出願が9月1日以降なので高3の7月までに取り終え、そこから記述対策に切り替える形です。

倍率の確認も忘れないでください。中央大学の英語外部試験利用方式は、文学部の各専攻が募集1〜2名で倍率4.6〜17.2倍まで振れています。スコアを持っている人が全員ここに集まるからです。一方、理工系3学部は2.1〜4.6倍で、学部別選抜の一般方式(3.5〜5.7倍)より低い水準でした。ただし理工系は4技能すべてで基準を満たす必要があり、学科によって基準が違います。2技能だけのスコアでは出願できません。

制度そのものも動いています。中央大学は2027年度から商・文でスコアを合否判定に含める方向に変更し、商学部の英検の基準はCSE2.0で2,150以上から1,980以上に引き下げられます。学習院大学は2028年度に国際社会科学部の募集人員をコア80→70、プラス15→20、共通テスト利用5→10に変更する予告を出しています。スコア換算型の枠が広がる方向です。

5. 英検の勉強を「入試の英語」に変換する5つの練習

英語科として、面談でこの相談を受けたときに必ず入れている練習です。新しい教材は増やしません。英検のために読んだ英文・書いた英文を、入試の設問形式に置き直すだけです。

  1. 読んだ英文の1文に自分で下線を引き、和訳を書く。週2本で十分です。訳しにくい文を選ぶのがコツで、選べるようになると精読の目ができます。慶應文・中央法のような和訳記述は、この積み上げしか効きません。
  2. 同じ英文を、字数を決めて日本語に要約する。25字・50字・150字の3段階で書き分けます。25字は学習院、50字は明治法、150字は青学経営と明治学院の水準です。短い字数のほうが難しいので、50字が書けたら25字に削る順で練習します。
  3. 自分が書いた英文を、和文英訳・整序の素材に変える。書いた英文の日本語訳を作り、1日置いてから日本語だけを見て英語に戻します。学習院の1語ずつ記入も東洋の整序も、この「語順を再現する」作業と同じです。1日2問で足ります。
  4. 接続語を「和訳」ではなく「役割」で覚え直す。however=逆接、therefore=帰結、in addition=追加、for example=例示。共通テスト第4問の接続語問題は、空所の前後の文の関係だけで決まります。書くときにも同じ道具になります。
  5. 賛否のあるテーマで「賛/反/△+論点1語」のメモを作る。共通テスト第8問は、賛否5人の意見を1人30秒でこの形にメモすれば、共通論点の設問はメモ同士の照合で解けます。推薦入試で英語のスピーチやプレゼンが課される方式のテーマも、読本で確認できたものは「Diversity and Inclusion」「少子高齢化についての自分の意見」といった社会的な争点でした。日常会話の練習ではなく、争点を賛否両論で言える状態が求められています。なお読本で確認できた英語プレゼンの評価観点は内容・構成・話しぶり・英語力・流暢さと理解しやすさ・説得力の6つで、英語に直接関わるのは2つだけでした。

川越の高校生が、今日決めること

今日できるのは「併願校を方式名で書き出して3色に塗る」ところまでです。解く必要はないので、30分あれば終わります。

「英検の勉強をしてきたこと」は、入試の英語にとって土台です。足りないのは力ではなく、志望校の種目に合わせた置き直しだけ、というケースがほとんどです。自分の併願リストで何を足すべきか迷っているなら、リストを持ってきてください。

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EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

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二神大輝